ようやくポピパ3章のP受け取り分が終わりました・・・。平日はホントにまわる時間がないのでものすごい大変でした・・・。ストーリーもまだ見てないですし。どのバンドの3章もよかったので、楽しみです。
「まず、あたしが今まで考えてきた『楽しいことリスト』を紹介するわねっ。これでバンドをやりましょ!」
沢山の使用人の方たちに見送られて、俺たちは屋敷?に入っていった。現在はその中の一室である。・・・てかなんなんだよこの部屋。数ある部屋の一室のはずなのに、俺のアパートより広いんですけど。机すんげー長いし。何人座れるんだよ、これ。
「なになに?海の砂浜でお城を作る・・・・・・シロツメクサでかんむりをつくる・・・・・・流れ星を探しに山に登る・・・・・・」
「・・・・・・」
まだだ。まだツッコんではいけない。この後にちゃんとしたのがあるかもしれない。
「洗いたてのシーツの匂いを嗅ぐ・・・・・・お腹いっぱいお菓子を食べる・・・・・・ふふ、これは・・・・・・」
・・・やっぱりさっきの段階でツッコんだ方がよかったのだろうか?
「「すごくいい!!!」」
「え、どこが!?」
おっと。あまりの驚きにノータイムでツッコんでしまった。
「ふふん、そうでしょう?これで毎日、みんなで楽しく暮らすのよっ」
「え、ねぇ、どこがなの!?」
「・・・もう何言ってもダメだと思いますよ」
黒髪の少女が諦めを促してくる。
「・・・やっぱりそう思う?」
「はい。なんかもうあの3人だけの世界っぽいので」
そうなんだよなぁ。この子の言う通り、既にこころと北沢さんと瀬田さんの独特な空気感が作られている。あの空気感の前では一般人では呼吸することもままならないだろう。・・・彼女たちと同じ価値観をもった人間なら話は別だろうが。
「こ、こころちゃん・・・!どれもすごく楽しそうだけど、楽器を弾いて、歌を歌わないと音楽をしてることにはならないよ・・・?」
(マジか、花音ー!!)
なんと、花音があの独特な世界観に割って入ろうとしている。・・・素直に尊敬する。
「そうなの?どうしても音楽をしなければいけないの?」
「あっ、そうだった。バンドって音楽するんだったよ!・・・『おと』を『たのしむ』。う〜ん・・・よくわかんなくなってきちゃった」
「ど、どうしてもって・・・!だって、バンドだし・・・・・・うぅ・・・・・・」
どんどん尻すぼみになっていく花音。・・・いや、花音はよく頑張ったよ。あの3人に挑んだだけすごいと思う。俺なんか立ち向かうことすら諦めたんだから。そんな花音を隣にいる黒髪の少女も同情の面持ちで見ていたが、そんな花音に見かねたのか話しかける彼女。
「あの〜、昨日駅前で弦巻こころとドラム叩いてましたよね?なんでこんなことになってるんですか?あなたもギター弾いてましたし・・・」
「それが・・・よく分からないんです・・・。ドラムを売りに楽器店に行こうとしていたはずなんですけど、こころちゃんにバンドのメンバーだって言われて・・・」
一通り花音の言い分を聞き終えた彼女は今度はこちらに視線を移す。
「俺も同じ感じだな。散歩してたらこころに巻き込まれた、ってところ」
改めて語ると、とんでもない出来事だな。恐らく人生でこれっきりの経験だろう。
「2人とも災難すぎません・・・?それに、ドラム売ろうとしてたってことは辞めようと思ってたってことですよね?それなのにバンドに入れられたりなんかして・・・いいんですか?」
気遣わしげに花音を見つめる彼女。
「いいのか、悪いのかは分からないですけど・・・でも私、こんな自分を変えたくてドラムをやり始めたんです・・・でもやっぱり、って思って・・・」
そんなに悩んでたのか・・・。なのに、俺はいつも花音の優しさに甘えて・・・。
「けど、私に成功したらもっと楽しくなるよ、って言ってくれた人がいたんです。その言葉が私の気持ちを軽くしてくれたんだ。でも、結局裏切っちゃったんですけど・・・。それにこころちゃんも、勇気ならあたしがあげるわ、って・・・あなたが必要だ、って・・・」
(あの時の言葉か・・・)
いつかのお昼休みを思い出した。結果はいいものにはならなかったかもしれないが、あの言葉が少しでも花音の支えになってくれていたなら、すごく嬉しい。
「前半はいい話っぽかったですけど・・・後半にいたっては、端的に言うと拉致されて無理矢理バンドに加入させられてますよ」
・・・そうなんだよなぁ。花音がハッキリと断れずにいたので、結局こころのバンドに加入することになっている。・・・まあでも、嫌そうではないし本人がそれでいいと思ってるならいいんだろう。花音がどういう選択をしたとしても俺は今度こそ、花音の力になればいい。
「や、やっぱり・・・そうなっちゃうんでしょうか・・・!」
「まあ、そうなるだろうな」
素晴らしい?状況判断能力を披露した彼女はなにやら考え込んでいる。・・・真剣そうだし、そっとしといた方がいいか。
「はっ!そうだわ!!バンドで、音を楽しむのよ!!はぐみ、あなた天才ねっ!」
いつの間にやら話がまとまったのか、こころが急に大声をあげる。
「えっ、本当?はぐみ、バンドの才能あるかな?」
(それはまた別問題のような気が・・・)
「なるほど・・・。では、みんなで音を楽しむ旅に出るとしよう」
(もう、ホントにこの人たちの話わけ分かんないよ・・・)
あいかわらずの会話が繰り広げられており、正直頭を抱えたい気持ちだ。
「薫も最高ね!!それじゃあ、みんなで音楽をするわよ!!」
「いや、音楽をするって──────────」
「せ〜〜〜のっ!!!」
こころに訊き返そうとしたところで、遮られる。
「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」
「・・・って、何をすればいいのかしら?」
「いや、楽器持ってないだろ!!」
「いや、楽器持ってないじゃん!!」
黒髪少女とツッコミをいれるタイミングが重なる。
「てか、まずはそこからじゃ・・・」
「だって、あたしはバンドで楽しいことがしたいのよ?楽しいことをしなければ始まらないじゃない!」
「じゃあ、その・・・楽しいことを?考えればいいんじゃないんですか?」
おお・・・黒髪少女がこころと会話しようと頑張っている・・・。
「それが毎日、いつでも考えているからすぐには出てこない時もあるのよ。楽しいことって結構大変なんだからっ」
「はぁ・・・よく分かんないけど、なんでそんな結構大変なことやってんの?」
「決まってるじゃない!『世界を笑顔に』したいからよ!!そう、あたしはこのバンドで『世界を笑顔に』したいの!!」
本気で言ってるんだよな、これ。でも、そんな大げさな野望もこころだから笑わないで聞いていられる。こころだったら、やってくれるんじゃないかって思える。こころの笑顔にはそれだけの力があると俺は信じている。花音も同じ考えのようなのか、こころに優しい眼差しを送っていた。
「「世界を・・・」」
「・・・笑顔に?」
「そうよ。あたしは何より人の笑顔がだーーーいすきなのっ!だから、世界を笑顔にして溢れさせるの!」
「いや、そんなことできるわけ・・・」
こころの壮大な野望に当然の反応を見せる黒髪少女。そんな彼女に心底不思議そうな表情でこころは問いかける。
「なんで、できないって思うの?むしろ、なんでできないの?笑顔になりたくない人がこの世界のどこにいるの?みんな笑って楽しいのが最高でしょっ。楽しくなりたくない人なんているはずないわ!だから、このバンドで世界中をまわって笑顔でいーーーっぱいにするわ!!!」
そのこころの考えに、黒髪少女の整った顔は驚きに満ち溢れていた。
「感動したよ、こころ・・・。人は・・・一つの役を演じ続けることなどないと思っていたが、君たちを守る騎士ならば喜んで引き受けよう」
(あいかわらず、瀬田さんは何言ってるか分かんないんだよなぁ・・・)
こころのいい話の後だけに、残念感が否めない。
「すごい・・・。はぐみも、すっごくいいと思う・・・。あのね、はぐみソフトボールとかいろんなスポーツをやってるんだけど、負けて泣いちゃう人とか沢山見てきたんだ・・・。それを見ると、はぐみも泣きたくなってきちゃって・・・。だから、『世界を笑顔に』賛成!!はぐみ頑張るよ!!」
確かにスポーツは多くが勝ち負けを決めるものだ。そして、多くの敗者が悔し涙を流すものだろう。そんな人たちすらも笑顔にしたい、と思う北沢さんはすごくいい子なんだろう。・・・やっぱり、こころの見る目は間違ってなかったってことか。
「花音さん・・・だっけ。あなたはどうするんですか?」
まだ自身の立ち位置すらもハッキリしていない花音に、黒髪少女は問う。
「わ、私は・・・」
「う〜ん!それじゃあ、いくわよ!世界をーーーっ!!」
「笑顔に!!」「笑顔にーーーっ!」
合言葉のように叫んでいる3人を見やりながら、花音は少女に答える。
「確かに・・・現実的じゃない、ですけど・・・もし、本当にそんなことが可能なら・・・素敵だな、って思います・・・」
「・・・あなたはどうなんですか?」
「俺はこころなら叶えられると思うよ。・・・いや、こころが選んだみんながいれば、かな。確証があるわけじゃないけど、そんな予感がしてるんだ」
そう答えると、神妙な面持ちをしていた彼女が突然我に返った様子で、
「・・・・・・はっ!あたしバンドに入るのを断りに来たのに、何この空気感に飲み込まれてるんだ!?」
(まあ、このメンツの空気感独特だしなぁ。否応なしに巻き込まれるっていうか・・・)
そんな少女の発言に、花音は驚く。
「えっ・・・そうだったんですか?私たちと一緒にバンド・・・やってくれないんですか?」
花音にそう告げられた少女は、すごく気まずそうな顔をしている。そんなやりとりをしていると、少し離れた場所にいたこころが大きな声で復唱を促す。
「ほら、そこの3人も!世界をーーーっ!!」
「「「え、笑顔・・・に?」」」
(というか、俺メンバーじゃないんですけど・・・ちゃんと、話覚えてくれてるよね?大丈夫だよね?)
不安が拭えなかったが、こころを信じよう。
「その調子よ!!それじゃあ、『着ぐるみの人』もミッシェル代理としてこれからよろしくね!!」
そう伝えられた彼女のしまった、という表情は印象的だった。
ペースが分かんなくなったとともに、書き方も怪しくなってきたぞ・・・。期間が空くとこういうことが起きるんですよね。まあ、こんなもんだろ、って思いながら読んでいただけると助かります。
それでは、次回までしばしお待ちを。