Roseliaの映画始まりましたけど、観にいきたい・・・!でも、コロナ怖いしなぁ、と思う今日この頃です。他にも観たい映画あるし、葛藤の日々です。
あのミッシェル顔だけ奥沢さん事件から、数日が経過した。花音も頑張ってあの3人に奥沢さんがミッシェルであると、説明していたが理解は得られなかった。奥沢さん自身も最終的には諦めていた。そんなハロハピはなんと今日、『CiRCLE』でライブを行う。残念ながら俺はまりなさんにお願いされライブ開催のお手伝いをしなければならないので、客席から彼女らのライブを観ることはできないが、舞台袖から観ることはできると思うのでその瞬間を心待ちにしながら、業務に励んでいる。
(楽屋の方も出演者で埋まってきたな・・・)
すでに控え室には数バンドがライブのための準備を整えていた。しかしその中には未だハロハピのメンバーの姿はない。出番までまだ数時間はあるので大丈夫だとは思うが、少し心配になる。そんな折、控え室の扉が開かれる。
「ここで待っていればいいのね!」
「あー、ほらほら。他の人の迷惑になるから騒がない」
「わっ!もう用意してる人がいる・・・」
「ふふ、もう少しで私の華麗なテクニックを子猫ちゃんたちに披露できる・・・!」
「ふ、ふぇぇ・・・」
(なんて騒がしい連中なんだ・・・)
思わずそんなことを思ってしまう。気になったのかそっちの方を見ているバンドもいた。ただ、他のバンドも似たり寄ったりな部分があった。やれセットリストが違うだの、ギターの弦が切れただの・・・なんとも騒がしい控え室内だった。
「あら、あなた良哉じゃない?こんなところで何をしているの?」
「バイトだよ、バイト。今日はライブするって聞いてたから、その手伝いなんだ」
「なるほど・・・」
奥沢さんが納得したようなニュアンスで相槌をうつ。
「ね、ねぇ、良哉くん?」
「ん?」
「そ、その・・・わ、私、人前でドラムしたことなくて・・・緊張しないで上手く叩ける方法とかないかな・・・?」
「難しい質問だなぁ・・・。まあでも、緊張は必要なものだと思うよ」
「ほ、ホントに・・・?」
疑るような声音で花音が問うてくる。
「ホントだよ。緊張がないと、どこか軽い音に聴こえてしまう、俺はそう思ってる。緊張しているからこそ、想いをのせた音を出せるってね」
「そ、そうなんだ・・・」
自分なりの考えを述べると、驚きながらも納得してくれた花音。すると、今度ははぐみの方で声があがる。
「はぐみもベースの弦・・・っ。ていうか、もうすぐ本番なのにミッシェルいないよ?大丈夫なのっ?」
それを聞いた奥沢さんは笑顔だったが、戸惑いの声音を宿らせて答える。
「・・・うん。何回も言ってるけど、ミッシェルはあたしだよ?あと、本番までは2時間くらいあるから大丈夫だよ」
「ねぇ、着ぐるみの人っ。ミッシェルちゃんと来るよねっ?」
名前は伝えているはずなのに、未だ着ぐるみの人呼ばわりの奥沢さんが不憫で仕方ない。
(それにしても、あいかわらず面倒見がいいと言うか・・・)
しかし、そんなはぐみを見つめる奥沢さんの瞳には心配の色が映っているような気がした。おそらく、緊張しているはぐみを気にかけているのだろう。なんだかんだ言いながら、メンバーのことをしっかり気にかけているのが彼女らしいと思った。
「みんな。もし緊張しているなら、本番前に私が必ず行っている儀式を一緒にどうかな?」
緊張したほぐそうと思ったのか薫がそんな提案をしてくる。だが、何となく引っかかるものがあったので聞き返すことにした。
「「「ぎ、儀式・・・?」」」
花音とはぐみも同じく気になったのか、声を揃えていた。
「ああ、いいかい?まず、こうして鼻の穴を膨らませ────────」
(・・・ん?)
なにやら不穏な空気が漂ってきたような気がする。
「──────────次にがに股で背筋を伸ばし腹式呼吸を・・・」
「待て待て待て!!なんなんだそれは!?普段の薫とギャップがありすぎてぶっちゃけ気持ち悪いぞ・・・」
「ちょちょちょストーーーップ!!それ絶対見せちゃダメなやつだから!自分のキャラ分かってる!?」
あまりの発言にツッコミが重なってしまう奥沢さんと俺。絶対ダメでしょ、今のは。薫がやるとなおさら気持ち悪く感じてしまう。しかし、それと同時に薫の優しさもしっかりと感じ取っていた。それは奥沢さんも同じようで、
「・・・はぁ。みんなが緊張してるのは分かったよ。ミッシェルいないと落ち着かないんでしょ?本番前でいっか、って思ってたけど『今着替える』から!・・・すみません!」
と黒服の人たちを呼び出す。ミッシェルを持ってきてもらうのだろう。・・・ここまでやってるのに、なんで奥沢さんがミッシェルって分からないんだろうなぁ。
「み、みんなお待たせ〜。ミッシェルだよ〜。は、はぐみちゃ〜ん、元気だして〜!」
・・・酷い棒読みだ。まあ、普段の彼女のイメージとはかけ離れているから仕方ないのだろうが。
「ミ、ミッシェルだ・・・!」
いいのか、あれで。
「やっと来たわね、ミッシェル!これでハロー、ハッピーワールド!全員集合ね!」
本当は最初から集合しているのだが、いかんせん花音以外のメンバーは奥沢さんがミッシェルだと知らない。・・・また今度、コーヒーでも買ってあげよう。そんなふうに、奥沢さんに同情していると周りから、突如現れたクマの着ぐるみに対する困惑の声が聞こえてくる。
(まあ、そりゃそうなるよなぁ・・・)
当然の疑問や戸惑いだろうと、思わず納得してしまう。
「来てくれてありがとうっ。やっぱり、ミッシェルがいないと始まらないよ!ねぇ、モフモフしていい?」
「い、いいよ、はぐみちゃん!ハッピー!ラッキー!スマイル!イエーイ!だよ!」
・・・なぜか涙が出てきそうだった。
「わーいっ!モフモフ!モフモフ!ハッピー!ラッキー!スマイル!イエーイ!・・・うんっ、元気でてきたよ!」
マジか。ミッシェルすげぇな。周りからはコント扱いされているが・・・。
「それじゃあ、いくわよ!ハロー、ハッピーワールド!初ライブ!せーのっ!」
「「「「「ハッピー!ラッキー!スマイル!イエーイ!」」」」」
こころの音頭で、みんなの声が揃う。
もはやこの掛け声が聞き慣れつつあるな、と思ってしまった。
そしてとうとう本番が幕をあげる。
「みんな、元気ー?あたしたち、ハロー、ハッピーワールドよ!みんな、笑顔になる準備はいいかしらっ?それじゃあ、いくわよー!」
そう告げると音楽とともに、こころが客席へダイブする。
(うぇぇぇ!?それダメだって本番前に説明したのに!!)
案の定、観客からも驚きの声があがっている。止めに入ろうとするが、それより先にミッシェルがこころを舞台上へ連れ戻してくれる。・・・はあ、よかった。
(にしても・・・)
いろいろハチャメチャなライブだ。ミッシェルはこころの下敷きにされてるし、あいかわらず薫は1人でわけの分かんないこと言ってるし、はぐみもはぐみで根性、根性言ってるし・・・。各々が好き勝手していたが、それでも観客からは笑顔が溢れていた。
(これがハロハピの・・・こころたちのライブなのか・・・)
一見、メチャクチャに見えるようなライブもこころたちが演ることで味のあるライブになっていた。こういうライブもあるんだな、と思わされたライブだった。
今回もちょっと短めですが、お許しいただけると嬉しいです・・・。
それでは、次回までしばしお待ちを。