転校生とバンド少女たち   作:なぁくどはる

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どうも、なぁくどはるです。
GW連続カバー曲追加は激アツでしたね。私が好きな曲も入っていたので、小躍りしながら待ちわびてます。


不敵な笑みの意味は

 

 

こころたちがあかりちゃんのところへ通い始めてから、ひと月が経とうとしていた。しかし、いまだあかりちゃんは歩くことはおろか、笑うことさえしてくれないという。それでもこころたちは諦めるつもりはさらさらないようだ。実にらしいと思う。花音もあかりちゃんは1人じゃないって分かってもらうまで頑張りたい、と言っていた。出会った当初は自信なさげな印象だったが、今ではまるで違う。誰かのためになるように、一生懸命になっている。いい方へ向かってくれればいいのだが・・・。

 

「どうしたの?」

窓の外をボーッと眺めていると隣に座る千聖が声をかけてくる。現在は4人で『羽沢珈琲店』にお邪魔していた。

 

「・・・いや、花音ホント変わったなぁって思ってさ」

「そうね・・・。きっとあなたのおかげよ」

「え?」

「・・・・・・本当に鈍いわね」

「え、なんで急にそんなひどいこと言うの!?」

「だって、本当のことだもの」

そう言って、ふふふと笑う千聖。千聖も出逢った頃に比べたらかなり自然体な表情を見せてくれるようになったと思う。・・・俺の勘違いじゃなければ、だが。

 

「それにしても・・・」

そう言いながら、向かいの席へ目線を移す。そこには不機嫌な様子の紗夜とリサがいた。

 

「随分白鷺さんと親しげのようですね?良哉くん・・・」

「アタシもちょーっとそのあたりのこと訊きたいカナ〜?」

(なんでこんなことに・・・)

ほんの30分ほど前まではいたって平和だったのだ。しかし何がどうなってしまったのか、こんな状況になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころたちがあかりちゃんのもとへ足繁く通っていたある日の放課後。その日は特に予定もなかったので、真っ直ぐ帰ろうと思っていたのだが・・・

 

「ねぇ、良哉」

さあ、帰るぞと荷物を持とうとしたところで千聖に話しかけられる。

 

「ん?」

荷物を肩に担ぎながら返事をする。

 

「私、今日はお休みなの。よかったら、デートでもしない?」

「ん、デートな。オッケー。どこ行くんだ?」

「そうね・・・・・・羽沢珈琲店なんかどうかしら?」

「りょーかい。んじゃ、いく・・・か・・・」

「──────────?どうかしたの?」

「・・・今、なんて言った?」

「羽沢珈琲店と言ったけれど・・・」

「違う違う。その前」

心臓がやたらバクバクいっている。

 

「デートのお誘いをしたわね」

「え、なんでそんな平然としてんの?俺がおかしいの?」

「何を言っているのかしら。ドキドキしたに決まっているじゃない。その・・・・・・男の子をデートに誘うなんて・・・初めて、だったんだもの・・・」

え、やばい。なんだこれ。心臓の鼓動止まんないぞ。心臓発作でも起きてんじゃないのか、これ。

 

「・・・・・・疑問は解決したかしら?」

「え、あ、うん」

「それじゃ、いきましょう♪」

 

あ、しまった。テンパってうん、って言っちゃったよ。

 

 


 

 

そんなこんなでやってきた羽沢珈琲店。道中、いろいろ大丈夫なのかと訊いたら、

 

「もしスキャンダルにでもしよう記者がいたなら、キチンとお話するから大丈夫よ」

と言われた。・・・めっちゃいい笑顔だったんだけど、なんか寒気感じたし。さすが女優。すげぇ演技力。こんなことで知りたくなかったけど・・・。

そして、つぐみに案内され席へつく。あのつぐみがツグった(モカ命名)事件から会ったときは必ず頑張りすぎてないか確認するようにしている。今回もしっかり事情聴取を行い、結果はセーフであった。・・・グレーゾーン手前ぐらいだったが。

 

「つぐみちゃんと随分仲がいいのね」

なにやらご機嫌ナナメのようだ。店に入るまでは鼻歌とか歌ってたんだけどなぁ・・・。

 

「まあ、よくAfterglowの練習に立ち会ったりするし」

「へぇ・・・」

・・・この店なんか冷房ききすぎじゃない?まだ春だしそんな温度下げなくてもいいと思うよ?

そんな馬鹿らしい現実逃避をしてしまうほど、ヤバいプレッシャーだった。

 

「・・・・・・・・・・・・私も練習見てもらう回数増やしてもらおうかしら」

千聖が何かを呟いていたような気がしたが、店の喧騒にかき消され上手く聞き取れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、つぐみに注文をとってもらい現在は頼んだスイーツとコーヒーに舌づつみをうっていた。

 

「ここのコーヒーは相変わらず美味い」

「ええ、本当に・・・。普段は紅茶を嗜むことが多くてコーヒーはあまり飲まないのだけど、ここのコーヒーならまた飲みたいって思えるわ」

2人して羽沢珈琲店のコーヒーを大絶賛していると、入店のベルが店内に鳴り響く。

 

「いらっしゃいませ!・・・あれ、リサさん?」

「やっほー☆いやー、ここのスイーツは参考になるからさ。席、空いてる?」

「うーん、すみません・・・。もういっぱいになっちゃって・・・」

「あちゃー・・・それじゃあ、また今度に──────────」

「あ、でも相席でよかったら大丈夫ですよ!」

・・・なにやら嫌な予感が。

 

「うーん、相席かぁ・・・。どうしよっか、紗夜?」

「私は構いません」

(紗夜までいるのかよ!!)

まずいまずいまずい。見つかると絶対厄介なことになる。ここは息を潜めて・・・

 

「・・・何をしているの、あなた」

「今は何も訊かないでくれ。それですべてが丸く──────────」

「あっ!・・・ねぇ、つぐみ、あの席に座らせてもらってもいい?」

そう言い何かに気がついたリサが指さす先は俺と千聖の4人席だった。

 

(終わった・・・)

そして、あの状況に戻る。千聖が2人は揃って向かい側に座ってもらった方がいい、とこちら側に移ってきた形だがこの状態になるのにも一悶着あった。・・・なんでこの人たちこんなバチバチしてるの?千聖と紗夜なんて同じ学校だし、なんなら紗夜とリサは一緒のバンドじゃん。

お願い、助けてつぐみ!!一縷の望みを託し、つぐみに助けを求めるべく彼女の方に目線を向けるが苦笑されてしまう。・・・神は死んだ。

 

「で、どうして白鷺さんと良哉くんが『2人で』お茶を楽しんでいたのですか?」

めっちゃ2人強調すんじゃん・・・。

 

「そうだね〜。アタシもそこが訊きたいな〜」

めっちゃニコニコしてるけど、目だけ笑ってないんだよなぁ・・・。

 

「あら、答えはシンプルよ。デートをしていたの」

(おいぃぃぃぃぃ!!!)

「・・・デート、ですか」

「ふぅーん・・・」

めっちゃ怖い。目だけで人殺せるんじゃないの?

 

「・・・・・・もっと言い方なかったのかよ!!」

「・・・・・・何か間違ったこと言ったかしら?」

「・・・・・・いや、何も間違ってないんだけどさぁ」

でも、確実に火に油だよなぁ・・・。

 

「それは本当なのですか、良哉くん」

嘘は許さないと目が語っている。それはリサも同様だ。

 

「いや、まあ・・・はい・・・」

「そうですか・・・」

「・・・ホントなんだ」

帰りたい。今すぐに。これならこころに巻き込まれている方がよほどマシだ。(失礼)

 

「というわけで、私たちはこのあたりで失礼しましょうか」

「「──────────!?」」

「え、あ、いやでも・・・」

「い・く・わ・よ?」

「・・・はい」

男としては情けない限りだが、力なく頷くしかなかった。そうして2人してお会計をしようと、伝票をレジに持っていこうとしたのだが・・・

 

「待ちなさい!」「待って!」

紗夜とリサに呼び止められる。

 

「・・・どうしたの、2人とも?」

「あ、いえ、その・・・」

「その・・・2人って付き合ってるの?」

紗夜は引き留めたはいいが、何を言うかは決めていなかったようだ。リサからはとんでもない質問が飛び出した。

 

「は!?いやいや、千聖みたいな美人と俺が釣り合うわけ──────」

千聖のためにも否定しようとしたが、その当人に口を塞がれてしまう。

 

「んー!んーん!!」

まるっきり何を言っているか分からなかった。

 

そして、千聖が不敵な笑みを浮かべながら2人に告げる。

 

「それは・・・どうかしらね?」

 




まったく関係ない話を挟んでしまった・・・。いやでも、あかりちゃんの問題に良哉くんを絡ませる気は今のところないんです・・・!しても間接的な支援だけみたいな、のをイメージしてます。だって、ハロハピはこころがいれば大丈夫なんだもの・・・。

それでは、次回までしばしお待ちを。
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