そういえば、紗夜さんのことを書いてて、ふと思い出しましたけど、ガルパ4周年は紗夜さんも出てきますね。特訓前のイラストも特訓後のイラストもエモかった・・・!是が非でも当てたいと思う今日この頃です。
と、個人的な話はここまでにして、続きを書いたので頭空っぽにしてご覧ください。
「うん、俺でよければ聞くよ。氷川さんの話」
「・・・ありがとうございます」
そう言って微笑む彼女の顔は、きちんと笑えていなかった。
「・・・実は、私には双子の妹がいます」
氷川さんが実は双子だったことに内心驚きつつも、首肯して続きを促す。
「妹はいわゆる『天才』と呼ばれる部類の人間です。1度見たことや聞いたことはすぐに成しえます。・・・私と違って」
内心、そんな人間が本当にいるのか、とどこか遠い世界のことのように感じながら、自虐する氷川さんに目をやる。
「小さい頃から妹はなんでもできて、私もある程度のことはできましたが、一定のことになると時間をかけたり工夫をしないとできないことが多かったように思います。さらに、できることが増えてくる年齢になると私と妹の間にある差がより広がり始めます。テストの点数から始まり、運動にいたるまで、ほぼすべてのことにおいて私は妹に先んじられる状況が続きました。」
今の話と学園での氷川さんとのやり取りやさっきのギターの演奏から察するに、氷川さんはいわゆる『秀才』タイプ、妹さんは『天才』タイプってことか・・・。妹さんが時間をかけずにできることを氷川さんはそれなりの時間を要すればできるようになるし、その逆も然りってことか・・・ただ、妹さんは氷川さんよりも短い時間で物事を成せる。確かにそりゃキツイな・・・
「ただ妹が私よりも優秀なだけならば、私もここまでにはならなかったのかもしれません。」
「・・・というと?」
「・・・妹は私が始めたものはひとつを残して、悉く真似をして、そして私より秀でた成績を残しました。そして、その度に私は妹と比較されてきました。周りからは、なぜ妹の日菜ちゃんにできることが姉のあなたにできないの?と言われ続けてきました。幸い、父と母はずっと、紗夜が頑張ってることを知ってる、だから気にしなくていい、と言ってくれていたのですが・・・」
俺は愕然とした。氷川さんはずっとそうやって妹さんと比較されてきたって?一体どれだけしんどいことだったんだろう・・・。少なくとも俺には想像もできない。
「そしてそんな日が続いたある時、私は感情を抑えきれなくなったんです・・・」
そう、あの日は父も母も仕事で家を空けていた。私がいつも通り部屋で勉強をしていた時のことだった。
「おねーちゃーん!!!」
「はぁ・・・日菜、いつもノックをしてと言っているでしょう?」
「ご、ごめんね、おねーちゃん・・・」
「・・・で、一体どうしたのよ」
この頃にはもう私は日菜のことをよく思ってはいなかったように思う。だからなのか、少し態度が刺々しくなってしまうことが多かった。
「あ、あの・・・その・・・リ、リビングで一緒にテレビ観ない?」
いつもはハッキリものを言う日菜の歯切れが悪いことに胸の辺りがチクッとしたような気がしたが、気のせいだと思い、
「見て分からない?今は勉強の時間なの。邪魔しないでちょうだい」
いつもならそう言うと引き下がるのだが、その日はなにかが違った。
「で、でも、犬の番組だよ?それも大きいやつ!おねーちゃん、大きい犬好きでしょ?だから・・・どうかなーって・・・思ったんだけど・・・」
「何度も同じことを言わせないでちょうだい」
再びキッパリと断るが、
「お、おねーちゃん成績いいんだし少しくらい勉強しなくてもだいじょ──────」
「ふざけないで!!!!!」
もう我慢の限界だった。そんなこと言われたら、私ももう止まれない。
「─────っ!お、おねー・・・ちゃん・・・?」
「なぜ私がこんなに勉強しているか分かる?なぜ私があなたに冷たい態度をとっているか分かる?分からないでしょうね、あなたはそういう子だもの」
「よ、よくわかんないけど、ご、ごめんね、おねーちゃん・・・」
(よく分からない・・・?ここまで言っても・・・?)
この時、私の中でなにかが壊れたような気がした。
「─────ッ!いい加減にして!!!もうたくさんだわ!!!あなたの顔を見るのも、あなたに謝られるのも!!!!!出て行ってちょうだい!!!!!」
そう叫び、戸惑う日菜を部屋から追い出し、閉じられたドアに背を預けそのままズルズルと腰を落として座り込む。そして、両目から溢れ出た雫を誰にも見られないように両手で顔を覆った。
「そんなことが・・・」
「・・・以来、妹・・・日菜とは顔こそ合わせはしますが、本当に必要最低限の関わりしか持たなくなりました・・・」
全てを語り終えた氷川さんは、自嘲気味に整った顔を歪めながら言った。
「これが私なんです。なんでもできる妹とは違って、こんなちっぽけな私に『自分の音』なんて・・・」
「────────────あるよ」
「え・・・?」
「あるよ、絶対に。氷川さんに限った話じゃない。音楽に関わっている人になら全員に『自分の音』はあるんだ」
「・・・神崎さんはお優しいですね。ですが、お世辞は結構です。そんなものいただいても─────────」
断言しても、いまだ認めようとしない氷川さんに俺は告げる。
「あるんだよ、本当に。ただ見えなくなってるだけなんだ。今は妹さんのことで手一杯かもしれない。でも、いつか氷川さんが妹さんとのことに折り合いをつけられるようになって、身軽になったら自分のことを顧みてごらん。『氷川さんの音』は必ず見つかるよ。・・・ただもし、妹さんのことや他のことでもいい。どうしようもなく辛くなったり迷ったりしたら、その時は必ず俺が氷川さんの力になるよ。約束する」
「──────!か、神崎さん・・・!」
俺の名を呼ぶ彼女の顔には涙が流れていたが、とても綺麗に微笑っていた。
良哉くんかっくいー!!!!!自分で書いてて私が女の子だったら惚れるだろうなぁと思いました。
さあ、この序盤にして紗夜さんの奥底に迫るという無計画さ。この後どうすんだよマジで・・・。衝動書きはやっぱりよくないな、と思う今日この頃でした。
とりあえず、『なるようになる』のスタンスで突き進んでいきたいと思います。
それでは、次回までしばしお待ちを。