それでは、続きをどうぞ。
スーパーにたどり着いた俺は、扉をくぐり店内に足を踏み入れる。
(へぇ・・・結構いろんなものが置いてあるんだなぁ・・・)
辺りを見回すと、食品はもちろん、日用品やペットフードに至るまで数多くの商品が陳列されていた。とりあえず一通り見てみよう、と決めて入口置いてあったカゴを持ち歩き出す。
(野菜に生もの、お肉や惣菜・・・。いろいろあって迷うなぁ)
贅沢な悩みだな、と思いながら商品を横目に足を進めていった。
(・・・よし、炒飯にしよう。さすがに餃子とかは手がかかるから今日は諦めて・・・他は、中華スープにでもしようか)
一通り店内を見て回った俺は、本日の献立を決めた。よし、まずは────────
(うーん、どっちにしよう・・・)
あの後、材料を選んでいき次はお肉にしよう、と思いお肉が置いてあるコーナーにやってきたのはいいのだが、炒飯に使うお肉で迷っていた。
こっちのお肉もいいし、いやいやあっちのも・・・と葛藤していると、ふと背後から声をかけられる。
「うーん、アタシはこっちのお肉の方がいいと思うな〜」
「え、ホントに?・・・よし、じゃあこっちのお肉に────────」
いや、ちょっと待て。俺は1人で買い物に来ていたはずだ。じゃあ今のは・・・?と思い、背後を振り返ると灰色の制服に青色のスカート、同色のネクタイに身を包み、耳元にはウサギかなにかのイヤリングを装着しているいかにもギャルっぽい茶髪の少女が立っていた。
「えーっと・・・どちらさまで?」
恐る恐る問いかけると、彼女は答えてくれた。
「あー・・・ごめんごめん。なんか悩んでるみたいだったからさ、つい。アタシは、今井リサ。よろしくね☆」
ウインクしながら、自己紹介してくれる今井さん。
「えーと、神崎良哉です・・・。よ、よろしくお願いします?」
あまりの急展開に正直頭がついていかなかった。
「アハハ!なんで疑問形なの〜?」
「え、あ、いや、その、まだ現状を飲み込めていないというか・・・」
なんだなんだ、このコミュ力にあふれたギャルっぽい人は!?ついていけてない俺がおかしいのか!?
「そっかそっか。そうだよね、見ず知らずのアタシが急に声をかけちゃったわけだし。ホントごめんね。」
「あ、いや、少し驚いただけですし、謝ってもらうほどのことでもないので大丈夫ですよ」
そう伝えると、今井さんはすこし目を見開き、
「・・・アリガト。神崎くんって優しいんだね☆」
「い、いや、そこまでのことじゃ・・・。それより、今井さんはなんでこっちの方のお肉がいいと思ったんですか?」
褒められて悪い気はしないが、くすぐったく感じてしまって強引に話題を変える。今井さんはそんな俺の気を知ってか知らずかは分からないが、少し可笑しそうに笑いながら、強引な話題転換にのってくれた。
「うーん、実はアタシ料理とか結構するんだ。だから普段から買い物とかよくするんだケド・・・まあ、しいて言うなら、勘ってやつかな☆」
「か、勘ですか・・・」
まさかの返答に驚いて、呆然としてしまう。
「あ、もちろん、神崎くんがいいと思ったのが別の方だったらそっちを取ってね」
今井さんにそう言われ、手に取った2つの商品を見比べて少し考える。
「・・・・・・いや、今井さんの言った方にします。なんか俺もこっちの方がいいような気がしてきました。勘、ですけどね」
そうおどけて返すと、今井さんは、少し目を見開き、恨めしそうな顔をこちらに向ける。
「・・・神崎くんって意外とイジワル?」
「さあ、どうでしょう?」
少しの間見つめ合うが、笑いを堪えきれずに笑顔を浮かべるのは、同時だった。
「ありがとうございました、今井さん。おかげで美味しい晩ご飯が作れそうです。それに、いろんなお店のことまで教えていただいて・・・」
今井さんと店を出た俺は、彼女に感謝を伝える。あの後、今井さんは俺の買い物に付き合ってくれて、俺がこの土地に来たばかりであることを話すと、このスーパーは何曜日が特売で安くなるとかあっちのスーパーの特売は何曜日で、など手取り足取り教えてくれた。彼女と知り合ってまだ少ししか時間が経っていないが、とても面倒見のよい性格のようだ。
「んーん。アタシも買い物手伝ってもらったし、お互い様だよ☆・・・それに神崎くんとおしゃべりするの楽しかったしね」
「え、あ、いや、あ、ありがとうございます・・・・・・俺も、今井さんとお話した時間は楽しかったです」
彼女ような綺麗な人に、褒められるとどうしても恥ずかしくて、どもってしまう。しかし、楽しかったのは俺もだったので同じで気持ちであることを彼女に伝えた。すると、今井さんは人差し指を立て、ズイっとこちらに身を寄せて、言った。
「敬語禁止!あと、今井さんも!アタシのことはリサ、でいいよ」
「・・・了解。・・・・・・リサ。これでいい?」
紗夜の時に経験したはずだが、変わらずめちゃめちゃ照れくさかった。
「うん!バッチリ☆アタシも良哉って呼ぶから。・・・あ、そうだ!連絡先交換しようよ、良哉!こうやって知り合ったのも何かの縁かもしれないし」
「え、あ、うん、構わないよ。・・・・・・はい、これ俺の連絡先」
そう言い、リサに俺の番号を見せる。それを見たリサは手早く美しい指でスマホに打ち込んでいく。・・・ネイル、というんだろうか?
「OK、バッチリだよ☆・・・で、こっちがアタシの連絡先ね」
リサよりも幾分か時間がかかったが、無事登録を済ませる。
「それじゃ、またね☆」
「うん、また」
今日だけで、俺のスマホに全員が女の子だが、4人の連絡先が追加された。その事実に、嬉しく思いつつ、リサと別れ家へと足を向けた。
リサねぇぇぇ・・・!はあ、ほんと尊い。いや、なにを隠そう自分リサ姉大好きなんですよね。だからこそ、ちゃんと表現してあげたいと思うわけで・・・。毎回言ってますが、こんなのリサ姉じゃない!って思われた方はホントごめんなさい。私の力じゃここまでが限界なんです・・・。
とりあえず、ようやく良哉くんの転校初日は幕を降ろしそうです。信じられるか・・・?ここまでのこと全部、一日に起こったことなんだぜ・・・?
それでは、次回までしばしお待ちを。