俺たちがこの時代にはない第二次世界大戦時のドイツの兵器を発見した数日後、とある事件が起きた。それは
『浅井の軍がこちらに迫ってきている』
とのこと、しかも、桔梗さんらの報告によればここを収めている領主は一部の部下や財宝を持ち逃げして逃げてしまったらしい。
俺たち那智党とそして村の村長らは急遽集まって話し合いを始めた
「まさか浅井の軍が来るとわの・・・・」
「えらいことになったぞ!?」
「もう、この村はおしまいだ・・・・」
「他の村の奴らも困っているらしいぞ」
と、皆不安そうに話している
「弘樹殿・・・・」
桔梗と美緒とヨウコが俺をちらっと見ると俺は小さく頷き
「皆静かに!静かに聞いてくれ!!!」
大声でそう言うと皆は俺に振り向く
「今の現状。ここの領主が逃げ出し、ここに攻めてくる侵略軍を迎え撃つ武装集団はいない。そして斎藤家本家の部隊が出動しても数日かかる。その間にこの村は浅井軍に占領される。仮に斎藤家の援軍が来て撃退できたとしてもまた無能な領主がここを収め、税や財産を我々から搾り取るであろう!では、誰がこの村を・・・自分の故郷を!家族を守るのか!!」
村の人たちがじっと俺を見て、そして俺はこういった
「それは我々村人…つまり国民である!!武器を取り侵略する敵を追い出さなくてはならない!!」
「わ、私達が戦うんですかい?」
「そうだ、ここで皆が立ち上がらずに戦わなければ、君たちは一生苦しむことになる。泣き寝入りをすることの繰り返しだ!それじゃ何もかわらない。 だから皆で戦うんだ」
「でも、相手はお侍だぞ?しかも大勢いる」
一人の村人の言葉に皆は頷くと・・・・・
「私は戦います!」
一人の少年が手を上げる。それは那智党員になった少年だ
「私は戦います!私達の村は私達が守るんです」
小さく、だけど力強くそう言うと村長も
「その子の言う通りだ!このままではこの地を耕し続けてきたご先祖様に顔向けできない」
そう言うと俺は頷き
「その少年と村長の言う通りだ!このままオメオメ泣きながら奴隷と化するのか!本当の自由を手に入れるまで闘争するか!自分たちの大切なものは自分自身でしか守れないんだ!今我々にある道はこの二つ!君たちはどの道を行く!?」
俺の言葉に皆は静まるが、徐々に一人づつ村民が声を上げていく。
「そう…だ。そうだな! ここはオラ達の村だ! オラ達で守るんだ! そうだろ皆の衆!」
「そうだな。昔から自分の村は自分たちで守れって言われてたもんな!」
「俺たちならできる!浅井の侍たちなんか怖くないぜ!!」
場の士気が少しずつ上昇していく。それを見逃さず
「よく言ってくれた!君たちだけではない!俺たち那智党も君たちに協力する!俺たちの力で村を家族を守ろうじゃないか!!」
「「「おおっーーー!!!」」」
俺の言葉に士気が向上し、村の人、そして俺たち那智党は浅井軍を迎え撃つ準備を始めた
「それで弘樹さん。どうやって浅井の軍を迎え撃つんですか?」
桔梗さんがそう訊くと
「ん?それはな・・・・・・」
数日後、浅井の兵たちが国境を越え、村の近くまでやってきた
そして最初にやってきたのは数十名の斥候兵だった
「美濃の侍どころか村人もいないな?」
「本当だ。まあ、美濃の侍どもが来る前にこの地の城を占領できるから」
浅井軍の足軽たちは敵の反抗がないため、楽な戦だとばかりに用にに進軍していた足軽たち。
「おい、あの村で何か貰おうぜ。もしかしたら酒とか若い女とかいるかもしれねえぞ?」
と、ゲラゲラ笑う。足軽たち。すると、その瞬間、その笑っていた足軽の頭が吹き飛び、倒れた。そしてその直後、銃声が鳴ったのだ
「ひっ!?な、なんだ!?」
突然仲間が倒れたのを見て驚く足軽だったが、その瞬間その男も頭が吹き飛び倒れ再び銃声が鳴る
「お、おい!?どうなっているんだよ!?」
「し、知らねえよ!?」
パニックになっている足軽たちに再び銃声が鳴ると、そこにいたのは頭に穴の開いた数十名の浅井の斥候兵の死体があるだけであった。
「・・・・取りあえず全員仕留めた・・・・けど。次はもっと来る」
足軽たちの死体から数百メートル離れた丘の上で、シュタールヘルムをかぶりモーゼル98kライフルを持ったヨウコがボルトを動かしてぽつりと呟く。
「それにしてもこの鉄砲・・・・命中率が火縄銃よりいい・・・・連発もできる。すごくいい・・・・」
ヨウコはモーゼル銃のすごさに感心して、そして村の方角を見て
「・・・あとは村の人や弘樹さん。お願いします」
数分後、斥候が戻ってこないことに業を煮やしたのか、数千の兵を引き連れやってきた
そして一斉に村に向かって攻め始めたのだが・・・・・
ダララララララー
布が破り裂けられる音が聞こえた瞬間、戦闘で突撃した槍足軽たちは将棋倒しに倒れる
「な、なんだ!?」
指揮官と思われる侍が驚くと、急にそばの地面が爆発し、そばにいた足軽たちが吹き飛ぶ
「なんだ!?何が起きているんだ!?」
パニックになり驚く武士。
「修正!右!砲弾を入れろ!!」
「撃てぇ!!」
「おい!弾くれみゃ!!」
「侵略者め覚悟しろ!!!」
敵から数百メートル離れた陣では那智党と村人がこの時代にはない機関銃やライフル。そして対戦車砲を使って、浅井軍を攻撃していたのだ。
この兵器はこの時代にはない平気であり数日前、弘樹が発見したナチスドイツの重火器であった。たった数日ではあったが弘樹はこの武器の使用方法をナチ党員や村人たちに教え。そして今こうして浅井軍を迎え撃っているのである
村人がMG42機関銃を撃ち、そして75ミリ対戦車砲や37ミリ対戦車砲を野砲や歩兵砲代わりとして撃ち浅井軍の兵士の命を刈り取っていく
「な、なんだ!?鉄砲か!?だが、あんな速い音聞いたことないぞ!?」
兵士たちはパニックになり指揮官たちも初めて聞く機関銃の音に驚いていた
「義弘殿!」
「うん!」
美緒の言葉に弘樹は頷き
「敵は怯んでいる!!このまま突撃する鬨の声を上げろ!敵を追い出せ!!」
「「「「「うおぉぉーーー!!!!」」」」
「「っ!?」」
村人や那智党達の叫びに浅井兵は怯える。そしてその瞬間足軽たちが持つ槍よりもはるかに長い、三間半の槍を持った農民たちが足軽たちの前に現れる
「な、なんだ!?あの槍は!?」
自身たちの持ち槍よりもはるかに長い槍を持つ村人に対し足軽たちは驚き、その長さに恐怖するが
「ええい!たかが数人名が槍を持っているだけだ!数で押し返せ!!」
指揮官の武士がそう言い、再び前進しようとしたその時
キュラキュラキュラキュラ・・・・
突戸あたり一面に地響きと轟音が聞こえる。そして迫ってくる村人の後ろからⅣ号戦車、三号戦車と38t軽戦車が現れる。
「な、なんじゃあれは!?」
「ば、化け物だ!!」
見たこともない鉄の塊がこちらに迫ってきていることに驚き恐怖した足軽たち。そしてそれに追い打ちをかけるかのように戦車から砲弾が飛び、地面や足軽たちを吹き飛ばしそして後方にいる機関銃やライフルを操る、那智党員や村人たちの一斉射撃に加え
「侵略者め!覚悟しろ!!」
美緒さんたちが長槍や刀で足軽たちを倒し、相手側は完全に士気が崩壊し始める
「も、もうだめだ!!」
「もうおしまいだ!!」
「お、おいちょっと待て貴様ら!まだ勝負は・・・・」
逃げ出す足軽たちを呼び止めようとした武士だったが、戦車の放った砲弾が目の前で着弾し、その体は四散し絶命した。そして指揮官が死んだことにより足軽たちは暗い森の中を逃げだしたのだったが、そこにはさらなる恐怖があった
村人達が皆で自分らを追い立てていた。
まともに戦えば浅井軍達もある程度抵抗ができるはずなのに、既にやつらは先ほどの戦いで混乱に頭が支配されている。
隙だらけな大振りで村人に斬りつけられても、逃げるだけで反撃はほとんど無かった。
5人1組にしていたので、浅井の兵たちが後退するにつれて段々と村民が増えていく。
これは彼らからしたら恐怖以外の何者でもないだろう。
自分達を殺しにやってくる者が、槍や刀、鋤や鍬を持って逃げれば逃げるほど増えていくのだ。そしてその村人の腕の腕章には赤生地に白い丸の中心に逆卍の印があった
その印が恐怖として脳裏に焼き付き、泣きながら自分の領地である近江へと走り出す。その間にも村人らは追いかけ、近江に着いたのはほんの一握りであり、残りは全員死亡した。
後日談だが、桔梗さんの調査によればそして生き残った浅井の兵たちは先の戦いですっかり精神がおかしくなり
「卍怖い…卍怖い・・美濃怖い」
と、常に恐怖に怯え普段の生活もままならないそうだ。その様子を見た浅井の方も、それ以来、美濃の方に進出するのを一時的に見直すことにしたそうだ
そして村の方たちでは 村民の顔は疲れていたが、表情は明るい。
自分達で村を守ったという自負に溢れている。
「弘樹さん。やりましたね」
「ああ。この村を守り切ったな・・・・・」
俺と桔梗さんた那智党員ちは勝利に喜び、
「では弘樹さん。勝利の声をお願いします」
「俺が?」
「ええ。指揮をしたのは弘樹殿です。どうか皆に勝利の勝怒気をお願いします」
美緒の言葉に俺は皆の顔を見ると那智党の仲間たちは期待した目で俺を見る。そして俺はしばらくなんていおうか考え。そして俺は右手を上げ
「ジーク!!ハイルっ!!!!」
と、そう言うと桔梗たちも含めナチ党員も右手を上げ
「「「「「ジークハイル!ジークハイル!!ジークハイルっ!!!!」」」」」
那智党の掛け声であり、ドイツ語で勝利万歳を意味するジークハイルの言葉を叫ぶのだった。
彼らの闘争はまだ始まったばかりである