戦国†恋姫Ⅹ 戦国の独裁者   作:疾風海軍陸戦隊

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総統閣下は悪徳坊主にお怒りのようです

翌日、俺は警戒心の強い孤児たちを考慮して少人数で偵察し、接触した。

最初は警戒されたが、俺がお弁当として持ってきたおにぎりを上げると

警戒を解いてくれて数名ほど近づいてくれた

子どもたちは涙を流しながら握り飯を頬張っている。

お約束のように喉に詰まらせて咽ている子どもが続出だ。

こうして子供たちが貪るように握り飯を食べる姿は、見ていてほほ笑ましい。

だが裏を返せば慢性的に飢えているということだ。

それによく見れば子供たちもやせ細り顔色も青白くどれだけ苦しい思いをしているのかがよく分かった。

 

子どもたちが握り飯を食べ終えて、一息ついたところで話を始める事にした。

 

「君たちはどこからきたんだ? もともとこの川原にいた訳じゃないないだろう?」

 

俺の何でもないような質問に最初は答えづらそうにしていたが、それでもポツリポツリと答えだす。

 

「うん……違う」

 

「俺たち、お寺に世話になっているんだ」

 

「そう、お寺だよ」

 

「寺・・・か。ご両親はどうした?」

 

「戦で・・・みんな死んじゃった。それで、皆はお寺に世話になっているんだ」

 

「……そうだよ、な?」

 

「うん、そう。お寺……」

 

反応したのは年長と思われる二人。他の子供たちはうつむいてしまった。

 

「どうした? 何を気にしているんだ?」

 

俺の疑問に子どもたちは目を逸らすと言い辛そうに言葉を濁す。

 

「なんでもないよ」

 

「もう行かなくっちゃ、お魚獲らないと」

 

「うん、魚を捕らないと、な」

 

「なぜかね?」

 

「だって・・・・魚を獲って帰らないと俺たち棒で打たれるから……」

 

桔梗さんの情報どおりか・・・・・その後俺は子供たちからいろんな細かな情報を得た。寺には坊主だけでなく他の大人・・・・つまり野盗も住み着いており数は大体50名だということもわかった

 

「よし分かった。後はお兄さんたちに任せなさい。俺たちが悪い大人をやっつけてあげよう」

 

そう言いニコッと笑い。そして子供たちはそばにいた兵士に保護してもらうことにした。

 

「総統・・・・」

 

「桔梗さん聞いたな?」

 

「はい・・・・それで今夜に?」

 

「ああ。親衛隊と国防軍の中から精鋭は?」

 

「すでに選出できております」

 

「うん・・・・・では今夜にでも決行だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。月が照らす中、俺率いる那智党の国防軍と親衛隊は報告のあった野党が住む寺を囲んだ。

野盗たちの拠点は驚いた事に普通の寺だった。

 

「普通よりも余程綺麗で広い寺だな?」

 

「はい。なんでもこの寺は天台宗の延暦寺ともつながりがある寺のようです」

 

「延暦寺って言うと…あの比叡山の?」

 

「はい。しかしその延暦寺も最近は僧兵となり戦に加わり酒や女におぼれているとのことです」

 

「やれやれ・・・・それでも仏のうんたらを解く僧侶なのかね?創設者の最澄がこれ見たら嘆き悲しむと思うな」

 

「まったくです・・・・忍びの私さえもあれには軽蔑の念がわきます」

 

と、桔梗さんはため息交じりにそう言うがその目は若干怒っていた。子供たちにあんな仕打ちをする僧や野盗に激しい怒りがあるのだろう。それはここに集まった部隊全員もそうだし、何より俺もそうだ。

超ゆるさん!

 

「桔梗さん。他に寺にとらわれている子供たちは?」

 

「はい。我が部下の手により全員保護して、いま温かい食事を提供しています。今あの寺には野盗と坊主しかいません」

 

「うん。ご苦労」

 

「弘樹・・・・踏み込む?」

 

部隊に参加しているヨウコさんがそう言う

 

「いや。先ほどこの寺に手紙を出した」

 

「手紙と言いますと?」

 

「ああ、『夜、改めて訪問するので門の外で会って話をしたい』『もちろん話を聞いてくれるなら礼金を払う』…とな。そろそろ扉があくだろう、先に俺とヨウコさんで行く。合図があったら一気に踏み込め。それまで待機」

 

「分かった」

 

「了解しました」

 

そう言い数分後、ようやく門が開いた。姿を見せたのはヒゲ面の野盗だ。

そいつは門から半身を覗かせた状態で辺りをキョロキョロと見ている。 随分と慎重だな。

商人に扮した俺はヨウコさんを連れ怯えるような素振りを見せながら近づいて行く。

すると、野盗は俺たち二人が丸腰である事を確認したのだろう。

余裕の笑みさえ浮かべて門から出てきた

 

「てめぇらか? 俺様に会いたい、ってのは?」

 

「はい、私はこの領内で商いをさせて頂いております」

 

「てめぇの事はどうでもいい! 用件をさっさと言いな。みたところ金をたんまり持ってそうだな?あるもの全部だしな?」

 

とニヤニヤしながらそう言うと

 

「弘樹さん・・・・私が出します」

 

ヨウコさんが俺に小声で言うと俺は首を横に振り

 

「いいや。俺が出そう・・・・」

 

「おい何、こそこそ話しているんだ?さっさと出せよ」

 

と、そう言うと俺は懐に手を入れ

 

「ええ・・・・お渡ししますよ」

 

そう言い俺は懐からワルサーP38をそしてヨウコさんはモーゼルc96拳銃を取り野盗の額に向け

 

「「銃弾をな・・・・」」

 

そう言うや否や二人は引き金を引き、二つの銃弾が放たれ野盗は頭から血を流し倒れ動かなくなった。銃声で他の奴らに気づかれるのではと思ったやつもいるだろうが、この銃声が突入の合図だ

 

「全員突入せよ!!」

 

「「「応っ!!」」

 

その言葉に兵士たちは寺に突入、兵士たちはMP40を片手に寺内に侵入し、その場にいた僧侶と野盗をハチの巣にする

生き残った野盗や僧侶たちの顔に、驚きと怯えが生まれていくのが分かる。

 

「うわーっ!」

 

「た、助けて」

 

「今のはなんだ?」

 

幾つもの悲鳴が上がり意味もなく走り回り、野盗同士でぶつかり合っていた。

パニックは急速に敵の中に拡散していく

これで勝負はついた。俺は大声で叫ぶ

 

「抵抗しなければ命までは取らない! 抵抗の意思のない者は武器を捨てて床にうつ伏せになれ!」

 

僧侶と野盗たちは混乱しながらも次々と新手の兵士たちが現れるのを見ると、俺の降伏勧告と相まって次第に投降する者たちが増えていった。

 

「総統閣下。犯罪者たちは本堂に集めました」

 

「うん。すぐに行く」

 

そう言い俺は商人の服装からいつもの服装に変え軍帽をかぶり本堂に行くと、そこには十人弱の僧侶と盗賊が縛られていた

 

「き・・・貴様はナチスの総統・・・・」

 

太った僧侶が俺を見るなりそう言う・・・・へ~俺も有名になったものだな

 

「貴様らの処分を言う・・・・」

 

強い口調でそう切り出すと住職と僧侶、小僧たちが『ヒッ』と小さな悲鳴を上げて身を強ばらせた。

どうやら自分たちが悪事を働いていた自覚はあるようだ。

 

「この寺は武力により野盗に占拠されていた。住職たちが野盗に協力していたがそれも不本意な事であった。という見方が一つ。この場合は情状酌量の余地があるだろう――」

 

そこで一旦言葉を切って住職や僧侶たちを見回す。思いもよらない展開だったのだろう、その表情には希望が見える。俺は「だが」と言葉をつづけた

 

「もう一つの見方。野盗と手を組んで孤児たちを働かせていたばかりか、座の権利を利用して利益を上げていた」

 

俺の言葉に先程まで見せていた希望は失せ、涙と絶望が浮かんでいる。

 

「桔梗さん。ヨウコさん。この場合はどのような処置がいいのかな?」

 

俺がそう言うと二人は

 

「「死罪が妥当(かと)」」

 

「・・・・・・」

 

改めて俺はここが戦国時代であり人命が軽く見られるのを認識した。てか二人とも怖いスマイルで言うのは流石に俺も怖いぞ?

まあ、子供をあんなにまで虐げてたら二人が怒るのも無理はないか・・・

眼前で縛り上げられている住職と僧侶、小僧たちが泣きながら何かを訴えている。

 

「お、お助けくださいっ」

 

「脅されていたのです! 逆らえば殺すと言われて我々も止む無く手を貸しておりました。決して望んでやった事ではございません!」

 

「そ、そうです。脅かされただけです!」

 

「悪いのは野盗たちです。私たちは何も悪くありません!」

 

清々しいくらいに自分たちの事しか考えていない僧侶たちだ。全責任を野盗に押し付けるあたりさすがは野盗と結託していたことはあるな

いったいどんな経典を学べばこのような僧侶になるのだろう。

野盗のせいにしなかったのは隅っこにいる若いお坊さんだけか・・・・

 

「今は住職以外の返答は聞かない・・・・・少し黙りなさい」

 

俺は住職以外に黙るように言うと、住職に向けて語り掛けた。

 

「住職。尋ねるが、今回の騒動の原因は何だと思う?」

 

突然の話の展開に一瞬キョトンとした表情を浮かべる。有無も言わさずに死罪となることが無くなったと思ったのか、安堵の色を見せて答える。

 

「やはりあのような無法者がはびこっているのがいけません。早々に討伐すべきかと」

 

「ほう。つまり、我がナチスの統治に問題があると?」

 

目を細めて言う俺に住職は顔を青ざめ、小さな悲鳴を上げる・・・・こいつじゃ話にならないな・・・・

俺はさっき野盗のせいにしなかった若いお坊さんを見て

 

「住職では話にならん・・・・・・・君はどうかね?今回の騒動何が原因かわかるかな?」

 

俺がそう言うと若いお坊さんは最初自分に問われたとき驚いたがたどたどしくこう答えた

 

「申し訳ございません、欲に目がくらんでしまいました」

 

そう言うと縛られたままガタガタと震えボロボロと涙を流している。

 

「欲に目がくらんだか・・・・・では何故欲に目がくらんだ? 何故このような事が起きた?」

 

命が掛かっていると思っているのか、即答をせずに必死に考えている様子だ。

この絶望的な状況でも必死に生き延びる道を探そうとする

そういう人間は俺は割と好きだ。変にあくどいやつよりはまだ嫌いではない

俺は考える彼をよそに静かに歩き、そして他の者に聞こえるようにこう言った

 

「…人間とは欲深い生き物だ。そして俗世を離れ修行する僧とて同じ人間。、たまには贅沢もしたくなるだろう。特に隣の寺が贅沢していればなお更だ。では、何故こんな事が起きるのか、それは寺が自分たちで金を稼ぎ出す事を当たり前のように考えているからだ。だからもっと金が欲しいと思う。もっと金を得る方法を考える。そして行き着いたのが今回のように野盗と組んで悪事を働くことだ」

 

そして俺はこう付け加えた

 

「なら、なぜ野盗と組み金儲けなど考えてしまうのか?一体、仏の道を説き極楽浄土の話をし、民たちに救いの教えを説くはずの僧侶がなぜ外道に落ちたのか・・・・それは座の権威である。座・・・・これこそが諸悪の根源だ!」

 

俺はそう言い若い坊主を見ると、坊主は俺の意図がわかったのか

 

「ご領主様・・・・いえ総統閣下の慧眼、お見逸れいたしました。まさにその通りで御座います。座と関がなくなれば寺を利用しようとする輩もいなくなるでしょう」

 

死罪になるくらいならと既得権をあっさり放棄する。それもこちらの考えを汲んでの回答だ。実に賢明な判断だ。この男なら今後も俺の・・・ナチスのために働いてくれそうだ。

俺は若い坊さんの縄を外し方に手を乗せ

 

「よく言った! たった今から君がこの寺の住職だ」

 

「は、はい!」

 

俺の言葉に若い坊主が嬉しそうにそう言うが

 

「ま、待て!住職は儂だ!」

 

と太った坊さん。基住職がそう抗議する

 

「それで総統・・・・この者らの始末はいかほどに?」

 

兵士がそう言うと

 

「そうだな…普通に考えれば死罪は免れない・・・・」

 

と、言いかけた時その場にいた坊主と野盗は顔を青ざめ住職は

 

「お、お慈悲を、な、何卒死罪だけは、お許しを……」

 

「お前らの教えの通りなら極楽浄土に行けるのだし、願ったり叶ったりだろう?仏さまに私は教えに従いましたと胸を張れるのではないかな?」

 

 縛り上げられた他の僧侶たちに『なあ、そう思うだろう』と問い掛けると、皆が一斉にうなずいた。うん、呑み込みの早い連中だ。

住職だった男の矛先が俺からかつての弟子たちに向いた。

 

「裏切り者、こ、この裏切り者がーっ! 恩を忘れおってっ!」

 

と、ワーワー騒ぐ

 

「そこまで言うのであれば罰は変更しよう・・・・住職。あなたは民のために働くか?それともこのまま死刑台への道まっしぐらの方がいいかな?」

 

と、訊くと

 

「た、民のために働きます!働きますからどうか死罪だけは!!」

 

即答した。それに俺は頷き

 

「よし、なら罰を変更。その若く新たに住職になったもの以外は死ぬまで強制労働で開墾作業と治水工事とする・・・・以上!!」

 

「「え」」」

 

死ぬまで強制労働と聞かされ住職と僧侶と野盗たちは顔を青ざめたが

 

「なんだ?それとも死刑の方がいいかな?すぐにでもあの鉄砲の的にするぞ?」

 

俺がそう言うと兵士の一人がMP40を坊主たちに向けると坊主たちは青ざめ

 

「「「た、民のために働かせてもらいます!!!!」」」」

 

と、さすがに死刑は嫌なため坊主たちはあっさりと強制労働の方を選んだ。そして坊主や野盗たちは兵士たちに連行され

そしてその後の那智党は不正をする他の寺を徹底的に摘発していくのであった。

 

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