戦国†恋姫Ⅹ 戦国の独裁者   作:疾風海軍陸戦隊

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第三章原作開始前
総統閣下は尾張へ行く模様です


「・・・・・・」

 

朝、日が出始めてきたころ那智党幹部であり、国防軍将校である杉谷善住坊ことヨウコは弘樹の部屋にいた

 

「・・・・・・」

 

「「・・・・・・」」すぅ・・・すぅ・・・

 

そこには弘樹が寝ていて隣には詩乃が彼に抱き着く形で寝ていた

 

「・・・・・」

 

ヨウコはその様子を見て、すうと目を細らせると、腰のホルスターから愛銃のモーゼルc96を取り出し・・・・・

 

 

 

ダアァーンン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、弘樹殿!詩乃殿、本当に申し訳ない!」

 

弘樹の部屋で頭を下げる国防軍総司令官であり那智党幹部の島左近こと美緒と彼女に拳骨を喰らったのか、小さいたんこぶができたヨウコ。そして周りには数名の親衛隊員がいた。

こうなった原因はヨウコが二人のいる部屋で発砲。その音に親衛隊が慌てて駆け付けちょっとした騒ぎになったということだ

 

「いや、気にしていないよ・・・・いつものことだし」

 

「ふわぁ・・・・」

 

弘樹は気にしていないと言い、隣にいる詩乃はまだ少し寝ぼけているのか欠伸をしていた

 

「ヨウコ・・・お前もいい加減その起こし方止めたらどうだ?心臓に悪いぞ?」

 

「この方が手っ取り早い・・・・それに空砲だから安全」

 

「いや、そう言う問題じゃないだろ・・・・いちいち赴く親衛隊の連中の身にもなれ」

 

ヨウコの言葉に美緒は呆れながらそう言う。そうヨウコは相手を起こすとき銃をぶっ放すという悪癖があるのだ。無論実弾は入れずに空砲で撃っているのだが・・・・毎度毎度そう言う起こされ方をされてはたまらない

が、今はもう馴れっこだ。でもいまだにあの音は驚くけどな

 

「・・・ところで、ヨウコ。今日はどうしたんだ?」

 

俺が上着を着ながらヨウコに訊くとヨウコはフグみたいに頬を膨らませ

 

「約束・・・・忘れた?」

 

「約束?・・・・・ああ。みんなで一発屋でご飯を食べる約束だろ?もちろん覚えているよ・・・・て、あれ?俺寝坊してた?」

 

「いえ、まだ日が昇ったばかりです。ヨウコが先走りなだけですよ」

 

「だって・・・・楽しみだったから。みんなで食事すること・・・この頃なかったし」

 

すねた表情でそう言う。そう言えば美濃平定で忙しくこの頃、みんなでご飯食べてなかったな・・・・

 

「ごめんごめん。じゃあ、食べに行こうか。みんなで」

 

「・・・・・うん」

 

俺がそう言うと、ヨウコは軍帽を深くかぶり、嬉しそうに頷く。そして美緒は

 

「では弘樹殿今日は車で?」

 

「ああ。それに一発屋に頼まれた品も渡さないとね」

 

「分かりました。では準備します」

 

そう言うと美緒は親衛隊員を連れて部屋を出て、そしてヨウコも『下で待っている』と言い部屋を出るのだった

 

「ふわぁ・・・・弘樹様。どこへ行くつもりですか?」

 

眼をこすりながら詩乃が訊くと

 

「詩乃。確か魚料理好きだったよな?」

 

「はい。今日の朝食はアユですか?ヤマメですか?」

 

詩乃の目が輝いている。彼女は大の魚好きだ。

 

「いや、今日は川魚じゃなくて海の魚だ」

 

「海の魚…でも美濃にある海の魚は干物だけですよ?」

 

「いや、干物ではなくちゃんとした海の魚さ、尾張に一発屋という料亭があってな。そこの魚料理が絶品なんだよ」

 

「尾張というと・・・織田領ですが大丈夫なんですか?」

 

「問題ない。尾張にも那智党の党員はいるからな。それに戦争しに行くわけじゃないし問題ない」

 

「素晴らしいです。一度海の魚を食べてみたかったんです!では弘樹様行きましょう!すぐに行きましょう!ほくほくの焼き魚が私たちを待ち構えてますよ!」

 

先ほどまでうとうとしていたのが噓のように素早く着替えた詩乃がいつでも出撃万態のようだ

 

「ほら、弘樹様早く行きましょう!」

 

「あははは・・・・」

 

魚のことになるとまるで人が変わったかのようにはしゃぐ詩乃。うん本当に可愛い奥さんだよ。

 

「分かった。わかった。すぐ行くよ」

 

そう言い俺も部屋を出るのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尾張、そこは美濃の隣国であり織田家の領地である。

その中にある小料理屋『一発屋』。その店は弘樹たちのお気に入りの店でもあった。まだ那智党が無名時代だった時に弘樹たちは、商売目的で尾張に来た時この店でご飯を食べて以来、常連客となっていた

 

「いらっしゃい!あら、弘樹じゃない。この頃見なかったけど久しぶりね!」

 

「ええ。仕事もひと段落して。久しぶりにみんなで食べに来たんだよ」

 

俺たちに声をかけたのはこの店の看板娘きよちゃん。俺と同い年だけど、性格はしっかりしている、

 

「へ~そうなんだ。あれ?新人さんもいるの?」

 

「詩乃と言います」

 

「そう。私はきよ。よろしくね詩乃ちゃん。それと今、忙しいから注文ちょっと待てて」

 

「あいよ」

 

と慌ただしく、他の客の注文を取るきよちゃん。そして俺たちは席へと据わる

 

「変わらず繁盛しているみたいですね総統」

 

「ああ・・・それとここでは弘樹だよ。鶫さん」

 

「おっと失礼しました」

 

申し訳なさそうに言う鶫さん。そう今の俺たちはお忍びで来ている。服装も軍服ではなく。商人や浪人が来ている服装であり、ここでの肩書は西美濃の商人という形になっている。ちなみに帯刀している鶫さんと美緒さんはその商家に雇われている武士という筋書きになっている

 

「お待たせ~て、弘樹たちはいつものにするの?」

 

「ああ。海の焼き魚定食で」

 

「私も同じく」

 

「私もそれで」

 

「・・・・・」こくこく

 

「あいよー詩乃ちゃんは何にするの?」

 

「弘樹様と同じ、焼き魚定食でお願いします。ちなみに今日の魚は?」

 

「あいよ。今日の魚はサバだよ・・・・・て、あれ?今日は桔梗さんいないの?」

 

「ああ・・ちょっと用事で来れないって。だからお土産用のおにぎり弁当貰えるかな?」

 

「そうなんだ…分かったわ。じゃあ料理車でゆっくりしてよ」

 

きよちゃんはそう言い厨房へと向かった。

 

「それにしても。桔梗殿が今日は不在とは・・・・」

 

そう、美緒の言う通り今日は桔梗はいない。なんでも、少し用事で調べたいことがあるそうだ。

まあ、副総統もとい親衛隊長官になっても彼女は常に現場で戦う、いわば草として生涯現役を貫きたいらしい。

 

「仕方ないですよ。用事があるみたいですし・・・出来れば一緒に食べたかったですが」

 

同じ親衛隊である鶫さんも残念そうに言う。美緒と鶫は桔梗と仲が良く、たまに仕事終わりに一緒に飲みに行く間柄になっていた

友達が少なかった桔梗さんも友人ができ嬉しそうな表情をしていたのを俺は知っている。

 

「まあ、次があるさ・・・・」

 

俺がそう言うと丁度きよちゃんが料理を持ってきてくれた

 

「はいお待たせ、焼き魚定食だよ~」

 

そう言いきよちゃんが料理を置くと、焼き魚を見た詩乃は

 

「おぉ~なんといい香りでしょ!攻ある家臣に畏とき所より下賜されるという蘭奢待もこの香りには勝てないでしょう!」

 

と目を輝かせてそう言う詩乃

 

「らんじゃ・・・たい?」

 

ヨウコは首をかしげると

 

「九重のうちにまします方がお持ちの昔から伝わる香木のことです。とてもいい香りがすると言われております」

 

美緒が説明する

 

「へぇ~詩乃は嗅いだことあるの?」

 

「いえ、モノの例えです…それではいただきましょう」

 

軽くスルーして、詩乃は自己のペースを保ちながら焼き魚を口にした

 

「~~~~~~~♪」

 

口に入れた瞬間、詩乃は目をさらに輝かせた

 

「旨いか?」

 

「・・・・(こくこくこくっ!)」

 

「そうか、それはよかったよ…たーんとお食べ」

 

「・・・・(こくこくこくっ!)」

 

一心不乱に焼き魚を堪能する俺の奥さん。口に含める度に、目を輝かせ美味しさに吐息を漏らすため、食事は進まないが…まあ彼女に喜んでもらえて何よりだ

美緒さんも鶫さんも

 

「やっぱりこの店の料理はいいな…心がこもっている」

 

「確かに‥うちの領地の料理もいいですが、ここは何より海の幸が食べられるのは大きいですね

 

「・・・・・」幸せそうな笑顔

 

「(みんな幸せそうな表情だな……まあ、かく言う俺もこの料理すごい美味しいと思う)

 

そう思いながら俺も魚を頬張るのだった

 

「いや~みんないい食べっぷりだね。こう嬉しそうに食べてくれるとこっちも嬉しいわ」

 

と、きよちゃんも嬉しそうな表情をしていると俺は

 

「あ、そう言えばきよちゃん。以前頼まれてたアレ()持ってきたよ」

 

「ほんと!?」

 

「ああ。今持ってくるよ。ちょっと待てて」

 

そう言い、弘樹はいったん店を出た。果たして彼が持ってきたものとは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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