戦国†恋姫Ⅹ 戦国の独裁者   作:疾風海軍陸戦隊

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弘樹、謎の猟師に出会う

「弘樹さん。着きました」

 

「ああ・・・」

 

俺と桔梗はとある町に来ている。理由は村の人たちの農作物や草鞋なんかを売るためだ。あ、後、俺が作ったバームクーヘンも。

本来村の若い人が行くのだが、皆、出稼ぎのためいないため俺が今までお世話になった礼に代わりに行っている。

まあ、これを機に他の人との交流をするのもいい勉強だし、もしかしたら新たな同志に出会えるかもしれないしな

そう思い俺と桔梗は村を出て町に来ているのだ。

因みに俺の服装は軍服ではなく、民の服を着て、ぼろい布を頭に巻いている。

そして今いる町は美濃で相場が高い街に来ていた。その町は美濃の他の街より相場が高く、今ある物資も高値で売れる場だからだ。なぜ、そんなことを知っているかって?その情報は桔梗が忍びの情報網を駆使して、相場を調べ上げてくれたおかげである

そして俺と桔梗は出店を準備が終わると

 

「じゃあ、桔梗。後は俺が対応するから」

 

「わかりました。それでは行ってまいります」

 

「くれぐれもばれて捕まんないようにね」

 

「大丈夫です。逃げ足は速い方なので」

 

「忍だけに?でも、ごめんな桔梗だけ、情報収集ばかりさせちゃって」

 

「いいんです。それが草であり忍である私の仕事ですから、弘樹さんは来るべき革命のため、交流と那智党の同志を集めてくださいね」

 

「ああ。お互いに頑張ろう」

 

「はい。では弘樹さん。待ち合わせ場所は分かれ道のお地蔵の前で・・・」

 

「ああ。じゃあそこで」

 

そう言い、俺は販売をそして桔梗さんは美濃の斎藤家について、または味方になってくれそうな豪族についての情報を収集するため別れた

 

「さて・・・・商売開始としますか」

 

 

 

 

 

 

 

数時間後・・・・

 

「いや~売れたな」

 

商売を始めた後、瞬く間に飛ぶように売れた。村の人たちが丹精込めて作ってくれた野菜や草履が完売するのは嬉しいことだな

 

「それにしても本当にここは戦国時代なんだな・・・・」

 

俺は街並みを見てぽつりとつぶやく。ここに来てから一か月。現代の街との違いに俺は本当に戦国時代に来てしまったと実感する。

お世話になっている村の村長さんが言うには今は永禄二年だそうだ。

永禄二年と言えば織田信長のデビュー戦である桶狭間の戦いの一年前になる

 

「それにしても桔梗さんは大丈夫かな・・・・・」

 

俺は片づけをしながら情報収集に出た、相棒である桔梗さんのことを心配した。

彼女は大丈夫とは言っていたから大丈夫なんだと思うけど。やっぱり心配だ

 

「はぁ・・・・それに比べ俺ときたら」

 

那智党を結成してから同志は増えてきてはいるのだが、まだ決起する力もない。なぜなら党員は村の人で槍や弓で戦ったことがない。あるとすれば田を耕すことだけだ。俺は剣術とかは習ってはいるが人に教えられるほどじゃない。できれば武術に長けた人とかに出会えたらと思うことがある

クーデターを起こすためには武器も必要だしお金もかかる。今の党では実行までに時間がかかるな・・・・

 

「まあ、焦っても仕方がない。急いでやるより時間をかけて地盤を固めるしかないな」

 

俺は軽くため息をつくと・・・・・

 

くいくい・・・

 

「ん?」

 

誰かが俺の袖を引っ張る。桔梗さんかな?そう思い俺は振り返るとそこには

 

「・・・・・・」

 

白いフードみたいなのをかぶり鉄砲と自分で獲ったのか数匹の兎と鴨をつるした棒を担ぐ短い白髪の女の子が俺を見ていた

 

「ん?どうしたの?」

 

「これ・・・・・買ってくれますか?」

 

水のように透き通った声で俺に言う。どうやら彼女も商売をしにこの町に来たみたいだ

 

「えっと・・・・買わないと君が困るの?」

 

とそう訊くと彼女は頷いて

 

「うん…売れないと、鉄砲の玉薬が買えないし・・・・仕官のお金たまらない」

 

「君もどこかに仕官するの?」

 

「うん・・・友達と一緒に仕官する。でもどこもお金がないとダメって言われた」

 

「そうか・・・・それは大変だね」

 

と俺はその子の話を聞く。すると・・・・

 

「おい、そこの小娘!!」

 

と、鎧を着た複数の足軽がやってくる。恐らく役人の人だろう

 

「お前、まだこの町をうろついていたのか?ここは小娘が商売してもいい町じゃないんだぞ!!物売りなんかしているとしっぴくぞ!!」

 

その子に向かって怒鳴る役人。その子は困った表情をする

 

「でも・・・・」

 

「デモもへったくれもあるか!!さっさとこの町を出ていかなければたたっ斬るぞ!!」

 

そう言い足軽たちは刀を抜こうとしていた。それに対し彼女も鉄砲を持とうとしていたので俺は慌てて間に入った

 

「ああ、ちょっと待ってください!」

 

「なんだお前は?」

 

「私は美濃のはずれの村に住んでいる者ですが、この人は私の友人です。この肉も私のところへわざわざ届けてくれたんです。勝手に物売りをしているわけじゃないのでどうか勘弁してもらえませんか?」

 

「むっ・・・・・じゃあ、その肉はお前が注文したものなのか?」

 

「はいそうです」

 

「・・・・それなら。問題ないな・・・・おい。行くぞ」

 

足軽役人の隊長らしき人物がそう言い刀を鞘に納めて『今回はその男に免じて許すが、女は物売りはするなよ』と一言言い、部下を連れて帰っていった

 

「ふぅ・・・・さてと。君。大丈夫?」

 

「うん…ありがとう」

 

「よかった・・・それでその肉はいくらだい?」

 

「買ってくれるの?」

 

「うん。ちょうど村の人に美味しい肉とか食べさせてあげたいなって思ってさ」

 

「ありがとう・・・・全部でこれくらい」

 

そう言い彼女は指で値段を教えた。指じゃなくても言えばいいのに、なんでだろう。まあいいか。そのくらいの値段なら、村の人の代金ではなく、俺が売ったバームクーヘン代で十分買える。

 

「はい。これでいいかな?」

 

「ちょっとお金多い」

 

彼女は俺が支払った代金が少し多いことに不思議がると俺は

 

「これは仕官するための代金の寄付だよ。いいところに仕官できるといいね」

 

「・・・・いいの?」

 

「うん。自分のポケットマネーだし」

 

「ぽ・・・ぽけ?」

 

「あ、その言い方じゃダメか。まあ、俺からの気持ちだよ。それにこのお肉。鉄砲で仕留めたの?結構きれいだよね?」

 

「うん・・・・慎重に頭を狙って撃ったから」

 

「へ~これ全部?」

 

「うん」

 

全部ヘッドショットならすごい腕前だな

 

「じゃあ、俺はそろそろ」

 

俺はそう言い立ち去ろうとすると

 

「待って・・・・」

 

そう言い彼女は俺の袖をつかみ呼び止める

 

「あの・・・・・なにか?」

 

「お礼がしたい・・・・・うちに来て。友達も紹介する」

 

「え?でもお邪魔じゃないかな?」

 

「邪魔じゃない・・・・・むしろ歓迎・・・・だめ?」

 

「う~ん・・・じゃあ、お言葉に甘えようかな?」

 

俺がそう言うと彼女はニコッと笑う。

 

「あ、そう言えば名前聞いてなかったけ。俺は那智弘樹ていうんだ。君は?」

 

俺が彼女の名前を尋ねると彼女は

 

「私の名前は・・・・・・杉谷善住坊・・・・通称はヨウコ・・・猟師をしています」

 

「・・・え?」

 

俺は彼女の名に少し驚いた。杉谷善住坊と言えば、織田信長を火縄銃で狙撃した事で有名な人物だったからだ・・・・

 

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