アイアンマンなオリ主とヒーローアカデミア   作:どごちゃん

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短め。


USJ

オールマイトの対人戦闘訓練から数日が経ったある日の事、昼休み中に学校の避難システムが作動するという事件が起きた。

 

オールマイトが教師をやっているという情報を嗅ぎつけたマスコミが学校の前で生徒にインタビューをしているうちに一部の過激なマスコミが学校の敷地内に侵入したのが原因らしい。

 

またその際にパニックに陥った生徒を鎮めたという理由で学級委員長が緑谷君から飯田君に変わった。

 

マスコミが侵入した事件こそあれどそれ以外は何事も起こらずヒーローとしてではなく学生としての生活を送っていたある日、相澤先生から今日は移動教室であると告げられる。

 

「せんせー! またこの前みたいに対人戦闘訓練ですか?」

 

上鳴君が間延びした声で相澤先生に問いかける。

 

「いいや違う、今回お前達にやってもらうのは救助(レスキュー)だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

USJと名付けられた雄英高校所有の施設に向かうバスの中では生徒達が雑談に興じていた。

 

「ねぇ、緑谷君、貴方の個性ってオールマイトに似てるわね。」

 

「えぇ! そうかなぁ!?」

 

蛙吹さんに話しかけられ女子との会話の経験に乏しいからか挙動不審になる緑谷君。今度彼には女の子との話し方をレクチャーしようと考えながら俺は体重を隣の人に預ける。

 

「よっこいせと。みんなはしゃいでるなぁ……俺みたいに余裕を持たなきゃ。」

 

「トニオさん! あなたちょっとわたくしに寄りかかりすぎですわよ!」

 

「いいじゃないか、減るもんでもない。ケチ臭いぞ。」

 

「ケチ臭い……このわたくしが……」

 

「ヤオモモをいじめるな!」

 

葉隠さんが見えない手でポカポカとトニオを叩く。

 

「羨ましい〜!!!!」

 

それを見ていた峰田君は血の涙を流す。

 

「……フッ(嘲笑)」

 

峰田君は頭に血が昇りすぎて倒れた。

 

「そろそろ着くぞ、大人しく席に座れ。それか除籍処分がいいか?」

 

相澤先生がそう言うと全員が背筋を伸ばし口を閉じる。

 

バスが止まった。

 

到着だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

USJに着いた一行は13号と言う災害救助に特化したプロヒーローから個性という強力な力の使い方について心構えを教えてもらい、いざ実習という所で事件は起きた。

 

 

奇妙な光景であった。

黒い点が広場に現れたかと思うとそこから黒いモヤが噴き出し、最初に2人、そして続く様にゾロゾロと人が現れた。

 

「なんだァありゃ?」

 

切島がそう呟いたのと相澤が叫んだのはほとんど同時だった。

 

「全員一箇所に集まって動くな!」

 

「なんだ? 入試のときみたいに既に授業は始まってますとかか?」

 

「あれは——敵(ヴィラン)だ!」

 

担任の相澤先生から抹消ヒーローイレイザーの顔に変わった事に生徒も気がつき緊張が走る。

 

それでもパニックになる生徒はおらずヒーローの片鱗が見える。

むしろ敵を倒さんと意気込む生徒もいるくらいだ。

 

 

「スターク、通信が遮断された。お前のアイアンマンで学園に連絡は取れるか?」

 

イレイザーの声色は硬い。

 

「スーツを着る時間さえあれば……」

 

トニオもいつもとは違い声に自信がない。

 

「何秒必要だ?」

 

「20秒程頂ければ……」

 

「分かった。13号! 生徒を守れ!俺は——」

 

「敵の目の前で作戦話す奴があるかよ。」

 

最初に広場に現れた2人組のうち、全身に手をくっつけた男がそういう言うと、もう片方の男がトニオの目の前に現れた。

 

アイアンマンの装甲はまだ展開しきれておらずアイアンマンに搭載された衛星を介した独自の通信は使用出来ない。

 

(待機形態では殆どの機能をスリープモードにしていたのが仇になったな…)

 

トニオは目の前に現れた男の次の一手を逃さぬ様に警戒しながらどうにかスーツを着ようとする。

 

先ほど広場に現れたのと同様の黒いモヤをトニオに差し向けてきたその瞬間、

 

『問題ないからこうして話してたんでしょうが!』

 

13号が腕のブラックホールを解放すると黒いモヤが徐々に13号の腕へ吸い込まれていく。

 

「よかった、これで安心だ……」

 

峰田が心底安心したと言った表情を見せる。

 

しかし異形の男は自身が出したモヤが吸い込まれることを気にせず喋り出した。

 

「貴方の個性はとても強力だが弱点が一つある、それは個性が強すぎるあまり貴方がソレを人に向けた事があまりに少ないということだ。」

 

この男の個性によるものだろうか、13号のブラックホールが13号の背中から現れて13号自身を吸い込み始めた。

 

(一体何が起きている?)

 

事態に気がついた13号が慌ててブラックホールを閉じようとするが間に合わず自身の個性に背中を抉り取られてしまった。

 

「13号! 大丈夫ですか!」

 

緑谷の悲痛な叫びや峰田の怯えに当てられて、一部の生徒は完全に敵を恐れてしまっている様に見える。

 

それを見た全身に手を貼り付けた男はニタァといやらしく笑いモヤの男に指示を出す。

 

「黒霧! ボスキャラ倒す前に雑魚を片付けろ。」

 

「かしこまりました、死柄木。」

 

(2人の名前はシガラキとクロキリだな。)

 

トニオは貴重な情報を忘れない様に反芻する。

 

スーツはまだ展開途中だ。

 

「プロヒーローと言っても所詮はこの程度ですか。次は貴方たちです。」

 

そう言いながら異形型の男が一歩、また一歩と峰田達に近づいてくる。

 

「子供とは言えヒーローの卵。貴方達は——」

 

BoooM!!!という派手な音ともに空中に飛び上がった爆豪が異形型の男に殴りかかり切島も腕から先を硬化させながら殴りかかろうとする。

 

「——こうして散らして嬲り殺しにしましょうと伝えるはずだったのですが——」

 

「(さっきよりもモヤの量が多い!)」

 

「——雄英では人の話は最後まで聴きましょうと教わらないのですか?」

 

爆豪が殴りかかったことで異形の男の個性の範囲がブレたのか幾人かの生徒は飛ばされることなくその場に残った。

 

その中にトニオは居なかった。

 




コメント謝謝ナス!

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