【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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102話

「ここまで来ればだいぶ暖かいかも!!」

「天気は曇ってきたけど、景色から雪は消えてきたぞ!!」

「入り江と比べたら天と地のさかもォ!!」

「懐かしい風……帰ってきたと……」

 

 キルクスのいりえを凍らせて、その水面渡ること数時間。寒い寒いと身体を震わせながら何とかこの入り江を乗り越え、そのままスパイクタウンへの道を歩き出したボクたちは、エール団からの邪魔を何回もいなしながらようやく9番道路の次のエリアに到着することが出来た。

 

 何故か急に、そして明らかに増えたエール団からの妨害に若干の不満を募らせてはいたものの、寒さという1番わかりやすい制限から解き放たれた開放感が強く、だいたいみんなの顔は晴れ晴れとしたものだった。

 

 強いて言えば、マリィだけは自分の応援団が関係しているだけあってか少しテンションが下がっていた。けど、それも自分の故郷が近づいてきたことによる安心からか、ちょっとだけ柔らかい表情に変わっていた。

 

 スパイクタウンはずれ。

 

 文字通りスパイクタウンすぐそばの道路のことで、9番道路を構成する道路の一つ。キルクスのいりえと違って雪景色がなくなり、比較的暖かい印象を受けるものの、あられや雪がよく降る場所の近くということもあってか、天候が曇り空になりやすい場所となっている。そのため、ちょっと言い方を悪くすれば、少しどんよりとした空気感を与える場所になるかもしれない。

 

 個人的にはちょっと落ち着く雰囲気を感じるから好きではあるんだけどね。

 

 そしてこの道路までくれば、いよいよ7つ目のバッジを貰う場所、スパイクジムが目と鼻の先になる。

 

(マリィのお兄さんが担当しているジムだよね……)

 

 ボクたちの仲間であるマリィの兄がジムリーダーとして君臨している場所で、かつかなり珍しいあくタイプのジムリーダーだ。

 

 あくタイプの四天王はちょくちょく名前を聞くんだけど、あくタイプのジムリーダーは聞いたことがない。このガラル地方には四天王がいないため、ガラル地方のジムリーダーで2番目に強いというのは実質他の地方の四天王クラスの強さという事では?と思わなくはないんだけどね。いや、むしろジムリーダーさえもストイックなこの地方においては、他の地方の四天王よりも全然強い可能性だってある。

 

 ダンデさんを入れればおそらくNo3の実力者。間違いなく苦戦を強いられるだろう。

 

(けど、だからこそワクワクするところもあるよね!!)

 

 しかもなんとこのスパイクジム、ガラル地方のジムの中で珍しくダイマックスができないジムとなっている。

 

 ガラル地方のジムスタジアムは、基本的にダイマックスエネルギーがあふれているところに建てられることによって、ポケモンバトル時にもダイマックスを行えるようにしてしてあるんだけど、どうやらここスパイクタウンにはそのダイマックスエネルギーのパワースポット的なものがないらしい。

 

 つまりそれは、ここではダイマックスのないガチンコバトルをしないといけないということになる。

 

 そのせいかガラル地方の中ではあまり人気のないジムみたいで、どうやらジムチャレンジはおろか、ジム戦すら中継されないみたいなんだけど……シンオウ地方ではダイマックスなんてなかったため、ボクにとっては物凄く馴染みのあるバトルができるという事だ。

 

 別にダイマックスが嫌いというわけではないんだけど、たまにはそういったものがないバトルも楽しみたいよね。

 

 というわけで、できることなら一日でも早くスパイクタウンのジムリーダーである、マリィのお兄さんに挑みたいんだけど……

 

「なんか、嫌な雰囲気?」

「もめてる?」

 

 スパイクタウンへの入り口までもう少しというところで、その入り口付近に沢山の人影が集まっているのが確認できた。最初は何かのイベントか催し物で盛り上がっているのかな?なんて思っていたけど、集団から聞こえる喧騒がどこか雰囲気の悪いものに聞こえるため、どうやらあまりいい空気ではなさそうだ。

 

 ボクとユウリの言葉に、周りの人も顔を見合わせながらどうするかを考え、とりあえず近づいて状況を確認しようということに。

 

 近づいてみてわかったことは、どうやらスパイクタウンの前に集まっている人たちの大半はジムチャレンジャーらしく、ここまで生き残った猛者ということもあってか、あまりガラル地方の人に詳しくないボクでも、どこかで見た事が、ないし聞いたことがある選手がちらほら見かけられた。

 

 これから先このジムチャレンジを大きく荒らす可能性もあるので、時間があれば少しくらいお話しして交流を深めるのもありかもしれないとは思ったけど、だれもかれもそれどころじゃないといった空気を纏っている。

 

 その空気の正体は何か探ろうと思い近づいてみた結果、その答えは意外とあっさりと見つけることが出来た。

 

「あれ、スパイクタウンの入り口が閉まってるぞ?」

「これじゃあスパイクタウンに入れないジャン。そりゃみんな荒れるわよねェ」

 

 ホップとクララさんの言う通り、人だかりができている所まで近づくと、スパイクタウンの入り口がシャッターでとじられているのが目に入る。それも工事とか事故があって仕方なく閉じているというよりは、人を通らせないようにするためにわざと閉じているという空気だ。その証拠に、スパイクタウンの入り口を閉じているシャッターの前にはエール団が何人もおり、明らかに彼らが意図的に占めているのだということが見ただけでわかってしまう。

 

「マリィ、何か知ってたりする?」

「あたしにもよくわからなか……なんで入り口を……」

 

 自分の応援団だから何か知っていることはないかな?という淡い期待の下、マリィに対して質問を投げかけてみるものの、帰ってきた言葉はやっぱり否定。自分の応援団だからと言って、自分とかかわりがあるかと言われたら怪しい所があるので当たり前と言ったら当たり前なんだけどね。ファンクラブとかって、本人が知らないところで勝手にできるものだし……

 

「この封鎖って、いつからされてるんだろう?」

「パっと見た感じ、そんなに前からされている感じはないよね……」

 

 ユウリと意見を合わせながら周りを見てみる限り、おそらく封鎖されたのは昨日とか今日の朝からとか、とにかく直近じゃないかなという予想だけはできた。というのも、周りを見渡した時にボクたちよりも2日だけ先にキルクススタジアムを突破したマクワさんがこの周りにその姿がないからだ。ボクたちが打ち上げ等でキルクスにそこそこいたというのあるかもしれないけど、それにしたってマクワさんとくらべて、無茶苦茶というほど進行度に差はあいていないはず。にもかかわらず、ここにいないということは、おそらくマクワさんはもうここを突破しているという事なのだろう。

 

(ってことはもうナックルシティに向かっているってことだよね?さすがマクワさん……って今は気にしてる場合じゃないか)

 

 マクワさんの進行状況や、ここのジムでどんな戦い方をしたのかとかは確かに気になるけど、今はそれどころではない。

 

『おいどうなってんだよ!!』

『早くここを開けなさいよ!!あくタイプのジムリーダーに挑戦できないじゃない!!』

『今は諸事情により開けられないのでアール!』

『しばらく待っているでアール!!』

『ならせめてその事情が落ち着く時期をアナウンスしなさいよ!!』

「こっちにも期限っていうのがあるんだよ!!」

『ジムチャレンジ期間はまだまだアール!』

『それくらい待てばいいでアール!!』

 

 激化するジムチャレンジャーとエール団の口論。次から次へと続いて行くお互いの主張にこちらが付け入る隙なんて一つもなく、この騒動を治めようにもどうすることもできない。

 

 確かにエール団の言っている通り、ジムチャレンジの期限というのはまだまだ余裕がある。ボクたちの進みが順調だから勘違いしそうだけど、本来ならこのジムチャレンジは、突破にかなり日数がかかることを想定されているためそこそこ長い期間が設けられている。その期間は今からから数えても数ヵ月は十分にある。

 

 このスパイクタウンを数ヵ月もの間封鎖するとなると、さすがにリーグ委員会からの忠告や圧力がかかるだろうから、正直放っておいてもそのうち解決する問題ではありそうな気がするけど、だからと言ってずっとここで足止めを喰らうのは普通のチャレンジャーからしたら面白くない話であるし、この先二番目に強いジムリーダーと、最強のジムリーダーが控えているのに、準備期間が削られるというのは勘弁願いたい。

 

 以上のことから、できることならスパイクタウンにもできる限り早く入りたいという気持ちはある。

 

 エール団が行っているのが仕方なくではなく、こちらを足止めするためという理由である以上、余計に解決できるなら自分たちの力で解決したい。けど、このまま騒動が大きくなれば、先ほども言った通りこちらが介入するのも難しくなってきて……

 

(もしかしてこうやって騒動が大きくなってさらに遅延することをも計算してこの問題を起こしてる……とか?)

 

 だとすれば間違いなくこの騒動はこれからも大きくなるだろうから、エール団の狙い通りになっている。このままどんどん大きくなっていけば、リーグ委員会に出てきてもらうまで待機という長い長い足止めを喰らうことになるだろう。

 

(どうにかこの問題を解決してスパイクタウンに入りたいなぁ)

 

 勿論例えここで時間稼ぎをされたとしても、期限内にジムチャレンジを突破できる自信はある。しかし、ジムチャレンジを突破というのはあくまでも本戦に出るための予選でしかない。つまり、予選を早く抜けることが出来れば、その分早く、そして長く本戦への準備をする期間を取ることが出来るというメリットがある。

 

 本戦になればユウリたちと全力でぶつかることになるし、さらに先に進めば、今までこちらの壁となるために調整されたポケモンで戦っていたジムリーダーたちも本気を出してこちらを蹴落としてくるライバルになる。そのことを考えると、準備期間は長ければ長いほど嬉しい。

 

 マストではないけどやはりここはできるならさっと先へ進みたい。

 

 無理そうなら無理で、その時は仕方ないと諦められはするんだけど、一応自分たちだけでも解決できる方法がないかは考えておきたい。そう考え、とりあえず何かできることはないかと頭を働かせて……

 

「ちょっとフリアっち!速くこっち!!みんなもォ!!」

「うぇ!?クララさん!?」

 

 思考の海に飛び込もうとしたところで、クララさんに腕を引っ張られてスパイクタウンの入り口から少し離れた草陰に押し込められる。それもボクだけでなく、ユウリたちも含めた全員でそろって連れてこられたらしく、みんながみんなどうして連れてこられたのかわからないといった表情を浮かべていた。

 

「クララさん、急にどうしたの?」

「いきなり腕を引っ張られるからびっくりしたぞ」

「せめて引っ張るなら一声かけても……」

「あまァいィ!!」

 

 草陰まで押し込められて、一息つけられるようになってからクララさんに言葉として疑問を投げかけると、そんなボクたちの発言を上からかき消すようにクララさんが指を差しながら声を上げた。声量自体は大きくなかったんだけど、そのあまりにも急な勢いに思わず気圧されるボクたち。そんなボクたちの姿を見て、クララさんはやれやれと言った様子で言葉を続ける。

 

「今の状況がどれだけやばいか、みんな分かってなぁいィ!!もっと危機感持ってもらわないと困るんですケドォ!!」

「やばい……?確かにすぐにスパイクタウンのジムに挑めないのは不便だし、ジムミッションの突破が遅れたら、その分本戦の準備が遅れるから嫌だとは思うけど……」

「危機感を持つほどのことなのかな……?さすがに催し物に支障が出るとなると、ローズ委員長が黙ってないと思うから、最悪時間が解決してくれそうだと思うんだけど……」

 

 どうやら速くジムチャレンジを抜けて準備をしたいと思っていたのはボクだけではないみたいで、ホップとユウリからもその旨が受け取れるような言葉が聞けた。けど同時に、例えここで足踏みすることになっても大きな問題にはならないだろうと思っているということも感じ取れた。

 

 おおよそボクが頭の中で考えていたことと変わらない。なので、どちらかというとボクもなんでクララさんがこんなに切羽詰まったように発言しているのかがわからない。ここまで発言してないマリィもそこは同じようで、ボクたち4人そろって首をかしげていた。

 

「本当にわからないのォ!?」

 

 その事が信じられないみたいで、物凄くショックそうな顔を浮かべるクララさん。そこまで言われてもわからないものはわからないので、ボクたちとしてもどう反応すればいいのかわからず困っていると、溜息を吐きながらクララさんが説明をしてくれた。

 

「いい?今この問題はエール団っていうマリィセンパイの大ファンたちが起こしている。そこは理解しているよねェ?」

「「「「うん」」」」

 

 言われるまでもない情報にとりあえず頷くボクたちと、そこからさらに続くクララさんの言葉。

 

「エール団のみんなはァ、マリィセンパイに勝ってほいいと思っているしィ、マリィセンパイが勝つためなら応援だってするしィ、そのほかの援助だって惜しまないっていう心持ち的なモノを持ってるでしょォ?」

「……うん」

 

 次の説明に関して反応したのはボクのみ。他の皆はじっとクララさんに視線を向けていた。

 

 少しだけ、クララさんの言いたいことが見えてきた気がする。

 

「そうなってくれば、エール団の動きはマリィセンパイと関りが薄い他人からしてみれば、全部マリィセンパイに有利な出来事として捉えることが出来るってことでしょォ?」

 

(……なるほど)

 

 ここまで来てクララさんが何を言いたいのか、理解できてしまった。

 

「では問題ィ!そんな時にマリィセンパイの生まれ育った町が、マリィセンパイの大大大ファンのエール団によってなぜか閉鎖されちゃったァ!!……ってなったら、まったく事情の知らない人は……なんて思うゥ?」

「……マリィが、自分のライバルをできる限り蹴落としたいから、エール団に他のジムチャレンジャーの足止めを依頼しているように見える」

「……フリアっち、正解ィ」

「「なっ!?」」

「……」

 

 ボクの回答にマルをつけるクララさんと、そのやり取りに驚きの声を上げるホップとユウリ。マリィは未だに沈黙を貫いている。

 

「いやいや、マリィはそんなことをお願いするような卑怯なやつじゃないぞ!!」

「そんなことはうちたち全員が知ってる的なァ?マリィセンパイがそんなことするはずないのはうちたちにとっては当然の事実だしィ。……けど、マリィセンパイのことをそこまで知っている人って意外と少ないって話ィ。何も知らない人の方が圧倒的に多いしィ、その多数の人間にとってェ、今回の問題はマリィセンパイによって引き起こされているんじゃないかァっていう考察の余地を与えてしまってるって事ォ。……そういう界隈ではよくあることよ」

「で、でも……!!」

 

 クララさんからの説得力のある言葉に、それでも反対したくて言葉を続けるホップ。ホップの、仲間を信じたい。そして何よりも仲間を悪者にしてほしくない。そんな気持ちが強く表れるその言葉は、確かにホップの言葉を押してあげたくなるものの、現実はそんなに甘くはない。ホップの言葉を聞いて、それでもあまり浮かばな表情を浮かべたクララさんは、そっとスパイクタウン入り口に集まっているジムチャレンジャーの方へ向けて指を差す。その指の先に視線を向け耳を傾けると、ジムチャレンジャーたちの声がかすかに聞こえてきた。

 

『エール団って確か……』

『マリィ選手を応援してる団体だよな……』

『ってことは、この騒動もマリィ選手が裏で糸引いてたりするのか?』

『嘘……私密かに憧れてたんだけど……ショックだなぁ……』

 

 内容はマリィを疑う声。この会話を聞いてしまったホップとマリィの顔色が少し悪くなっていく。

 

「勿論マリィセンパイがこの騒動の首謀者の犯人だって証拠はどこにもないしィ、実際に犯人じゃないからどれだけ証拠探してもそんなものは見つからない。けど、噂が広まるのは犯人の可能性があると思い込ませるだけで十分なんだよねェ。だから、このままこの騒動を放置しちゃったら、この問題の責任はマリィセンパイに行く可能性が高くなっちゃうのォ」

「そんな……」

 

 クララさんの言葉にますます嫌な予感が募っていく。声を上げているのはユウリだけだけど、ホップとマリィも慌てたような表情をしているし、実際にこのままいけばクララさんの言う通りの結末を迎えることになるだろう。

 

 この騒動のストップが、『できればやりたいこと』から『絶対にしなければいけない』という最優先事項に変わった瞬間だ。

 

「だからそうならないように、今からうちたちで対策を考えるのォ!!確かにまじヤバな状況だけど、まだ確定してるわけじゃないんだからァ!!全力で止めちゃうぞォ!!」

 

 クララさんの言葉を聞いてみんなの表情がまた変わる。先ほどの暗い顔からなんとしてでもこの騒動を治めるために動くという覚悟の顔へと。

 

「そうとなると、どうやってこの騒動を止めるべきかを考えなきゃだよね……」

「でも、今のままだともう騒動がそこそこ大きくなってきてるから、私たちの言葉を通すのは難しいかも……」

「ローズ委員長に報告じゃダメなのか?」

「それだと結局マリィセンパイが首謀者だったという可能性が消せないじゃん?うちたちの目標は、この騒動をただ止めるだけじゃなくってェ、この騒動を止めたうえで、この騒動の犯人がマリィセンパイじゃないってことを証明しないとダメってことダカラァ……」

「リーグに報告だと、根本的な解決じゃないってことだね」

 

 想像以上に面倒なこの状況。どうにかしてこの状況を打破しないといけないのに思った以上に壁が高くて、いろいろ作戦を組み立ててもどれもうまくいかないような気がしてまとまらない。

 

 こうして皆でうんうんうなっている間にも時間は経過していき、遠くの騒動も現在進行形で大きくなっている。この近くにポケモンセンターなどがないため、キャンプをするしか夜を明かす方法がなく、そしてスパイクタウンの前に集まる人がキルクスタウンから少人数ずつとはいえ徐々に流れてくるため、人数が減ることがない。

 

 騒動が大きくなるスピードは、ボクたちが思っている以上に大きい。これは本当に急がないと危ないかもしれない。そこまで考えていた時に、ここまでずっと黙っていたマリィから提案が出る。

 

「みんな。こうなったら内側から無理やりこじ開けるしかなかと!!」

「「「「内側から……?」」」」

「うん。……こっち!!」

 

 こちらの意見を聞くよりも先にみんなを引っ張って、スパイクタウンの入り口横にある物陰へと走っていくマリィ。この時に、できる限り他のジムチャレンジャーたちの視線にマリィが入らないようにしっかりと人陰を作っておくのを忘れない。

 

 草むらとスパイクタウンから出た荷物が詰め込まれているであろうコンテナ群を抜けて、小さな裏路地を通っていくボクたちは、ほどなくしてスパイクタウンがあると思われる場所に入れそうな小さな入り口の前に到着した。

 

「ここは……」

「スパイクタウンはあたしにとって生まれ育った場所だから、ちょっとした裏道とか全部知ってるんよ。だから、例え入り口を封鎖されたとしても、あたしはスパイクタウンに入ることが出来ると。だからこそ、エール団のみんなは入り口を封鎖したんだと思う」

「成程……」

 

 確かに、裏口のことを知っているのがマリィだけならば、入り口を封鎖した時もマリィだけは支障をきたさずに先に進めることが出来る。しかしそれは同時に、先ほどのクララさんのあげたこの騒動の主犯がマリィである説を押してしまう証拠の一つにもなりうる。この通路を通って中に入るのは、いわば諸刃の剣だ。

 

「いいの?マリィ……」

「どうせこのまま放っておいても事態は悪化するだけと。なら、あたしも覚悟きめんと!!エール団のみんなの思いは嬉しいけど、やってイイこととダメなことがあると!!」

 

 マリィの表情がきりっとしたものに変わる。その変化を受けて、ボクたちの覚悟も決まっていく。

 

「おっしゃァ!!じゃあお前ら。いくゾォ!!」

 

 クララさんの言葉に頷いて、ボクたちはスパイクタウンへと駆けだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




スパイクタウンはずれ

地味に珍しい、天候が曇り固定の地域。
ポケモンバトルにおいて曇りに効果はないのであまり関係はありませんけどね。
いつか曇りにも意味が出来そう……

スパイクタウン封鎖

実際問題、こんなことがリアルで起きたらマリィさんの立場が危ないどころではないなぁと。
クララさんがそのことに最初に気づいたのは、地下アイドル生活をしていたことによる経験から。
クララさんはこの場面だと凄く動かしやすいんですよね。




アニポケでゲッコウガが出ましたけど、やっぱりゲッコウガはサトシの手持ちでも最強格の一体なんだなぁと改めて感じましたね。
こういうの凄く好きです。
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