【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

115 / 374
ナックルシティ編
115話


 スパイクタウンはアーケード街だ。

 

 町全体を屋根で覆われたここは、前も言ったように外の明るさで時間を感じるのが難しい場所となっている。太陽の光を大きく制限してくるこの屋根は、ほんの少しだけボクたちの時間感覚を狂わせてくる。しかし、だからといって季節感まで狂わせてくる訳では無い。

 

 このスパイクタウンに滞在した間にも当たり前だけど日にちは着実に進んでおり、いよいよ夏本番に足を踏み入れ始めたこの季節。太陽光こそ防いでいるため、日光による直接的な熱は防いでくれているけど、屋内にこもるあの独特な熱気は物凄く感じてしまうこの町は、換気のためにひこうタイプのポケモンや、扇風機、換気扇などの力を借りてはいるものの、スパイクタウンが細長い構造だという事と、一番奥がライブ会場になって締め切られているせいで風通しが悪く、なかなか町内の熱が取れない。

 

 勿論ボクたちが通ってきたような裏道は何個かあるため、全く換気ができないというわけではないんだけど、それだけで熱が全部とれるほどこのスパイクタウンの中を包んでいる暑さは軽いものではなかった。夏に入ったばかりでまだ暑さ対策が甘い所も要因の一つだろう。

 

 快適な温度に設定されているポケモンセンターの中から、スパイクタウンの町に出た瞬間にボクたちを襲ってきたこの熱気に思わず顔をしかめてしまうボクたち。

 

 昨日はれて全員で7つ目のバッジを手に入れて、いよいよ最後のバッジを手に入れるべく、ナックルシティに戻ろうというせっかくの旅立ちが、こんな少し煩わしさを感じるものでいいのかという不満がみんなから少し感じられた。しかしそれもスパイクタウンのシャッターを通り抜けるまでの話で……

 

「おお~、スパイクタウンが熱かったからもしかしたらと思ったけど……」

「うん、見事な快晴だね」

 

 スパイクタウンと9番道路の境目となっているシャッターを潜り抜けた瞬間、暗い所から明るい所に出た時のまぶしさに一瞬目を細めてしまうものの、すぐに慣れたため、ほどなくして目を開ける。屋根がなくなり、久しぶりに見上げる空は、初めてここを訪れた時とは打って変わって雲一つない晴天となっていた。

 

「珍しいですね……このあたりは曇り以外の天候になることはほとんどないのですが……」

「うん、あたしもここが晴れているところ、ほとんど見たことなか」

 

 ここで生まれ、ここで育ったマリィとネズさんがこういうのだからおそらく本当のことなのだろう。それが、ボクたちが次の町へ行くときにこうやって珍しく、そして心地いい天気に変わるとなると、まるでボクたちの旅立ちを後押ししているように感じた。少し怠い熱気を感じていたスパイクタウンから外に出た瞬間に感じた風の流れも相まって、温度こそあまり変わらないものの、こもった不満のある熱気ではなく、カラっとしたさわやかな暑さに変わったことで、さっきまで感じていた不快感が消え去っていく。

 

「キルクスタウンを旅立つ時もそうだったけどォ、フリアっちってもしかして晴れ男だったりィ?」

「そうかなぁ?……そうかも」

 

 クララさんに言われて改めて思い返してみると、確かにボクの旅立ちや、町から町への移動で悪天候になった試しがあんまりない。深く考えてこなかったけど、もしかしたらクララさんの言う通り晴れ男とまではいわなくても、何かしらに背中を押してもらっているのかもしれない。

 

「たとえそうでなくともそう考えておきなさい。せっかくの道が暗くなってはもったいないですからね」

 

 相変わらず猫背で後ろに控えているネズさんの言葉に皆が振り向く。そのさらに後ろにはエール団も控えており、マリィは勿論のこと、この数日間で仲良くなったクララさんたちのお見送りをしに来た人もいる。というか、その人たちは元々あったマリィのタオルのクララさんバージョンとか、ホップバージョンを作って掲げており、もはやエール団がマリィだけではなく、他の人の応援も兼ねてしまっている。

 

「いよいよ最後のジムですね。手合わせしたおれだから言いますよ……シュートシティに来るのを、楽しみにしてます」

 

 ネズさんの言葉、それは実質8つ目のジムリーダー、キバナさんに勝つことを確信してくれている言葉。

 

 ボクたちにとって、これ以上にない激励の言葉だ。

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 そんな言葉を貰って気合が入らないわけがない。口をそろえて返事を返したボクたちは、今度こそ前を向いて歩いて行く。

 

 目指すはキバナさんが待つナックルシティ。

 

 キルクスタウンへ行くときに通った7番道路へと戻ることが出来る、ルートナイントンネルへと足を運ぶボクたち。

 

 背中から聞こえてくるエール団の声がとても安心感を与えてくれる中、ボクたちは最後の関門に向かって駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戻ってきたね。ナックルシティ」

「うおお!なんかわかんないけど、前見た時よりも熱気がある感じがするな!!」

「今からテンション上げてどうすると……って、いつものあたしなら間違いなくそう言うんだけど……」

「今回ばかりはホップの言う通りかも」

「それ以上に、なんかうちたち注目れてないィ?」

 

 スパイクタウンからひたすら真っ直ぐ西に進み、長い長いルートナイントンネルをひたすら駆け抜けたボクたちは、久しぶりに到着した7番道路を何事もなく通り過ぎ、3度目のナックルシティを訪れた。

 

 3回訪れたとは言っても、訪れる度にボクとユウリ以外のメンバーがコロコロ変わっているところに冒険らしさを感じ、少しだけ笑みを零しながら踏み入れたナックルシティは、ホップの言う通りどこか賑わっているように感じた。

 

 どうも7つ目のバッジを手に入れ、キバナさんに挑む可能性のある人がさらに増えたという情報が出回っていたみたいで、賑わっている人たちの視線がボクたちに吸われているのを凄く感じる。耳を済ました時に聞こえるボクたちを噂する内容がその事実を後押ししているようで、もはやコソコソ話の域を超えているほど大きくなっているその声は、ボクだけでなく、周りにいるユウリたちにも届いていることだろう。正直噂の回る速度が早すぎて、ついつい言葉がこぼれてしまう。

 

「もう噂されてるんだ……」

「生放送されていないとはいえ、バッジをあげたって報告はするはずやけんね。特に、フリアは突破が早かったから、アニキがリーグに連絡して今日まで時間があったし、そのうえでなかなかここに姿を現さないってなると、噂の標的になるのは当たり前ってとこ」

「なるほどね……」

 

 マリィに言われて物凄く納得する。

 

 確かに、誰にバッジをあげたかの情報はちゃんと共有してないと、無いとは思うけど偽装されたジムバッジを持って進んでくる可能性もあるもんね。その辺の対策も兼ねて、突破した人の名簿みたいなものがリーグに保管されているとみていいのだろう。そして、そこから情報を辿れば、ボクがネズさんに勝っているということは簡単にバレるわけだし、そもそもジムチャレンジに関する特集を組んでいる番組に、リーグ側から情報を開示されている可能性もある。更に、ボクが普段ユウリたちと一緒に行動しているという前情報がそこに加われば、ボクがここに来た=ユウリたちもネズさんを突破したという式が簡単に予想できる。

 

 そう考えれば、ボクたちがここに来た瞬間に、ここの住人たちの熱気が上がったのも頷ける。

 

 ここまで生き残るトレーナーというのは本当に珍しいのだろう。どこを見てもお祭りムードがさめておらず、ここまで生き残った選手を応援するファンの姿であふれかえっている。中にはスパイクタウンからあらかじめここまで来ていたのか、見送ってくれた人たちとはまた別のエール団の人たちが、タオルを振り回しながら応援してくれている。

 

『うおおおお!お嬢~~~~!!』

『クララ姐さああぁぁぁん!!』

『おいみろよ!!フリア選手だ!!』

『なんだなんだ、なんの騒ぎだ?』

『ユウリ選手!ホップ選手もいる!!』

『わぁ!たまたま会えるなんてラッキー!!』

 

「な、なになに?どんどん人が増えてきているんだけど……」

 

 ただでさえいつもよりも賑わって見えるナックルシティの様子が、ボクたちの方へ人が寄ってくることによってさらに騒がしくなってくる。ボクたちを中心に円形に一定距離を開けてどんどん集まって来る人の数は、ナックルシティの東側に駅があることによって余計に集まりやすくなっているらしく、その数をどんどんと増やしており、あまりに集まって来る人数が多すぎて若干引き気味になるボク。けど、そんな反応をしているのはボクだけで、むしろホップたちは嬉しそうに手を振り返している始末。こういうのに一番苦手意識を持っていそうなユウリやマリィまでしっかりと対応しているあたり、今この場においてはおかしいのはボクの方らしい。

 

「ああ、フリアは別地方から来た人だから知らないよな」

「ずっと一緒にいるからそのこと忘れちゃってた……」

「ジムバッジを7つ集めるなんて本当に少ないから、毎年アニキのジムを突破した人はここで歓迎されるっていうのが恒例化してると」

「テレビで見たりラジオで聞いてたあの夢の場面……!マジあがるゥ!!」

「な、なるほど……」

 

 確かに、カブさんのジムの時点で推薦された選りすぐりのチャレンジャーの半分がふるいにかけられるというとても過酷なチャレンジだ。そのチャレンジをここまで生き残っているとなれば、期待が大きくなるのも当然と言えば当然。

 

(……それにしても人が多すぎる気がするけど)

 

 とはいえ、駅が近いということを加味してもさすがに集まりすぎだ。その人数の多さは、この町に住んでいる人よりも多いのではないかと錯覚させるほどで……

 

 

『『『『『『きゃああああああ!!!』』』』』』

 

 

 みんなが手を振っている中、いまだにこの空気感に慣れないでいると、突如響き渡る黄色い悲鳴。その悲鳴があまりにも大きく、最初は何か事件が起きたのかと勘違いしてしまいそうになるほどで、けど、その誤解もすぐに解かれることとなる。

 

「よぉ!ようやっと来たな!!」

 

 悲鳴が聞こえた方の人混みが海が割れたかのように左右にざっと割れていく。そして、人が10人くらい横並びしても歩けそうなほどの幅に開かれた人垣から歩いてくる影が一つ。

 

 初めてここに来た時にも聞いたその声は、あの時とは違って程よい緊張感をはらんでいた。

 

 ボクたちを見つけて声をかけたその人は、褐色の肌にスレンダーな体系をしており、緑がかった青い瞳をした垂れ目と、耳についたゴールドのピアスがチャームポイントのジムリーダー。オレンジ色のバンダナをぎゅっと頭に巻きつけ、彼の専門とするドラゴンタイプを彷彿とさせるような八重歯を光らせながらこちらに近づいてくるその人物は、ボクたちが来るのを本当に楽しみにしていたみたいで、嬉しそうな、それでいて物凄く獰猛な笑顔を浮かべながらゆったりと歩いてきた。

 

「ネズのやつからバッジを手に入れたって聞いてからどれだけ待ったと思ってるんだよ。てっきり逃げたかと思ったぜ」

 

 ナックルスタジアムジムリーダー。そして、ガラル最強のジムリーダー。ボクたちのジムチャレンジの最後の関門を担うキバナさん。

 

 ジムリーダーの中でも屈指の実力と人気を備える彼が、自分で言うのもあれだけど、ジムチャレンジを猛進している期待のチャレンジャーと一緒にいるとなると、周りのボルテージもどんどん上がっていく。もはや一種のパニック状態と勘違いしそうなほど盛り上がる周りと相反して、渦中にいるボクたちは不思議と落ち着いた心持で対面していた。

 

「すいませんキバナさん。でも、やっぱりボクはみんなと進みたかったので」

「知ってる知ってる。さっきはああ言ったが全部冗談だ。むしろ、お前が来るときは、戦いがいのある仲間も一緒に来ると思えばおつりがくるくらいだぜ」

 

 キバナさんと言えばの馴染みロトムフォンを周りに飛ばし、パシャパシャとこの様子を写真を取らせながら会話を続けていく。後でSNSにでもあげるのかな?

 

「キバナさん!!フリアに期待するのはわかるけど、俺たちだってここまで頑張ってきたんだ!ちゃんとこっちも見てもらうぞ!!」

「私も、全力で挑ませてもらいます!!」

「スパイクタウンのため……勝たせてもらいます!」

「はぁ……キバナ様ァ……かっこいいィ……」

「んなこと言われなくてもちゃんと見てるさ。ただでさえお前たち全員、ガラルでもかなり有名なやつらの身内だったり推薦者だったりしてるんだ。それ相応に期待しているんだ。あんまりがっかりさせるなよ?」

「「「勿論です!!」」」

「はぁ……素敵ィ……」

 

 もはやトリップして帰ってこないクララさんは置いておいて、こんな大勢の人がいる場所で堂々と行われるジムリーダー自らの挑発に、周りのオーディエンスの声だけでなく、いつの間にか集まってきていたらしい記者の人たちのカメラフラッシュの音まで加わる。

 

 物凄い盛り上がりに、いつしか宝物庫を案内するときにキバナさんが言っていた、『表で待っていたらファンの反応が━━』という感じのくだりを思い出し、確かにここまでとは言わないものの、黄色い悲鳴を毎回あげられては、嬉しくはあるけど、プライべートで誰かと待ち合わせなんてとてもじゃないけどできなさそうだと思った。

 これはボクがキバナさんの立場になっても宝物庫の中で待つことになりそうだね。

 

 そして気になることがもう一つ。

 

(マクワさんもこんな風に歓迎されたのかな……)

 

 見た目的にも人気を惹きそうだし、マクワさん本人がファンに対してはサービス精神旺盛な人らしいから、今回とどっこいどっこいくらいの盛り上がりを見せていそうだなぁと予想してみる。

 

「だが……やっぱり、ようやくお前と戦えると思うと湧き上がってくるものがあるよな!!」

 

 マクワさんのことやキバナさんのことを考えていると、ユウリたちとの会話にひと段落つけたキバナさんがこちらに話を振って来る。それに合わせて、視線をいろんなところに向けてこの状況を少し確認していたボクも目線をキバナさんに向ける。

 

「ずっとずっと待ってたんだ。本当ならジムミッションすらもすっ飛ばして今ここで戦いたいんだが……やっぱり大衆の前で戦わないと意味がねぇしな」

「待っていてください。すぐにそこまで行くんで!」

「言ったな?ああは言ったけど、オレ様がみっちり鍛えたジムトレーナーだ。手強いぜ?」

「望むところです!」

 

 まだまだジムで受付すらしていないのに、キバナさんとの言葉の応酬で、既に心は戦闘モードだ。

 

「期待して待っているぜ。そんでもって……お前の切り札、オレ様が暴いてやる!!」

 

 ざわめく周りの人たち。瞬くカメラフラッシュ。

 

 ボクの切り札自体はネズさんとの戦いや、ビートとの戦いで解禁しているため、厳密には初お披露目というわけではない。しかし、どちらのバトルも放送をされているわけではないので、ほとんどの人にとっては未だに謎のポケモンとなっている。

 

 ネズさんがボクとの約束を律義に守ってくれている証拠だ。

 

 どうやら、バッジを渡したという報告はしていても、バトルの内容までは報告していないみたいだね。

 

『あれ、でも確か、フリアの切り札って確かネズさんに━━』

『ホップ~?ちょ~っとあっち行こうね~?』

 

(ありがと。ユウリ)

 

 遠くで聞こえるやり取りに感謝しながら、ボクもキバナさんに向けて言葉を返す。

 

「キバナさん、先に言っておきますね」

「お、なんだ?」

 

 キバナさんに真正面から向き合い、物怖じせずに発言するボクを見て、何か面白いことが起きると直感した周りの人が、あれだけ騒がしかったのが嘘のように黙る。

 

(……いや、そんなに黙られても発言しづらいだけなんだけど?)

 

 急に来た変なプレッシャーに内心ビクビクしながら、しかしここまで口に出しておいて今更やっぱやめますは通用しないので、ここは腹を括って言葉を続ける。

 

「今回、ボクはこの子を使います」

 

 懐から取り出して突き出したのは、ヨノワールが入っているボール。それは、およそほとんどの人にとって中身の知らない、今最も気になるポケモンだ。

 

「……へぇ、なんだ?オレ様が見たいって言ったから見せてあげるっつぅ親切心か?」

 

 キバナさんから、少しだけ怒りの感情を感じる。けど、その事に怯えずに、真正面からたちむかう。

 

「そんなつもりはありませんよ。そもそも、ボクはこの子を隠すつもりは一切ありませんでした。単純に、最初からこの子に頼りきりではボク自身が成長しないような気がしたからという、ただの自己満足ですから」

「……」

 

 ボクの言葉に、怒りの表情を少し浮かべながら、それでもボクの言葉を待ち続けるキバナさん。そんなキバナさんの姿を確認し、ボクの言葉をさらに重ねる。

 

「ですが、ネズさんと戦って、ネズさんと喋って、むしろ、この子と戦わないと先に進めないということに気づきました」

 

 あの現象の答えをみつけ、さらに向こうへと進むために、ボクとヨノワールには経験値がいる。強い人とたくさんのバトルを重ねて、何歩も何歩も歩かないといけない。たくさんの足跡を重ねた上で、目標まで行かなきゃならない。

 

 キバナさんとのバトルは、そんなボクの成長において、とても大事なバトルだと感じた。だからこそ……

 

「ボクがさらに強くなるために、この子と共にキバナさんを倒し、前に進みます!!」

「……オレ様を、踏み台にする。……そういう解釈でいいんだな」

「……そう受けとっていただいて構いません」

 

 一瞬、キバナさんの言葉を訂正しようかどうか悩んでしまったけど、確かにこの発言は悪く言えばキバナさんの言った通りのものに受け取れてしまう。

 

 ……正直に言えば、ボクの最終目標は『コウキの下へ追いつく』なので、下手をすればダンデさんさえ通過点でしかない可能性もあるんだけど、ここでそれを言えばさらにやばい事になりそうなので、流石に口は閉じておく。

 

 いきなりの踏み台宣言。おおよそボクの口からそんな言葉が出ると思っていなかった周りの人たちが驚きと、想像以上に過激な発言だったことに対するキバナさんの反応を不安がって息をのむ。

 

 ほんの少し流れる無言の時間。しかし、その時間もキバナさんによってやぶられる。

 

「……っくくく」

 

 キバナさんから聞こえるのは喉を鳴らした音。最初は聞こえるか聞こえないかわからないほどか細いものだったけど、徐々に大きくなったそれは、いつしかナックルシティ全体に聞こえるんじゃないかというほど大きくなる。

 

「っははははは!!!今までオレ様に喧嘩を吹っかけてきたやつは何人か見てきたが、オレ様を踏み台扱いしたのはお前が初めてだ!!」

 

 一通り笑い終えたのちに顔を上げ、こちらを見ながら喋るキバナさんの顔は、まるで獰猛なドラゴンタイプのポケモンのような、闘志をむき出しにし、そのうえで楽しそうに笑っていた。

 

「ますますお前と戦うのが楽しみになってきたぜ!!ジム戦としてでしか戦うことがまだ出来ないのが惜しいくらいにな!」

「大丈夫ですよ。必ず、シュートシティまで進みますので」

「『ジム戦の』とはいえ、もうオレ様に勝った気でいやがる……本当に面白れぇな」

 

 ジムミッションすら終わっていないのにどんどんテンションが上がるボクとキバナさんに比例するかのように記者たちの筆も走り出す。

 

「お前との戦いも、お前の切り札も楽しみだが……これだけは教えてやるぜ」

「……何ですか?」

 

 どんどん盛り上がっていく周りのテンションに、さすがに盛り上がりすぎて交通網がパニックになったのか、遠くからジュンサーさんの声が聞こえ始め、いったんお開きになりそうな雰囲気が出始めた時に、最後と思われる言葉をこぼすキバナさん。その言葉に耳を傾けると声は小さく、けど今までよりもはっきりと、そして芯の通った声で告げられる。

 

「ダンデを倒すのはオレ様だ。それだけは譲らねぇぜ」

「ッ!?」

 

 そう残し帰っていくキバナさんの背中は、今までにない圧を放っていた。

 

(ボクも、目標のため、絶対に勝ちますから!!)

 

 その圧に負けないように、ボクも心から気合を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルートナイントンネル

……全スキップです。
いえ、本当に何もない所なので……話膨らまなかったです……。
ちなみに、このトンネルもスパイクタウン同様、常時曇りみたいですよ。

キバナ

宣言しましたね。
フリアさんの言葉通り、活躍してもらいますよ。




書いてみて思いましたけど、やっぱり後半のジム間隔狭いですよね。
実機ではさらにそのことを強く感じると思います。
ワイルドエリア以外の道路……個人的には、やっぱりもうちょっと長くして欲しかったですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。