【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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118話

『わあああああああっ!!!!!』

 

 

「盛り上がってるなぁ……」

 

 ナックルスタジアムは控え室。

 

 壁を震わせるような程の爆音を轟かせ、現在自分のジム戦の番をひたすら待機しているボクの鼓膜を殴ってくる。

 

 やっぱり一番盛り上がるバトルという予想を裏切ることはないみたいで、控室に聞こえてくる観客の声も今までで一番大きいものとなっている。この声を一気に身に受けることを考えると既に今から体が震えてくる。

 

 こんな大声援を毎回受けても平気なキバナさんが本当に凄いと思ったけど、なんだかんだボクもここまでのジム戦の時は、この声援に匹敵するくらいの声を投げかけられている中でうまく立ち回れているとは思っているので、バトルに入れば周りの声が聞こえないくらいの集中力スイッチが入ってしまえば、結局はいつものバトルに落ち着きそうではある。

 

 しかし、今回においてはその緊張とは別の問題がある。

 

「ヨノワールとの連携、うまくいくといいけど……」

 

 先日キバナさんへ行った宣戦布告。それにより、ボクがこのバトルでヨノワールを出すことは確定している。それは、ボクとヨノワールに起きている不調……いや、今ではもう視覚共有という一個上のステージに昇華させることができたものを、キバナさんとのバトルで初登板させるという事。当然ながら、この登板には不安がある。

 

 第一に視覚共有モードに入るのに時間がまだかかる。

 

 時間がかかるだけならまだいいんだけど、入るまでの間はボクの視界がひたすらブレ続けている状態になってしまうので、その間の動きを皆に任せるしかないのがどうしてもつらいと言わざるを得ない。視覚共有という兼ね合いもあり、準備が完了するまでの間はボクだけでなく、ヨノワールの方にも少なくない影響が出てくるのも悩ましいポイントだ。だからこそ、シンオウ地方ではヨノワールが相手の攻撃を避けられなくなってしまい、被弾率が増えて負け試合が込む結果となったのだから。特訓のおかげで共有までの時間こそ短くなってはいるものの、ボクとヨノワールの視界が役に立たない時間は必ず存在する。ヨノワールの視界のぶれはまだましみたいだけど、それでも影響は少しは存在するので、その間はどうしても弱くなってしまう。これがシングルバトルなら防御に回るだけで何とかなる可能性があったんだけど、ダブルバトルとなったら、この瞬間に集中攻撃を受けようものならさすがのヨノワールも耐えるのが厳しい。相方に守ってもらうのも限度はあるしね。

 

 第二にボク自身の体調。

 

 共有するだけでボクの体力がかなり削られるのは勿論、そこに痛みのフィードバックもついてくるのでリスクが大きい。しかもこればかりはいくら特訓で使いこなせるようになってもずっと付きまとうものだと思うし、実践突入も初めてだから、このバトルでどこまでボクの体にのしかかってくるのかがまるで予想できない。最悪バトル途中で倒れることも、なんて考えてしまう。さすがにそこまで来ると相手にも迷惑が掛かってしまうから、そうなる前に棄権をする準備はしているけど……そこまで考えてみると、今でもまだヨノワールは出さない方がいいかもしれないと悩んでしまうところがある。

 

(……でも、ここで逃げたら、多分ヨノワールとのこの現象に答えをだせない気がする)

 

 ボクの最終目標はコウキの横に立つこと。そのためにもこの現象の攻略は必須だ。なのに、今ここでリスクだけに目をつけて逃げるのはやっぱり違う。ネズさんにも「逃げるな」と言われたばかりなのに、ここでヨノワールを出さないという選択肢はない。だからこそ、逃げられないようにキバナさんに宣戦布告したのだから。

 

「ヨノワールは出す。そして、そのうえで絶対に勝つ。じゃないと、きっと意味がないから」

 

 だんだん盛り上がっていく外の歓声に、自分の出番が近づいてくるのを感じる。

 

 深呼吸を一つ。首にかけたマフラーをぎゅっと握りしめながら、これから起きる、ボクにとってジムチャレンジ最後の戦いとは別の意味も持つこの戦いに、心を研ぎ澄ませていく。

 

 飾られている時計の針の音と、自分の心臓の鼓動のみが木霊する控室。もはやここまで来れば、控室にボク以外の人がいることの方が珍しいこの空間。人が誰もいないおかげでいつもよりも深く、声に出しながら深呼吸できることに少し感謝しながらその時を待つ。

 

「フリア選手、準備をお願いします」

「……はいっ!!」

 

 集中しているところに遂にかけられる声。ぎゅっと心の奥から締め付けられるような気合が入り、それに伴うかのように体も勢い良く、跳ねるように飛び上がる。

 

 腰のホルダーについているボールをひと撫でしながら、ジムトレーナーの人の案内に従ってスタジアム会場に向かう暗い廊下を歩いて行く。

 

「……いよいよだ」

 

 自分の足音がコツコツと鳴り響く通路を歩きながら、明るく開けた場所をじっと見つめるボク。一歩歩くたびにあがっていくボクの心拍数は、同じく少しずつあがってくる観客の歓声に呼応するようで、歩いているだけなのにいやがおうにもテンションが上がって来る。

 

 思わず駆けてしまいたくなる気持ちをぐっとこらえて、明るい出口に足をゆっくり踏み出し、ついにスタジアムのコートに飛び出した。瞬間。

 

 

『わあああああああっ!!!!!』

 

 

「ぴぃ!?」

 

 自分がこの爆音をあまり得意でいないことを忘れるというやらかしをしてしまい、震えながら随分と間抜けな声を漏らしてしまう。幸い態度には出ていなかったため、締まらないなんてことにはなっていないはず……たぶん……きっと……メイビ―……と、ふざけるのもこのあたりにして。

 

「本当に……凄い声援……」

 

 控室にいた時からわかってはいたものの、いざこうして目の当たりにすると本当に圧巻の一言だ。スタジアムの観客席が全部埋まっているとまではいかないものの、それでも空いている席を探すのが難関間違い探しなんて比じゃないくらい難しいほどの埋まり具合となっていた。声援の量も観客の数に比例して大きくなっており、集客量が今までで一番多いのだから、当然ながらボクが今まで受けてきた7回のジム戦のどれよりもはるかに大きい。

 

『フリア選手だあああ!!』

『きゃああああ!!頑張ってええええ!!!』

『可愛いぃぃぃ!!』

『こっち見てくれぇぇぇぇ!!』

 

「い、いつにもまして声援の質も変な方に突出しているね……」

 

 周りに耳を傾けてみれば、聞こえてくるのはボクを応援する声からボクの視線を欲しがる声に、ボクを可愛がろうという声。果ては、聞くだけで思わず心配をしてしまいたくなるような、もはや声にすらなっていない奇声まで聞こえてくる。

 

 とりあえず、少し怖いというのと、可愛いと全力で叫んでいる人は、ボクの性別から見直してきてほしい。

 

 そんなこんなでボクに向けられるたくさんの声に、視線をあちこちに飛ばしながらそれとなく答えていると、向かいの入り口から大きな人影が来る気配を感じとる。そちらに視線を向ければ、今これからボクが闘うことになるジムリーダーが、スマホロトムを片手にゆっくりと、しかし、背の高さの分だけボクよりも大きな一歩でバトルコートの中心に歩いてきている。

 

 

『わあああああああっ!!!!!』

 

 

 再び響き渡る観客の大声援。

 

 ボクに向けられたものに比べてさらに大きなその声援は、ガラル地方一番のジムリーダーに向けてストレートに浴びせられる。そんな大声援を受けても顔色一つ、態度一つ変えずに、余裕をもってこちらに歩いてくるのは経験によるものか、はたまた自信によるものか。

 

 一切収まることを知らない歓声の中、ついにバトルコートの中心で向き合うボクたちは、審判の人の説明を聞き流しながら言葉を交わす。

 

「ついにだな!」

「……はい!」

 

 190cmは超えているだろうキバナさんを見上げる150cm近くのボク。身長差のせいで若干首が痛くなりそうなほどの高低差から見下ろしてくるキバナさんは、あの日宣戦布告した時よりもさらに獰猛に、ギラギラと、闘争心を隠す気のない燃えるような瞳で睨みつけてくる。普段が垂れ目気味であることもあり、そこからのギャップも相まって余計に迫力があるその睨み。いつものボクなら思わず怯んでしまいそうなほど凄みのあるそれを、同じく宣戦布告した時と同じように真正面から見つめ返す。

 

 きっと傍から見たらお互いの視線の間で火花が散っていることだろう。それほどまでにボクたちにとってこのバトルは楽しみで仕方なかったものだから。

 

 言葉は必要ない。ただただ一秒でも早く、審判の説明が終わることを願っていた。

 

 お互い、目をしっかり合わせていくうちにいつしか周りの歓声が聞こえなくなっていく。今までも集中しすぎて周りの音が消えたことは何回もあるけど、バトル前にここまで集中することはなかった。少なくとも、ガラル地方にきて、最も早くこのモードに入っている。

 

『━━さてさて、長い前置きはこの辺にしておいて、いよいよ今日の最後のバトルを行っていただきましょう!!』

 

 ようやく終わった審判の説明。その言葉を聞いた瞬間、すぐに後ろに振り返り、バトルコートの端と端へ移動する。端まで来たところで振り返れば、中心で向かい合っていた時よりも小さくなった、それでいて迫力は全く変わらないキバナさんの姿。

 

 いよいよ、ガラル最強のジムリーダーとのバトルが始まる。

 

『ではまいりましょう!!使用可能ポケモンは4体!!先に4体のポケモンが全て戦闘不能になった方の負けです。なお、ポケモンの変更はチャレンジャーのみに許されます!!そして、ここナックルスタジアムのジム戦はダブルバトルで行われます!!いいですね?』

 

「はい!!」

「おうよ!!」

 

 審判による最後の確認。

 

 この瞬間だけは、観客たちも誰一人声を上げることをしない。万が一、開戦の言葉が選手に届かなかったら大変だということを知っているからだ。

 

 これだけの人がいるのに、まるで誰もいないのではと錯覚してしまう程静まり返るスタジアム。そんな静寂が包み込むバトルコートに、再び審判の声が響く。

 

『両者!!ポケモンを!!』

 

「お願い!!エルレイド!!マホイップ!!」

「行くぜ!!ギガイアス!!フライゴン!!」

 

 合図とともに現れる4体のポケモン。

 

 それぞれがやる気満々な意気込みを表すために、声を上げたり構えを取る中、審判がバトル開始の合図をする前に、バトルコートに異変が起きる。

 

「吹けよ風!!呼べよすなあらし!」

「すなあらし……ギガイアスの『すなおこし』か……」

 

 巻きあがるは少し先すら視認することが難しいほどのすなあらし。対面にいるキバナさんの姿も朧げにしか見えないほどで、果たして観客席にいる人たちはこのバトルコートで行われるバトルをしっかりと観ることが出来るのかと不安になってくるほどだ。そのうえ、すなあらしが観客に被害を出さないようにするためのバリアも張ってるあるため、いよいよもって観戦者の視認性が不安になる。

 

 まぁ、その辺は何とかしてあるんだろうけど、とりあえずそのあたりのことは一旦おいておいて……

 

「エルレイド!!マホイップ!!大丈夫!?」

「エルッ!!」

「マホ~……ッ!!」

 

 砂から目を守りながら答えるエルレイドと、自分のクリームに砂が混じることに大きな不快感を感じながらも、頑張って気丈にふるまうマホイップ。そんな2人の様子を見ながら、ボクも砂が目に入らないようにできる限り薄目で相手を見る。

 

 すなあらしはじめん、いわ、はがねの3種類以外のタイプへ少しずつダメージを与えてくる厄介な天候だ。シンオウ地方の時の手持ちならじめんタイプの仲間が1人いたから少しは戦いやすかったけど、ガラル地方での仲間にはじめんタイプのポケモンはいない。そして天候を変える技を持ったポケモンもいないので、この悪天候には真正面からぶつからないといけない。キバナさんがすなあらしを選んでくること自体は、キバナさんのエースポケモンから想像することはできたけど、こればかりはどうしようもないのであきらめておく。幸いポケモンの力で起こる天候変化は、特別なものでもない限り時間が延びることはあっても永続ではない。上手く立ち回ることはできなくはないはずだ。

 

「2人とも、ちょっと戦い辛いかもだけど、頑張るよ!!」

「エル!!」

「マホ!!」

「さあ暴れようぜ!!ギガイアス!!フライゴン!!」

「ギッガ!!」

「フラァッ!!」

 

 

ジムリーダーの キバナが

勝負を しかけてきた!

 

 

『それでは、バトル開始ィッ!!』

 

「ギガイアス!!フライゴン!!『じしん』!!」

「エルレイド!!マホイップを抱えてジャンプ!!」

 

 審判の言葉とともに、ついに注目の一戦が開始される。それと同時にキバナさんから指示されるのは、2体同時のじしん。2体から同時に放たれる地を伝う破壊のエネルギーを、エルレイドはマホイップをお姫様抱っこして宙に飛び立つことで何とか避ける。

 

「いきなり全開ですね!!」

「あったりまえだぜ!!息つく暇なんてあると思うなよ?ギガイアス!!『ロックブラスト』!!フライゴン!!『りゅうのはどう』!!」

 

 始まりからアクセル全開のキバナさん。空中に逃げることでじしんを避けることはできたものの、フライゴンのように空を飛べるポケモンでもない限り空中での回避行動は限られている。そこをすかさず狙ってくるキバナさんの攻撃に対し、ボクもすぐさま防御姿勢を取る。

 

「エルレイド!!『リーフブレード』で『ロックブラスト』を切り裂いて!!マホイップは『マジカルシャイン』で『りゅうのはどう』を止めて!!」

 

 迫りくる岩の弾丸は草の刃で切り裂き、宙をかける龍のエネルギーはフェアリーの力でかき消していく。反撃のためにお姫様抱っこからおんぶに変えたエルレイドとマホイップは、これくらいの攻撃は簡単にいなせるぞと、着地と同時に自信満々に構えを取る。

 

「まあこれくらいはしてもらわないとな!張り合いがないぜ!!」

「当然です!!では先手はしのいだことですし、次はこちらから!!マホイップ!!」

 

 ボクの言葉を聞いてマホイップが行うのはクリームの散布。地面を伝って伸びていくクリームはマホイップを中心にどんどん広がっていく。

 

「マホイップ!!GO!!」

 

 ある程度クリームが広がったところで、クリームに飛び込んで姿を消すマホイップ。いつものクリーム戦法。足があまり速くないマホイップが、本来ではありえないスピードでフライゴンへ接近し、フライゴンの真下でマジカルシャインを構える。

 

「ギガイアス!!『ストーンエッジ』!!」

「エルレイド!!『かわらわり』!!」

 

 それを阻止するべく、地面から岩の刃を放ってきたギガイアスに対して、マホイップを守るように前に出たエルレイドが手刀にて切り捨て、そのままギガイアスに追撃せんと前に踏み込む。そんなことをしているうちにマジカルシャインの準備ができたマホイップが、技を発射。範囲攻撃であるマジカルシャインは、フライゴンのみならず、エルレイドをよけてその奥にいるギガイアスにも飛んでいき……

 

「フライゴン!!『アイアンテール』!!地面に叩きつけろ!!」

 

 その妖精の光を、鈍色に変わったフライゴンの尻尾が切り裂き、そのままギガイアスとエルレイドの間の地面に突き刺さる。地面に突き刺さった衝撃でマジカルシャインの威力はさらに消され、同時に広がっていたクリームが弾け飛び、エルレイドの視界が奪われる。

 

「ギガイアス!!『ロックブラスト』!!」

「『サイコカッター』!!」

 

 その隙をついて再び飛んでくる岩の弾丸。しかし、それを不思議な光を放つ刃をやたらめったら飛ばしまくってクリームごと吹き飛ばすことで攻撃を防ぎ、なんなら相手のロックブラストをそのまま跳ね返す。

 

「フライゴン!!」

 

 これが少しでも相手に当たればよかったものの、返された岩の塊はすぐに反応したフライゴンがアイアンテールでカバーすることで全て撃ち落とされる。この間にエルレイドはボクの前に戻ってくることで1度仕切り直しに。

 

「フラッ」

 

 そう思い、全ての岩を打ち落としたところで一息着いたフライゴン。そんな彼に、背後から()()()()()()()()()()()()

 

「フリャッ!?」

「ほう」

「……ナイス『マジカルリーフ』」

「マホッ!!」

 

 お互いの距離が離れたことで、1回仕切り直しになるだろうという油断と隙をついてマジカルリーフがフライゴンに命中する。不意をつかれたとはいえ、何とか反応はしたので全弾直撃とは行かなかったものの、ファーストヒットはこちらが頂いた。少なく無いダメージはちゃんと入ってると思いたい。

 

「いいよマホイップ!!」

「マホッ!!」

 

 久しぶりのバトルということでいつも以上に張り切っているマホイップが、まだまだこれからというように、元気に声をあげる。

 

「やるじゃねぇか!!だがまだまだぁ!!ギカイアス、『ストーンエッジ』!!」

 

 キバナさんの指示とともに乱立する岩柱。こちらを攻撃する目的ではなく、こちらの移動を制限するかのように、辺り一面にまばらに生えてきたそれは、ボクとエルレイド、マホイップの視界を奪っていく。

 

「フライゴン!!飛べぇ!!」

 

 一瞬で視界ががらりと変わったことに少なくない動揺を浮かべたエルレイドとマホイップ。そのせいで少しだけ反応が遅れたのを確認したフライゴンが上空へ飛び出す。

 

 すなあらしで見辛いけど、独特の羽音とシルエットがかろうじて確認できるため、まだ攻撃をすることはできそうだ。が……

 

「フライゴン!!『りゅうのまい』!!」

 

 はるか上空にてフライゴンが行うのは龍の踊り。自身の攻撃と素早さを強化するその技は、一回舞うだけなら脅威ではあるがまだ対処が可能だ。だけど、すなあらしでいつものパフォーマンスが難しいことと、エルレイドとマホイップが空を飛ぶことが出来ないことが合わさり、フライゴンに何回もりゅうのまいを舞える機会を与えてしまう。

 

「マホイップ!!『マジカルシャイン』!!」

「ギガイアス!!『ロックブラスト』!!」

 

 マホイップの攻撃で何とか技を中断させようとするものの、ロックブラストで威力を軽減されたマジカルシャインでは、フライゴンに到達する前にすなあらしにかき消されてしまう。しかし、マホイップがマジカルシャインでキバナさんの視線を誘導したおかげで、エルレイドがストーンエッジにてできた柱を飛び回ってフライゴンに近づくことが出来た。

 

 一番背が高い岩柱から、フライゴンに向かって力強く飛び込むエルレイド。りゅうのまいをすることに集中していたため反応が少し遅れたフライゴンの目の前に躍り出て、肘にある刃を伸ばし攻撃態勢。

 

「叩き落とせ!!『サイコカッター』!!」

 

 虹色に光る肘の刃を振りぬき、フライゴンに叩きつける。派手な音が響き渡り、傍から見ても大ダメージが入ったように見えるその攻撃は、しかしフライゴンとエルレイドの間にある鈍色の物体によって阻止されていた。

 

「ヒュ~、あぶねぇあぶねぇ。何とか間に合ったな。『アイアンテール』!!」

「エルレイド!!『かわらわり』でガード!!」

 

 間一髪で防いだフライゴンは、すぐさまアイアンテールでエルレイドのサイコカッターを弾き、そのまま前宙返りを行い、りゅうのまいで強化されたアイアンテールを真上から叩きつけてくる。これを両腕の手刀をクロスに構え、鋼技であるアイアンテールを砕かんと叩きつけるエルレイド。が、すでにりゅうのまいを数回終えていたフライゴンの攻撃を止めきることが出来ずに、そのまま地面に叩き落される。

 

「マホイップ!!」

「マホッ!!」

 

 このままでは地面に叩きつけられるか、岩柱にぶつけられてかなりのダメージを負ってしまうため、マホイップにクリームのクッションを即席で作ってもらい、エルレイドを受け止める。

 

「ッ……エル!」

「マホマホ~」

 

 助けてもらったお礼を言うエルレイドと、嬉しそうにどういたしましてと返すマホイップの姿に思わずほっと一息。しかし、上空に視線を動かせば、ただでさえ攻撃力を強化しているフライゴンが、すなあらしの中でさらに舞い続けていた。

 

 それはすなあらしの中を舞う妖精のようで……

 

「さあ行くぜフライゴン。こっからはお前のステージだ!!」

 

 ガラル地方最後のジム戦。宙を舞う妖精は、第一の壁としてボクの前に立ちはだかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




身長

どこかの誰か調べによると、キバナさんの推定身長はこれくらいらしいです。
一方でユウリさんが155くらいで、覚えているかはわかりませんが、フリアさんはユウリさんよりも身長が小さいので150くらい。
ますます男の子なのかと疑いたくなりますね。

じめんタイプ

これにてフリアさんのシンオウ地方の手持ち全員のヒントが露出しましたね。
118でとは……いくらなんでも遅すぎなくもしなくないですが。
最後の1体はじめんタイプを持っています。さぁ、誰でしょうか?

フライゴン

りゅうのまいを舞いまくり。
ゲームだと1ターンかかりますが、リアルだとそんなものないですからね。
舞えば舞うほど強くなります。
フリアさんのモスノウも同じようなことをしていましたよね。




今更ながらサブタイトルをつけていないことを不憫に感じ始めています。
過去のお話を振り返り辛い……ですが、サブタイトルでネタバレも嫌なので、やっぱりこのままで。
重要な設定は別でメモしてますし大丈夫でしょう。多分……
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