【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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120話

「さあ行くぜサダイジャ!!そしてジュラルドン!!」

「……来た!!」

 

 マホイップ、フライゴン、ギガイアスが倒れてバトルは後半へ。次にキバナさんが繰り出したのはサダイジャと、エースポケモンのジュラルドン。数多くの挑戦者を叩き落としてきたキバナさんのエースの登場に、観客席の歓声がさらに大きくなる。

 

「マホイップの思いに免じてリードは譲ってやる。だが!こっからはオレ様のパートナーが!そしてサダイジャが!!全部ひっくり返してぶっ潰す!!」

「ジュラァッ!!」

「シャァァァァッ!!」

 

 更に目をぐっと吊り上げて、こちらを威嚇するように叫ぶキバナさん。そんなキバナさんについて行くように叫ぶサダイジャとジュラルドン。キバナさんからは勿論、キバナさんからのポケモンたちからも激しい威圧感を感じ、場に残るエルレイドが少しだけ押される。場に自分しかいないという心細さからのその行動を見て、ボクもすぐさま3体目のポケモンを場に繰り出す。

 

「頼むよブラッキー!!」

「ブラッ!!」

 

 ボクから出てくる3体目はブラッキー。インテレオンとどっちを出すか最後まで迷っていたんだけど、体力と防御が下がっているとはいえ、デコレーションで火力を上げている今のエルレイドなら、インテレオンを起用するよりはブラッキーで補佐してあげる方がうまく立ち回れそうと判断したからの選出。それに、インテレオンはジュラルドンに対してあまり火力が取れないしね。それならエルレイドで頑張った方がジュラルドンに圧がかけられそうだと思う。

 

(インテレオンはインテレオンで、サダイジャをすぐに落とせる可能性があることを考えたら甲乙はつけがたいけど……キバナさんの戦闘スタイル的に間違いなくサダイジャはサポート。だったらやっぱりこちらもサポートを置いて補助させたいよね)

 

 再び場に4体のポケモンがそろったことにより、空気が引き締まっていく。

 

(まずはエルレイドの体力を戻す!!)

 

「ブラッキー!!『ねがいごと』!!」

 

 ねがいごと。

 

 空に祈ることによって、今ねがいごとをした場所にポケモンを回復させる光を下す技。発動までに時間がかかるというデメリットこそあるものの、メリットとしては回復量が安定するというものがある。また、ねがいごとによって回復する量は、ねがいごとをしたポケモンの体力に依存する。ブラッキーというポケモン自体が、そこそこ体力が多いということもあって、自分よりも元々の体力が少ないポケモンには大きな効果が出る。もっとも、つきのひかりじゃなくてこっちを採用した一番の理由は、キバナさんが天候を操るからという理由なんだけどね。晴れならともかく、晴れ以外の天候だとつきのひかりの回復量はかなり下がってしまう。それは今回キバナさんが使っているすなあらしにも当てはまるため、ブラッキーではサポートしきれなくなる。だから今回はねがいごと。

 

「させるかよ!!サダイジャ!!『ドリルライナー』!!ジュラルドン!!『りゅうのはどう』!!」

 

 ただ先ほども言った通りねがいごとにはラグがある。それはキバナさんも理解している以上、次にキバナさんがすることは、ねがいごとで回復される前にエルレイドを落とすという事。先手必勝の作戦を遂行するために、エルレイドに向けられて右からドリルライナーが、左からりゅうのはどうが飛んでくる。

 

「とにかく踏ん張るよ!!エルレイドは『りゅうのはどう』に『サイコカッター』!!ブラッキーはサダイジャの前で『まもる』!!」

 

 りゅうのはどうに刃を飛ばすエルレイドと、薄い緑色のバリアを張りながらサダイジャの前に壁として立ちふさがるブラッキー。

 

 方や鉄壁の守りによって攻撃を弾かれ、方やデコレーションによって強化された技にかき消されて、むしろそのまま技を返される。

 

「ブラッキー!!そのまま『イカサマ』!!」

 

 まもるによって攻撃を弾かれたサダイジャに対して、今度はブラッキーがカウンターのようにイカサマ決めてサダイジャを元の場所に吹き飛ばす。一方でジュラルドンの方にも、デコレーションによって強化されたことで、りゅうのはどうを消してなおまだ威力に余裕があるサイコカッターが飛んでいく。

 

 ジュラルドンの方は、ジュラルドンがドラゴンクローによって何とかサイコカッターを消すことが出来たけど、サダイジャにはしっかりダメージが入ったことを確認。さらに、ねがいごとの発動時間が来たため、エルレイドに光が落ちてきて削れた体力が回復していく。

 

「よし、掴みは順調!!」

「意地でもエルレイドを維持する気か。さては切り札を出す気ねぇな?」

「出したい気持ちはありますけど、出すまでもなかった場合は知りませんよってだけです」

「はっ、言うじゃねぇか!!いいぜ、その余裕を直ぐに消してやるよ。まずは……」

 

 ブラッキーに飛ばされたことによって、宙を舞いながら再びキバナさんの前に戻るサダイジャ。そんな彼の大きな特徴であるぽっかり空いた鼻の穴から、攻撃を受けた衝撃によって物凄い勢いで砂が噴射された。噴射された砂は瞬く間に辺り一面へと広がり、ギガイアスのだいばくはつによって拝むことのできた太陽の光を再びかき消す形となる。

 

「今度は『すなはき』……とことん砂をまく気ですね……」

「もう一度……吹けよ風!!呼べよすなあらし!!」

 

 再び巻き上げられたすなあらしは、先程ギガイアスが呼んだすなあらしに比べてより深く、より強力なものとなっており、サダイジャが鼻から吹き出す砂の性質もあってか、目に入るだけでなく、鋭利な砂によって肌がより傷つきやすいものとなっている。

 

 それはさっきよりもスリップダメージが増えることを意味している。

 

 しかもサダイジャの特性上攻撃を受ける度に砂を吐くこともあり、ギガイアスの時と違って放置でも砂が止むことがないから、このダメージとはずっと付き合わなきゃいけない

 

 再び巻き起こるすなあらしに、いい加減マフラーの目に詰まってきた砂が気になり始めてきた。マフラーを握る手に感じる粒子にちょっと不快感を感じながら、それでも視線は敵から逸らさない。いや、逸らせない。

 

 ジュラルドンはともかく、サダイジャの方はたったそれだけの隙でもすぐに見失ってしまいそうなほど存在が希薄に見える。一度でも見失ってしまえばそれが大きな隙になりかねない。さっきよりもスリップダメージは大きいし、ブラッキーの回復があると言っても限界もあるしラグもある。そのうえエルレイドの耐久はインファイトを打つたびに下がってしまうのだから、どっちにしろ長期戦は不利でしかない。だから……

 

「今度はこっちが先手必勝!!エルレイド、走って!!ブラッキーは『でんこうせっか』!!」

 

 すなあらしのせいで足もなかなか前に出ない。そんな状況でもボクの言葉を信じて突き進む2人。砂を裂く2つの風は、向かいの敵に対して真っすぐ突き進む。エルレイドが狙うのはジュラルドン。ブラッキーはサダイジャダ。エルレイドが得意な相手を合わせた結果の組み合わせだ。

 

「ジュラルドン!!『10まんボルト』!!サダイジャは『ポイズンテール』!!」

 

 対するキバナさんはこの突進を真正面から受け止める準備。それぞれが自分に向かってくる敵に技を放ち、その足を少しでも止めるべく尽力する。

 

「エルレイドは『サイコカッター』!!ブラッキーは『イカサマ』!!」

 

 その攻撃を弾くためにこちらも構える。飛んでくる電撃に対しては虹色の斬撃で打ち消して、紫色に光る怪しい尻尾に対しては、相手の攻撃を利用した狡猾な攻撃にて相殺を狙う。

 

 ブラッキーとサダイジャのぶつかり合いは、お互いの攻撃が拮抗していたみたいで、両者に大きなダメージが入ることなく後ろに弾かれ元の位置まで下げられる。しかし、攻撃力を上げられているエルレイドは、10まんボルトをいともたやすく切り裂いてそのまま直進。ほどなくしてジュラルドンの懐まで潜り込み、攻撃を当てるチャンスが来る。ただ、10まんボルトを逸らしてすぐに潜り込んだため、まだ態勢が万全とは言いづらく、インファイトのような大技を繰り出すにはちょっと間が悪い。

 

「エルレイド!『かわらわり』!!」

 

 ここは無理せず妥協の一撃。しかし、そんな一撃でもデコレーションで火力が上がった今なら致命傷になりえる。ジュラルドンの弱点を突くその一撃は、鋭く素早く、右腕を水平に薙ぐことによって、ジュラルドンの体の構造上万が一の回避も難しい軌道を描くことができる。

 

 まずは一撃。

 

 致命打となるはずのその一撃は、軽快な音を上げながらジュラルドンに直撃し、ジュラルドンが面白いくらい後ろに吹き飛んだ。

 

 それは、軽快すぎて逆に攻撃が芯にまで届いているのか怪しいくらいには軽いものだった。

 

「エルッ!?」

 

 攻撃を当てたはずのエルレイドの方がかえって動揺するその吹っ飛び具合。間違いない。

 

(自分から後ろに飛んで衝撃を逃がした。……でも、それにしても()()()()。一体どういう……)

 

「ひゅ~。軽くなっておいて正解だったぜ」

 

(軽くなる……もしかして、『ライトメタル』で自身の体重を軽くして飛びやすく……)

 

「思考するのは勝手だが余裕あるのかぁ!?サダイジャ!!今のうちにエルレイドの足を奪っちまえ!!『へびにらみ』!!」

「まずっ!?」

 

 ジュラルドンの受け流し技術に思考が持っていかれている間に、キバナさんがエルレイドをまひにするためにへびにらみを構える。

 

 体力も耐久も下がっているエルレイドが今まひになってしまえば、もはや戦闘不能と同義だ。意地でも回避しないといけない。けど、かわらわりを行った後ですぐに回避行動を行うことが出来ず、このままだとまひしてしまう。

 

「ブラッ!!」

「エルッ!?」

「ブラッキー!?」

 

 そんなエルレイドのピンチに駆けつけるはブラッキー。ボクが何も言わなくても、今エルレイドがまひするのは絶対に阻止しないといけないことを理解したブラッキーが、自身の体をエルレイドとサダイジャの間にでんこうせっかで滑り込ませることで、本来エルレイドが受けるはずだったその技をブラッキーが肩代わりした。

 

 サダイジャの不気味な視線と体の模様を直視することによって体に脅えが走り、一瞬でまひ状態に陥るブラッキー。その姿に思わずボクとエルレイドが心配の声をかけそうになるものの、ブラッキーの鋭い視線が今自分のするべきことを自覚させてくれる。

 

 エルレイドの代わりにブラッキーがまひしたことには大きな意味がある。それはブラッキーの特性がシンクロだという事。ヤローさんとの戦いでも活躍したその特性の効果は、自身が受けた状態異常を相手にもうつすという事。それはつまり……

 

「フシャッ!?」

 

 へびにらみを行ったサダイジャ本人も体が痺れるという事。

 

「エルレイド!!」

「ッ!!」

 

 サダイジャは体が痺れて上手く動けない。ジュラルドンは先ほど攻撃をいなす時に後ろに飛ばされすぎて、援護に駆け付けるにはまだ遠い。ブラッキーが体を張って作り出したこのチャンスを、絶対に手放してはいけない。

 

「ブラァッ!!」

 

 ブラッキーの応援を背中に受けたエルレイドが、全力で走り出してサダイジャの懐へ駆け込む。さっきと違って態勢も完璧。相手はまひで動けない。とどめまではいかなくても、大打撃を当てるチャンス。

 

「『インファイト』!!」

「エ~、ルッ!!」

「サ……フシャッ……!!」

 

 せめてもの抗いとして、少しでも受けるダメージを下げようとしているのか、体中にすなあらしを纏っていくサダイジャだけど、そんなサダイジャの姿を無視して何度も拳を叩きつけるエルレイド。拳の雨霰が次々とサダイジャに突き刺さり、派手な音を巻き上げる。そのせいで一緒に砂も巻き上げられ、ただでさえ悪い視界がさらに悪くなり、エルレイドとサダイジャの姿が視認できなくなる。けどそれも一瞬のことで、エルレイドが最後の一撃を叩き込んだと同時に起こった爆風によってすなが少しはれ、また姿が視認できるくらいになった。

 

「……え?」

「エル……?」

 

 しかし、開けた視界に映ったのはエルレイドの前に倒れているサダイジャの姿ではなく、エルレイドの足元に()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「何……あれ……」

「へっ……サダイジャ、『ドリルライナー』!!」

「っ!?エルレイド!!防━━」

「遅いぜ!!」

 

 急に起きた謎現象に思わず固まってしまい、その隙にどこからともなくサダイジャ現れ、回転しながら突撃してきた。それも()()()()()()()()()()()()()()で。

 

 何とか気づいて指示を出すボクだけど、指示を行動に移すのが間に合わずに、不意をうたれる形となって直撃する。

 

「フッシャァッ!!」

「エ……ルッ!?」

 

 苦悶の表情を浮かべながら飛ばされるエルレイド。既に3、4回もインファイトを行っているエルレイドの体は、ちょっとの攻撃でも大ダメージを受けてしまう程脆くなっており、そんな体におそらくサダイジャが得意としているであろう自慢の技を受けてしまったため、今までにない大ダメージを負ってしまう。ブラッキーの願い事が無かったら間違いなく即戦闘不能になっていただろう。

 

 膝をついて息を整えようとするエルレイドの目線の先には、先ほど喰らったまひなんて、何もなかったかのように立ちはだかるサダイジャ。一体どういう原理でまひを解除したのか、物凄く気になるところだけど先ほどの失敗を反省して、まずは思考よりも立て直すことを優先する。

 

「ブラッキー!!『ねがいごと』!!」

「ブラ……ブッ!?」

「ブラッキー!?」

 

 とにかくエルレイドの体力を少しでも回復させようとブラッキーに指示するものの、その行動はまひによって阻害され、ねがいごとは発動せず回復の祈りは霧散していく。

 

「ジュラルドン!!今が好機だ、エルレイドに向かって『りゅうのはどう』!!」

 

 エルレイドはダメージにより、ブラッキーはまひにより、体をうまく動かせないこの瞬間を狙って、ようやく戦線復帰してきたジュラルドンが、りゅうのはどうを放つ。エルレイドにとどめを刺すために全力で放たれたその技は、真っすぐエルレイドの方に飛んでいき……

 

「ブ、ラァッ!!」

 

 ブラッキーが痺れる体に鞭を打って、再びエルレイドの前に立って盾の役目を果たそうとする。

 

「ブラッキー!!『まもる』!!」

 

 そんな彼の意思をしっかりと汲み取り、すぐさままもるを指示。展開される薄い緑の壁は、エルレイドを守る絶対の壁になる。……と思っていた。

 

 りゅうのはどうがブラッキーを綺麗に避けるまでは。

 

「な!?」

「ブラッ!?」

 

 ブラッキーのまもるだけを迂回したその攻撃は、何にもさえぎられることなくエルレイドに突き刺さる。エルレイド自身も、自分は守られるものだと思っていたため、何も準備することなくその攻撃を受けてしまい、わずかに残っていた体力をすべて奪われる。

 

「オレ様のジュラルドンは『すじがねいり』さ。狙った獲物は絶対に逃がさねぇぜ」

 

「エ……ル……」

 

 

「エルレイド、戦闘不能!!」

 

 

「……ありがとう、エルレイド」

 

 ここまでアタッカーとして十分な仕事をしてくれたエルレイドを戻しながら礼を言う。そして同時に、今までの謎現象の答えに、キバナさんの言葉によってたどり着くことが出来た。

 

(エルレイドの攻撃を受けた時、間違いなく『ライトメタル』を利用して受け流してたし、キバナさんは『軽くなっておいて正解だった』って言っていた。けど、今さっきは『すじがねいり』だとも……だとしたら、間違いない)

 

 キバナさんのジュラルドンは、いつか見たオニオンさんのゲンガーと同じく、複数の特性を持っている。そう考えれば、さっきサダイジャに起きた謎の現象にも説明がつく。

 

 攻撃を受けるたびにすなあらしを起こすのが『すなはき』。そして、まひが治ったあの現象はおそらく『だっぴ』だと予想できる。エルレイドの足元に転がっていたばらばらのあれは、サダイジャがだっぴした後の抜け殻だと考えたら、あの残骸の散らばりようも納得できる。さらに言うなら、すなあらしに溶け込んでいくあの姿から、もしかしたら『すながくれ』も一緒に持っている可能性まで出てきた。

 

「その様子だと気づいたみたいだな。流石だ」

「本当に……容赦ないですね……」

「オレ様を挑発した罰だ。甘んじて受けるんだな」

 

 してやったり。そんな意地悪な笑顔を浮かべながら言うキバナさん。

 

 ジム戦というチャレンジャーを試す場なのに、レベルこそ抑えているだろうけど、それ以外は本気でこちらをつぶそうとしてきているその姿。普通なら、多分その理不尽さに押される可能性だってある。けど……

 

 そんな彼に、どうしてかボクも微笑みを浮かべてしまう。

 

(楽しい……そんでもって、超えたい……絶対に……!!じゃなきゃ、コウキに追いつけない!!)

 

 そして、微笑んでいるボクを見てキバナさんも獰猛な笑みを強く浮かべる。

 

「さあフリア!!いよいよ最後の1体だな!……ってコトは、ついに見せてくれるんだろう!?なァ!!」

 

 ジュラルドンをボールに戻し、手首に巻いたダイマックスバンドを強く光らせながらボクを煽って来るキバナさん。

 

 3対2だった有利な状況は一転。

 

 受け流しているとはいえ、苦手なかくとう技を貰っているため、ジェラルドンには少なくないダメージが入っている。けどこちらはブラッキーがまひした状態となっている。

 

 体力が減っている方か、状態異常になってしまっている方か、どっちが戦いにおいて不利が大きいかは人によって考えは違うと思うけど、少なくともボクは状態異常を貰っている方がつらいと思っている。つまり、ボクの主観だけで言えば、キバナさんに逆転され、一気に不利な立場に落とされたというわけだ。

 

 さっきまでリードを取っていたのに、すぐにリードを奪われてしまう。

 

 こんなにあっさりリードを奪われて、果たしてキバナさんに勝つことはできるのか。そんな不安が一瞬浮かんではすぐ消える。

 

(大丈夫……信じてる……)

 

 キバナさんに倣って、ボクも腰についてある切り札のボールを取り、ダイマックスバンドを光らせる。

 

 既にネズさんとのバトルでお披露目はしたけど、あのバトルは生放送されていなかったため本当の意味でみんなの目に入るのはこれが初となる。

 

 ついに見ることのできるボクの切り札に、観客全員の声が止む。

 

 すなあらしの音のみがなるバトルフィールドにて、大きな赤色のボールを持ったボクとキバナさん。

 

 目を合わせ、息を合わせ、動きを合わせ、2人同時に、そのボールを放つ。

 

 

「荒れくるえよ、オレのパートナー!!スタジアムごとやつを吹きとばす!!」

「この大舞台で、この先を決める大切なバトルの鍵を……君に託す!!」

 

 

 お互いの祈りと叫びを聞き届けながら天へと昇るボールは、スタジアムの天井にぶつかってしまうのではというところまで登り、割れる。

 

 現れるのは2体のポケモン。

 

 方や普段の姿から縦に伸び、まるで摩天楼にそびえたつ高層マンションを彷彿とさせるような姿をしたポケモンが、方やボクにとってはお馴染みの、しかしこの場にいるほとんどに人にとっては何よりも気になっていた、全てを掴んでしまう程の大きな手と、全てを飲み込んでしまいそうな大きな口をおなかに備えた漆黒のポケモンが、それぞれのトレーナーの声に呼応するように雄たけびをあげながらバトルフィールドに顕現する。

 

 

「ジュラルドン!!キョダイマックス!!」

「ヨノワール!!ダイマックス!!」

 

 

「ジュラアアアァァァァッ!!!」

「ノワアァァァァァァァッ!!!」

 

 

「ワアアアアアアアアアァァァァッ!!!!!」

 

 

 間違いなく、今までで一番大きな歓声が巻き起こる。

 

 それは初めて見るボクの切り札に対する興奮のせいで。

 

 それはキバナさんの切り札が出たことによる興奮のせいで。

 

 それはこのバトルがいよいよ佳境に入ったことに対する興奮のせいで。

 

 そのすべての興奮が集約されたみんなの叫びが、地面を揺るがすほどの絶叫となって響き渡る。

 

 震える体と上がるテンション。この歓声を聞いて、ボクの体もどんどん高揚していく。

 

「ヨノワール……それがお前の切り札かッ!!なんつー迫力だ!!最高だぜ!!」

「キバナさんのジュラルドンだって……凄い威圧感です!」

 

 ぎらつく視線。ボクとキバナさんの目線がぶつかり、激しい火花を上げる。

 

 最後のジム戦。VSキバナさん。

 

 

「ジュラルドン!!『キョダイゲンスイ』!!」

「ヨノワール!!『ダイホロウ』!!」

 

 

 バトルは最終ラウンドへ移行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




特性

今回はポケモンの特性に凄く視点が注目されていましたね。というわけでキバナさんのフリアさん仕様は特性同時持ちです。
オニオンさんの時にも言いましたが、特性同時持ち自体はポケモン不思議のダンジョンにてちゃんと存在するんですよね。なので、実際の世界にも絶対にいないとは言えないのでは?という解釈です。
ちょっと形は違いますけど、じんばいったいという2つの特性の複合がありますし、すいほうなんてどんだけ詰め込んでるんだっていうレベルでてんこ盛りなものもありますからね。
……本音を言えばこうでもしないと、正直ジュラルドンさんがあまり活躍できnげふんげふん。

ジュラルドン

ということでかなり魔改造されてますね。
キバナさんのジュラルドンはライトメタル、ヘヴィメタルを自由に切り替えられ、すじがねいりの効果で、対象ポケモンのスワップはできないようになっています。もっとも、自分に飛んできたのを見て避けることや、守ることはできますけどね。
あくまで、狙っている相手に当たる途中に別のポケモンが来た場合はそれを避ける。というだけです。
実機風に言うなら、今回はブラッキーがサイドチェンジのようなことをしたからブラッキーを避けたという事ですね。
多分、ここまでしてもジュラルドンが実機で使われることはないんだろうなと思うとちょっと悲しいです……キバナさん……。




フリアさんの容姿の話をしてからというもの、常に頭にフリアさんと手持ちの皆が並ぶ姿の想像が……
これを絵にしたい気持ちが凄いのに、かけない自分が歯がゆい……
いっそ誰かが書いてくれるのを待つか、依頼でもしてみましょうか……でも絵の相場がよくわからなくて、相手に失礼をしてしまいそうで悩みどころなんですよね。かといって、頑張って描いていただいたものをタダで貰うのもそれはそれで申し訳ない気持ちが……
こういうところで悩む姿を見ていると、性格で損しているなぁと少し思います。
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