任天堂さん、時間が足りません。
「ヨノワールの姿……これからどうなるんだろう……」
キバナさんに言われた、ボクの瞳と同じ瞳の色のヨノワール。その姿を想像するだけで、なんだかさらにヨノワールと心を通わせることが出来たような気がして、そしてこれからもっと強くなれるかもしれないということがわかって、ボクの中で何かが燃え上って来るのが伝わってくる。そしてそれ以上に……
(コウキの横に……また立てるかな……)
昔諦めてしまったその場所にまたたどり着けるかもしれない。その嬉しさと、少しの緊張が大きくなってくる。どんどん膨らむ思いに、今すぐにでもこの現象の特訓をしたいという気持ちがあふれかえって来る。
「すぅ~……ふぅ……」
けど、今はまだ焦ってはいけない。そっと深呼吸を一つ落とし、頭と心を落ち着けていく。いきなり深呼吸をしたことで、ユウリたちはちょっと不思議そうな顔を浮かべるけど、そんなみんなに対して自分の心が落ち着いたのを感じてから、大丈夫と一言。
(キバナさんとの戦いでこんな状態なのに、またあれをしようとすると、今度こそ怒鳴られちゃいそうだしね)
幸い、時間はまだまだたくさんある。ゆっくり、少しずつ前に進んで行こう。
「さて、そんじゃあ面白い話も聞かせてもらったし、未来の楽しみも増えたことでいい加減一番大事な事を済ませっか!」
医務室内の空気が大分落ち着き、ヨノワールについての話もひと段落したところで、キバナさんが伸びをしながら流れを切り替える。とはいったものの、一番の本題はヨノワールのことだと思っていたボクたちにとって、一番の話が終わったのにいったい何を話すことがあるんだろうと、思わず首をかしげてしまう。
5人そろって首をかしげるという周りから見ると少しシュールな情景に、キバナさんはキバナさんで『お前ら本当に忘れてんのか?』といった表情を浮かべていた。
「おいおい、いくらヨノワ―ルのことが衝撃だったからと言って、本来目的を忘れるってのはちと違うんじゃねぇのか?」
「本来の目的……あぁ!!」
「ったく、ここまできれいに忘れられてっと、なんか変な気分だな」
後頭部を掻きながら心底呆れたという表情をみせるキバナさんの姿を見て、ようやく心当たりが見つかったボクは思わず声をあげてしまう。
本当にヨノワールのことに目が行き過ぎてて、ボクが本来なんでキバナさんと戦っていたのかという根本的なことをすっかりと忘れてしまっていた。ユウリたちもキバナさんが何を言いたいのかにようやく気付いた辺りで、キバナさんも『ようやくこれを渡せる』と呟きながら、バトルフィールドの時と同じように、ポケットに改めて手を入れる。
数秒もせずにポケットから取り出されたキバナさんの手に握られていたのは、ボクが急遽体を文字通り崩してしまったため受け取ることが出来なかった、ジムチャレンジ最後のバッジ、ドラゴンバッジ。
「ほれ、観客の前で渡せなかったのは残念だが……まあその分はお前の面白い話の分でチャラだ。改めて、受け取りな。ドラゴンバッジだ」
「はい!」
ボクの掌にそっと置かれる最後のバッジは、とても重く、そしてとても熱く感じた。
大切に受け取ったそのバッジを落とさないようにしっかり握りしめながら、自分のポケットに入っているリングケースを取り出す。
7つ埋まり、残す空席はあと一つとなったそのケースに、最後のピースが埋まっていく。カチッとはまったそのリングケースには、このガラル地方を代表する8つのタイプを象徴するマークがついにそろった。
くさ、みず、ほのお、ゴースト、フェアリー、こおり、あく、ドラゴン。
あの日、エンジンシティの受付で貰った時と比べて、比べ物にならないほど重くなったこのリングケースを胸に当て、今までの挑戦を思い出す。どれも、一筋縄ではいかない大変な戦いばかりだった。けど、ついにここまで来ることが出来た。
「やっときた……ついに……!」
ボクにとっては2回目のジム制覇。だけど、シンオウの時に初めてジムバッジをそろえた時と同じか、それ以上の嬉しさがこみあげてきた。
「あ、そういえば……みんなは?」
そこまで考えてふと気になったことがある。ボクは無事キバナさんに勝つことが出来たけど、果たして他のみんなはどうだったんだろうかと。いつもなら集合してすぐにその話になるんだけど、今回はボクの体がこんな感じになってしまっていたせいで、そういう話をする機会が失われていた。勿論ボクから見ても、全員キバナさんに勝ちうる力を身に着けていると思うし、ぜひ勝っていてほしいと願っているけど、今までだって全員で揃って突破していない回数はゼロではないし、むしろ後半に入ってからはジムミッションかジムリーダーとの戦いで必ず誰かしらが失敗、ないし敗北をしている。そして今回はあのキバナさんが相手だ。誰が負けていても不思議ではない。
そんな少しの不安を孕んだ目をみんなに向けるボクに対して、みんなもどこか神妙な面持ちを浮かべながら、それぞれが自分のカバンを漁っている。その行動を見て、もしかしてボクたちの誰かどころか、ボク以外の全員が負けてしまったのではないかと言う想像をしてしまう。
全員負けてしまったとしても、ネズさんの時のようにまた特訓をすればいいだけだし、ジムチャレンジの終わりまでの期間を考えれば、まだまだ余裕はたっぷりだから何も問題は無いんだけど、それでもやっぱり負けるというのは自分の心に少なくない影を落とすことになる。それに、なんだかんだここまで足並みを揃えてやってきた仲のいいみんなだから、最後もみんな揃ってクリアしたいし乗り越えたい。
そんなことを考えているうちに、みんなの手がカバンから抜き出される。その手には各々のリングケースが握られており、そこには……
「「「「そろって勝ったよ(ぞ)!!」」」」
ボクのものと同じく、8つのバッジ全てが埋め込まれたリングケースがあった。
「本当に大した奴らだよ。1日にこんなにも負けたのは今日が初めてだぞ。流石のオレ様でも、ちと自信を無くしかけちまったくらいだ」
「じゃあ……本当に……」
「おう!今日はみんな揃って祝勝会だぞ!!」
ホップが後頭部で腕を組みながら嬉しそうに宣言する。
あのキバナさんにみんながそろって勝ち星を収めることが出来た。これが一体どれだけ凄い事なのか。それは毎年キバナさんのジムを突破することが出来る人数を数えたら一目瞭然だ。キバナさんのジムに挑める人数自体が2桁に満たないのが普通なのに、今日1日で5人もの突破者が生まれた。
果たして、今までのジムチャレンジ歴史でこんなことがあったのだろうか。いや、きっとなかったはずだ。そんな初めての偉業を成しえたのが仲のいいみんななのだと考えたら、自分のことのように嬉しくなってくる。
「本当に……みんな揃って……勝ったんだね」
「うん……みんな一緒だよ」
「正真正銘、あたしたち全員で、ね」
「うちら、何気に凄いことしてるくねェ?」
神妙な面持ちから一転。一気に晴れやかな雰囲気へと変わっていく部屋の空気にゆっくりと頬が緩んでいくのがわかる。
「さて、そんじゃ、オレ様はやることがまだまだ残ってるからこの辺でおさらばするぜ。フリア、体が治るまでゆっくりしておいていいからな。ジムトレーナーの奴らにはオレ様から伝えておくぜ」
そう残し、部屋から出ていくキバナさん。きっと、ボクたちの雰囲気を見て、空気を呼んで出ていったのだろう。
少し申し訳ない気持ちが出てきたけど、今はそれよりもこの安心感と嬉しさに浸っていたい。
「本当に良かった……」
「おう!まだまだ、いや、むしろこの先の方がもっと大変だけど……とりあえずのゴールだよな!」
ホップの言葉に頷くボクたち。ダンデさんと戦うことを目標とするのなら、ホップの言う通りこれから先の方がもっと大変だけど、少なくとも、毎年2桁の挑戦者すら許さない大きな関門を突破し、このジムチャレンジのひとまずの区切りを迎えることが出来た。一応このジムチャレンジの最終的なゴールはシュートスタジアムの受付だ。そこで全てのバッジが埋まったリングケースを見せることで初めてジムチャレンジ成功となり、次のトーナメントへ参加をすることが出来る。なので、シュートスタジアムに行くまでが冒険であり、ジムチャレンジだから、もうちょっとだけ気を引き締める必要はあるのだけど、話に聞く限り、シュートシティへの道は険しくはあるけど、ここまでバッジを集めた猛者ならば特に苦戦することなく進むことが出来るらしい。
バッジを集めた後に通らないといけない道と聞いて、最初はシンオウ地方のチャンピオンロードを想像したのだけど、どうやらそこまでこったものではないみたいで、チャンピオンロードのようにポケモンリーグが作った人工の洞窟ではなく、自然の山を一つ越えてもらうだけのようだ。
いや、山を一つ越えるだけでも十分大変なはずなんだけどね。テンガン山を上った経験や、ここまでいろんな人との対戦経験のせいか、ちょっと……いや、かなり感覚がまひしてしまっている感は否めない。
と、ちょっと話が逸れたけど、要はジムチャレンジの実質的なゴールに、ボクたちはようやくたどり着いたんだ。
今くらいは、みんなで喜び合ってはしゃいでも、誰も文句は言わないだろう。
「「「「「……」」」」」
みんなのぐっと握られた拳が、ゆっくりと持ち上がり、天に向けられ……
「「「「「やったあああぁぁぁぁっ!!!」」」」」
ボクたちの感情が爆発した。
ナックルスタジアムの医務室という、本来なら叫ぶには適さない場所。けど、そんなことを忘れてしまうくらいには、ボクたちの気持ちは、盛り上がっていた。
☆
「いやぁ、やっぱりすごいなフリアは!!心配こそしていなかったけど、やっぱりあいつはすげぇよ!!」
「本当本当!!フリアって罪なくらい可愛いよねぇ~……あ、わたしの顔からまた……」
「……ティッシュ、追加いるか?」
イッシュ地方はサザナミタウン。
東からサザナミ湾へと水が入り込み、逆コの字の入り江を形成しているこの町は、夏である今の時期、バカンスで人が賑わう人気の避暑地となっている。その前評判にたがわず、今外の砂浜を確認すれば、この海に遊びに来た人たちのパラソルと喧騒によって、華やか且つ賑やかな風景が拝めることだろう。
個人的な仕事もひとまず落ち着き、久しぶりに彼女に会いたいという気持ちを携えて、そんな誰もがうらやむ素敵な場所にまで来た私たちは、浜辺に出ることなく、サザナミタウンに建てられているとある建物の中からテレビを見ていた。
映っている内容は今ガラル地方にて行われているジムチャレンジについて。それも、ガラル地方最強のジムリーダーと言われるキバナ選手のバトル。そんなキバナ選手の対戦相手は、今テレビを見ながら盛り上がっているところからわかる通り、私たちのよく知る人、フリアだった。
キバナ選手のジュラルドンと、フリアのヨノワールによるぶつかり合いは、私の視点から見てもハイレベルな攻防で、とても興味深いものだった。テレビを見て興奮している2人の気持ちもとてもよく分かる。私も、彼らと同じくらいの年齢だったら、同じように盛り上がっていたかもしれない。それほどにまで評価できる内容だった。
「どうかしら?なかなか面白いバトルだと思うのだけど……」
「ええ、そうね……」
そんな私の感想を共有するために、今現在、私の隣で優雅に紅茶を飲み進めている1人の親友に声をかける。声をかけられた私の親友は、眠そうに開けられた目を頑張って開かせながらぽつりぽつりと呟く。
「急にあたくしを呼び出して……見せてきたものとしては十分面白いものだったわ……。退屈なモノだったら流石に怒っちゃおうかと思ってたのだけど……成程、あなたが夢中になるのもわかる気がするわ……」
「でしょ?やっぱり面白い子よね」
「本当、久しぶりにここまで興味深い子を見た気がするわ……。……特に最後のヨノワールの姿……あれ、なんなの……?」
「……流石ね。カトレア」
カトレア。
長い金髪と、白とピンクを基調とした服装をした、ちょっとダウナーな喋り方が特徴の女の子。私の親友であり、ここイッシュ地方のエスパータイプ専門の四天王を務め、今私たちがお邪魔している別荘の保持者でもある彼女は、代々実力者を輩出する家系の生まれで、彼女自身も強い超能力とポケモントレーナーとしての高い実力を兼ね備えている。
彼女との馴れ初めを軽く説明すると、彼女と私は、バトルフロンティアにて特訓をしていた時に出会った。イッシュ地方の四天王である前の彼女は、バトルフロンティアの施設の一つであるバトルキャッスルにて、フロンティアブレーンを務めていた。
……正確には、当時の彼女はちょっと精神的に未熟なところが多かったから、表向きには執事のコクランがずっと担当していたけど。
そんな彼女が成長するために、特訓相手として戦っていたのが私というわけだ。
最初こそ、なかなか私に勝てないことに苛立ちを募らせて癇癪を起していた時もあったけど、何回も戦いを重ねていくうちに次第に打ち解け合い、今や親友と呼び合う中にまで発展していた。それに伴って実力もしっかりとつけていき、今ではイッシュ地方の四天王。私との戦績も、いまだに私の黒星はないけど、戦う度に私との差が縮まっているのを感じるため、いつかは負けてしまうのではないかとハラハラしてしまう程だ。
もっとも、そのハラハラを楽しんでいる節があるあたり、私も大概なのだけど……
閑話休題。
そんな私の親友であるカトレアは、紅茶を飲み干して眠たげな眼をしっかりと開かせながら、私に向かって質問をしてきた。
テレビにほんの少しだけ映っていた、フリアのヨノワールの変化。すなあらしによる視界不良と、バトルが終わった後の選手の反応を移すためのカメラワークのせいもあり、はっきりと確認することが出来なかったのに、それでも気づく辺り、彼女の観察眼もやはり侮れない。
ヨノワールの変化。
瞳の色が赤から水色に変わっていたあの姿は、いったいどいう意味があるのか。そして、この現象は、当時の彼の身に起きたあの不調とどんな関係があるのか。
「正直、私にもあのヨノワールに何があるのかはわからないわ。けど、今彼は間違いなく、昔ぶつかった壁を乗り越えようとしている。その時に、彼は一体どんな場所に辿り着くのか。私はそれが見たい。それに……」
(また、あの子たちが集まるところを見たい……)
いつも楽しそうにしていたあの子たちの集まりを。そして、テンガン山での一件で最後まで一緒に戦い、あの子たちに認められるまでになった、ポケモン界の未来を担うかもしれない若い芽。そんな彼らが、また笑い合っているところを……
(……ダメね、ジュンやヒカリとこうやってプライベートにまで連れ周しちゃったせいか、日に日に感情移入が強くなってしまっているわ。あまりこういったひいきはしたくないのだけど……私も1人のトレーナーって事かしらね)
「紅茶のおかわりをお持ちしました。お嬢様、そしてシロナ様」
彼らのことに思考を回しているときにそっと机に置かれる紅茶のおかわり。鼻孔をくすぐるその香ばしい匂いは、それだけでこの紅茶のグレードをしっかりと伝えてくれる。そんな紅茶を持ってきてくれたのは、カトレアに仕える執事のコクラン。
燕尾服に身を包み、眼鏡をかけた彼は、急な来客である私たちに対しても嫌な顔ひとつせず、柔和な笑顔を浮かべながら給仕していた。
「ありがとうコクラン。改めて、急に押し掛けてしまって申し訳ないわね」
「いえいえ、シロナ様にはたくさんお世話になっていますので。これくらいはいつものお礼と思って受け取ってください」
「ちょっと……あたくしにはその手の言葉はなかった気がするのだけど……?」
「この別荘を好きに使っていいと言ったのはあなたじゃない。……まぁ、まさかジュンまであげてくれるとは思わなかったけど」
「あなた、ここの別荘を男子禁制とでも思っていたのかしら……?当然その辺の男に貸してあげる義理なんてないけど……ここにコクランがいる以上、そんなことないに決まっているでしょうに……」
「今までここを訪れる人を考えたら、そういう思考になっちゃうのも無理ないと思うのだけど……まぁ、そこはどうでもいいわ。それにしても……はむ……んん~!ここは美味しいものもあるし、居心地がいいわね」
コクランが準備してくれた紅茶とお菓子をいただきながらお話しする私たち。
親友と歓談しながら私の注目している人の試合を観戦し、こんな綺麗な別荘でゆったりする。控えめに言って最高の環境だし、今まで巨人伝説を追って色々な場所を転々としていたせいか、ここでの一時が物凄くゆっくり且つ幸せに感じてしまう。もういっそこのままここに暮らしていたい気分だ。
「はぁ〜……」
「だらしない姿……。目の前にお弟子さんもるのに、よくそんな姿できるわね……意外とずぼらだったり、片付けができない人だったり、こんな姿だったり、世間が知ったらイメージ崩壊がとんでもなさそう……」
「私もたまには羽休めしないと潰れちゃうのよ……それと、そのイメージだって世間の勝手な妄想でしょ?私には関係ないもの。このあともまた仕事ですぐにここを発たないといけないのだし、ちょっとくらい親友とのだらけた時を過ごしても許されると思わない?」
「まぁ……別にいいのだけど……」
私の言葉に対して小声で返しながら、口元を隠くすための紅茶をすする彼女に思わず笑みがこぼれる。私が彼女を親友と呼ぶ度に彼女のする行動、いわゆる照れ隠しだ。昔からこういう可愛いところは何も変わらない。見た目も相まってまるでお人形だ。
「それにしても、このあとすぐに発つって……来たばかりなのにもう……?」
「元々あなたに会いたいという予定しかなかったもの。もう少し一緒にいたいという気持ちはあるけど、やることはやらないとね」
「大変ねあなたも。……で、次はどこに行くのかしら……?」
「ガラル地方よ。ちょうど今、彼が出てる大会が開催されてる場所」
「ガラル地方……あのヨノワールがいる場所……」
「そうよ。……どうかしたのかしら?」
私の言葉を聞いて、顎に手を当てながら何か考えるような素振りを見せるカトレア。その姿が気になり声をかけてみたものの……なんとなく、私は何かを察した。それはコクランも同じだったみたいで、端正な執事としての顔が、ほんの少しだけ苦笑いに歪んだ気がした。
私とコクラン。2人の考えが同じなら、きっと次の彼女のセリフは……
「シロナ……。ガラルへの旅……あたくしもついて行くわ……」
((やっぱり……))
予想通りの言葉にため息を心の中でつく。お嬢様のような見た目であることと、常に眠たげな目をしているところから、あまり外に出ない子がと思われがちなカトレアだけど、その解釈は少し間違っている。
確かに、彼女はどちらかと言えばインドア派だし、服装と喋り方も相まってあまり活動的に見えないかもしれない。いや、実際には、確かにあまり外に出るような子ではないけど、彼女の根本的な性格は、極度の負けず嫌い且つ、退屈嫌いだ。
負けず嫌いの性格と未熟な精神のせいで、ポケモンバトルを禁止されていたという退屈な過去を持つ彼女は、再びその退屈に見舞われることを嫌っている。しかし、今や四天王となり、隣に立つものが少なくなった彼女に、自身の退屈を埋めてくれる相手なんてそれこそ数えるくらいしか存在しない。故に彼女は、自身の退屈を消してくれる存在というのを少なからず求めている節がある。そんな彼女が私について来てガラルに行くということは、つまりそういうことという訳だ。
(あらら……フリアったら、わざわざこんな時にまで目をつけられなくてもいいのに……)
「コクラン……準備を」
「かしこまりました」
「ここの四天王業は開けていいのかしら?」
「今の時期……大体の地方がオフシーズンでしょ……?活発なのはガラル地方くらいだから問題ないわ……」
「そう……どうせなら、私の研究も手伝う?」
「気が向いたらね……」
「これは手伝ってくれないパターンね」
まぁ、最初から期待はしていなかったのだけど……。
「さて、ヒカリ、ジュン、そろそろ準備しておきなさい」
「え、もう行くんですか?」
「『もう』じゃなくて『やっと』だぞ!!くぅ~、早く行こうぜガラル地方!!」
「あなたはせっかちすぎ。まだ準備だけでいいわよ。どうやら、カトレアも来るみたいだし……」
「「え!?」」
私の言葉に驚く2人の反応に、ちょっと苦笑いをこぼしながら窓から見える空を見上げる。
(さて……私たちと再会した時、フリアはどんな顔をするのかしらね)
もうすぐ会える。その時のフリアの反応を想像するだけで、その空はいつもよりも澄み渡っているような気がした。
ジムバッジ
ようやく8つ揃いました。
123話……長かったですね。
カトレア
シロナの友人。別荘のお話。負けず嫌い且つ未熟な精神だった故、負けるたびに癇癪を起して超能力が暴れていたので、バトルキャッスルではワッハ!さん……コクランさんが務めていた。
どれも公式設定ですね。
彼女が退屈嫌いだという事と、カトレアの別荘が男子禁制ではないという点は、私なりの解釈です。
退屈嫌いはBWでの四天王戦の会話から。男子禁制説は、あの別荘に現れるのが女性キャラだけだからという理由ですが、男性主人公もコクランもいるので大丈夫では?という考えからですね。
細かい設定がほかで有ったら拾いきれていないかもです。すいません。
そしてまさかのガラル地方出勤ですね。最初は出すつもりはなかったのですが、シロナさんの交友関係から出してみてもいいかもという勢いです。
もしかしたら作者のリサーチ不足でキャラ崩壊を起こすかもですが……まあ既に崩壊している方いますし……(ヒカリさんとかヒカリさんとか、あとヒカリさんとか)
ただでさえこの作品に色濃く出ている作者の趣味や都合が、さらに増えそうな予感がしますね。
自身の書きたいことを優先して書き続けている結果なのですが、これからもそこを曲げる気はありませんので、『合わない』と感じたら、すぐさまバックブラウザ推奨ですよ。
……少なくともこのタイミングでいう事ではないですね()