『ヤドラン!!『シェルアームズ』です!!』
『ラプラス!!『れいとうビーム』よ!!』
ヤドランの腕から放たれる毒の弾丸と、ラプラスの口から放たれる凍てつく光線がバトルフィールドの真ん中でぶつかり合い、薄紫の爆煙が広がったせいで視界が一気に悪くなる。
『『しねんのずつき』!!』
『『たきのぼり』!!』
画面では一面煙だらけで何も見えないと思ったら、今度はふたつの技がぶつかって起きた爆風によって、広がっていた薄紫の煙は吹き飛ばされ、お互いの頭をぶつけ合う両者の姿が現れる。
お互い特殊攻撃を得意とするポケモンのため、物理攻撃は威力があまり出ないはずなのに、画面越しでも伝わってくるくらい、強い迫力を2匹のポケモンから感じる。
『『ふぶき』!!』
『『シェルアームズ』!!』
お互い零距離からの得意技によるインファイト。普段は遠距離からスマートな戦いをするはずの両者が、守りなんて度外視の殴り合いをフィールドの中心で繰り広げていく。荒れるふぶきと飛散る毒液がお互いの体を包み込むなか行われる我慢比べ。しかし、こうなってくると有利なのは耐久力に自信のあるラプラス側。ヤドラン側は何かをしないと、このままでは押し切られてしまう形となる。
(さて、どう動くのかな?)
ボクの予想通り押され始めるヤドラン。と、同時に、ラプラスの勢いがどんどん上がって来る。ここを押し切ればラプラスの勝利はぐっと近くなると判断してのガン攻めスタイル。
『さらに『ふぶき』で押し込みなさい!!』
いよいよとどめの宣言をするラプラス側の指示により、画面が更に白く染まり、ヤドランの全身を凍てつく風で包み込もうとして……
『今です!!『かなしばり』!!』
ヤドランの瞳がきらりと光り、同時にヤドランと目が合ったラプラスの体が、電撃が走ったかのような痙攣をおこし、動きが一瞬止まってしまう。
たった一瞬。されど、零距離まで近づいている状態の一瞬は万秒にも等しい隙となる。
『ヤドラン!!『くさむすび』です!!』
その一瞬の隙を逃さず、おそらく対ラプラス用に準備したと思われるくさむすびにて、ラプラスに起死回生の一手を放つ。
ラプラスの弱点であるくさタイプの技且つ、体重が重ければ重いほど威力が上がるこの技は、220kgという重量を持つラプラスに多大なダメージを与える技となる。さらにこの技は、相手の体や足に草をからませて、こけさせたり、態勢を崩すという効果も相まって、ただダメージを与えるだけでなく、相手の動きを封じる力もある。
かなしばりで動けない状態で、くさむすびという予想していなかった技による大ダメージと、くさむすびの副次効果によって、一瞬だけだったラプラスの隙がさらに大きくなっていく。
ラプラス側が有利だったさっきまでの展開から一転。今度はヤドラン側に一気に傾いた。この流れを逃したらヤドラン側は絶対に勝てない。だから、ここから必ず勝利をつかみ取るためにヤドランが必死の攻勢へと動いて行く。
『ヤドラン!!『シェルアームズ』です!!』
零距離から腕の銃口をラプラスに押し当て、毒の弾丸を連射してどんどんラプラスへと叩きつける。一点集中して吐き出される毒の弾丸は、ラプラスの体をどんどん後ろに押し込んでいき、さらにシェルアームズの追加効果である毒状態も付与され、ラプラスの最後の体力を削り取らんと襲い掛かる。
『ラプラス!!『れいとうビーム』よ!!最後の意地を見せなさい!!』
それでも高い耐久力と、オーロラの壁によって最後の踏ん張りを見せるラプラスが、逆転のための一手を打とうとし……
『ヤドラン!!ラプラスの顔に『シェルアームズ』!!』
ヤドランが腕の銃口を上にずらし、ラプラスの顎をしたから打ち上げるような軌道で毒の弾丸を打ち込んだ。顎を下からかちあげられる形となったラプラスの口は、そのままキルクススタジアムの天井に向けられ、れいとうビームもそれにつられて上へと打ち上げられる。最後のあがきさえも防がれてしまったラプラスは、そのまま毒に蝕まれて体力を尽きさせてしまい、大きな体を地面に横たえた。
『ラプラス戦闘不能!!ヤドランの勝利!!よってこのバトル、セイボリー選手の勝ち!!』
ラプラスが倒れたと同時にあがる審判の決着宣言。その言葉を聞いて、自慢のシルクハットを指でなぞり、見た目はクールな態度を取っておきながらも、浮かべている表情から勝てたことが本当にうれしかったんだろうなぁと読み取ることが出来るセイボリーさんの姿。その姿は、最後にラプラスが放ったれいとうビームが空中で弾けたことにより、キラキラとした氷の破片が舞い落ちていて、まるでセイボリーさんの勝利を祝福しているような、そんな優雅で綺麗な一コマとなっていた。
そこからは響き渡る拍手喝采と、そんな中で行われるセイボリーさんとメロンさんのやり取りがゆっくりと行われ、実況解説の方が挨拶をして、その生放送は締めくくられることとなる。
実況解説の方の『それではまた次回。さようなら〜!!』の声と同時に生放送が切れ、スマホロトムの画面が止まったことを確認したボクは、ゆっくりと背もたれに体を預けた。
「ふぅ~、いい試合だった~!!ありがとねユウリ」
「ううん、私も気になってた試合だから全然大丈夫だよ」
生放送を見終わって、高揚した気分をため息と同時に少しだけ外に出し、心を落ち着けながらユウリにお礼を言う。本当なら自分の携帯電話なり、ロトム図鑑で生放送を見る方がよかったとは思うんだけど、どうせなら『画質のいい方で見た方がいいんじゃない?』というユウリからの提案に乗っかり、ユウリのスマホロトムに映る生放送を一緒に見させてもらうという形で、先ほどのバトルを見ていた。おかげで、セイボリーさんとメロンさんのバトルをより迫力のある映像で視ることが出来た。ユウリには本当に感謝だ。
「それにしても……セイボリーさん、勝ててよかったね」
「うん。ルミナスメイズで視認はしてないけど、すれ違ってはいたみたいだから、オニオンさんに勝っているのは知っていたけど、そこからどれだけ進んだのかは、ボクたちもいろいろあって忙しかったから確認できなかったからね。順調に追いかけてくれているみたいで嬉しいなぁ」
「そこそこ長い間一緒に冒険していたし、やっぱり知っている人がこうやって活躍しているところを視ると、なんだか私たちまで嬉しくなってくるよね」
「そっか、俺たちがセイボリーさんを知ったのはラテラルタウンからだったけど、2人はバウタウンで俺たちと別れた後にすぐ出会ったんだっけか」
「先に行っているときにニュースとかでその辺の情報は知っていたけど、考えてみるとフリアとユウリはなかなか長い時間一緒におったんよね。それは応援したくなるのもわかると」
ボクたちの話に乗ってくるのは、ラテラルタウンで短いながらも一応面識はある2人。2人からしてみれば、知ってはいるけどそこまで思い入れのある相手というわけでもないだろうから、ボクたち程熱中して試合を見ていたわけではないけど、それでも今回の生放送は楽しんでみてくれていたようで、表情から察して普通に満足いくバトルを見ることが出来たと言った感じだ。
「ふむふむ。セイボリちんもしっかり進んでいるのねェ」
「あ、そういえばクララさんも面識合ったんだっけ」
「一応同門だからねェ。何回か戦ったこともあるわよォ」
続いてスマホロトムを眺めながら口を開いたのはクララさん。クララさんの言葉を聞いて思い出したんだけど、クララさんとセイボリーさんは、ガラル地方本土から少し離れた孤島にある、とある道場で一緒に特訓をした時期がある同門だ。
どうもガラル地方でもかなり有名な人が経営しているらしいその道場は、今もかなりの門下生を抱えており、日夜厳しい特訓が行われているとかいないとか。
そんな同じ屋根の下で少なくない時間を共に過ごしていたクララさんからしても、セイボリーさんの活躍は、あまり表情には出していないけど何か思うところがあるらしく、いつものキャピキャピした表情やテンションとはちょっと違う、少し落ち着いたお姉さんと言った雰囲気を漂わせていた。
(へぇ……クララさんもそういう顔するんだ……)
そんないつもと少し違う雰囲気についつい目がいってしまった。普段のクララさんを知っている身からすれば、セイボリーさんの勝ち姿を見つめるクララさんの姿はちょっと新鮮な表情で見ていて少し驚きがあった。口に出しちゃうと失礼になりそうだから、これはボクの心の中にとどめておくけどね。
「ん?フリアっち、何かあったァ?」
「ううん。クララさんも、やっぱり同門の活躍は気になるんだなぁと思っただけです」
「そういう事ねェ。これでもお互い過去にいろいろあった身だしねェ。ちょっとした親近感が沸く的なァ?」
「過去……」
セイボリーさんの過去は知っている……というか、実際にこの目でその確執を見てきたので、どれだけ苦労してきたのかはよく知っているけど、クララさんの過去に関しては知らない。恐らくマリィなら知っているかもしれないけど、クララさんの言い方から察するに、クララさんの過去も、セイボリーさんに負けず劣らずのなかなかつらい経験があったんだと思う。
今のクララさんを見る限り、もうその過去を乗り越えているみたいだし、人の過去を掘り下げるのもなんか違うと思うので、今ここで聞く必要はないとは思う。けど、ボク自身も過去にいろいろ捕らわれている身なので、こうやって目の前に過去を乗り越えた人がいると、なんだか心に来るものがあり……
(ボクも負けてられないね)
でも今はそれも自身の背中を押す勇気になる。『みんなが頑張っているんだから、ボクも頑張りたい』といった前向きなものに捉えられるようになっている。これも、ガラル地方をみんなで巡ったおかげだろう。
「ほらほら、こんな辛気臭い話は無しにしてェ、今はセイボリちんが勝ったことへの喜びと、もうすぐ着く場所について考えるぞォ!!」
「そうだぞ!ないかもしれないけど、このままセイボリーさんに追い抜かれる可能性もあるしな!!」
「さ、さすがにないんじゃない?確かに、セイボリーさん、今はサイトウさんと一緒にジムチャレンジを攻略しているみたいだから、道中はとても順調に進みそうだけど、ネズさんとキバナさんと戦っている期間で私たちがシュートシティに辿り着けないなんてことは、とてもじゃないけど想像できないかも」
「けど、だからと言って油断はできんけどね。最後まで気を引き締めんと」
ちょっとだけしんみりし始めた空気をクララさんの言葉によって散らし、次にみんなが目を向けたのはボクたちが今向かっているところ。
ほしぐもちゃんを新たに仲間にしたボクたちは、その1日をほしぐもちゃんとの交流や観光にあててのんびりと過ごし、その翌日に当たる今日、シュートシティに向けて進むために、ナックルシティ発の列車に乗っていた。
その列車に乗って目的の駅にたどり着くまでの待ち時間中に、ちょうどセイボリーさんの挑戦がかぶっていたから、みんなで観戦していたというわけだ。その観戦も無事終わり、クララさんに言われて携帯電話の時計を確認すれば、もうすぐその目的の駅に到着する時間になっていた。
「もうすぐでホワイトヒル駅……マリィの言う通り、気を引き締めていかないとね」
『次は、ホワイトヒル駅、ホワイトヒル駅でございます。お降りのお客様、ジムチャレンジャーの方は━━』
ボクの言葉にみんなが頷くとともに列車内に響く到着のアナウンス。その放送にこの旅がいよいよ終わるというちょっとした寂しさを感じながらも、シュートシティについて受付を終えるまでがジムチャレンジだという気持ちをしっかりと持ったボクたちは、列車の席を立ち、搭乗口へと歩いて行った。
☆
そこそこの時間をかけて、ナックルシティから列車にゆられながらボクたちが足をつけた地はホワイトヒル駅。
ナックルシティとシュートシティの間にそびえたつ大きな山脈の中腹に建てられているここの駅は、お世辞にも人通りの多い駅とは言えず、普段ここを利用するのは登山目的で訪れる人ばかりだ。
元々寒冷よりであるガラル地方の中でも、さらに標高の高い場所ということもあり、ここの寒さはキルクスタウンや9番道路に勝るとも劣らない。
そしてこれからボクたちがこのホワイトヒル駅から進んで行く場所が、このホワイトヒル駅も含んだ10番道路。
駅付近、中腹、山頂の3つのエリアに分かれているこの10番道路は、山脈地帯ということもあり天候が不安定だったり、こんな悪環境でもしっかりと暮らしていけるほどの強さを持った野生ポケモンが跋扈していたりという理由で、近しい寒さを誇る9番道路よりも、別方面でさらに厳しくジムチャレンジャーに対する最後の壁として立ちふさがって来る。
間違いなくガラル地方の中でも1位2位を争う、人によってはワイルドエリアよりも過酷だと感じる人もいるかもしれない環境。だけど……
「エルレイド!『かわらわり』!!」
「ポットデス!『シャドーボール』!!」
「カビゴン!『ヘビーボンバ―』!!」
「ゾロアーク!『あくのはどう』!!」
「ペンドラー!『メガホーン』!!」
いつかも言った通り、キバナさんとの戦いを乗り越え、バッジを8つ集めるまで成長したボクたちを止める存在にはならない。
ボクたちの手持ちのポケモンが放つ技によって、立ちふさがって来る野生のポケモンたちのことごとくをはねのけていく。
シンオウ地方で言えば、チャンピオンロードの役目を担っているこの場所だけど、あの場所はポケモンリーグ側が挑戦者の最後の壁になるように整備をしているため、それ相応の難易度になっているのに対して、こちらはそのまんま自然の驚異を壁にしているイメージだ。当然ながら、自然の驚異を甘く見ることは絶対にしてはいけない事なんだけど、自然以外の壁はどうしてもチャンピオンロードと比べれば劣っているような気がしてならない。
最も、劣っていると案じてしまう理由も、ポケモン自体が強さを一番発揮できるのがトレーナーと一緒に戦っている時という事だったり、ここに来る前にキバナさんという最高峰のトレーナーと戦っていることだったり、シンオウ地方のチャンピオンロードに放たれているポケモンの一部が、四天王やチャンピオンによってひと手間かけられていたりと、いろいろとこちらの感覚を麻痺させてくる出来事を経験しているせいだとは思うんだけどね。実際に、ここまで10番道路の脅威を下げる言葉ばかり使っているけど、ちゃんとその厳しさはボクたちに襲い掛かっては来ている。
「お疲れエルレイド。……うん、順調だね」
「順調だけど……相変わらず寒か……戻って、ゾロアーク」
「戻れカビゴン!確かに、登るほど吹雪が強くなってるし、気は抜けないぞ」
「戻ってペンドラー……でも寒すぎてそんなに気を持ち続けられないィ……」
いくら寒さ対策で厚着をしてきたとはいえ寒いものは寒い。それに、山道という悪路もあって、進みはどうしてもゆっくりになってしまう。標高のせいで酸素も少し薄いから『今までに比べて』劣ってはいるけど、厳しい事には変わらない。特に一番つらそうなのが……
「も、戻ってポットデス……さ、寒い……」
ポットデスをボールに戻してすぐさまマリィとクララさんを両腕で捕まえて、2人の間に挟まれるように移動したユウリだ。9番道路でもそうだったけど、どうも寒いのにあまり耐性がないユウリにとっては、かなりの壁として立ちはだかっているっぽい。
「えっと……ちょっと辛めのポフィンたべる?」
「食べる!!」
と思ったら物凄い勢いで飛び付いてくるユウリ。この調子なら大丈夫そうだ。
ちょっとほっとしながら改めて周りの景色を見回していけば、視界に映るのは当然雪景色なんだけど、そんな景色の中にも、ちらほらと登山客以外の人影を確認することが出来た。それも、インタビューの人みたいな、まぁまだいるのは分かる人以外にも、ポストマンやビジネスマン、果てはドクターみたいな服装の人までいる始末。見かける人のラインナップだけ見れば、本当にここが雪山なのか怪しいレベルだ。
「しかし、普段は登山客しかいないって聞いたのに、ジムチャレンジの季節となると、こんな辺境の地にも待ち伏せしているファンもいるんだね……」
「逆に言えば、ここまで厳しい環境なら、競争相手が少ないからその分独り占めじゃないけど、他の人に邪魔されることなくジムチャレンジャーと触れ合えるけんね」
「しかも、ここまで来るチャレンジャーは必然的にバッジを8つ集めた猛者。下手したら未来のチャンピオンの可能性もあるからァ、実は案外考え方自体は理にかなってるのよねェ」
「だとしても体張りすぎな気が……ホップはどう思━━」
『ホップ選手だよね?よければサインくれないかい?』
『勿論いいぞ!!未来のチャンピオンのサインだ!!今のうちに大切にしておいてくれよな!!』
「適応能力ぅ……」
なんというか、ガラル地方の人間の逞しさをここにきて遺憾なく発揮されているような気がする。だけど、こうもいつも通りのみんなの空気感を見せられると、最後の難所と言われるこの10番道路の道のりも、なんだか楽しく歩けるような気がして。
気づけば10番道路も、いよいよ山頂が見えるところまで進むことが出来た。
「もうすぐで山頂だね」
「あそこを越えれば、いよいよシュートシティだぞ」
「本当に!?」
ボクとホップの言葉に、女性陣のみんなもゴールが見え始めたことを実感し、気分が明るくなっていく。特にユウリはこの寒い地域をもう少しで脱出できると知って、露骨にテンションが上がっていく。勿論、それはボクとホップも同じで、ボクたち全員の足が自然と速くなっていく。
山頂に向けて足を進めていくたびに、気づけば空もどんどんと明るくなってきており、あれだけ吹雪いていたはずの空も、山頂を目前にした時には既に止んでいた。そして……
「「「「「おお~……」」」」」
山頂に到着した瞬間にボクたちの視界に広がるのは、山頂という最高の景色から見下ろされるシュートシティの全体。
ボクにとっては、飛行機に乗って降り立ったガラル地方で一番最初に訪れた街だから初めて見る街並みというわけではない。けど、あの時はマグノリア博士への届け物のことばかりを考えていたせいで、観光とかしてこなかったからあまり記憶に残っていないし、なにより、この山頂から見るシュートシティが、中から見まわしたあの景観とはまた違った見え方がして、これはこれで凄く感動する。
真正面南側に位置する、アーマーガアを模した石像を中心に広がる広場。
西側奥に見える時計塔と観覧車。
東側にて妙な圧力を放つシュートスタジアム。
そして、一番奥にそびえたつ、圧倒的存在感のローズタワー。
中心に広がる住宅街も含めて、まるでボクたちジムチャレンジャーを歓迎するかのように構えてあるその町並みは、こうして眺めているだけで何かこみあげてくるものを感じる。
「……よし、行こうか!」
「「「「うん!!」」」」
ここから山を下り、シュートシティへ続く道は一本道だ。草むらも野生のポケモンも、そして待ち伏せするトレーナーやファンの姿も全くない、本当にただの一本道。けど、何もなくひたすら真っすぐ伸びる道だからこそ、まるでバトルスタジアムへ進むための暗い廊下のような、こちらの心を緊張によって燃え上らせてくれる不思議な魅力がある。
その道を一歩ずつ踏み出すボクたち。
足を前に出すたびに、今までのジム戦や、ここまで歩いてきた道路が、走馬灯じゃないけど頭の中をよぎっていく。
長いようで短くて、けど振り返るとやっぱり長かったこのガラルの旅の終着点。
今までの旅路を振り返りながら、一歩ずつ踏みしめて、とうとうシュートシティの入り口まで到着した。
「ねぇ……最後は一緒に街に入らない?」
「……いいな、それ」
「あたしも賛成」
「いいわねェ!ロトムにその瞬間撮ってもらえば、究極にばえそうゥ!!」
「……うん。そうしようか!!」
ユウリの提案にみんなで頷き、左からクララさん、マリィ、ボク、ユウリ、ホップの順で並び、手をつなぐ。
苦しいことも、大変なこともいっぱいあったけど、今となってはどれも楽しい思い出だ。そんな思い出たちのひとまずの区切りの瞬間。その一歩を今……
「「「「「せ~のっ!!」」」」」
5人同時に踏み出した。
その日、ジムチャレンジを突破し、シュートシティに到着した選手が5人同時に現れたというのはちょっとしたニュースになるんだけど、それはまた別のお話。
セイボリー
ちゃんと後ろを追いかけてくれています。
今はサイトウさんと一緒に行動しているみたいですね。
一応、セイボリちんは誤字ではありません。某方と同じ呼び方ですね。
クララ
少しお姉さんな面の登場。
なんだかんだ、ふっきれた彼女は面倒見がよさそうな気がします。
10番道路
個人的に一番影が薄いというか、なんで存在するのかよくわかっていない道路です。(10番道路のファンがいたらごめんなさい)
チャンピオンロード枠というのはわかるのですが、だとするならもう少し複雑でもよかった気がしなくもないです。
剣盾全体に言えることですが、やっぱりワイルドエリアにいろいろ持っていかれた弊害なんですかね?でもそこに出てくるイシヘンジンやコオリッポは、顔がかわいくて大好きです。
アニポケの新しい予告PVが熱いなぁと思いながらも、サトシさん以外のバトルが、尺が足りなさそうであまり深く描写できなさそうなのが寂しいです。
大人の事情なので仕方ないんですけどね。