【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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第2章ヨロイ島 再会と特訓編
127話


 シュートシティ。

 

 ローズ委員長によって計画的に作られた、ガラル地方1番の大都市。

 

 観覧車に大きなホテル、バトルスタジアムにローズタワーと、パッと目に入る建物だけでも豪華で目立つのに、南側の広場や建物、お店、駅などの、居住区や飲食店の建物ひとつとっても、街の景観を意識した造りになっているのか、この辺りを見回すだけでもちょっとした芸術のように感じてしまう、そんなジムチャレンジ最後の街を飾るにふさわしい街並みをした綺麗な場所だ。

 

 ボクが初めてガラル地方に来た時に訪れた場所でもあり、その時はあまりの凄さに、語彙力の少ない言葉を浮かべながら、周りをキョロキョロして圧倒されるだけに終わってしまった。けど、改めて少し心に余裕が出来た状態で見渡してみれば、あの時とはまた違った、賑やかで楽しく、明るい雰囲気をしっかりと感じることができた。

 

 そんなシュートシティに5人揃って足を踏み入れたボクたちは、辺りを見渡しながら街の東側にあるシュートスタジアムヘと真っ直ぐ進み、受付の方に8つのジムバッジが収まったリングケースを提出。全員のリングケースを確認した受付の人は、少し驚いた表情を浮かべながらも、ボクたちの姿を確認した途端にどこか納得したような表情を浮かべて、今度はその表情を微笑みにかえてボクたちの突破を祝福してくれた。それどころか、ボクたち5人がキバナさんに勝った時から、ボクたちを迎える準備をしていたらしく、他のスタジアムと比べて広く、天井から複数のディスプレイが吊るされている兼ね合いでより明るく照らされているロビーに大勢の人が待っており、さらに先ほど言っていた上空のディスプレイには、ボクたちのチャレンジ成功を祝うようなPVが流されていた。

 

 キバナさんに勝ってからここに来るまでそんなに長い日数をかけてはいないので、こんな短時間に5人分のPVを用意したんだと思うと、なんともまぁお早い仕事と言わざるを得ない。

 

 そこからはもう一種のお祭り騒ぎだ。

 

 シュートシティに着いた瞬間は頑張って自制をしていたらしいそれぞれのサポーターやファンが、とうとう我慢の限界が来てしまったらしく、ジムチャレンジ突破の声が受付の人から上がった瞬間物凄い速さで詰め寄り、あれよあれよという間にもみくちゃにされてしまう。どこからか現れたのか、テレビ局からのインタビューの人も来ており、そちらからは質問攻め。それが終わったかと思ったら、人ごみに流されまくったりサイン攻めにあったりと、色んな人に多方面からのアプローチを受けすぎて、正直あの時間誰がどうしていたのかの把握が全くできていない。

 

 はっきり言って、キバナさんとのジムバトルや、ヨノワールとの長時間の共有化よりも全然疲れたと感じてしまった。その影響はボクたちの体にしっかりと現れていた。

 

 ジムチャレンジを無事に突破した挑戦者には、シュートシティの西側に建てられているホテル『ロンド・ロゼ』に、シュートスタジアムで行われるジムチャレンジ突破者による勝ち抜きのトーナメントが開催される日まで、無期限で宿泊をすることが出来るんだけど、自分たちの部屋に辿り着いた瞬間、5人そろって泥のように眠り込んでしまったのがその証拠だ。

 

 おかげで、本当なら全員でシュートシティの観光をしたいなぁと思っていた予定がまるまる潰れてしまった。

 

 それからというもの、少しホテルを出ようものならすぐさま人に集られてしまい、思うように動けず、半ば強制的に、ホテルに閉じ込められているかのような生活を余儀なくされた。数少ない外出チャンスも、帽子やメガネをつけて変装していたしねその時は、ちやほやされるのが大好きなクララさんまでもが疲れたような顔を浮かべていたほど。

 

「本当に凄い人だかりだね……」

「まぁ……それだけジムチャレンジが注目されているってことかな。それにしても、私が知っている時よりも人だかりが凄いけど……」

「注目されるのは嬉しいんだけど……ちょっと辛いぞ……」

「キュキュイ~……」

 

 そんなちょっとした隔離というかお忍びというか、とにかくコソコソとした生活を3週間程過ごしていたボクは、今はホップの部屋でホップ、ユウリ、ボクの3人で集まって会話をしているところだった。それぞれ、ボクはガラル地方の料理本を眺めていて、ユウリは膝の上にほしぐもちゃんを乗せて頭を撫でいて、ホップはやることがなくて暇なのか、手遊びをしている。

 

 ちなみにマリィはスパイクタウンに、クララさんは自分の師匠の下へ一度戻ったみたいで、このホテルにはいない。

 

 残されたボクたちは、さっきも言った通り、迂闊に外に出ることもままならないので、バトルの特訓を行うことが出来ず、仕方なく部屋でのんびりとしていた。

 

 1度こっそりワイルドエリアに行って特訓を試みたこともあったんだけど、その時もどこからか情報が漏れていたみたいで、数時間経てば徐々に周りに人が集まってしまい、特訓の邪魔こそしてこないものの、それでも明らかに多い人の目に若干のやりづらさを感じてしまい、結局断念。ホテル宿泊と同じく、トーナメント開催までの間、ガラル本島ならいつでもどこへでもアーマーガアタクシーを無料で使えるという、ジムチャレンジ突破への恩恵を利用して、すぐさまホテルに戻ってきてしまった。

 

 さすがにこのままでは色々支障が出るのでは?と思い、リーグに連絡を入れてきたものの、どうやらここまで露骨なのは今回が初めてらしく、ボクたちの推薦者や話題性のこともあって、リーグ側の予想を超えてしまっているらしく、対応が難しいとのこと。今までにこの方面で規制をしてこなかったのに、ここで急に変えるのもおかしな話だし、何より、この先勝ち抜いてガラル地方のジムリーダー、ないし、チャンピオンとなるのなら、できることならこういったファンの対応にも慣れて欲しいというリーグの意向もあり、ちょっとの注意喚起は行われたものの、人目を気にしなくていい練習場の提供などは行われなかった。

 

 まぁ、そこまでするのはかなりの予算と場所が必要になってしまうので仕方ないと言えば仕方ない。それに、注意喚起のおかげで、確かにマシにはなったので、これでもしっかりと対応してくれた方だろう。リーグには感謝だ。……それでも視線はやっぱり感じてしまい、肝心の共有化の練習が上手くいかないんだけどね。

 

 もしかしたらクララさんとマリィはこのことを予想してどこかに行ったのかも……いや、ないか。

 

「ボクたちもどっちかについて行けばよかったかなぁ……」

「ついて行くとしたらマリィの方一択だね」

「そうなの?」

 

 そんななかなか集中した練習ができない中、2人は今も自由な場所で特訓出来ているのかななんて考えたら、やっぱりちょっとうらやましい。そう思っての発言を残すと、ユウリが言葉を挟むんだけど……ユウリの『マリィの方一択』という言葉に疑問を持ち首をかしげる。

 

「クララさんがいる場所って、多分ヨロイ島だと思うんだけど……」

「ヨロイ島?」

「ああ、ガラル地方本島の東側にある孤島だよな」

「東側……あ、この島?」

 

 ユウリの言葉を聴きながらガラル地方のマップを広げると、確かにガラル地方の東側にぽつんとひとつの島が見える。ここがヨロイ島という場所なのだろう。

 

「この島、何かあるの?」

「私たちは今、チャレンジ成功者の特権で、アーマーガアタクシーで色々なところ行けるでしょ?」

「そうだけど……」

 

 島のことについて聞いてみるとまさかのタクシーのことが返ってきて一瞬怯むボク。そんな姿のボクに対して、特に気にした風を見せることなくユウリは言葉を続ける。

 

「一応、リーグの説明から、ジムチャレンジを突破した特典としてガラル地方のほとんどをアーマーガアタクシーでタダで移動できるっていうのを貰っているでしょ?」

「そうだけど……って、あぁ。単純にガラル地方の『ほとんど』に含まれていないってことか」

「そうそう。ヨロイ島と、あとは……南の方……名前は忘れちゃったけど、確かそっちの方も適応外だった気がする……」

「行くためには特別な券を買うか貰わないといけなかったはずだぞ」

「そっかぁ……」

 

 ちょっと……いや、かなり気になっていたから、正直一回でいいから行ってみたかったんだけど、そういう事なら仕方がない。

 

「となると……やっぱりボクたちもマリィを追ってスパイクタウンに行く?」

「うう~……スパイクタウンに不満があるわけじゃないけど……特訓をするならワイルドエリアがよかったぞ……」

「あはは、私も、ホップの気持ちはよくわかるけどね」

 

 ちょっと失礼な言い方をすれば、確かにスパイクタウンならあまり人が来ないので、静かに特訓をすることが出来るけど、肝心のダイマックスの練習ができないというのが一番大きい。また、あの場所に引きこもるとなると、どうしても偏って人とのバトルしかできないため、自身の成長も同じように偏ってしまう。

 

 具体的に言えば、あくタイプに対してばかり強くなってしまう感じ。

 

 これが野生のポケモンが偏っているだけならまだいいんだけど、練習相手になってくれそうなエール団までもがみんな同じタイプばかりだから、その点を考えてみると、どうしてもいろいろなポケモンと戦うことが出来るワイルドエリアとは差が出来てしまう。

 

 そして一番のもったいない点が、ネズさんと戦うことが出来ない事。

 

 あたりまえだけど、ネズさんはジムリーダーだからジムチャレンジ突破者によるトーナメントが終わった後の、チャンピオンを決めるトーナメントにも参加する。となると、お互いの実力や手札の露見を防ぐため、そして大会への楽しみを取っておくために、そもそも私闘をすることを制限されている。ただでさえジムリーダーだから戦い辛いのに、この後のイベントに参加が確定している人となると、下手に試合前にバトルするのが禁じられるのは誰の目から見ても納得の措置だ。

 

 それに、手札や戦法を隠したいのはボクたちだって同じこと。となれば、やっぱり各々が1人でも特訓できるほど広く、様々な相手と戦える場所というのがどうしても欲しくなってしまう。この条件を満たせる場所となると、やっぱりワイルドエリアしかない。

 

「やっぱり、ワイルドエリアに行きたいよね……」

「でもその場合あと数日はおとなしくしておかないと……あの視線には、長くはさらされたくないかな……この子もいるし」

「キュキュイ?」

「それ以上に今は少しでも体を動かせれば十分だぞ!!そのためにも、まずはマリィのところに━━」

「……あれ、ユウリのスマホロトムになにか来てない?」

「あ、ほんとだ」

「ちょ、人の勢いを遮るようなタイミングだぞ!!」

 

 ホップが居ても立っても居られないと言った感じで、今すぐにでもスパイクタウンに行こうとした瞬間に鳴り響くユウリのスマホロトム。ホップの文句を無視してスマホロトムを取り出したユウリは、そのまま画面を見つめてため息を一つ。

 

「何かあったの?」

「マリィ、明日こっちに帰って来るって」

「え、何かあったのか!?」

「うん……ちょっとスパイクタウンで事故じゃないけど、ちょっとした粗大ゴミとかジャンク品とか、詰まれたものが崩れちゃったみたいで、それの撤去に忙しくてちょっとの間スパイクタウンで工事みたいなのをするんだって。だからジム戦をする広場はあるけど、練習する場所が……」

「くっそぅ……スパイクタウンもダメかぁ……」

 

 目に見えて落ち込んで布団に突っ伏すホップの姿。確かに、この報告はちょっと気分が落ち込んでしまいそうだ。

 

「ああ~もう!!暇だぞ~!!いくら大都会のシュートシティでも流石に飽きてきたぞ~!!」

 

 ホップが速くも我慢ならないと言った声をあげながら、ベッドの上でバタバタと暴れだす。その姿に理解こそ示すけど、そこまで変な動きをするほどではないかなと、顔を合わせながら苦笑いを浮かべるボクたち。

 

「でも確かにこの暇さは何とかしないとなぁ……とりあえず今日は何かお菓子作ってみようかな?」

「「お菓子!?」」

「キュキュイ!?」

「はいはい、みんなの分も作るから落ち着いてね?」

 

 先ほどまで読んでいた料理本を横において、たった今覚えた新しいお菓子を作ろうと、簡易的なキッチンに足を向けるボク。

 

 

 コンコンコン……

 

 

「あれ?」

 

 そんなボクの動きを、今度はホテルのドアから聞こえてきたノック音によって止められてしまう。

 

「は~い」

 

 ユウリとホップはまだベッドの方にいるため、必然的に扉に一番近いボクがその対応へ。オートロックの扉を解除しながらドアを開けると、そこには予想外の人が待っていた。

 

「やあフリア君、ユウリ君、ホップ!やっと会えたぞ!!」

「アニキ!?」

「「ダンデさん!?」」

 

 扉の先に立っていたのはガラル地方チャンピオンのダンデさん。急に現れた超大物の且つ、久しぶりに会う事となった人物に、少なくない嬉しさがこみあげてきて、さっきまで感じていた鬱屈とした雰囲気が少しだけ霧散していった。

 

「おや、マリィ君はいないのか?」

「マリィなら今スパイクタウンに行ってますけど……」

「スパイクタウン……ああそうか、彼女はネズさんの妹さんだったな」

「彼女に用事ですか?だったら、明日にはここに戻ってくるみたいですけど……」

「ああいや、彼女に用事は……いや、正確には用事はあるのだが、今回用事があるのはマリィ君を含めた君たち4人に対してだマリィ君には君たちから伝えておいてくれ」

「それはいいですけど……ボクたち全員ですか?」

「「?」」

「ああそうだ」

 

 ダンデさんの言葉に3人そろって首をかしげるボクたち。そんなボクたちの様子を確認したダンデさんは、笑顔を浮かべながら頷き、懐に手を入れて何かを探し始めた。

 

「まずは君たちにおめでとうと言っておこう。ジムチャレンジ突破、見事だ。キバナとの戦いも見ていたが、思わずリザードンを出してしまうくらいには燃えたな!!」

「おう!やってやったぞ!!」

「「ありがとうございます!」」

 

 ボクたちへの賛辞を送りながら、懐から何かを握った状態で手を出すダンデさん。

 

「だが、この俺を越えるというのならば、ジムチャレンジ突破はむしろスタートラインと言ってもいいだろう。聡明な君たちなら当然理解しているだろうし、今この瞬間にも色々な方法で特訓しているはずだ」

「そう……なんだけどなぁ」

 

 ダンデさんの言葉に気まずそうな顔を浮かべるホップと、ちょっと苦笑いをこぼすボクとユウリ。確かに、まだまだこれで終わりとは思っていないし、トーナメントに向けていろいろ準備したいとは思っているけど、現状が現状のため思うような特訓はできていない。その事に対して、若干の罪悪感を感じているホップは特に微妙そうな顔を浮かべていた。

 

「なぁに、君たちの現状は聞いているさ。そんな君たちに俺からささやかな贈り物をしたくてね」

「「「贈り物……?」」」

 

 そこまで言われてようやく、懐から取り出したものをボクたちのよく見えるように広げて見せてくれたダンデさん。

 

 それは一見、ただの8枚の紙切れのようで、ダンデさんの腕の動きにならって、上下にヒラヒラと揺れるその様はとても送られて嬉しく思えるよようなものには見えず、再び首を傾げていくボクたち。だけど……

 

「……まさか!?」

 

 ボクたちの中で、唯一その紙の意味に気がついたユウリが、不思議そうな顔をだんだんと驚愕に変えていく。一方で、ユウリが気づいたことがちょっと嬉しかったのか、ほんのり笑顔を浮かべながら、ダンデさんは口を開く。

 

「そう、俺からのささやかな贈り物だ。それは……」

 

 ここまで言われて、ボクもようやくその紙の正体に気づく。

 

 ダンデさんに握られている紙の内容は2種類あり、ひとつはオレンジ色で、もうひとつは緑色をしており、それぞれ4枚ずつ用意されていた。おそらくボク、ユウリ、マリィ、ホップの4人に、2枚ずつ配ってあげるのだと予想できる。

 

 では、肝心の中身は一体何なのか。

 

 ダンデさんが紙を揺らしていたため、書かれている文字をなかなか読むことが出来なかったけど、やっと動きを止めたため、読めるようになった文字に視線を向けて読んでいくと、ようやくその紙の正体を理解した。

 

「これ……!?」

「本当にか……!?」

 

 ホップも気づき、これで全員わかった。その事にダンデさんはさらに笑みを深め、握られた紙の内容を口にした。

 

「『ヨロイ島』及び、『カンムリ雪原』への切符だ。新しい地でさらに励んで、どうか俺を楽しませてくれ。卵たち」

 

 新たな地へのチケット。その存在に、ボクたちのテンションが膨れ上がって行った。

 

 

 

 

「では、渡すものも渡したし、俺はこのあたりで去ろう。ではまた!!」

「ダンデさん!!」

「ん?なんだ?礼ならいらな━━」

「下りのエレベーター……逆方向です……」

「……すまない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「おお〜……!!」」」」

 

 ダンデさんが訪れた次の日。頂いたチケットをマリィに渡し、ヨロイ島とカンムリ雪原、どっちから向かうかを相談した結果、ヨロイ島から行こうということになり、すぐ行動。シュートシティの駅からプラッシータウンへ。そして、ブラッシータウン発の列車で途中まで進み、そこからそらとぶタクシーで移動したボクたちは、ヨロイ島唯一の駅から出てすぐの光景に声を上げた。

 

 見渡す限り広がる海、海、海。

 

 バウタウンでも海は見たけど、あちらは漁港ということもあり、釣りはできるけど泳いで遊ぶということに適している場所ではなかった。けど、ここはリゾート地と言っても過言ではないほど綺麗な海。本来なら煩わしい暑さしか届けてこない夏特有のこの陽の光も、この海を彩るひとつの演出として凄く映えていた。

 

 試しに4人で浜辺に立ってみれば、夏の海特有の爽やかさに思わず顔がほころんでしまう。

 

 ヨロイ島

 

 建造されている建物が道場と塔がふたつ。そしてボクたちがたった今降りてきた駅の計4つしか存在しないうえ、その4つの建物も比較的最近建てられたばかりという、まだまだ歴史が浅く、人の手があまり加えられていない自然に溢れた元無人島。

 

 ここまで来れば、ここにある道場に通っている人しか、周り人間が居ないはずなので、道場主の人にさえ許可が取れれば、ここで特訓することは容易だろう。

 

「それじゃあまずは、ここの道場の人に挨拶に━━」

 

 

『フリアーーーーッ!!』

 

 

 今すぐ特訓するにしても、バカンスでちょっと休むにしても、道場に行かないことには始まらないと思い、ボクたち4人揃って、浜辺から少し内陸に移動したところに見える道場に歩き出そうとして、突如ボクを呼ぶ声にみんなして固まってしまい……

 

「フリア〜!!久しぶり〜!!」

「あうっ!?」

 

 背中から突撃してきた衝撃に変な声を上げてしまう。

 

「な、なに!?」

「はぁ〜、これこれ。これがフリアの感触〜……」

「この声……まさか……!?」

 

 急に飛び込んでくるこの勢いといい、この聞き覚えのある声といい、ボクの記憶の中にあるとある人物と物凄く一致している。しかし、彼女は今ホウエン地方にいるはず。なんでと思いながら、恐る恐る顔を向けてみれば……

 

「久しぶり、フリア!!」

「ヒカリ!?なんでここに!?」

「わたしだけじゃないよ?ほら」

 

 まさかの仲間に出会って、驚きで頭が混乱している中、ヒカリの指差す方を見れば、そこにはさらに驚きの光景が広がっていた。

 

「久しぶりだなフリア!!」

「元気そうでなによりよ」

「ジュン!!シロナさんまで!!」

 

 マサゴタウンで再び約束をし、共にあの場所へ戻るために新しい場所に別れて旅立ち、そこから1度も連絡を取っていなかったボクの大切な親友と、ボクに新しい場所での成長のきっかけを作ってくれた偉大な人。

 

 夢なんかではなく、今目の前にこうして立っている。それが何よりも驚いて嬉しくて、なんて言えばいいのか分からなくなってしまう。

 

「これ……なんてドッキリ……」

「あら、満足するのはまだ早いわよ?」

「え?」

 

 ただでさえ現在進行形でとてつもなく驚いているのに、さらにまだしかけてくる気なのか。そして、どんなことをしてくるのか。

 

 恐ろしさ半分、楽しさ半分の気持ちでシロナさんに視線を向けていると、シロナさんは、ボクがどんな反応をするのか楽しみだと言った表情を浮かべながら、カバンからあるものを取り出した。

 

「真のドッキリは、ここからよ」

 

 それは、ボクにとって思い出深いもの。

 

 それは、とても馴染み深いもの。

 

 そして何より、()()()()()()()()()()()、赤と白のボールだった。

 

 数にして5つ。

 

 過去に、ボクとヨノワールと共に旅をした、何にも変え難いものが、シロナさんの手に握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ダンデ

久しぶりのダンデさんですね。
今回はチケットを持ってきていただきました。
ちなみに、このホテルに来るまでしっかり迷っています。よく来れましたね……。

ヨロイ島

ということで、リーグトーナメント前に鎧の孤島編、および冠の雪原編へ行きます。
実際のストーリーでもこの動きでよかったよねという話を友人としていたので、この作品でもこのようにしました。

シンオウ組

ヨロイ島にて合流です。
カンムリにあの子たちがいるので、ここに来るのは確定していましたが、どうせならもっと早く来てもらいたかったのでこのタイミングに。
やっと出せたという気持ちがでかいですね。




最後の引きからわかる通り、フリアさんのシンオウ時代の手持ちたちもやってきます。
このために最近のお話で外来ポケモンの話を入れてました。
では改めて少しおさらいを。

フリアさんの手持ちヒントは……

1、みずタイプ。キャモメに食べられていたところを助けられている。
2、かくとうタイプ
3、エスパータイプ
4、高速戦闘を得意としている。
5、じめんタイプ

共通点

・ガラル地方にはいない
・DPの実機で捕まえることが可能

おおまかに言えばこんな感じでしょうか。

共通点と組み合わせると、案外ポケモン絞り込めるんですよね。
個人的には、恐らく3か4が一番わかりづらいかなと思っています。
1に関しては、むしろ正解者が多そうですね。
個人的には、ぱっと見御三家も確定していないのでちょうどいい塩梅だとは思いますが……どうなんでしょうかね。




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