【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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133話

 マスタードさんからのちょっとした威圧に震えていたみんなは、その中でしっかりと前を見るボクを見て対抗意識を燃やしたのか、まずはユウリが、次にホップが……というように、1人、また1人と圧を跳ね除けて気合を入れる。気づけばもう怯んでいる人など1人もおらず、ここにいるほぼ全員がマスタードさんへと、確かな意志を込めた視線を送っていた。

 

「いいねいいね〜。チミたちの表情、わしちゃん大好きだよ〜」

 

 みんなから真っ直ぐの視線を受けて、とてもご機嫌なマスタードさん。まずは小手調べ。と言ったところだろうか。

 

『これくらいの圧を跳ねのけるくらいは簡単にしてもらわないとね』と言った気持ちを受け取った気がした。

 

「それじゃあ早速、特訓といこうかねん」

 

 マスタードさんからの宣言にさらに気合を入れるみんなは、呼吸を整えたり、自分の相棒が入ったボールを見つめたり、目を閉じて集中を始めたりと、各々のルーティーンと思われる行動をとって心を落ち着けていた。そしてその気持ちはポケモンたちにも伝わっているみたいで、ふと視線を腰に向けてあげれば、カタカタと揺れるボールを確認できる。

 

 ヨノワールたちの気合いも充分。みんなからも、今回の特訓は是が非でもものにしたいという意思がよく伝わってきた。特に強い意志を見せているのは、ヨノワール、ゴウカザル、インテレオン、エルレイドの4人かな?ゴウカザルはさっきのバトルの負けから。ヨノワールはあの現象の答えのため。インテレオンとエルレイドは、前2人の気合いに対抗するために燃え上がっている感じだ。

 

「とは言っても、今日はフリアちんたちは長旅のせいで疲れてるよねん?だから、今日はちょっとしたゲーム感覚の特訓にしてみよっかな〜」

 

 と、仲間たちに向けていた視線を元に戻してみると、マスタードさんが特訓の内容について喋ろうとしていた。まず内容のつかみはボクたちの身を案じる言葉。確かに、ガラル地方本島からこのヨロイ島の距離はなかなかあったからちょっとした旅疲れはあるし、何よりもさっきジュンと結構カロリーの高い試合をしたため、万全の状態かと言われたらそうとは言えない。勿論、それを理由に特訓を反故にする気はないのだけど、このことを考慮してくれるのは個人的にはありがたかった。その点に関してはジュンたちも同じようで、視線を向けてみたらボクと同じような表情を浮かべていた。

 

(あれだけ激しい戦いすればそうれはそうだよね……)

 

 その分楽しかったけどね。しかしそうなってくると気になるのはマスタードさんから伝えられる試験の内容。ちょっとしたゲームとは言っていたけど、多分ゲームって言葉が似合うような可愛いものではない気がする。そんな感じでマスタードさんの言葉を興味半分、不安半分の気持ちで待っていると、その内容がゆっくりと説明される。

 

「それじゃあさっそく発表しちゃうよん。気になる特訓の内容は~……」

 

 

バァンッ!!

 

 

「ひゃぁっ!?」

 

 と思った瞬間に、ボクの後ろから鳴り響いた破裂音。

 

 この道場全体にいきなり響いたその音は、思わず変な声をあげてしまうくらいにはボクの心を揺さぶってきた。その音の正体を知るためにゆっくりと後ろを振り返ってみると、そこには意外な人がいた。

 

「ぜェ……ぜェ……や、やっと捕まえたァ……」

 

 それは激しく息を切らせながら、右手に何か黄色いものを握った状態で何とか呼吸を整えようとするクララさんの姿だった。

 

「クララ!?」

「なんでここに……って、そういえばここクララさんが弟子入りしているところだった……」

 

 マリィとユウリの言葉に共感しようとして、その後に述べられたユウリの言葉で納得するボク。

 

 そういえばクララさんはこの島の道場に弟子入りしていて、ボクたちとシュートシティに行った後は一度この島に戻ると言って数日前に別れたばっかりだったのをすっかり忘れてしまっていた。むしろ、いままであれだけヨロイ島で騒がしくしていたのに出会わなかったのが奇跡くらいだ。なんで忘れてしまってたんだろう?

 

「あ、フリアっち!!マリィセンパイ!!みんなもォ!!来てるなら言ってくれれば手伝ってもらゲフンゲフン……歓迎したのにィ」

 

 クララさんもクララさんでようやくボクたちに気がついたみたいで、呼吸を無理やり整えてこちらに向かって嬉しそうな声を発していた。1度言い直していた言葉に関してはスルーしておくけどね。

 

「なんか……すごい派手な人が来たな……」

「これまたキャラが濃いそうな人。それにフリアったらまた女性をひっかけちゃって……ちょっと見ない間に逞しくなったのね……」

「ちょっと黙ってて貰ってもいい?ヒカリ?」

 

 一方で、クララさんと初めて出会うジュンとヒカリは、ピンク色の髪に少し厚めの化粧。そして特徴的な口調というインパクトの強い初見イメージにより、少しだけ圧倒されていた。……いや、ヒカリはよく分からないことを言ってるけど。ちょっとどういう意味か後でしっかりとお話をする必要がありそうだ。

 

 シロナさんたちに関しては静観を決め込んでいる。特に話すことはないと言ったところだろうか。もしくはクララさんの品定めか。少なくとも、負の感情は読み取ることはなかったから、悪印象という訳では無さそうだ。

 

 それよりも、今はクララさんの方が気になるので、こちらの方は一旦置いておいて、ボクはクララさんの方に話を続ける。

 

「クララさんは何してたの?すっごく息を切らせる程大変なことをしていたって言うのは、なんとなくわかるんだけど……」

「はっ!?そうよォ!!ようやく課題が終わったから師匠に報告しなきゃァ!!」

 

 ボクに話をかけられた瞬間、思い出したかのように体を弾かせてマスタードさんの方に体を向けたクララさんは、そのまま大股でズカズカと近づいて、右手に持った黄色いうねうねした謎の物体を突きつけた。

 

「師匠の言った通り、ヤドン……捕まえて来たぞォ!!これでどうだァ!!」

「うんうん。頑張ったね〜」

「でしょでしょォ!!」

「……ヤドン?」

 

 得意げな表情を浮かべながらマスタードさんの目の前にその謎の物体を突きつけたクララさんは、何故かその謎の物体のことを『ヤドン』と言い張りながら胸を張っていた。その言葉に対してマスタードさんは、とてもいい笑顔でうんうんと頷いていたけど、事情をよく知らないボクたちにとってはクララさんの持っているものがどこからどう見たってヤドンには見えない。

 

 もしかしたらガラル地方のリージョンフォームだとまた変わった姿をしているのかも?なんで思ったけど、よくよく考えたらガラル地方のヤドンはセイボリーさんが持っていたからその姿を見させてもらっている。ガラル地方のヤドンはおでことしっぽが黄色くなっているあの個体だ。

 

(という事は、クララさんが持っているのってヤドンのしっぽ……?)

 

「クララ。お前がやってた課題ってヤドンのしっぽを取ってくることなのか?」

「しっぽォ?何を言ってるのォ?ちゃぁんとヤドンちゃん本人をここに……って……ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ッ!?」

「どこから出るのその声……」

「クララ、その声の出し方喉に悪かとよ。大丈夫と?」

 

 ホップに指摘されて自分の手元を確認したクララさんが、喉を思いっきり痛めそうな奇声を発しながら動きを止めてしまう。その動きがあまりにも奇抜というか、見ていて若干の恐怖を感じるものだったため、すぐ近くにいたユウリとマリィが物凄く心配そうな声色をしながら話しかける。傍から見ているボクからしても、なかなかに凄い声をしていたから、本当に喉を痛めていないか心配のレベルだ。前科もあるし……。

 

「いないィ!?いないいないいないいないィ!!どこに行ったのよォ!!ようやく捕まえたのにィ!!」

 

 しかしそんなボクたちの心配を他所に、視線をあちこちに向けて必死に何かを探すクララさん。まるでこちらのことなんて眼中にないその姿は、本当に彼女にとって大切なものを無くしてしまったんだということをありありと表現してくれていた。そんな中、ふと玄関の方から物音が聞こえてきたので、そちらに視線をむけてみると、クララさんが景気よく開け放った玄関の出口に、ゆっくりと歩いて外へ出ようとするピンク色の影が1つ。

 

「クララさん、探してるのってあの子……?」

「ナニィ!?」

 

 ボクの言葉に喰い気味に反応したクララさんの目が、ギョロっと玄関の方に向けられる。若干血走っているように見えるその瞳は、玄関にいたヤドンを補足した瞬間さらに力強く開かれる。

 

「いたァ!!絶対に逃がさな━━」

 

 ヤドンを補足した瞬間物凄い勢いで玄関に走り出すクララさん。その姿はまるででんこうせっかのように素早くて、何故かクララさんの姿が一瞬ぶれたように見えるほどで、人間離れした動きに思わずボクたちまでも目を見開かされてしまう。

 

 人間の限界を超えて走り出し、その勢いのままジャンプをしたクララさんはヤドンに向かって思いっきり手を伸ばす。動きの遅いヤドンはクララさんの急な動きに対して反応することが出来ずに、そのまま腕の中に引き込まれる。はずが……

 

「ヤァァン……」

 

 ヤドンがあくびひとつ残した瞬間、その姿が掻き消えた。

 

「「「「は?」」」」

「むぎゅっ!?」

「ク、クララ!!大丈夫と!?」

 

 誰しもがクララさんの手に捕まり、その動きを制限させられると予想していたのに、気づけばヤドンが目の前から消え、残ったのは芸術的な姿で地面に顔面から刺さったクララさんの姿だけ。一体どこに行ってしまったのかと視線を動かせば、玄関からさらに外に出た方向。つまり、ボクたちがこの道場に来るのに歩いてきた道を逆走するようにのんびり歩いていた。

 

 ほんの一瞬。瞬きすらしてなかったはずなのに、気づけばあんな場所まで移動しているヤドン。

 

 最初はエスパータイプ特有のテレポートでもしたのかなと思ったけど、ヤドン族はそもそもテレポートを覚えない。なので、あそこまで移動するのは、誰かの力を借りない限り、自分の足で歩く、ないし、走らないと到達することが出来ない。それがどういうことかと言うと、答えはひとつしかない。

 

「あのヤドン……瞬間移動に見えるほどの速さで動ける……ってこと?」

「そうだよん。あの子はわしちゃんが育てた自慢のヤドンちゃんだからね〜」

 

 ボクの独り言に対して答えてくれたのは、先程と変わらず嬉しそうな笑顔を浮かべたままのマスタードさん。彼の言葉にみんなの視線がヤドンからマスタードさんに向けられたことで、クララさんによって遮られてしまったマスタードさんの言葉が再び伝えられる。

 

「さてさて、クララちんも帰ってきたことだし、改めて今回やるゲームの内容を教えるよん。今回のゲームの目的はすごーく単純。ズバリ、さっきのヤドンちゃんをみんなで捕まえるということ!!」

「ヤドンを……捕まえる……」

 

 マイペースでゆっくり動くヤドンを捕まえる。本来なら子供でも出来そうなとても簡単なゲームの内容だ。けど、もしその捕獲対象であるヤドンが、先程ボクたちの目の前でとんでもない動きをした個体を指しているのだとすれば、正直ゲームなんて言葉では生ぬるい課題になる。

 

「あの子はわしちゃんが育てた、走るのが大好きなヤドンちゃんなんだよん。だから、耐力とか攻撃はあまり高くないんだけど〜、その代わりと〜っても足が速いんだ〜。そんなこの子と、島をまるごと使った鬼ごっこ!!それが今回のゲームだよん。足の速~いヤドンちゃんはこの島に3匹。どの子を捕まえても大丈夫。わしちゃんの元に連れてきた人の勝ち〜!!その人には、今日のご飯ちょっと豪華にしてあげようかなん。ヤドンちゃんのしっぽのフルコースなんていいかもねん」

『『『『おお〜!!』』』』

「ご飯……ヤドンのしっぽ……っ!!」

「ユウリ、顔つき怖いぞ……?」

 

 マスタードさんから発表された勝利者商品に沸き立つ門下生たちやユウリの声。ガラル地方の食材として親しまれているらしいけど、食べたことの無いボクとジュンだけはあまりその料理を想像することが出来ずに首を傾げる。けど、あのグルメなユウリの目がきらりと光ったところを見るに、味は確かなのだろう。

 

(……気になる)

 

 さらに言えば、商品がヤドンのしっぽの料理とわかった瞬間、ヒカリがこの道場の料理を担当しているであろう人に向かって、『私も料理の手伝いをしたいです!!』と声をかけに行っているのが見えた。なので、今日のご飯にはヒカリも1枚かんだ料理が出来上がるだろ。

 

 あの料理がとても美味いヒカリが作る、ユウリも認める食材を使ったご飯。

 

(それは……食べてみたいかも……)

 

 普段は食い意地を張らないボクでも、思わず喉を鳴らしそうになるくらいには魅力的な商品だ。そう考えると、ちょっとこのゲームを頑張ろうかなという気力が湧いてくる。それはジュンも同じみたいで……いや、彼の場合は『よく分かんないけど勝負だな!!絶対勝つぞ!!』くらいしか考えてなさそう。そんな顔してるし。

 

「うんうん。みんなのやる気が上がってきたみたいでいいね〜。じゃあ最後にこのゲームのルールをひとつ。()()()()()()()()()()()()()()()()。もしわしちゃんのところに連れてきても、そのヤドンちゃんが戦闘不能状態だったら、わしちゃんが治してまた逃がしちゃうからねん。ルールは以上。みんないいかな?質問とかも無いかな?」

 

 マスタードさんの最後の確認にみんなで頷く。その表情はどれも真剣で、このゲームに対するみんなの熱意を感じることができた。その事に満足したマスタードさんは、嬉しそうに微笑みながら、最後の言葉を口にする。

 

「ではでは〜。たった今より〜、ヤドンちゃんとの鬼ごっこゲーム〜……スタート〜!!」

「うおおおおぉぉぉ!!オレが1番だぁぁぁぁっ!!」

「オレも負けないぞぉぉぉぉぉっ!!」

 

 マスタードさんから宣言されるゲームの開始。その言葉と同時に、勝負事大好きなジュンと、それに当てられたホップを先頭に、門下生たち全員が勢いよく道場を飛び出していき、あれだけ人がいた道場の中はあっという間に人がいなくなってしまっていた。道場に今残っているゲーム参加者は、ボクとユウリとマリィ、そして未だに顔面から刺さったままの態勢から動いていないクララさん……も参加者に入れていいのかわからないけど、とりあえず彼女を入れた4人だけだ。カトレアさんとコクランさん、シロナさんは再びビーチに向かい、ヒカリはキッチンに行っているのでもう道場にはいない。マスタードさんも、道場右側のプライベートスペースへ移動していた。結果、ここにいる人たちは完全に出遅れる形となる。

 

「あれ、ユウリはスタートダッシュしなくてよかったの?」

「ヤドンの料理、逃すかもしれんよ?」

「私食べ物のためなら見境ないって思われてる?」

「「うん」」

「心外なんだけど!?」

 

 ここまでの冒険の軌跡を振り返ればみんな同じ感想に辿り着くと思うんだけど……まぁ今はいいや。多分ユウリがここに残っている理由もおそらく分かるしね。

 

「私はこのゲームに絶対勝つために、一番情報を持っていそうなクララさんのお話を聞こうと思っていただけだもん」

「「やっぱり食欲に支配されてるじゃん」」

「もぉ~!!」

 

 おおよそ予想通りの回答だったため、マリィと一緒にその内容について軽くいじっていく。やっぱりユウリはユウリのままだ。けど、ユウリの考えは決して悪い事ではないとは思っている。なんせ、今ボクたちの目の前には、結果的には逃げられてしまってはいるものの一度はヤドンを手にしたという実績を持っている彼女がいる。ボクたちよりも先にこのゲームに挑戦し、ゲームクリアまであと一歩のところまでこぎつけている彼女は、ボクたちが持っていない情報や、あのヤドンを捕まえる方法を少なくとも一つは絶対抱えていることになる。その情報は、今回ボクたちがこのゲームを攻略をするするうえでとても重要なものになる。

 

 このゲームの考案者はあのマスタードさんだ。伝説とうたわれるほどの記録を打ち立てた彼が、ただ追いかけるだけで攻略が出来るようなゲームを作るとはとてもじゃないけど思えない。ヤドンが無茶苦茶な動きをしたのも含めて、おそらくただ追いかけるだけでは絶対に捕まえることのできない何かしらの要因があるとみていいとは思っている。もしかしたら自分たちが直接追いかけて、自分でそのあたりの情報を探しても手に入る情報とあまり変わらないかもしれないけど、情報を手に入れるまでにかかる体力の量を考えたら、話を聞くだけで簡単に情報を集めることのできるこの機会を逃す理由はないはずだ。

 

「とにかく、まずはクララさんを元に戻そうか」

 

 未だに顔面から突き刺さっているクララさんをゆっくりと引っこ抜き、顔に傷とかが入っていないかを確認してからそっと壁にもたれかけさせるように座らせる。全然動かなかったから『何か大きなけがをしているのでは』なんて心配したけど、どうやらかなりの苦労を掛けてようやく捕まえたヤドンに、ゲームクリア間近で逃げられたのが相当に心に来たらしく、そのショックでしばらく放心状態になっていただけみたいだ。それにしたって、せめて頭は上に持ってきて欲しかったけど……頭に血が上らないのかな……。

 

「大丈夫、クララさん……?」

「ううゥ……ようやく……ようやく捕まえたのにィ……」

「そ、そんなに大変だったんだ……」

「説明を聞く限りそんなに難しそうには聞こえんのにね」

 

 本当にショックだったのか、うなだれて落ち込んでいるクララさんの姿を見ていると、想像以上にこのゲームがやばそうに見えてきた。先に出ていったホップやジュン、門下生のみんながちょっと心配になってきた。

 

「具体的にはどう大変なの?」

 

 現状ただやばそうという情報しか感じることが出来ないため、具体的にどうやばいのかを知るために質問を投げかけるユウリ。その質問に対してクララさんは溜息を一つこぼし、一度心を落ち着けてから説明を始めた。

 

「まずは見ての通りィ、ヤドン自身の素早さが異常に高い事よォ。普通のポケモンは勿論、特性が『かそく』だったとしても、追い付くのかほぼ最大まで加速しないと追いつけないレベル。うちのペンドラーでも追い付くのにかなり苦労したからァ……」

「となると、ボクのメガヤンマでも難しそうか……」

 

 かそくを持っていたとしても追い付くのが難しいほどの速さ。確かに、あのクララさんの飛び付きを避けた動きは、そう言われても納得するくらいには機敏なものだった。

 

「あとはこの島の野生のポケモン。ヤドンが逃げた先にいる野生のポケモンが、的確にうちの邪魔をしてくるのよォ。ワイルドエリア以上に自然の深い場所だから、野生のポケモンがそもそも強くって、その子たちをいなすだけでも大変なんだからァ……」

 

 そしてもう一つの要因である邪魔者の存在。せっかく追いつける距離まで縮まっても、その動きを邪魔する存在が別にいるのでは、確かにかなり厄介に感じてしまいそうだ。そのうえで野生のポケモンがかなり強いのなら、消費する体力はとてつもなく大きくなるだろう。ヤドンにもう一回辿り着く頃には、もう満身創痍になっていそうだ。話に聞くだけでも少し億劫に感じてしまう。

 

「よくそんな状態で一回ヤドンを捕まえられたね……」

「ヤドンがお腹すいているのがわかったからァ、カレーを作っておびき寄せてこう……ガシッとォ……」

「成程餌付け……」

 

 確かに理にかなっている作戦だ。けど、一度その作戦をしたのなら、マイペースなヤドンのことだから警戒はしないとは思うけど、おなかが満たされてはいると思うので、同じ作戦をするにしてもかなりのインターバルが必要だろう。クララさんが捕まえた子以外なら通るかもしれないけどね。

 

「やっぱり一筋縄ではいかなさそうとね」

「まぁ、それはわかってたことだけどね」

「フリアっちの想像をはるかに超えてるからァ、覚悟しておいてよォ」

 

 クララさんの言葉に改めて気合を入れなおす。少なくとも、もうすでにホップたちがクリアしているなんてこともないだろうから、それ相応のモノを覚悟しなければいけないだろう。

 

「とりあえず、大体は分かったから次は現地を見て確認をしようか」

 

 ボクの言葉頷くマリィとユウリ。その2人の反応を確認したボクは、クララさんも含めた4人で、ヤドンが逃げたと思われる方に歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヤドン追い

これ実機でも無茶苦茶速かったですよね。レベル100のエースバーンでも、無補正、無努力値(実数地282)だと抜けないみたいです。はっやい……

ヤドンのしっぽ

どんな味がするんでしょうかね。少し気になります。




最近のアニポケで、カウンターシールドが出てきたことに、物凄く感動しました。
そしてSVの新ポケも少しずつ公開されてますね。
個人的にはソウブレイズが気になります。リーフブレードを覚えてくれれば、相性補完としてはかなりいいと思うのですが……どうでしょうかね?









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