【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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135話

「ぜぇ……ぜぇ……あのヤドン、どこいった……?」

「わかんないぞ……野生のポケモンに邪魔されて、その度に追い払ってを繰り返していたらいつの間にか見失ったぞ……」

「気づけば門下生のみんなもいなくなってるしよ〜……も〜!!なんだってんだよ〜!!」

 

 ヨロイ島は『鍛錬平原』。

 

 マスター道場から一番近い『清涼湿原』から『集中の森』に入り、そこからさらに北に抜けた先に広がる広大な平原エリアで、ここには主に、ケンタロスやミルタンクが生息しており、『清涼湿原』で言うところのバッフロンやラッキーの代わりになっているかのようにのんびりと、そしてたまに同族で競い合うように戦っている姿が目撃できる。また、他にもストライクやカイロス、ヘラクロスと言った、戦うことが好きなむしタイプのポケモンも同じようにしのぎを削っていた。その姿はまるでお互いをライバルと認識したもの同士による稽古姿にも見え、『清涼湿原』と違い、こういった野生ポケモン同士のバトルが多発しているところが、ここが『鍛錬平原』と呼ばれる所以なのかもしれない。それだけこの平原にいるポケモンたちは、他の場所のポケモンと比べて若干血の気が多い子が多かった。もっとも、『清涼湿原』の方でも同じようになっている可能性もあるが……。

 

 普段のオレたちなら間違いなく喜んでここでバトルをして特訓をしていただろうし、フリアもきっとこの状況に対してなんだかんだ喜びながら訓練をしたり、景色を見て楽しんだりしていたことだろう。けど、今はとてもじゃないけど訓練できるだとか、観光できると言った気持ちになれそうにない。

 

 理由は先程あげた野生のポケモンたちにずっと戦いを挑まれているから。

 

 現在進行形で迫ってくるストライクに対して、カビゴンののしかかりで何とか追い返しながら、隣で同じようにカビゴンを出しながら戦うジュンと話し合っているなか、周りを見れば既にかなりのポケモンが戦闘不能状態になっており、至る所で倒れたり、よりかかったりと、各々が休憩の姿を取っていた。しかし、それでもなお途切れることなくポケモンたちが挑んできたため、本当ならヤドンを追いたいのに、ずっとここに足止めをされていた。

 

 ヤドンが逃げたと思われる方向に視線を向ければ、とっくにその姿は消えているため、追いかけるには不可能だ。そもそも、今戦っているストライクを退けたとしても、未だに後ろで控えているポケモンがいるから、この戦いすらもまだ終わる気配がないのだが……

 

「くっそぅ……いい加減限界が来るぞ……ジュン、大丈夫か?」

「大丈夫だ!……って言いたいけど、さすがにきつい!!これはどこかで休憩入れないと、ヤドンと出会う前にへばっちゃうぞ」

 

 なんて口論をしている間に、オレとジュンのカビゴンが揃って倒れてしまう。ここまで長く戦って、たくさんのポケモンを倒してくれた頼もしい要塞が遂に崩されてしまったことに、思わず歯を食いしばる。

 

「どうする?1回引くか?」

「相手がそれをさせてくれればいいけどな……!!」

 

 カビゴンを戻しながらすぐさま次のポケモンを構えるオレたち。だが、そんなオレたちの動きを待つ前に、次はカイロスとヘラクロスが飛び出してくる。何とか次のポケモン……オレのウッウと、ジュンのギャロップが飛び出して攻撃を防いでくれたものの、先程言った通り引くという行動を簡単にさせてくれそうになく、また新しい戦いの幕が開けてしまう。

 

「おいおい、このままだとジリ貧だぞ!!どうにかしないと!!」

「ああもう!!本当になんだってんだよ〜!!ゲームって嘘じゃないか〜!!」

 

 大きな平原に響き渡るオレたちの叫び声。

 

 危機的状況でありながら、それでも、オレたちの表情はどこか笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タイレーツ!!『メガホーン』!!」

「ズルズキン!!『かみくだく』!!」

「チリーン!!『サイコキネシス』!!」

 

 『清涼湿原』の野生のポケモンと戦うこと数十分。相手を倒すことよりも、ダメージを受けないことを重視した戦い方のおかげか、戦闘不能になっているポケモンはおらず、大きな消費をすることなく何とか迫り来るポケモンたちの攻撃をいなすことが出来ていた。

 

 左右から走ってくるバッフロンに対してズルズキンとタイレーツが対処を行い、真正面から飛んでくるヌオーたちのみずのはどうは、チリーンがサイコキネシスを行って軌道を変え、別方向から襲いかかって来ようとしていたスコルピとドラピオンの方へ飛ばして、逆にこちらの攻撃として利用させてもらう。

 

 相手を倒すことよりも、生き残る事を主とした理由は、先のことを考えてのこと。

 

 正直、ボクたち3人ならここに集まっている野生のポケモン全てを倒すことは難しくは無いと思っている。それだけの経験値と実力、そして観察眼を備えているのが分かるから。しかし、そのためにはこちらからリスクの高い攻めをする必要がある。そうなれば、こちらの仲間の何人かは戦闘不能となる可能性が高い。今ボクたちが行っているのは、ヤドンを捕まえるまでの情報収集の一環でしかない。なのに、ここで戦力を削られた場合、ヤドンを捕まえるという本題に挑む時にこちらの取ることの出来る選択肢を狭めることとなる。それだけは、できることならしたくは無い。勿体ないしね。

 

 ひとつの勝負に勝つことは簡単だけど、そのために次の戦いに不利となることを残すのは、今回のような連続した戦いを求められる時に大きなストレスになることが大きい。それは、『清涼湿原』にて倒れていた門下生のみんなの姿を見ればよく分かるだろう。

 

 それに、野生のポケモンとの戦いはなにも相手を倒すことだけが勝利では無い。ボクがガラル第二鉱山でやったように、相手に戦う気力を無くさせて離れさせたり、逆にこちらから逃げきったりすることも勝利となる。今回のボクたちの1番の目的は、さっきも言った通り情報収集で、その中で特に大事なのがヤドンについての情報。これを集めることがボクたちの1番の勝利条件だ。そして、その情報はメガヤンマとグライオンが頑張って集めてきてくれている最中。そこまで考えた場合、改めて自分たちがやるべき行動を考えてみると、最善手って、野生のポケモンたちがメガヤンマたちを襲わないように、少しでもボクたちにヘイトを向けるように立ち回ることなんだよね。となると、この持久戦は時間稼ぎという意味でも正解の動きだと思っている。

 

 理想はみんなのヘイトをこちらに向けて、少しでも時間を稼ぎつつ、いくら攻めても相手はボクたちを倒せないということを悟らせて、ゆっくり諦めて貰うこと。それが出来れば、本当に楽にこの状況を打破することが出来る……けど……

 

(理想はあくまでも理想。やっぱりそう上手くいかないか)

 

 止められたバッフロンも、攻撃をそらされたヌオーたちも、吹き飛ばされたスコルピたちも、誰一人として心を折られていない。かれこれ数十分もこちらはノーダメージを貫いているというのに、むしろそんなボクたちだからこそ、対抗意識を燃やしているのかどんどんやる気になっていた。

 

「ねぇフリア……なんか、バッフロンたち、どんどんやる気になってない?」

「あたしもそう思うと。やけに力が入ってる」

「2人もそう感じてたんだ……これは無茶してでもすぐに倒した方が良かったかも……」

 

 草を食べたり、水遊びをしていたりとのんびりした時の姿からは想像もできないくらいには好戦的なその姿に、当初の予定を大きく狂わせられる。さっきも言った通り、本当ならあちら側に諦めてもらうような戦いを展開するつもりだったのに、この島の野生のポケモンはどうも負けず嫌いの血が強く、勝つために引くことはしても、諦めからの敗走は絶対にしないという意志を強く感じた。

 

(……もしかして、この野生のポケモンたち……テコ入れはされていないとは思うけどまさか……?いや、その確認は後にしよう)

 

 そんなバッフロンたちの姿にとある想像が一つ思い浮かぶけど、今は置いておこう。それよりも、相手が引かないというのなら、こちらが相手を全員倒すか、ここから逃げ延びるか、どちらかを選択する必要が出てきた。その選択もできる限り早く決めておかないと、倒すにしても逃げるにしても、ここからの一手はかなり大事だ。

 

(さて、どう動くか……)

 

「シシィィ!!」

「グラァァッ!!」

「フリア!!上!!」

「帰ってきたみたいと!!」

「っ!?メガヤンマ!!グライオン!!」

 

 2つの選択肢のどっちのルートを取るかどうか悩んだ時に上空から掛けられる声。ユウリとマリィと一緒にその声の持ち主に視線を向ければ、上からものすごい勢いで帰って来るメガヤンマとグライオンの姿があった。若干のダメージを負っているように見えるメガヤンマとグライオンは、しかしそんなことを思わせないほど嬉しそうな声をあげながらこちらに飛んでくる。グライオンに至っては、声をあげながらボクの携帯を高々と上げてフリフリしているまであり、もしかしたら何かいい情報が手に入ったのかもしれない。特にこれと言って撮ってきてほしいものがあると頼んではいなかったから、2人が返ってくるタイミングがちょっと不安だったのだけども、あの様子だとその不安も杞憂だったようで、ボクの知りたい情報をしっかりと撮ってきたみたいだ。このあたりは長く一緒に旅をしてきたことによる効果だろうか。本当に頼りになる仲間だ。

 

「2人ともお疲れ!!戻ってきて!!」

 

 此方に飛んできたメガヤンマとグライオンに対して、モンスターボールからリターンレーザーを放ってボールに戻すと同時に、グライオンが投げてきた携帯をキャッチし、しっかりと映像データが残っていることを確認したボクは、すぐさまユウリとマリィに指示を出す。

 

「うん……目的は達成できてるっぽい。ユウリ!!マリィ!!下がるよ!!」

「うん!!タイレーツ!!」

「わかったと!!ズルズキン!!」

 

 メガヤンマとグライオンのおかげでひとまずの目標は達成出来た今、ここに残る必要はない。なら、先ほどまで悩んでいた2つの選択肢も、逃げるを選択すればいいだけとなる。そうとわかればすぐさま退却準備。前に出ていたタイレーツとズルズキン後ろに下がらせるユウリとマリィ。しかし、戦うことを目的としている野生のバッフロンたちがボクたちの撤退をそう易々と許してくれるわけもない。下がり始めたボクたちの姿を確認したバッフロンが、一斉にアフロブレイクを構えて突進してくる。更に、その動きに合わせてヌオーがみずのはどうを放ち、別の場所にいたドラピオンとスコルピの軍団はそれに合わせるようにミサイル針を放ってきた。

 

 想像以上に密度の濃い弾幕に、しかしここまで戦ってきたボクたちに焦りは存在しない。

 

「「マリィ!!」」

「任せて!!オーロンゲ!!」

「ローンッ!!」

 

 迫りくる数多の攻撃に対してマリィがすぐさま反応をし、地面にボールを投げてオーロンゲを呼び出す。自慢の髪の毛に包まれた両腕を高らかに上げながら声を上げるオーロンゲは、呼び出されてすぐ目の前に映る野生のポケモンの群れにも臆することなく、自身が信頼を置く主に真っすぐ視線を向ける。

 

「オーロンゲ!!『リフレクター』と『ひかりのかべ』!!」

「ローンッ!!」

「チリーンは援護して!!」

「リーン!!」

 

 そんな主からされた指示は、自身の目の前にみんなを守る2つの壁を展開すること。本来なら今呼び出されてすぐに壁の展開を指示されたとしても、大体のポケモンは壁を作る間もなく攻撃を受けるか、壁を展開できたとしても1枚までが限度だ。しかし、マリィのオーロンゲなら今からでも2枚の壁を展開することが出来る。

 

 特性『いたずらごころ』

 

 変化技を誰よりも早く行うことが出来るこの特性は、例え相手がすでに攻撃態勢を取っていたとしても、でんこうせっかやアクアジェット、マッハパンチと言った、同じように先制を目的とした攻撃とかち合わない限りは、間違いなく先に行動することが出来る強力なものだ。場面を作り上げ、自身にとって有利になる準備をほぼ確実に行うことが出来るこの特性は、今回もしっかりとその役割を遂行し、飛んでくる攻撃全てを軽減する壁を瞬時に作り上げた。その甲斐もあって、バッフロンの動きはリフレクターのおかげで鈍くなり、ヌオーたちとスコルピ、ドラピオンたちの攻撃はひかりのかべのおかげで勢いが緩まり、その隙にチリーンのサイコキネシスが間に合って、そのすべてが明後日の方へ弾かれた。

 

 遠距離からの攻撃がなくなったことで、周りに気にすることなく戦うことが出来るようになったため、今度はタイレーツとズルズキンによる近距離部隊が活躍する。壁に止まっている間に、両サイドから挟み込むように移動したズルズキンとタイレーツが、インファイトとかわらわりを連続で繰り出して押し返していくことで、こちらに押し寄せていたバッフロンの波を少しずつ後ろへと押し返していた。こうかばつぐんの嵐によって後ろに下られたバッフロンは、しかしそれでも倒れることはない。元々耐久がそこそこあるバッフロンが、群を成して突進してきたことによって、本来受けるはずの威力をうまく分散させられてしまっているため、なかなか決定打にはならないからだ。

 

 逃げ切るための大きな隙を作るにはあと一手が必要。

 

「ユウリ!!」

「うん!!出てきてエースバーン!!」

「ゴウカザルも手伝って!!」

 

 その一手を満たすために、こちらもユウリに声をかけて次の準備を始める。

 

「エースバーン!!『かえんボール』!!」

「ゴウカザル!!『おにび』!!」

 

 呼び出されたエースバーンがまず行ったのがかえんボール。小さな石をリフティングしていくことで蹴りだす火球を作っていく。石が足に当たるたびにその火球がどんどん大きくなり、5回リフティングするころにはエースバーンの身長の半分くらいの大きさへと成長していく。その火球に対して、ゴウカザルがおにびを纏わせることによってその火力は更に強力に、そして禍々しくなっていく。

 

「「いっけぇぇぇ!!」」

 

 紫色の大きな火球へと成長したそれを勢いよく蹴りだすエースバーン。蹴られたことによって火力を更にあげられたその技は、湿原のはずのあたり一帯の温度を一気に跳ね上げ、周りの草たちを燃やしながらバッフロンの群れに猛進していく。

 

 着弾と同時に爆音を奏でながら広がる炎の波は、バッフロンたちの群れを巻き込んで轟々と燃え上がる。これでバッフロンたちの動きを止めることには成功した。しかしまだ足りない。後ろに控えているドラピオンたちとヌオーたちの群れが、第2陣を放とうと再び準備を始めた。これを許してしまえば、せっかくここまで大きくした炎を消される可能性がる。だから……

 

「ネオラント!!行くよ!!」

「フィ~!」

 

 炎を消される前にネオラントを呼び出し、ダメ押しの攻撃とする。

 

「ネオラント!!『おいかぜ』!!」

「フィ~!!」

 

 ボクの指示を聞いて、嬉しそうにヒレを大きく動かし始めたネオラントより、こちらの背中からバッフロンやヌオー、ドラピオンたちに向けて強風が吹き荒れる。その風は、エースバーンとゴウカザルによって生み出された紫色の焔の海を、更に押し広げるように流れていく。すべてを飲み込む焔は、ここまで圧倒的な耐久力を持って耐えてきた野生のポケモンたちをようやく退かせることが出来た。しかし、そんな状況でもなおあきらめずに、空からこちらに接近して来ようと飛び上がるポケモンもいる。本当に、この執念にはただひたすらに敬意を表する。だけど、そんな苦し紛れの行動では、ここまで有利を作り上げたボクたちには届かない。

 

「チリーン!!『サイコキネシス』!!」

「リリーン!!」

 

 燃え上る焔の一部に、チリーンがサイコキネシスを打つことによって、チリーンの意のままに動く焔の触手が出来上がり、その攻撃が飛び上がった敵のことごとくを打ち落としていく。下は紫色の焔のカーテンが広がり、上から行けば焔の触手が叩き落としてくる。いよいよもってこちらに攻撃する術を失った野生のポケモンたちは、この状況を見てようやく下がるという決意をしてくれた。

 

「……よし、みんな!下がるよ!!」

「「うん!!」」

 

 その姿を確認したボクたちは、みんなをボールに戻してすぐさま休憩地点へと引き返していく。

 

(……ごめんね。でも、今度はちゃんと真正面からぶつかって戦ってあげるからね)

 

 闘うことに、そして自身を磨きあげることに貪欲な彼らに、今回逃げるという選択を取ってしまったことに謝罪をしながら下がるボクたち。けど、今回ばかりは優先したいことがあるから仕方がない。後ろから感じる熱気から視線を逸らしたボクたちは、今度は決着をつけることを心に誓いながら、走り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな大丈夫?」

「な、なんとか……」

「疲れた~……」

 

 『清涼湿原』から走り続けること20分。何とか大きな被害を出すことなく帰ってきたボクたちは、ちょっとだけ荒れた呼吸を整えながら疲れを癒していく。ボクたちが返ってきたことを確認した門下生たちも暖かく迎え入れてくれたおかげで、かなりリラックスすることが出来た。その中には、この休憩所で休んでいたクララさんの姿もあった。

 

「3人ともお疲れ様ァ~。はい、みんなの分のお茶だぞォ~」

「ありがとクララさん」

「助かる~……勝つために仕方なかったとはいえ、あの火力を目の前で浴びてたから熱くて熱くて……」

「あたしも、喉からっからと~……」

 

 クララさんからお茶を貰ったボクたちは、乾いた喉を潤すために一気にお茶を飲み干していく。喉を通る水の感覚に、思わず声をあげながら心地よさに浸っていると、クララさんから質問を投げかけられる。

 

「で、今回の調査の結果はどうだったのォ?」

「あ、そうそう。結局どうなったの?」

「……って、ユウリンも知らないのォ?」

「あたしたちはフリアのメガヤンマとグライオンが情報を集めるまでの時間稼ぎしかしなかったから、まだ何を見てきたのかを知らなかと」

「え?メガヤンマァ?グライオン?そんなポケモンこの地方にはァ……」

「その辺の説明は後にするよ。とりあえず、まずはグライオンが撮影してくれた動画の確認をしよっか」

 

 メガヤンマやグライオンのことを知らないクララさんから質問の声が上がるけど、とりあえず今は置いておいて、気になるものを確認する。自分の懐から取り出した携帯を起動し、データを確認。その中から、グライオンが撮影してくれた動画ファイルを開き、再生ボタンを押した。映っている動画はかなり高い所からヤドンとグライオンを捉えており、両者の動きを正確に追いかけていた。けど……

 

「わかってはいたけど、無茶苦茶速いねこれ……」

「これがヤドンとメガヤンマの追いかけっこなんて信じられなか」

 

 ユウリとマリィが言う通り、両者の動きがあまりにも速すぎて、俯瞰視点で見ているはずなのに、両者の動きが定期的にぶれていく。全速力で逃げながら叫び声をあげるヤドンと、襲い来る野生のポケモンの技と技の間と、針に糸を通すかの如く華麗に抜けていくメガヤンマの姿は、とてもじゃないけどヤドンが関わっている攻防には全く見えない。

 

「うわァ。わかってはいたけど、改めてこういう視点で見ると、やっぱりあのヤドン無理ィ……」

 

 その姿を見たクララさんはもはやトラウマまでになっているらしく、若干顔色を悪くしながら見つめていた。みんながみんな、その速さに頭を抱えていく。ただでさえ速いのに、追加ルールでヤドンを攻撃することが禁止されている以上、メガヤンマとペンドラーで追い続けるのも限界がある。けど、ボクは2人の動きをじっと見つめて動きの気になるところを見つける。

 

 速さばかりに目が行きがちだけど、やっぱりゲームというだけあってちゃんと突破口は用意してくれている。そこに気づいたボクは、一つの作戦に辿り着く。

 

「……やっぱり、予想してたけどこのヤドン、ちゃんと法則性自体はあるんだね」

「「「え?」」」

 

 ボクの言葉に驚く3人。そんな3人に向けてボクはしっかりと宣言する。

 

「とりあえず、何とかする方法は見つけた……かも。みんな、力を貸してくれる?」

 

 未だに顔色の悪い3人。しかしそれでもボクの言葉を信じてくれた3人は、ゆっくりと、その首を縦に振ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ホップ&ジュン

2人の方が消耗が激しいのは、単純に彼らが相手を倒す動きをしているからですね。彼らが耐えることを重視すれば、フリアさんたちのように消耗も少ないです。

ネオラント

実はおいかぜ使えるんですよね。このおかげで、BDSPではかなり助かった覚えがあります。主にシロナさんとのバトルで……。




アニメではいよいよ決勝戦まで来ましたね。負ける可能性も考えましたが、勝ててよかったです。さて、決勝戦……どうなるんでしょうかね?




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