「ぅん……ふわぁ……」
ふわふわとした雲のように柔らかなものに包まれている感触が体をやさしく抱きしめてくれている。そんな幸せな時間から、しかし顔に降り注ぐ暖かな光が、その時間の終わりをゆっくりと伝えてきたため、名残惜しい気持ちを感じながらもなんとか体を起こしていく。
ここはマスター道場の2階。屋根裏部屋にあたる場所に作られた客人用の寝室だ。昨日は結局ヤドンのしっぽのフルコースを片手にどんちゃん騒ぎをしたあとは、そのままの勢いで大浴場へと進み、ここでもまた大騒ぎ。美味しいものをたらふく食べたという満足感は、ボクたちの疲れた体と心をとことん満たしてくれていた。まぁミツバさんはともかくとして、ヒカリはボクが知る人の中ではトップクラスに料理の上手い人だ。そんな人が高級な食材に対して腕によりをかけたというのなら、それは美味しくなって当然というもの。勿論ヒカリだけじゃなく、ミツバさんもこの道場のキッチンを担当しているだけあって料理の腕はかなり凄かった。そんなふたりの全力の料理なのだから、美味しくないわけが無いんだけどね。ただ、あの味を一度知ってしまうと、しばらくは他のものでは満足できなさそうなのが怖いところ。今思い出してみても口の中が幸せになってしまいそうだ。ユウリなんて完全に胃袋を掴まれていたしね。
そんな幸せ且つにぎわった夜を越えて今日。まだ時間が速いので朝の陽ざしは弱いものの、夏の日の光りは確かに部屋の中を温めてくれていたんだけど、そんな部屋の中で静かに精神統一をしている仲間がいた。
「もう起きてたんだ……気合十分だね……」
寝ぼけ眼を擦りながらそちらに目を向けてみれば、ボクが起きたことによって座禅を組むことをやめたエルレイドとゴウカザルと、閉じていた目をゆっくりと開くヨノワ―ルとインテレオンの姿があった。4人とも朝から自主練に励んでいたみたいで、さっきまで外で自主練をしていたらしい彼らは、『ボクがそろそろ起きるのでは?』という考えのもと帰ってきたところだったらしい。大分落ち着いているけど、共有化によって若干息が上がっていることがわかるヨノワールの姿からそのことは確認でき、エルレイドからのテレパシー的なモノで、4人が組手のようなものをしている姿も見せてもらうことが出来た。ボクの手持ちの中でも向上心がひときわ高く、エースの座を狙って日々自主特訓を頑張っているメンバーなので、自主特訓をしていること自体は別に珍しくない。ただ、エルレイドに見せてもらった特訓映像が思いのほか激しかったので、そのことが少しだけ苦笑いを零すことになった。
「ほんと、やる気満々なのはいいことだけど、無茶だけはしないでね?」
「ガウガウ!!」
「エルッ!!」
ボクの言葉にかくとう組が声を出し、クール組が頷くことで返事をする。全員が全員、この島での特訓に目標があるように見えるその姿からは、ボクも負けていられないという気にさせてくれる熱い何かがあった。
「多分、今日から特訓、激しくなるよね……」
昨日だってなかなか厳しい1日を過ごすことにはなったけど、昨日行ったのはあくまでゲーム。あの内容をゲームと言い張るのだから、今日から行われるだろうマスタードさんから提示される課題はかなり厳しいものになる可能性がある。しっかりと気合を入れる必要があるだろう。
「頑張ろうね!」
ボクの言葉に再び反応を示すみんなをボールに戻しながら、服を着替えていつものマフラーとネックレスを首に巻く。腰にかかっている確かな重みを感じながら、ボクは寝室の扉を開いて、1階の道場へと足を運んだ。
☆
「うわぁ……やっぱりやる気いっぱいな人多いんだね……」
寝室から出て1階に降りたボクの視界に入ってきたのは、既に起きて手持ちの相棒とともに自主特訓している人たちの姿だった。まだまだ早朝と言われる時間帯なので、門下生全体で見れば5分の1にも満たない人数しかいないけど、そもそも門下生自体の数が多く、こんな朝早くからということも考えれば、ここにいる人数は十分多い方だ。みんな昨日のヤドン追いゲームに触発されているみたいで、とてもやる気に満ち溢れているように見えた。
「凄いなぁ……あれ?」
みんなの迫力のある特訓風景に目を奪われていると、ボクの鼻をくすぐるとても魅力的な匂いが漂ってくる。そちらの方に視線を向けると、匂いの元はどうやらキッチンの方かららしく、キッチンのコンロの前にはボクのよく知る人物が立っていた。
「おはようヒカリ。朝食の準備?」
「おはようフリア!ミツバさんが外に野菜の収穫に向かったみたいだから、その間に下ごしらえとか簡単なものくらいは作っておこうかなって」
「成程ね。じゃあボクも手伝おうかな」
「いいわね、こうやってフリアと一緒にご飯を作るのは凄く久しぶりだから楽しみ!あれから腕上げたかしら?」
「勿論!……って言っても、まだまだヒカリの域には達してないんだけどね」
「当り前よ。そう簡単に追い抜かれてたまるもんですか。それに、わたし自身もちょっとずつ成長しているんだからね?」
「まだ成長し続けるって……ヒカリはプロの料理人でも目指すの?」
現状でもそんじょそこらの店なら余裕で超えるくらいの腕を備えているというのに、これ以上上手くなってどうしようというのだろうか。下手をしたらいつか星を獲得していそうなのが、彼女のちょっと恐ろしいところだ。しかし、そんな反応を示すボクに対して、ヒカリはちょっと不満そうに意見を述べる。
「あのねぇ、食っていうのは心に余裕を持たせてくれるのよ?美味しいものをたべれば心が豊かになるし、元気も出て雰囲気も明るくなる。それに、体の健康を保つためにも、食事はとっても大事なんだから」
「はいはい。そのことについてはたくさん聞いたし、ボク自身、ヒカリにいろいろ教えてもらって助かってますよ~。もう耳にオクタンが出来ちゃうほど聞いたってば」
「ならよろしい」
軽口をたたき合いながらも両者手を止めることは決してしない。トントンと包丁で食材を切りながらまな板を叩く音や、グツグツコトコトと鍋が煮込まれる音をBGMに、ボクとヒカリの会話は続いて行く。
「そう言えばフリア。このガラル地方はどう?楽しい?」
「急な話題転換だね……。ま、いいけどさ。うん。凄く楽しいよ。新しい仲間に強いトレーナー……いろんな人に出会ってバトルして、とっても有意義な旅になっているよ。ヒカリが好きそうな子にも会えたしね」
「あのマホイップって子よね!?いいなぁ、あの子本当にかわいいし、あまいかおりもするし、あの子のクリームで作るお菓子なんて最高にいいものが作れそうだから本当にうらやましい……私もマホミルかマホイップを探そうかなぁ……」
「あはは、やっぱりおかし作りも大好きなヒカリにとっては魅力的なポケモンだよね。捕まえる時はボクも協力するよ」
「ほんと!?やった!!じゃあ後で生息地とか好きなモノとか、あとはフリアがマホイップと出会った時のことを教えて!!」
「ん、わかったよ。じゃあご飯中とかにでも話そうか?」
「は~い。あ、これ切り終わったからまとめてくれる?」
「りょ~かい。これで食材を切るのは全部終わったかな?」
「そうだね。じゃあ次の準備にいこっか」
もう何度も一緒に厨房に立った仲ということもあってか、料理の準備は一切滞ることがなく順調に進んで行き、それと同時にボクとヒカリの会話も盛り上がっていく。
手や体はせわしなく動いているのに流れている会話はのんびりとしたもので、そのギャップは他の人からしたら物凄く変に映るかもしれないけど、ボクとヒカリからしてみれば、これは日常のひとつだ。この雰囲気はシンオウ地方を旅する前から何回もあった光景だから、ボクにとっては本来はお馴染みのもの……のはずなんだけど、ボクがガラル地方にいたこの期間は、ヒカリとそう言ったことが全くなかったのである意味新鮮味があったりはする。久しぶりのこの空気感はやっぱりとても落ち着いて、変な話、『この料理の下ごしらえの時間がずっとあってもいいなぁ』なんて思った。それほどまでにこの時間はボクにとって安心感のあるものだった。
そこからは、2人して今までの旅についての語らいに花を咲かせながら次々と準備をしていく。その内容は、ボクがガラル地方に来てから誰と出会い、誰と戦い、どんなことに巻き込まれて、どのような成長をしてきたかや、ヒカリがジュンたちと再会し、どんな冒険をし、どんなことを調べていたのかという、今までのことの報告が主な内容だった。自分のことについて話すときは、今までの旅路を思い返しては懐かしさに浸り、ヒカリの話を聞いているときは、まさかの別の伝説との戦いと聞いて、思わず聞き入ってしまった。
育ち盛りの人が多いため、朝からがっつり食べる人が多く、それ相応に準備をするものが多いけど、ヒカリと会話をしながら行えばその仕事も全然苦ではなく、むしろ料理をここまでのレベルで行えるのがボクとヒカリしか……いや、多分コクランさんもできそうかな?けどコクランさんはカトレアさんの専属の方なのでここには来ないことから、この場所は、ちょっと言い方はあれだけど、ヒカリと1対1で合法で話し合うことのできる場所となる。このヨロイ島で久しぶりに再会したというのに、ヒカリとはあまり2人で話す時間を取ることが出来ていないから、その点からもこういう時間はとてもありがたかった。っというか、その点で言えばジュンともシロナさんともそういう時間はまだとれていないから、その2人ともその時間を確保しなきゃね。
「そうそうフリア、あと一つ気になることがあるんだけどさ……」
そんなこんなで2人で話し続けていたら、もう何度目かになるヒカリからの話題転換がカットインする。彼女の会話はこうやってよく話題がコロコロ変わるから、もはや聞きなれた言葉の一つではある。しかし、そのあとの彼女から発せられた言葉が妙に引っかかった。
「フリアってガラル地方のみんなとも仲が良いじゃん?」
「そうだね。まだ出会って数ヵ月くらいのはずなのに、もうずいぶん前からの知り合いかのように思う程だよ」
「でしょうね~。本当に仲がよさそうだもの。けど、そのうえでさ?フリアってユウリと無茶苦茶仲が良くない?」
「え……?」
投げかけられた言葉はユウリとの関係について。
あたりまえだけど、普段関わっている人と自分の関係を順位付けしたり、優先度をつけたりなんてことはしていないので、ボク個人としてはみんなと平等に仲良くしているつもりではある。けど、人を見る目が確かなヒカリにこういわれるっていう事は、他者から見たら何かしらの違いが見えたってことなのだろう。いや、それにしても気づくのが速すぎるような気がするんだけどね?だって、おそらくこの疑問に辿り着いたのって、ヒカリがユウリに対してちょくちょく話しかけている姿を見かけたからその時だと思うのだけど、ヒカリとユウリが出会ったのって昨日のことだから、そんな短時間でそこまでの疑問を見抜けるのはいくら何でも速すぎる気がする。もしかして、ホウエン地方でコンテストの特訓をしている間にその方面でも育ったのだろうか?……まぁ今はそのことは置いておこう。とにかく、個人的には意識していなかったけど、ヒカリにこう指摘されるっていう事は、何かしらの要因があるという事だ。
「そんなに何か気になるところあった?」
「ありありも大ありよ。だってフリア、そんなアクセサリーなんて付けないんだもの」
何が気になったのか質問してみると、ヒカリが指を差したのはボクの首元にぶら下がっているネックレス。それは、ユウリからもらい、マクワさんに加工してもらった、『さざなみのおこう』のかけらによって作られたものだ。キルクスタウンで貰ったこのネックレスは、マクワさんに貰ってからというもの肌身離さず身に着けているものだ。何かあった時に、このネックレスから香る不思議な香りは、ボクの心を落ち着けてくれるので、ふとした時に顔に当てて、落ち着くことがままある。そんなボクにとってお気に入りの品となっているこのネックレスだけど、確かにボクがマフラーと帽子以外の装飾品をこだわってつけることはあまりないので、昔のぼくを知ってる人からすれば、ボクがネックレスをつけているこの姿は確かに違和感があるかもしれない。
「確かにそういわれると、ボクあまりこういうのつけないもんね」
「それだけじゃないわよ?フリアったら、そのネックレスをことあるごとに手遊びで触っているんだもの。相当大事にしているんだなって、フリアをよく知る人なら嫌でもわかっちゃうわよ」
「え、そんなに触ってた……?」
「それはもう」
「うぬぬ……」
どうやらボクの知らない間に相当このネックレスを気に入っていたみたいだ。でも実際、こうやって改めて見つめてみると本当にいいデザインをしていると思うんだよね。買ってくれたユウリと、加工してくれたマクワさんに本当に感謝だ。
「で、開幕に戻るわけだけど……実際どうなの?ユウリのことどう思っているの?」
「どうって言われても……」
確かにそういわれるとユウリには少なくない思いは抱いているかもしれないし、ガラル地方で知り合ったメンバーの中ではユウリが一番付き合いがあるというか、一緒にいた時間が長い。だからこそ、ユウリのことはだいぶ深く分かっているつもりではあるんだけど……
「う~ん……急に言われても答え難しいなぁ……ユウリとは一緒にいて凄く楽しいし、ガラル地方に来てからほとんどずっと一緒にいるから、今となっては隣にいるのが当たり前くらいには近い人にはなっているけど……」
『ユウリのことをどう思っているか』と言われると、『大切な人』としか答えることが出来ないのが現状だ。なのでヒカリに対してもそう返すことしかできないのだけど、ボクの返答に対して、ヒカリがちょっとムッとした表情をする。
「そういう事じゃなくて!ユウリと一緒にいるとどんな気持ちになるのか~とか、ユウリがもしピンチになってたら~とか、もしそういう状況になったら、どんなことを思ってしまうとか、どんな行動をとるか、とかいろいろあるじゃない?ほかにも、あの時のユウリはどうだった~とか、もしユウリがジュンと楽しそうに話しをしていたらとかさ?」
「随分と深堀してくるね……そんなに気になる?」
「気になる!!」
「う、うん。そっか……」
料理の手を止めてまでこちらに身を乗り出しながら聞いてくるヒカリにちょっと気圧され、勢いのまま頷いてしまうボク。まさかここまで興味を持たれているとは思わず、ちょっとびっくりしてしまったけど、ここまで興味を持たれるのなら、改めてユウリについて考えてみるのもいいかもしれない。
「もしユウリがそうなったら……」
ヒカリに言われた状況や今までのことを頭で思い浮かべながら、もしそうなったらどう感じるだろうかとか、あの時はどういう事を考えていたかというのを想像してみる。
一緒にいたら?ユウリが危ない目にあっていたら?
今までのことを一つ一つ思い出しながらユウリのことを改めて考えてみると、本当にいろいろあったなと思う。一緒にキャンプをしたのは凄くしかったし、ユウリがタイレーツをかばって崖から飛び出したときは本当に焦ったし、助かった後は心の底から安堵した。できればあのような危険なことは起きてほしくないと思ってしまうくらいには、危ない状況だったと思う。他にも、ボクの作ったポフィンを喜んで食べてくれるユウリや、バウタウンで看病やお見舞いをしてくれたユウリに、ワイルドエリアで疲れたユウリをおんぶしてあげた時のこと、そして昨日一緒に湿原を走り回った時のこと。次々と頭の中で流れていくユウリとの思い出はどれも大切で新鮮で、かけがえのないものになっていた。こうやって思い出していくだけで、その時の気持ちまでも鮮明に呼び起こすことができ、ヒカリという他者が今ここにいなければ、この想像だけで表情がほころびそうになるくらいには、既にボクの心に根付いているものとなっている。
(成程ね……こうやって改めて振り返ってみると、ボクは自分が思っているよりも、ユウリとの冒険を凄く楽しんでいたんだ)
ちょっと振り返るだけでここまで感情が動かされるということは、それだけユウリという存在がボクの中で小さくない存在になっていることの証明であることに間違いはない。これならヒカリに何か言われてもおかしくないなと凄く納得してしまった。と、同時に、ヒカリの言っていたシチュエーションの一つが頭をよぎる。
ユウリがジュンと一緒にいる姿。
ボクの共通の知り合いでありながら、昨日出会ったばかりの両者には当然強いつながりというのは存在しない。それゆえ、この状況というのは現状起こりえない状態ではあるんだけど、ボクが2人と仲が良いため、未来にこういう姿を見る可能性はゼロではない。むしろ高くなる可能性だってある。それ自体は喜ばしい事ではあるし、自分が仲良くしている人同士が、自分を起点に仲良くなっていく姿は誰だって嬉しいと感じるだろう。ボク自身もその光景を、この想像だけではなく現実に起こしたいと思った。……けど、同時に、どこか『寂しい』と持っている自分がいることに気づく。
(寂しい……?どうして……?)
その事が少し心に引っかかってしまい、思わず料理の手を止めてしまう。
「フリア?どうかした?」
「あ、ううん!何でもないよ!!」
その様子をヒカリに指摘されたことでようやく自分でも手が止まっていたことに自覚し、慌てて手の動きを再開させる。そして、ヒカリから出された質問に対して返答を始める。
「ユウリと一緒にいるのは凄く楽しいし、ユウリに危ない目にはあってほしくない。もし大変なことになっていたら、一目散に助けてあげたい。ユウリとは、これからもずっと仲良しでいたい……そう思うかな」
「ふ~ん?」
「な、なにさ?」
「べっつに~?」
「なんかむかつく……」
改めてこうやって口にしてみると、物凄く恥ずかしくて思わず目を逸らせてしまう。その姿がヒカリからは面白く映ったらしく、物凄くいい笑顔を浮かべながら話しかけてくる。その姿がどうにもムカついて、ついついにらんでしまうけど、それを受けてなお、ヒカリの表情は変わらない。
「ふん、いいですよ~だ。そんなに意地悪してくるなら、マホミルのゲット手伝ってあげないだけだし~」
「ああウソウソ!!ごめんってば~。もうしないから、ね?」
「嘘くさい……」
「フリアからの信頼がなさ過ぎてわたし泣きそう……」
「日頃の行いって言葉知ってる?」
何とか反撃することによってあの恥ずかしい空間から抜け出すことが出来た。帰ってきた空気はいつものボクたちの雰囲気で、仲が良いことがわかっているからこその軽口の叩き合い。やっぱりこの空気がなんだかんだ楽しく、落ち着くよね。
「成程成程……よかった。フリアもちゃんと変化があって。これはユウリとフリアの背中をしっかり押してあげなくちゃね……!!」
「ん?何か言った?」
「ううん。何でもないわよ。さ、料理の続きを━━」
「ヒカリちゃ~ん!新しい食材を……あら、フリアちゃんも手伝ってくれてるのね。ありがとう」
「「おはようございます、ミツバさん!」」
そんななじみ深い空気に戻ったところで、ヒカリが小声でぼそっと呟いた。その言葉を聞き取ることが出来なかったため、もう一度言ってもらおうとするけどはぐらかされてしまい、さらにはミツバさんまで帰ってきたため完全に聞き直すタイミングを逃してしまった。
「2人ともありがとう!じゃあ、材料もそろったところだし、これから本腰入れて作っていくわよ~!」
「「はい!!」」
(まぁ、またどこかのタイミングで聞けばいっか)
本当に大事なことなら、きっとヒカリからまた言い直してくれる。そう思い、ボクはミツバさんを加えた3人で、道場にいる全員分の朝食を作り始めた。
ヒカリ
今回はヒカリとの雑談会兼フリアさんの振り返りですね。
ヒカリさん的には、フリアさんのことは大好きですが、それは仲間としてのそれですので、持っている感情は違います。むしろ、フリアさんがその手の方面にうというのは、自分の接し方のせいでは?という若干の後悔とは違いますが、思うところがあるみたいです。フリアさんのメンタル面を一番気遣っているのは実は彼女だったrします。縁の下のお姉さんですね。それは別として、からかう時はとことんからかうのですが……みての通り、アニメのヒカリさんとは全然違いますよね。
こういうまったりしたお話は、個人的には得意ではないのですが、楽しくはあるのでもっとまったりして欲しいですね。私が考えると、バトルバトルしてしまうのがちょっと悩みだったりします。