【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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145話

「と、こんなところかな?これがボクとヨノワールの出会いの話だよ」

「「「「…………」」」」

「ちょ、誰かなんとか言ってよ……」

「いやいや、普通はこうなると思うわよ?」

「よくよく考えなくても、命の危険に見舞われているからな。ヨマワルのおかげで美談にこそなってはいるが……」

「私も色々経験してきたけど、4歳の時点で経験したものとしては異例ね……」

「あれ〜……もしかしてこれって、想像以上におかしい?」

「「うん」」

「そっか〜……」

 

 一通りボクとヨノワールの出会いを話し終えたのち、一息付きながら周りを見渡してみると、みんなからの反応は沈黙。個人的には、『ヨノワールと出会うきっかけとなったいい思い出だなぁ』程度にしか思っていなかったんだけど、どうやら他人から見たら全然違うらしく、ユウリたちは揃って固まってしまっていた。ヒカリやジュン、シロナさんからもなかなか厳しい言葉を受けてしまっているあたり、本当におかしいことらしい。この出来事よりも、テンガンざんでの出来事の方が奇天烈だと思うのはボクだけなのかもしれない。

 

「過去にポケモンとのトラブル……あたくしはよくあると思っていたのだけど……」

「お嬢様も、自身が特別な方であること自覚してくださいね……」

「あなたのお守りは大変だったのよ?」

「人を問題児の赤ちゃんみたいに言わないで……」

 

 一方で、ボクの過去に割と肯定的というか、共感してくれた反応を示すのはカトレアさん。しかし、そんなカトレアさんの反応さえも、シロナさんとコクランさんの前にからかわれてしまい、ほっぺをふくらませながらそっぽを向いてしまう。

 

「カトレアさんの過去って……気になる……」

「気になるけど……多分聞かない方がいいよ?」

 

 ボクがボソッとこぼした言葉に対して耳打ちで忠告してくれるユウリに首肯でかえす。確かに、カトレアさんとも割と仲良くなり始めているとは思ってはいるけど、やっぱり四天王という肩書きが強いため、気軽に話をするにはまだちょっとの躊躇いがある。

 

(そう考えると、こんな狭い部屋にチャンピオンと四天王がいるって、改めてすごいなぁ……)

 

 こんな貴重な体験なんてまず無いんだから、今のうちにしっかりと刻んでおこうと改めて思った。

 

「で、話を戻すんだけど……フリアのヨノワール、結局なんでフリアを助けたのか知らないんよね?」

「そうだね」

「気にはならなかと?」

「う〜ん……」

 

 そんな時にふとマリィから投げられた質問は、過去の理由について。確かに、本来なら人を襲う性格をしているはずのヨマワルが、ボクのことを体を張って守ったのはかなり不思議に思われた。それこそ、当時ジュンサーさんへの説明としてはかなり信用度の低いものだったため、説明は端折っていたけど、かなり苦労したのを覚えている。最後は、本当にボクの腕の中でぐったりしているヨマワルを見つめて、そこから敵意を感じなかったことにより信じて貰えたけど、あとから考えたらよく通ったなぁと思う。あの時のジュンサーさんには頭が上がらないね。みんな顔が同じだから、どのジュンサーさんかは分からないけど。

 

 話を戻して。

 

 確かにポケモン図鑑の説明とまるで違う動きをしたヨマワルのことが気にならないわけじゃない。むしろ、今でも気になっている内容だ。けど……

 

「別に知らなくてもいいかな」

「そうなの?」

「うん。ヨノワールが教えないってことは、ヨノワールにとって大切な思いがあるってことだろうし、何より、共有化を通じてヨノワールのことをどんどん知っている今、そんなに焦らなくてもいつか分かるんじゃないかなって。……ただの想像だけどね」

「なるほど……」

 

 ボクの答えに顎に手を当てながら、しかしどこか納得したような表情を浮かべながら頷くマリィ。正直曖昧な答えしか返すことが出来なかったため、もっと質問や文句を投げられると思っていたけど、この反応は予想外だ。どこに納得いく部分があったのかは謎だけど、とりあえず納得してくれているのなら、これ以上は特に何も言わないでおこう。

 

 夜とはいってもまだまだ日付変更までは遠いこの時間。騒がしい空気が大好きなこのメンバーが、こんな時間から寝るなんてことはまずなくて、ボクの話が一通り落ち着いた今になっても、話題が落ち着いたなら次の話題へと移り変わり、この賑やかな時間は続いていく。ヨノワールの次はカトレアさんについてのものに変わり、その次はコクランさんについて。その次は……と言った具合に、ノンストップで変わっていく話題に、ボクたちの盛り上がりが収まることなんてなく、なんならこの楽しい時間がずっと続いたって構わないと思いながら、どんどん話題に花を咲かせていく。そんな楽しく、和やかな時間を楽しんでいたボクたちなんだけど、そんな中で妙にそわそわしているひとがひとり。

 

「ピュピュイ……」

「ほしぐもちゃん……?どうかしたの?」

「外で何かあるのか?」

「ちょっと見てみるわね」

 

 ユウリの膝の上で、周りをキョロキョロしながら不安そうな声をあげるほしぐもちゃん。先程まであんなに楽しそうにユウリとじゃれていたのに、急にテンションを下げてしまったその姿に、ボクたちは顔を合わせて首を傾げる。ジュンやヒカリもほしぐもちゃんの反応が気になったみたいで、もしかしたら外でなにかったのかもしれないと思った2人は、スっと立ち上がって窓の方に歩いていく。

 

 カチャリと金属音を鳴らせながら鍵を外し、窓から顔を出すジュンとヒカリは、揃って左右を眺め始める。ボクの視点からでは、2人が何を見ているのかが分からないため、背中から雰囲気を感じとるしかないけど、この部屋の窓は道場の北側についているため、恐らくヨロイ島の内陸の方を見ていると思われる。……でもこの道場の裏ってちょっとした小山になっているはずだから、眺めは悪そうだ。見えたとしても、マスター道場の奥にあるバトルコートくらいだろう。

 

「う〜ん、特に何も無い……というか、山であまり見えないな」

「バトルコートの方にも特に何も……あれ、マスタードさん?」

「んん?……ほんとだ、よくよく見たらコートの端にマスタードさんがいるな」

 

 そんな限られた視界しか確保できなかった景色ながらも、どうやら気になるものを見つけたらしいヒカリから声が上がる。その言葉につられて、ボクも窓の外を覗こうとした時だった。

 

 

『ドガァァァァァァンッ!!』

『バリバリバリバリバリッ!!』

 

 

「ぴぃっ!?」

「ピュイッ!?」

 

 突如鳴り響くとてつもない爆音。

 

 何かが爆発したような音と、何かが弾けるような音が大音量で響き渡り、そのあまりにも大きな音に思わず変な声を上げながら耳を抑えるボク。ほしぐもちゃんもびっくりしてしまったみたいで、体をビクつかせながらユウリのバッグに戻ってしまった。

 

「うぅ……なに……今の音……」

「お、オレの耳大丈夫か……?無くなってないか……?」

「大丈夫、2人ともなんともなってないわよ」

「初動は無理だったけど……後半はあたくしが抑えたもの……平気のはずよ……」

 

 いちばん音に近く、且つ外に頭を出していたヒカリとジュンは特にダメージが大きかったみたいで、思わず後ろに尻もちをつきながら倒れていたものの、いきなりの音にちょっとしたパニックになってしまっているだけで特に大事にはなっていないみたいだった。どうやらカトレアさんが何かをしてくれていたみたいで、ふと窓の外を見れば薄い光が張られており、カトレアさんのそばにいつの間にかムシャーナが控えているあたり、ひかりのかべやらなんやらで音を軽減してくれたという事だろう。正直いつの間に呼び出したのか、そしていつの間に技を展開したのかわからないほど速かった。改めてカトレアさんの実力の高さに舌を巻く。本当に凄い人だ。

 

「あ、ありがとうございますカトレアさん……。助かりました」

「うぅ、本当に、耳がやられたかと思ったぞ……」

「気にしなくてもいい……。それよりも、外にはマスタードさんがいるのではなくて……?」

「「そうだっ!マスタードさんは!?」」

「あ、ちょっと!!2人とも!!」

 

 ジュンとヒカリがお礼を言っているところに投げられるカトレアさんの言葉によって、外のことを見ていたヒカリとジュンが真っ先に部屋を飛び出していく。確かに、カトレアさんとムシャーナが展開して壁に助けられたうえで、あれほどまでの音量を聞かされたというのなら、音の方により近かったであろうマスタードさんが聞いた音の大きさは、想像するだけで物凄く心配にはなる。けど、2人の飛び出すスピードがあまりにも速かったので、残されたボクたちの反応が少し遅れてしまい、慌ててポケモンたちを腰のホルダーにつけ、慌てるあまり忘れていかれたジュンとヒカリのバッグも合わせて抱えながら外へついて行く。

 

「ヒカリもジュンも……心配なのはわかるけど、本当にせっかちなんだから!ボールとバッグ忘れてるじゃんか~!!」

「成程、こうやっていつも振り回されているのか……凄く理解したぞ」

 

 ホップが何か言っているけど、とりあえず受け流して一階への階段を下っていく。その道中でここに泊まっている門下生の姿も見かけたけど、みな一様に先ほどの爆音に対して驚いているようで、廊下に飛び出しては近くの部屋の人との情報交換を行っていた。そんなにわかに騒がしくなり、人の数も増えた廊下を、人と人の間を何とか縫って走り、おそらくヒカリとジュンが向かったであろう道場のバトルコートへと走っていく。

 

 さすがに8人同時に動くとなると小回りが利かないためか、いろんな人とぶつかりそうになるため速度を上げることはできないけど、察してくれた門下生の人たち何人かが、ボクたちのために道譲るように端へ寄ってくれたため、思ったほど減速することなく目的地の方へ走ることが出来そうだ。それでも、ジュンとヒカリの後姿が全く見えないあたり、やっぱりあの2人の行動力は群を抜いて凄いと思う。

 

「相変わらず早いわね、あの2人は」

「ほんとです。いつもいつも追いかけているボクの身にもなってほしいです」

「むしろ、あなたが必ず後ろから来てくれるから、あの子たちは安心して前を走れるのではなくて?」

「……知らないです」

「あらら、照れてる?」

「早く行きますよ!!」

 

 シロナさんからの言葉を振り切って、みんなよりも一歩前に出るボク。

 

 ジュンからもヒカリからも信頼されていることなんて、正直言われるまでもなく分かってはいるんだけど、こうやって改めて言葉に出されると恥ずかしい。ほんのり暖かくなってしまっている頬を手であおぎながら、ボクたちはようやくバトルコートへの扉がある、道場の訓練場までたどり着いた。いつもなら閉じられているバトルコートへ続く扉は開け放たれており、ヒカリとジュンが先に行ったということがよく分かったので、そのあとに続くように扉の先へと足を向ける。

 

「物凄い信頼関係と……壁が大きくて大変ね、ユウリ」

「も、もう!マリィもからかわないで!!」

 

 後ろからユウリとマリィの会話が聞こえてきた気がするけど、とりあえずマスタードさんのところに走ることを優先したボクは、扉をくぐった先の一本道をとにかく駆け抜ける。

 

 マスター道場の大きな扉の奥は初めて見るんだけど、扉の先には一本道を少し進んだのちに、ダイマックスポケモンが2匹並んでも余裕があるくらいの、それこそジムスタジアムと同じくらいの広さを誇るバトルコートがあり、実際ここではダイマックスを行うことが出来るらしい。こうやって見てみると本当に大きく、屋根や壁がない分むしろ各ジムのスタジアムよりも広く感じるレベルだ。そんな広大なバトルコートの端の方に見慣れた影が3つ。ヒカリ、ジュン、マスタードさんの3人の姿だ。

 

「ちょっと2人とも忘れ物!!おいて行ったらだめでしょ!?」

「おおサンキュ!!いやぁ、途中で気づいたんだけど、フリアなら持ってきてくれると思ってよ!!」

「そうそう。わたしたちなりの信頼の形ってことで!」

「もっとましな形にしてほしいんだけど……」

 

 やれやれと言葉を零しながら、ボクが持っていたジュンとヒカリのカバンとモンスターボールホルダーを渡しておく。まったく、毎回こうやって届けるボクの身になって欲しいし、毎回おいて行かれているこの子たちが不憫に感じる。シロナさんの言う通り、ボクへの信頼の証なんだろうけど、それにしたってもうちょっとましにならないものか。

 

「それで、どういう状況なの?」

「ああ、それが……」

「おやおや、全員集合だね~」

 

 とりあえず今はそのことは置いておいて、現状の確認をしてみる。すると、ジュンが言葉を返すよりも早く、マスタードさんがこちらに振り返ってきた。

 

「あの、マスタードさん……耳の方は大丈夫ですか?」

「ふっふっふ~。フリアちん、わしちゃんの心配してくれてるね~」

「ほっ、よかった……ちゃんと聞こえているんですね……」

「うんうん、フリアちんが、今日のわしちゃんのお昼ご飯を気になっている声もよ~く聞こえているよん」

「誰かお医者さんは居ませんかっ!!」

「落ち着いてくださいフリア様。大丈夫ですから」

「むふふ~、良い反応だねん」

「……ふぅ、良い夜ですね」

「どちらかというと少し曇っていると」

「もう!!突っ込まなくていいの!!」

 

 みんなしてボクで遊んでくるのでいい加減大きな声を張り上げる。ちょっとくらい真剣な心を持ったらどうなかと思う。たったいま物凄い爆発が起きたばかりなのに、ちょっと暢気すぎやしないだろうか。まぁ、変にパニックになるよりかはいいとは思うけど……

 

「大丈夫だよんフリアちん。今回の件についてはおおよその見当はついているからねん」

「成程……だからそんなに焦っていないのね……」

「むしろ、そうやっていつも通りの姿を見せることによって、フリアたちの緊張をほぐすのが目的かしら?」

「ちょっとちょっと~、シロナちんもカトレアちんも、ネタばらしはメッ!だよ~」

「ふふふ、ごめんなさい」

 

 なんてことを思っていたら、シロナさんたちからさっきの行動のネタばらしをされてしまう。またもや一杯食わされたという事だろうか。もうこの人とは真面目に会話をしたら負けな気がしてきた……。

 

「さて、じゃあフリアで遊ぶのはこの辺にして……マスタードさん、本題を聞いてもいいでしょうか?」

「ん、わかったよん」

 

 一通りおふざけが終わったところで、ようやく本題に取り掛かるマスタードさん。ここから聞くことになる言葉は真面目なものになる。さっきまでの空気を振り払って、いったん心を引き締め直す。

 

「実はこのヨロイ島にはね~どうやら外からやってきた何者かが住み着いているみたいなんだよねん」

「よそから来た……」

「何者かが……?」

「うん」

 

 ユウリとマリィの言葉に頷いたマスタードさんは、ボクたちと向かい合っている状態から再び背中を向け、北の上空に視線を向ける。

 

「あれを見てみるとよ~くわかるよん」

「あれは……ウルガモス……?」

「この地方にもいるのは知っていたけど、こんな季節、時間にあんな高い所を飛ぶなんて珍しいわね……それに、覇気がない……?」

 

 マスタードさんが指を差した方向にいるのは、カトレアさんが言った通りウルガモス。かなり高い所にいるとはいえ、赤い翅からまき散らさられる炎のりんぷんはつきのひかりを受けてさらに輝いており、なかなかの存在感を放っていた。しかしその姿からは、本来彼が持つ厳かさというか、荘厳さというか……とにかく、シロナさんの言った通り、そういう彼らしい気力があまり感じられなかった。というか、誰がどう見ても……

 

「何かから逃げている……?」

「そう言われると、ちょっとフラフラ飛んでいるようにも見えるよね」

「……それにあちらの方角は、ちょうどガラル地方本土のある方向ですね」

「それってェ、わざわざ海を渡ってでも逃げたい理由があるってことォ?」

 

 ボクとユウリの言葉に付け加えるように言葉を紡ぐコクランさん。確かに、あのウルガモスが飛んでいる方角は西。つまり、ガラル地方本土がある方向だ。そして、ボクたちの考えが正しいのなら、あのウルガモスはクララさんの言う通り、何かから逃げるためにわざわざ海を渡って飛んでいるということになる。

 

 ウルガモス自体はかなり強力なポケモンだ。それこそ、地方によっては太陽の化身と崇められるほどのポケモンで、とてもじゃないけど何かから逃げるような行動をするポケモンとは想像しづらい。むしろ、逃げられる側のポケモンだ。そんなウルガモスが海を渡る必要があるというのは、いったいどんな事なのか。そこまで考えた時にあとあることが頭に浮かぶ。それはユウリも同じだったみたいで、ボクに確認を取るかのように言葉を発した。

 

「ねぇフリア。もしかして、私たちがワイルドエリアで戦った……」

「うん。あのウルガモスも、ここから逃げ出したのかも……」

「ウルガモス……そういえば、1度戦ったって、ガラル地方の思い出話の中で出てきたわね」

「そうですシロナさん。あのウルガモスです」

 

 ワイルドエリアが吹雪によって封鎖まがいなことをされてしまい、何日間かの滞在を余儀なくされたあの事件。原因としてはウルガモスとモスノウによる縄張り争いの余波だったんだけど、あとから聞く話、そもそもガラル地方本土にはウルガモスは生息しておらず、本来の生息地はここヨロイ島らしい。だとしたら、ボクたちが戦ったあのウルガモスも、ここから逃げてきた個体ということになるし、もっと言えば、先程の騒音の招待はその時からこの島にいることになる。

 

「あり?もしかして、カブちんがお世話してるウルガモスを止めてくれたのはフリアちんだった〜?」

「ってことは、カブさんから連絡が来ていたんですか?」

「そうだよん。あのウルガモスちゃんは今も元気にカブちんのお世話になっているみたいだね〜」

「そうなんですね。良かった……」

 

 昔のことを思い出していると、どうやら既に事情を理解しているらしいマスタードさんが割って入ってきて、あの時戦ったウルガモスの、それからの話をしてくれた。地味にあの後どうなってしまったのか心配だったから、無事を聞けて嬉しい気持ちになった。ユウリも同じだったみたいで、横を見ればほっと一息ついている姿が見られた。

 

「ただ、ウルガモスが追い出される原因を究明しなきゃ、あのウルガモスのようにまた追い出される子が現れちゃう。だから、カブちんから連絡を受けて、わしちゃんの方で色々調べていたんだけどね〜。っと、まずはカブちんに連絡だねん」

 

 そう言いながらスマホロトムを取りだしたマスタードさんは、ウルガモスがまた本土の方に向かったから保護して欲しいという旨を伝え、また説明に戻る。

 

「結論から言うねん。ウルガモスたちを追い出した元凶は、鍋底砂漠にいることがわかったんだよん」

「鍋底砂漠……」

「この島の1番北にある地域よォ。名前の通り砂漠地帯でェ、元々温度が高いこの島の中でもォ、いちばん暑くて大変な場所よォ。基本的にはじめんタイプのポケモンがよくいる場所なんだけどォ、天気によっては他のポケモンもチラホラいるみたいィ」

 

 初めて聞く地域の名前を反芻していると、クララさんが説明してくれた。砂漠地帯はシンオウ地方には存在しないからちょっと想像しずらいけど、過酷な環境だということは理解出来た。

 

「ウルガモスは他にも住んでいる場所があるから、全部調べるのにちょっと時間がかかっちゃったんだけど、一通りこの島をまわった時に、明らかに鍋底砂漠にいるウルガモスの数が減ってたんだよねん。しかもそれだけじゃなく、何匹か怪我を負った子もいた……けど、肝心の元凶ちゃんが、ダイマックス巣穴の奥深くに引きこもっちゃってるみたいでね〜今まで手が出せなかったんだよねん。けど、今夜、ようやくしっぽを出してくれた……」

 

 上空のウルガモスに向けていた視線を、再びボクたちに戻したマスタードさん。しかし、その表情と声色はいつもとは全然違っていた。

 

「そのしっぽを掴む仕事……お主らに手伝ってもらっても……良いかな?」

 

 一人称も、纏う空気も、姿勢も、声色も。何もかもが変わったマスタードさん。これが彼の本気の姿であり、それだけこの事件について重く受け止めているということがよく分かる。

 

 こんな頼まれ方をされて、断れるわけが無い。それに、この事件はあのウルガモスの事件の延長にあるものだ。ボクにとっても無関係じゃない。

 

「……是非、手伝わせてください!!」

 

 周りのみんなも同じ気持ちらしく、ボクの言葉に続くように頷いていた。

 

「……礼を言う」

 

 そんなボクたちを見て発されたマスタードさんの言葉は、今までで一番柔らかい口調だった気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




カトレア

過去に問題を起こしていたのは彼女も同じですからね。シロナさんに取っては手のかかる妹みたいなものです。

騒音

あの吹雪編の真の黒幕たちです。モンハンで言う、アマツマガツチやナルハタタタヒメみたいなものですね。




吹雪編のお話をようやく回収。さて、誰が元凶なんでしょうか。響き渡った音で、ある程度正体が分かるかもしれませんね?

そしてSVの新ポケ。『ボチ』が発表されましたね。シヌヌワンなんて言われてもう愛されていますけど、個人的にも旅パに入れたいなぁ……進化したら、ケルベロスがモチーフになったりするんですかね?楽しみですね!





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