「んぅ、うぅ……」
柔らかな心地に包まれて、鼻腔をくすぐる少し甘い香りに心地良さを感じてしまい、少し声が漏れてしまう。けど、その匂いや心地良さに身を委ねようと身体を捩った瞬間に、体の節々から少し鈍い痛みが入ってしまう。それがちょっとしたストレスになることにより、微睡んでいる意識が少しだけ起こされる。
「もぅ……ちょっ……と……」
でもそれ以上に、身体の芯に染み込んでしまっている疲れがボクにのしかかってきて、ボクの身体を布団の中へと引きずり込んでいく。
疲れによる脱力感に身を委ね、眠りにつこうとするものの、それを邪魔する身体の痛みという構図に、自分でもどうしていいのか分からず、少しいらいらを募らせながら布団の中でもぞもぞと動いていく。すると、頭にふと柔らかいものが載せられるような感覚に陥る。
それはとても暖かく、ボクの心をゆっくりと落ち着けてくれ、ストレスといらいらと痛みによって苦しかった呼吸をゆっくりと整えてくれる。
(優しい……)
頭の上からじんわりと広がっていく暖かさと優しさに身を委ねていくボク。すると、ボクの中で消えそうになっていた眠気が再び押し寄せてきた。このまま身を任せれば、また夢の中にゆっくりと浸ることが出来るだろう。そう思ったボクは、特に抵抗することなくその眠気を受け入れる。
「ありが……と……ぅ……」
その前に、せめて今ここで優しくなだめてくれた人、もしくはものに対してお礼をしなきゃと思ったボクは、最後の気力を振り絞ってお礼を口にする。自分でも上手く発音できているか不安だったけど……
「どういたしまして」
そんなボクの不安を消すかのように、頭に何かを乗せられた時よりももっと暖かく、優しい返事が鼓膜にそっと寄り添ってくれた。その声に満足したボクは、今度こそ意識を夢の中へと落としていった。
☆
「ありが……と……ぅ……」
「どういたしまして」
安らかに微笑みながら熟睡しているフリアヘ返答をした私は、規則正しい呼吸をしながら体を休めている彼の髪を優しく、丁寧に撫でながら、そっと顔をのぞき込む。安らかな顔を浮かべながらぐっすりと寝ているその姿は、童顔もあってかいつも以上に幼く見えてしまい、とてもじゃないけど年齢もトレーナー歴も私よりも上の人だなんて思えない。むしろ『もし私に弟がいたらこんな感じなのかな』なんてことを思っていまうくらいには庇護欲をそそられてしまい、ついつい頭を撫でる手が進んでしまうほど。
「でも、戦っている時は凄くカッコイイんだよね……」
ふと思い出されるのは、私がリアルタイムで直接試合を見ることが出来た、メロンさん、ネズさん、そしてキバナさんとのジム戦の様子。毎回毎回あの手この手でいろいろなピンチを乗り越えて、でも絡め手だけじゃなくてちゃんと真正面からのぶつかり合いだって出来て……
(だからこそ、私は憧れたんだから……)
いくら触っても一向に起きる気配のないフリアの頭を優しく撫でながら、昨日の夜のことを思い出す。
昨日は、一昨日がダクマとの特訓で夜更かししすぎちゃったから、その反省を込めて早めに寝たんだけど、途中私が寝ている部屋の外からバトルの音が聞こえてきたから1回だけ目が覚めて起き上がっていた。
外から聞こえる音の正体が気になった私は、ゆっくりと窓に手をかけたところで……
『ヨノワール!!『かわらわり』!!』
というフリアの声がかすかに聞こえたため、すんでのところで窓から離れた。
フリアがこんな時間に誰かと戦う。もしくは秘密の特訓をしている。それも切り札であるヨノワールと。そうなると、多分フリアは共有化についてのさらなる進化を目指しているんだと思う。
(あの時のフリア、物凄く気になったなぁ……)
けど同時に、現在の私たちの現在の状態も頭によぎる。
私たちは仲間であると同時にライバルだ。もう少し経てば、ジムチャレンジを突破した人たちによるトーナメントが開催される。その時に正々堂々と戦えるように、お互いの手の内をあまり公開しないための個別特訓なのだ。
(でもあそこで私が覗いちゃったら、その意味が無くなっちゃうもんね)
だから、昨日は自分の好奇心を押し殺して、再びベッドに体を沈めた。直ぐには寝付けなかったけど、程なくして音も止み始めたので、疲れがまだ残っていた私は割と時間をかけることなくまた寝付けることが出来た。そして今日。まるで昨日とは真逆のことが起き、みんなに押し切られる形でフリアを起こしに来た私。そんな私が見たのが、ちょっと苦しそうにうなされているフリアの姿だった。そこから冒頭に戻るわけなんだけど……
「全く……昨日どれだけ無茶したんだか……」
フリアが共有化って言っている現象を使い始めたあたりから、こうやって体調を崩すというか、倒れるというか……明らかに無茶をする回数が増えた気がする。正直、何回見ても痛々しいし、できればあまり使って欲しくはない。けど、フリアの想いとか、フリアと戦うことを考えると止めることなんてできなくて。
「ほんと、心配させすぎ……全く……人の気も知らないで……」
最近はフリアがあの状態を発動する度に私の心はハラハラしてしまう。だから、みんなは盛り上がっていたキバナさんとの闘いだって、私はカッコイイという気持ちの裏で、どこか心の奥では無事でいてと祈り続けていた。勝った時だって、嬉しいという感情よりも、無事に終わってよかったという安心感の方が強かった。これも全部、惚れてしまったよしみと言われたらそれまでなんだけど……
「もう……このこの!」
そんな不満を指先に乗せてフリアのほっぺにぶつけてみる。これくらいはしても許されるだろう。
「って……ほっぺた柔らか……もちもち……」
指先から伝わって来るその感触と温かさに、ついつい指が動いてしまう。肌に張り付くようなもちもち感は、とても魅力的かつ心地いいもので、可愛い寝顔姿と相まって本当に男の子なのかと疑いたくなってしまう程だ。こんな見た目で料理もできて、面倒見もよくて、なおかつしっかり者で……
(私よりもよっぽど女子力高い……)
ほっぺをつんつんしながら、自分と比べた時のその能力の高さに、果たして自分はこの人の隣にちゃんと立てるのかがちょっと心配になる。特に私は料理が得意ではないし、家事もできるかどうか……
(っては私は何の想像しているの!?いくらなんでも気が早すぎるよ!?)
「ぅう、うぅ~ん……」
「うわぁ、ごめん!?」
私が変な未来の想像をしているうちに、私がフリアのほっぺを突くスピードがどんどん上がっていったみたいで、触られすぎたことによってちょっと苦しそうな声を上げるフリアに慌てて謝罪の声を上げる。そういえば、今のフリアは昨日疲れが大きすぎて休息をしている状態なのだ。本当は昨日のやり返しをしておいでってヒカリに言われて、寝ているフリアを起こすためにここに来たんだけど……このあまりにも疲れている様子から、今日の午前中はずっと眠らせてあげた方がいいだろう。そのためにも、そろそろフリアをいじるのもこの辺にして、私は1度部屋を出た方が良さそうだ。
「邪魔してごめんね?」
そう言いながら、ほっぺをつついていた指を再び頭の上に持っていき、再度なでなでしてあげる。すると先程まで少し不満そうな顔を浮かべていたのが、再び幸せそうな顔に変わっていく。この表情の変化を見ていると、なんだか母性をくすぐられる。
(昨日のフリアも、こんな気分だったのかな……?)
と心の中で思ったと同時に、昨日の出来事を思い出してしまい、思わず頬が赤くなってしまう。
「……ちょっとくらい、甘えても……いい、よね?」
さすがにおでこに……その……あれするのとかは恥ずかしいから……寝ているフリアの体を軽く抱きしめるに留めておく。
「……暖かい」
体に感じる確かな温もり。その温度に、私の心も身体もじんわりと温められていく。それがとても心地よくて、願うことならずっとこのままでいたい。そんな気持ちにさせてくれるような安心感が私の体を包み込む。けど、ずっとこうしている訳にも行かない。
「よし、満足!……フリアはもうちょっとゆっくりしてから来てね」
一通り満足した私は、そっとフリアの元から離れてドアの方へと向かう。
できる限り音を立てないようにゆっくりとドアを開けた私は、最後にフリアの方を向きながらそっと呟いた。
「ゆっくりおやすみなさい。フリア」
さあ、今日も厳しい特訓の始まりだ。
「録画完了ロト!録画完了ロト!」
「……」
「いいもの撮っちゃった!!で、どうだったユウリ?フリアの暖かさは。ご感想をどうぞ!!」
「……今すぐ消してください!!」
今日も道場は平和です。
☆
「ふぁ……あぁ……いっつつ……」
「おうおう、眠り姫さん。今日は辛そうだなぁ?」
「誰が眠り姫か!!」
「午後入る直前まで眠ってたらそう言われるのも仕方ないだろ?」
「うぐ、あまり反論できない……」
マスタードさんとの激闘から次の日。目が覚めたボクの目に最初に入ってきたのは、最近ではもう見慣れてしまった天井だった。ボクの記憶が正しければ、マスタードさんとの闘いの決着がついた瞬間に気を失ってしまったため、勝った実感もなければ記憶も曖昧だ。けど、ベッドで目が覚めたことから、おそらくヨノワールがボクをベッドまで運んでくれたということなのだろう。後でお礼を言わないとね。
そんなこんなで目が覚めたボクなんだけど、正直体調はあまり良くない。
お昼に目が覚めてしまうくらいには熟睡していたんだけど、まだまだ体はほんのりとだるく、身体の至る所は筋肉痛で常にちょっとピリピリしてしまう。日常生活をする分には問題は無いんだけど、動く度にちょっと痺れるこの感覚はいいものとは言い難い。真面目に今からもう一度布団に入ってしまえば、もう1,2時間位は眠ることが出来そうな気がする。……特訓はしたいからそんなことはしないけどね。
「でも実際珍しかね。そんなに疲れることがあったと?」
「まぁ昨日、色々とね……」
思い出されるのは昨日起こったヨノワールとの共有化の先……えっと……仮名で一体化、とでも言えばいいのかな?あの現象によるヨノワールの進化は目覚しいものがあった。ただ、見てのとおりそれ相応のリスクというかデメリットと言うか代償というか……少なくとも、今のボクに上手く扱えるという訳では無いということはよくわかった。
(まさか大会に向けての作戦立て兼最終調整の場面で新しい課題が見つかるとはなぁ……)
でも、自分がまだまだ強くなることができると分かっただけでも大きな収穫だ。それに、どうやらインテレオンとエルレイドも何かがあったらしく、ボールの中からでも伝わってくるそのやる気に、思わずこちらが1歩下がってしまったくらいには色々滾らせていた。詳しくは分からないけど、2人もこんなにやる気だということは、ボクとヨノワールがマスタードさんとぶつかっている間にその気にさせるようなイベントがあったということ。特に、ミツバさんとシロナさんの表情がものすごく明るくなっているところから、あの2人が何かをしてくれたみたいだ。この2人にも後でお礼をしておこう。
「あ、そうそうフリア〜。そういえばなんだけど、寝てる間になにか違和感とかなかった?」
「寝てる時に?」
「ちょ、ヒカ━━」
「はいはいィ、ユウリンはこっちよォ〜」
「待ってクララさん!?」
「さてさて、ユウリちゃんは置いておいて〜……」
「え、あれ置いておいて大丈夫なの……?」
ユウリが羽交い締めされながらボクからちょっと離れたところに連行されていく姿に妙な不安感を感じながらヒカリに問いかけてみるけど、当の本人はいたって気にした風も見せず、むしろ物凄くいい笑顔を浮かべたまま質問をしてくる。
(あ、これ絶対変なことを考えているやつだ……)
その笑顔にとんでもなく嫌な予感が伝わってくるけど、どうやらマリィとクララさんもグルなようで、ボクを助けてくれそうな人は周りにない。ジュンとホップ?多分、鈍感なあの2人には今の状況はわからないと思うので関係なしである。仕方ないね。
「で、どうだったの?寝ているときに何かなかった?」
「寝ている時ね~……」
しかし、そんなふうに警戒はしてみるものの、実際のところは質問の内容が意味わからなさ過ぎて拍子抜けしてしまうというのが実のところだ。『寝ているときに何かあったか』って質問だけど、当然ながら記憶なんてあるわけがない。というか、寝ているときに何かあったのかわかる人って、本当に存在するのか怪しいレベルだ。もしいたとしたら、どんな人なのか物凄く気になるよね。よってボクの答えは1つしかない。
「いや、特に何もなかった気がするけど……いや、正確にはわからないが答えだけど……」
「あ~、う~ん……そうじゃなくって~……」
だけど、どうやらヒカリの聞きたいのはそういったことではなく、もっと別のところにあるらしい。
「寝てる時と言ってもさ、夢の中で何かあった~とか、ちょっと意識が覚醒しかけているときはあったかな~とか……違和感みたいなものよ。何かなかった?」
「ん~?」
その事を何とか説明しようと口にするものの、どうも要領を得ていないためか、ボクも返答に詰まってしまう。けど、さてどうしたものかと首を傾げたあたりで、そういえば一度だけ、筋肉痛と眠気の間に挟まれて、少しだけ起きかけた時間があったことを思い出す。
「そう言われると、一度だけ筋肉痛で起きかけたことがあるような……ないような……」
「じゃあその時!!その時何かなかった!?」
「なんでそんなに食い気味なのよ……」
その事を伝えた瞬間に一気にテンションが上がるヒカリ。ボクの言葉に食い気味に入ってくるその言葉に、ボクも思わず半歩下がってしまう。が、このまま後ろに下がることはヒカリの性格上許してはくれないので、仕方なくあの時の感覚を思い出してみる。
「あの時は確か……身体が痛いのと眠気に挟まれてちょっと苦しかったんだけど……頭から急にじんわりと温かい感覚が広がって、そこから安心して眠れるようになったぐらい……かなぁ……」
「ほ~……ふ~ん。へ~……」
「……なんかその笑顔むかつく」
ボクの言葉を聞いた瞬間ものすごくいい笑顔を浮かべながらこちらを見つめてくるヒカリ。その顔が妙にむかつくんだけど、気になるのがヒカリ以外にもこの表情を浮かべている人がいること。グルというだけあって、マリィとクララさんも気になる笑い方をしているんだけど、それ以上にシロナさんまでもが凄く微笑ましそうにこちらを見てくるのが本当に気になる。一方で、ユウリは顔を真っ赤にしているし……本当に何が何だかわからない。
「それはそれは、さぞかし素晴らしい夢を見たんじゃない~?」
「いや、夢は見なかったよ?よっぽど疲れてたみたいで、本当に熟睡していたっぽいし……」
「え~……、ほんとでござるか~?」
「うわ、うっざ!?」
「その言い方は酷くない!?」
そう思うのならその口調はやめて欲しい。
「じゃあ普通に聞くけど~……本当にそれだけだった?」
「そんなに深堀して何が聞きたいのさ……まぁ、そう聞かれると、確かにいつもよりもちょっと暖かくて、柔らかくて、安心感はあった気がするけど……」
「へ~、へ~!へ~!!」
「ああもう!だからいちいち反応がうるさい!!」
かと言って、ここまでテンションの上がってしまったヒカリというのは、正直ジュンの相手をする時よりも遥かにめんどくさい。自分の納得のいく答えを貰わない限りこのテンションが終わることなんて絶対にないだろうし、嘘をつこうものならもっと面倒なことになってしまうだろう。……いや、嘘つくつもりは無いし、覚えていることも曖昧なことでしかないから、これしか言えないというのが正直なところではあるんだけど……。
「だってだって~ユウリ~!」
「よかったとね」
「やっぱりうちたちの判断は正解ィ~!!」
「も、もうやめてぇ……」
そんなボクの解答を聞いてさらにテンションを上げたヒカリたちは、そのままのテンションでユウリへと絡んでいく。マリィもクララさんも物凄く楽しそうに絡んでいるけど、絡まれている側のユウリはもう勘弁して欲しいと言った感じで、顔を覆いながらうずくまってしまう。そこからはもうちょっとしたお祭り騒ぎで、あれだけボクに向かって食い気味で質問していたヒカリは、その標的を完全にユウリへと変更していた。
「何だったんだあれ?」
「さあ?よくわからないぞ……フリアは心当たりあるのか?」
「いや、全然……まぁ、ヒカリが変なところで盛り上がるのは前からだし、多分理解しようとしてできるものではない気がするかな……」
とりあえずボクの解答はあれであっていたという事なのだろう。ユウリにはちょっと申し訳ないけど、今回は助けられないのでそのまま弄られてて欲しい。
「ふふふ、本当に、あなたたちといると退屈しないわね」
「シロナさん、おはようござ……いや、こんにちは……?です」
「ええ、こんにちは。よく眠れたようね」
「おかげさまで……コクランさんとカトレアさんもこんにちはです」
「こんにちは……」
「はい、こんにちはです。フリア様」
ひとまずボク周りの空気が落ち着いたところで、次に話しかけてきたのはボクたちを見守っていたシロナさん。他にも、後ろにはカトレアさんとコクランさんも控えていた。
いつもの師匠3人組。けど、どうやらその姿はいつもとちょっと違う見たいで。
「なんかいつもよりも物々しいぞ……?」
「荷物も多いな?」
「どこか行くんですか?」
シロナさんたちの方を見れば、これからどこか行くのか少し多めの荷物が並べられていた。勿論そんな分かりやすい変化はジュンやホップも気づいており、且つせっかち気味な2人はボクよりも素早く質問を投げかける。その質問に対して、シロナさんはジュンに対してだけちょっとしたあきれ顔を見せながら答えてきた。
「ちょっとジュン……あなたは気づくと思ったのだけど……本当に心当たり無いのかしら?」
「えぇぃ!?」
「ジュン……」
なんというか、こういうところは相変わらずだなぁと思いながらシロナさんの言葉に耳を傾ける。
「まぁいいわ。改めて私がここに来たそもそもの理由を話すわね」
そこから聞くことになるシロナさんの言葉は、ホウエン地方で巨人伝説を巡って旅をしていたことと、一通り回り終えたので、巨人伝説の続きが残されているこのガラル地方に来たという物。
「このヨロイ島での滞在は予想よりもかなり長くなってしまったけど、とてもいいものを見させてもらったし、とりあえずの区切りにはなったと思うのよね。だから、そろそろ目的の場所に行こうかと思って」
それでこの荷物の量。ということはしばらくこのヨロイ島を離れることになるというわけで、そうなると特訓もできないし、単純にしばらくの間はなれることになるのでちょっと寂しくなるという気持ちもある。と、そこまで考えた時に、ふと思い出したことがあった。
ボクはガラル地方のいろんなところを巡り終えた自負があるんだけど、巨人伝説がありそうな場所なんて思い当たらなかった。ということは、まだボクの行ったことがない場所にある可能性が高いと思っているんだけど、そうなって来ると、現状ボクの知っていてかつ行ったことの無い場所が1つだけある。
ボクのカバンから取り出すのは1枚のチケット。それはダンデさんからもらった2枚のチケットのうちの1つ。
「シロナさん、ちなみにその巨人伝説のある場所ってどこなんですか?」
ヨロイ島へのチケットと一緒に貰ったチケットの行き先。そこに書かれていた地名は……
「ガラル地方南部に広がる雪原地帯……カンムリ雪原と呼ばれる場所よ」
シロナさんの口から告げられた地名と同じ場所だった。
そうとなれば、ボクがしたい行動なんて1つしかない。
「シロナさん、その巨人伝説への旅……ボクもついて行っていいですか?」
ダンデさんから頂いた、もう1つの寄り道が始まる。
ちなみに、こんな真面目な話をしている間もすぐ近くではヒカリたちが話していたけど、特に大事そうな話ではないと思うので無視する。だからきっと、ヒカリの手に握られているサーナイトを模したドレスは気のせいだし、あれをボクに着せようという話も、それを聞いて少し期待の目を向けてくるユウリも、ボールをカタカタさせて、その服を着たボクをキルクスタウンのジムチャレンジの時のようにお姫様抱っこしたがっているエルレイドの気持ちも気のせいだという事にして無視しておく。
「さー、新しい地に向けて準備をしなくちゃー」
「急に棒読みになってどうしたんだ?」
「さぁ?ヒカリもヒカリだが、フリアもフリアでよくわかんないぞ……」
逆パターン
今回は逆転を。こういう事は大体ヒカリさんのせいです。
カンムリ雪原
というわけでそろそろもう一つの地へ。あちらではどんなものが待ち構えているんでしょうか?
衣装
88話の後書きで書いていたものの回収です。衣装のイメージとしては、ポケモンユナイトのおめかしスタイルのサーナイトです。完全に姫ですね。
いよいよカンムリ雪原。こちらもこちらでいろいろ置きそうですね。例えば、SVで出てきたあのキャラのあれと思われる方とか……
実機の話なら、SVでメガシンカ復活の可能性とか期待したいですよね。スペインの右上がフランスみたいですし、マップも不自然に黒いですし……DLC期待してもいいのかな?だとしたら、メガジュペッタを使ってあげたいですね~。