【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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161話

 

 

「クオオオオォォォォン」

 

 

 赤い霧を霧散させると同時に、高らかに嘶くオーロラを纏いし伝説のポケモン、スイクン。彼の声とともに放たれる風とプレッシャーを前に、両腕を盾にして顔を守りながら何とか立っているボクは、簡単な疑問を口にする。

 

「なんでスイクンがこんなところにいるの!?」

 

 だけどこの疑問にちゃんと回答できる人なんて当然この場所にはいない。あのシロナさんでさえも、この状況に驚いて動きが一瞬固まってしまっている。しかし、そこからすぐに切り替えてボールを構える姿はやっぱり頼りになる凄い人で。

 

「なぜあの子がここにいるのかは分からないけど……決してこれが夢や幻なんかじゃないことは確かよ。さぁみんな、構えなさい!!」

「「「はい!!」」」

 

 分からないことだらけだけど、シロナさんの言葉をきっかけにみんなの意識も切り替わっていき、自然と手がモンスターボールへと伸びていく。

 

「行きなさいドレディア!!」

「ジュカイン、行くよ!!」

「バシャーモ、お願い!!」

「ラグラージ、行くわよ!!」

 

 スイクンの前に並び立つ4人のポケモン。伝説のポケモンを前にして、決して臆することなく向かい合う彼らに頼もしさを感じながら、ボクたちはダイマックスアドベンチャーのボスへと立ち向かう。

 

「ドレディア、『ちょうのまい』!!」

「ジュカイン、『ワイドブレイカー』!!」

「バシャーモ、『コーチング』!!」

「ラグラージ、『ドわすれ』!!」

 

 まずはダイマックスアドベンチャーで戦っているうちにもはやテンプレ化してしまった場を整える作業を行う。ジュカイン以外のみんなは味方や自分のステータスを強化し、ジュカインは相手の能力を下げることを目的とする。スイクンのことをイメージだけで語るのならば、ハイドロポンプやれいとうビームと言った特殊技を主体に戦ってくるタイプのポケモンだと思ってはいるから、ジュカインやバシャーモの行動は正直あまり意味ないのではないか?なんて思ってしまうところもある。しかし、このダイマックスアドベンチャーでは、技構成にかなりばらつきがあるため、そういった固定概念に囚われるのはあまり宜しくない。現に、特殊の方が強いジュカインはワイドブレイカーやシザークロスといった物理技を覚えているし、攻撃の方が強いバシャーモも特殊技を覚えているしね。そのことを考えると、特殊が得意なスイクンであっても物理技を使ってくる可能性は十分にある。その思考を頭の隅に置いていると、スイクンの右前脚に水が集まり始め、スイクンはそれを叩きつけるようにバシャーモに向かって振り下ろす。

 

「『アクアブレイク』か……ジュカイン、『シザークロス』!!」

「ラグラージ、『だいちのちから』!!」

 

 早速みずの物理技で攻めてきたスイクンに対して、まずはシザークロスをぶつけて勢いを少しでも弱める。本当ならリーフストームを打ちたいところだけど、あの技は放てば放つほど自分の特攻を下げてしまうデメリット付きの技だ。こんな序盤で使う訳にはいかない。しかしシザークロスでは当然威力が足りず、技を止め切ることが出来ずに弾かれてしまう。が、こちらは1人で戦っている訳では無い。ジュカインが飛ばされ、受け身を取っている間に、次はラグラージがだいちのちからにてバシャーモの前の地面を爆発させ、その爆風をアクアブレイクにぶつける。これにより大分勢いが落ちたためバシャーモは反撃の準備を行う。

 

「バシャーモ!!『ブレイズキック』!!」

「シャモ!!」

 

 ゆっくりになったスイクンの前足とすれ違うように飛び上がり、右足に焔を携えたバシャーモがスイクンの顔目掛けて技を構える。効果はいまひとつではあるけど、まずは一撃を決めて流れを引き込もうという考えだ。

 

 アクアブレイクの後隙によってこの攻撃を避けられないスイクンは、顔に強烈な蹴りを受け……

 

「っ!?ユウリ!!横よ!!」

「え?」

「シャモ!?」

 

 その直前でバシャーモがはたき落とされる。

 

 何が起きたのか一瞬分からなかったボクは、慌ててスイクンの方に視線を向けると、スイクンの左右にひらひらと漂う、スイクンの尻尾の片方に水が纏われているのが確認できた。自身の前足をよけられたのを確認して、すぐさま尻尾によるカバーを行ったというわけだ。

 

「バシャーモ、大丈夫!?」

「シャ、シャモ!」

 

 尻尾による攻撃故あまり火力はないものの、こうかばつぐんの技に変わりはない。声をあげて無事を伝えてくるものの、やはりダメージはちょっと大きい。すかさずかふんだんごにて回復はするけど、この回復だって何回もできるわけではない。

 

「芸達者だね……」

「それなりの場数を踏んでいるという事かしら……ますます何でここにいるのか気になるわね……」

 

 さっきのやり取りを見て思わずつぶやいてしまうボクとシロナさん。トレーナーに指示されてならともかく、自分の判断であの行動をしたのは素直に賞賛するべき所だ。シロナさんの言う通り、かなりの戦いを乗り越えてきた子だと思う。

 

「気合入れるわよ……!『かふんだんご』!!」

 

 強敵を相手に気合を入れなおしたシロナさんの指示より、ドレディアがかふんだんごを発射する。そのだんごを防ごうと、スイクンは体を薄く虹色に光らせながら構える。目に見えないことから、『サイコキネシス』や『ねんりき』、『じんつうりき』系統の技だと見て取れる。

 

「ジュカイン、『ドラゴンテール』!!」

 

 その防壁に対して、ドラゴンテールでだんごを弾くことで、見えない壁を迂回してスイクンに叩きつける。

 

 

「クォッ!?」

 

 

 急に軌道が変わっただんごにはさすがに対応できなかったスイクンに確かなダメージを与える。

 

「ラグラージ!『だいちのちから』!!」

 

 少しぐらついたスイクンの足元めがけて今度はラグラージが追撃。じめんのエネルギーを爆発させて態勢を崩しにかかる。

 

「『インファイト』!!」

「『シザークロス』!!」

 

 だいちのちからによって少しだけ後ろに下がったスイクンを追撃するために前に走るはジュカインとバシャーモ。それぞれ右と左に別れて、挟み込むように攻撃を構える両者に対して、スイクンは再び白い尻尾に水を纏ってアクアブレイクの準備。

 

「『だいちのちから』!!」

「『かふんだんご』!!」

 

 右のジュカイン、左のバシャーモに対して、スイクンの左右にひらひらと浮かぶ尻尾が縦横無尽に駆け回って進軍をせき止めて来る。なかなか前に進むことが出来ないジュカインとバシャーモの状況を見て、その動きをサポートするようにラグラージとドレディアから攻撃が飛んでいく。右と左に意識を割いているため、真正面からの攻撃に対しては反応が遅れるスイクン。しかし、それを無理やり押し返す強烈な風があたりを巻き込んでいく。

 

「っ!?ドレディア、『ひかりのかべ』!!みんなも下がりなさい!!」

 

 その風に嫌な予感を感じたシロナさんから指示がとび、慌てて後ろに下がるボクたち。すると、スイクンから強烈な風が叩きつけられる。

 

 こおりタイプでもトップクラスの威力を誇る大技、ふぶきだ。

 

「何、この威力……っ!?ラグラージ、平気!?」

「止めきれない!?ドレディア、無茶はしないで!!」

 

 相手の特殊技を抑えるひかりのかべを展開してなおせき止めることの出来ないその威力に、ひかりのかべの後ろまで下がったジュカインたちにもかなりのダメージが刻まれる。特に、こおりタイプをばつぐんで受けてしまうジュカインとドレディアにはかなり深刻なダメージが刻まれることとなる。

 

「凄い威力……これが伝説……」

「さすがに一筋縄じゃいかないね……」

 

 ユウリの言葉に賛同するように答えるボク。ユウリにとっては初めての伝説のポケモンということもあって、余計に何かに圧されるように下がりかける。その背中を支えるように軽く叩きながら前に歩く。

 

「けど……大丈夫。ボクたちなら勝てるよ」

「……うん!!」

 

 ダイマックスしたうえで、ここまで強力な野生のポケモンと戦うのはウルガモス以来だ。ユウリはあの時、少しだけ怯えて下がってしまった。けど今回はちゃんと前を見ている。あの時はアブリボンに背中を押してもらってようやくだったけど、今はちゃんと自分の足で前を見てる。さっきは背中を支えてあげたけど、きっとボクの手がなくても前を見てくれていただろう。

 

「長期戦では絶対に勝てないわ。相手が『ふぶき』を使ってくる以上ドレディアの援護でも絶対に間に合わない。だから……二撃必殺で決めるわよ!!」

「二撃……必殺……」

「一撃じゃないのは?」

 

 シロナさんの作戦を聞いて小さくつぶやくユウリと、作戦に対して疑問を投げるヒカリ。ボクもどちらかというとヒカリと同じ疑問を持っていたので、無言のままシロナさんの返答を待つ。

 

「威力だけで言えば、おそらく私のドレディアで一撃で倒せる可能性はある……けど、それまではかなりの時間が必要だし、あなたたちを援護することが出来ないわ。だから……」

「その時間を稼げるほどの一撃をまずぶつけて、そのあとシロナさんのドレディアでとどめを刺す……って感じですか?」

「ええ、そういうことよ」

 

 シロナさんの作戦を途中まで聞いたところで、シロナさんがボクたちに何を求めているのか察したボクは、シロナさんに確認を取って返答を貰ったら、すぐにユウリとヒカリの方に視線を向ける。

 

「ユウリ、ヒカリ。聞いてた?」

「うん……だけど、あのスイクンを大きく崩す一撃なんてどうやって……?」

「……あの技よね?」

 

 ボクの言葉に対して疑問を上げるユウリと、ボクの様子から何となく戦い方を察してくれているヒカリ。このあたりはボクとの旅の経験値がものを言ってくるところだ。少しだけユウリが不満そうな顔を浮かべているけど、そこは仕方ないと割り切ってもらいたい。

 

「シロナさんの要望を応えるのならあの技しかない。そのためにも、その技をぶつけるための隙を少しでもつくる。そこはバシャーモとジュカインで作ろう。ラグラージはその援護をお願い」

「あの技……そっかあれなら……うん!」

 

 だけど、ボクの説明を聞いてすぐにユウリも理解を示してくれた。これだけのやりとりだけ理解してくれているのなら十分だ。この後も安心して動けるだろう。

 

「……任せてよさそうね。ドレディア!『ちょうのまい』!!」

 

 ボクたちの作戦会議を聞いて大丈夫だと安心したシロナさんが、スイクンを落とすための準備を行っていく。おそらくあと4回、この舞を終えるまでシロナさんは他の指示を出すことはないだろう。その姿を横目に確認したボクたちは、改めてスイクンとにらみ合う。

 

「行くよ!」

「うん!」

「ええ!」

 

 

「クオオオオォォォォン」

 

 

「ジュカッ!!」

「シャモッ!!」

「グラッ!!」

 

 ボクたちの構えに呼応するようにスイクンも吠え、両前足と2本の尻尾に水を纏っていく。対するジュカインたちも、それぞれの構えを取って、やる気を伝えるために大きく吠える。

 

「ラグラージ!『だいちのちから』!!」

 

 緊迫した状況にて、まず最初に動くのはラグラージ。地面を伝わるエネルギーが再びスイクンの態勢を崩そうと襲い掛かる。

 

 

「クオオオオォォォォンッ!!」

 

 

 それに対してスイクンが前足を思い切り地面に叩きつけることで起きる衝撃をぶつけて対応。さらに、地面を叩いた衝撃で石礫をまき散らし、それらをじんつうりきでこちらにまとめて飛ばしてくる。

 

「ジュカイン!『シザークロス』!!」

「バシャーモ!『ブレイズキック』!!」

 

 飛んでくる石の嵐に対しては近接技を使える2人が前に出て技を繰り出し、次々と落としていく。強烈な攻撃ではないけど、こういったこまごまとした攻撃は、体力を削られている今全部防ぎきるのがかなり難しい。被弾こそしなかったものの、全ての石を落とし切ったところで、特にダメージの大きいジュカインが少し体をふらつかせる。

 

 

「クオオオオォォォォンッ!!」

 

 

 そこを見逃さないのはスイクン。再び大きな咆哮をあげながら、スイクンの周囲の空気を凍らせていく。

 

「また『ふぶき』!?」

「今あの技受けたら全員戦闘不能になるわよ!!」

「絶対に止める!!ヒカリ!!」

「わかったわ。ラグラージ、『ふぶき』!!」

 

 スイクンから放たれる氷の嵐に対してラグラージも同じ技で対抗する。スイクンに比べるとどうしても威力は劣ると言わざるを得ないけど、あたり全体にまき散らしているスイクンに対して、ラグラージは一点に集中して放つことでその威力を補っていく。その甲斐もあってか、そこそこの威力を削ることが出来たものの、それでもまだスイクンのふぶきは止まらない。

 

「ユウリ手伝って!!ジュカイン!!『リーフストーム』を周りに散らして!!」

「ジュカッ!」

 

 それに対してボクがとった行動はあたりに葉をばらまくこと。出せる限りの葉を繰り出して、あたり一面を緑にしたボクはユウリにアイコンタクトを送る。すると、ボクの意図をくみ取ってくれたユウリがすぐさまバシャーモに指示を出す。

 

「バシャーモ!『ブレイズキック』!!葉っぱを全部燃やして!」

「シャモ!」

 

 バシャーモの燃える脚が舞い散った葉っぱに当たり、そのすべてが燃え上る。

 

「よし、あとはヒカリ!!」

「そういう事ね!!ラグラージ!!尻尾で吹き飛ばして!!」

「グラッ!」

 

 いきなり現れる簡易的な焚火。燃え上る葉っぱたちを今度はラグラージが扇のような尻尾を団扇で風を仰ぐように薙いで、燃え盛る葉っぱをそのままスイクンのふぶきに叩きつける。

 

 氷と炎がぶつかり合うことによって巻き起こる大量の蒸気。自分体の視界をも埋め尽くすその現象は、本来なら視界が防がれることによって戦いに沢山の弊害が生まれてしまう。相手の姿や位置がわからないせいで飛んでくる攻撃がわからないからだ。しかし、今この場においてはそのデメリットはあまり表に出てこない。なぜなら、こちらは体は小さいけど相手はダイマックスをしているせいで、蒸気で煙が生まれる程度ではその姿が隠れきれないから。むしろボクたちの身体を隠すだけにとどまり、スイクンだけが一方的に狙いを定めることが出来ない状況となっている。一応この時の解答としては、もう一度ふぶきを打てばいいだけなんだけど、たった今防がれてしまった技をもう一度打つ気にはなれないのと、スイクン自身の目に少し煙でも入ってしまったのか、ちょっとしたうめき声が聞こえてくるのでおそらくそれどころではない可能性が高い。

 

 シロナさんにお願いされた、致命的な二撃のうちの片方を叩き込むには今しかない。

 

「ユウリ!ヒカリ!」

 

 ボクの言葉に頷いた2人は、すぐさまバシャーモとラグラージに指示を出して、自分たちの前に集合させる。

 

「ジュカ……」

「シャモ」

「グラァ」

 

 ボクたち3人の前に並んで、スイクンの影が見える方向をじっと見つめる3人。どうやら、これから行う一撃のために、じっくりと力を蓄えているらしい。とは言っても、これから行う技は別にソーラービームのような溜めを必要とする技ではない。そのため、その時間も程なくして終わりを告げ、ジュカインたちはボクたちの方に視線を向けて準備が出来たことを教えてくれる。その視線を受けたボクは、今度はユウリとヒカリと目を合わせて頷き、ジュカインたちに技を宣言する。その技は……

 

「バシャーモ!『ほのおのちかい』!!」

「ラグラージ!『みずのちかい』!!」

「ジュカイン!『くさのちかい』!!」

 

 ほのお、みず、くさの、それぞれのちかい。

 

 この技たちは、それぞれ単体ではそこそこの火力が出る、それぞれの技の特殊技に過ぎない。火力がないわけではないけど、それぞれのポケモンが覚える、リーフストームやオーバーヒート、ハイドロポンプのような高火力技と見比べるとどうしても見劣りのしてしまう技だ。しかし、この技たちにはある特殊な特性が隠されている。

 

 それは、『他のちかいと組み合わせることで威力が跳ね上がる』というものだ。

 

 3つのちかいはそれぞれのちかいと共鳴し、増幅し、より強力な技となって相手に襲い掛かる。ほのおとくさが組み合わされば相手を燃やし尽くす烈火となり、くさとみずが組み合わされば敵の自由を奪う自然となり、みずとほのおが組み合わされば味方に幸運と敵に不幸を送る光となる。

 

 そんな技を3つ同時に放てばどうなるのか。2つのちかいだけでも強力な技へと変わるそのちかいは、さらに共鳴してより増幅される。その威力は、ダイマックスをして体力をあげているスイクンすらをも圧倒できるほどのものとなる。

 

「ジュカッ!!」

「シャモッ!!」

「グラァッ!!」

 

 それぞれから伸びていく、緑、赤、青色の光の柱は、お互いが絡み合い、混ざり合い、一つの大きな白色の光の柱となってスイクンへと伸びていく。

 

「「「いっけぇぇぇぇっ!!!」」」

 

 ボクたちの叫びとともにまっすぐ伸びていくその攻撃は、ふぶきと焔によってあたりに漂っていた煙全てを吹き飛ばし、スイクンへと直撃する。

 

 

「クォッ!?」

 

 

 煙が晴れ、視界がクリアになったと思った瞬間に叩き込まれる強力な一撃に、思わずうなり声をあげるスイクン。そんなスイクンに対して追い打ちをかけるように、次々と不思議な現象が巻き起こる。

 

 スイクンの機動力を支える後ろ足の周りには突如湿原が現れて、そのぬかるみによって素早さをがくーんと落としていく。

 

 スイクンの攻撃技の起点となる前足の周りには火の海が展開され、その火力によってスイクンの体力を確実に削っていく。

 

 そして、そんなスイクンの頭上では、まるでボクたちの動きを応援するかのように、綺麗なアーチを描く虹が輝き始めた。

 

「凄い……話として効果は聞いていたけど、実際に見たのは初めて……」

「こんなことになるのね……わたしもびっくりだわ」

「うん……ボクも……」

 

 そのあまりに現実離れしている光景に、今の状況も忘れて思わず見とれてしまうボクたち。そんなボクたちを現実に引き戻すかのような、大きな音が鳴り響く。

 

 

「ディィィィッ!!」

 

 

 その大きな音につられて後ろを振り向くと、そこにはダイマックスをしたドレディアと、そのドレディアの前で嬉しそうに微笑むシロナさんの姿があった。

 

「さすがね。ここまでよく頑張ってくれたわ。あとは任せなさい」

 

 そう告げたシロナさんは、ボクたちの横を通って一番前に躍り出る。そして後ろで構えるドレディアに対して、最後の指示を出した。

 

「ドレディア!!全力で『ダイソウゲン』!!」

 

 

「ディアアアァァァァッ!!」

 

 

 ちょうのまいを6回行ったドレディアによる必殺の一撃。その技の危険性に気づいたスイクンが、何とか反応して反撃しようと頑張るものの、機動力を奪われたことで避けることが出来ず、攻撃しようにも虹の光と火の海の熱気が邪魔をしてその行動を許さない。

 

 完全な八方塞がり。そんなスイクンに向けて放たれる、大きな緑色のタネ。それがスイクンの足元に着弾すると同時に大きな草木を生やし、同時に大爆発。スイクンに向けて強力な草エネルギーが叩き込まれる。

 

 こうかはばつぐん。

 

 耐えきることのできない致命的な一撃を受けたスイクンは、ダイマックスを維持するエネルギーを体にためることが出来ずに、内側から爆発するかのように赤色の光があふれ出した。その現象はスイクンの体力がなくなった証。

 

「「「シロナさん!!」」」

「ええ、分かっているわ!!」

 

 その証を目にしたと同時にシロナさんに視線を向けるボクたち。その視線を受ける前から、シロナさんは既に準備を終えていた。

 

「とりあえず、本当にやっちゃってもいいのかわからないけど、あなたを落ち着かせるためにもさせてもらうわよ!」

 

 シロナさんの右手に握られているのはモンスターボール。そこにダイマックスバンドから光がそそがれ、巨大な赤色のボールへと変わっていく。

 

「行きなさい、モンスターボール!!」

 

 シロナさんの掛け声とともに放たれる大きなモンスターボール。それを見たスイクンは、自分が捕獲されることを悟り、何とかあらがおうとしてきた。しかし、もうモンスターボールの吸い込みは始まっており……

 

 

「ク……ォ……!!」

 

 

 スイクンの踏ん張りもむなしく、モンスターボールへと吸い込まれていき、大きな音とともに地面を揺らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちかい

それぞれの技と組み合わせることで特殊な場を作り、相手に大きなダメージと追加効果を送る連携技です。短髪で放てば威力は80ですが、同ターンに別の誓いが放たれていた場合は威力150まで跳ね上がります。近作品では、その技が3つ同時に放たれたので、全部が150となって飛んでいるという状態です。チョットご都合入ってますが、そこはご了承くださいませ。

ほのお+くさ

相手の場を火の海にすることにより、毎ターン最大HPの1/8のダメージを与えます。ほのおタイプには効かないみたいですね。

くさ+みず

相手の場を湿原にすることにより、相手の素早さを1/4にします。ネット系と違って、空を飛んでいても効果があるみたいですね。

みず+ほのお

味方の上空に虹をかけて、味方が放つ技の追加効果が出やすくなる状態になります。今回のお話では特に出番はありませんでしたね。

以上が誓いのそれぞれの実機での効果になります。実際に見たことある人は少ないのではないでしょうか?私も実は見たことはなかったり……。




ちかいのようなロマンのある技とてもいいですよね。お話としても映えるのでとても書きやすいです。




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