【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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162話

 長いようで短かった、しかし何か歯車がずれていたら間違いなくこちらがやられていた、そんな一世一代の大勝負にひとまずの決着がつき、シロナさんから投げられたモンスターボールがスイクンを飲み込んで地面に落下する。激しい音を奏でながら落下したそれは、地面に落ちて少し経ってから、飲み込んだものを吐き出さないように必死に耐えながら、その身体を小さく揺らし始める。

 

「さて……どうなるのかしらね……」

 

 1回。シロナさんが見つめながら呟いた、少し緊張を帯びた言葉に答えるように振動する。

 

「捕まってくれると嬉し……いえ、嬉しいのかしら?伝説のポケモンのゲットチャレンジってちょっと恐れ多さもあるのだけど……」

 

 2回。本当に捕まえてしまってもいいのか。そんな心配を胸に引っ掛けながらも、それでも視線を外さないヒカリの前で、1回目の時折よりも小さく振動する。

 

「仮に捕まえられたとして、大事になりそうならリリースっていう答えも取れるから、その時に考えたらいいかも……」

 

 3回。少し緊張しながらも、それでも何とか自分の考えを口にし、それでもボールからは決して視線を逸らさないユウリの目の前で、今までで1番大きく振動する。

 

「それよりも、今ボクたちが1番考慮しないといけないことは、捕まえられなかった時のこと。もし捕まえられなかったら……もう1回……っ!!」

 

 振動を終えいよいよ最後。カチリという音と共に、ボールのロックがかかればゲット成功。かからなければ失敗の最終分岐点。ロックの音を聞き逃さないよう、みんなで食い入るようにボールを見つめる。果たしてその行方は……

 

 

『クオオオオオォォォォォッ!!』

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 ボールが弾ける音と共に鳴り響くのは、何とか自由の身に戻ったスイクンによる高らかな嘶き。その声には押されてしまっていたことに対する怒りが多分に含まれており、その中にほんのわずかな安心感を感じた。おそらく、あと少しで捕まってしまうところから何とか抜け出すことが出来たというのが、この感情の正体だろう。そんな感情を隠すことなく吠えるスイクンに、ボクたちは再び構えを取る。

 

「やっぱり一筋縄ではいかないわね」

「正直これで終わって欲しかったんですけどね……」

 

 冷や汗を流しながらシロナさんと言葉を交わすボクは、さっきの攻防で疲れてしまい、膝をついて息をしているジュカインに駆け付けたい気持ちをぐっとこらえてスイクンを見つめる。まだジュカインが闘う意思を見せているのもそうだし、スイクンがここから何をしてくるのかがわからないのでひと時も気が抜けない状態だ。なんせ、今並んでいる4人の中で一番体力が少ないのは間違いなくジュカインなのだから。

 

(最悪ジュカインを今まで捕まえてきた子たちと入れ替えるっていう手もあるけど……今まで捕まえてきた子たちでばつぐん技を打てるのが弱点を突かれるニドキングしかいないし、今からスイクン相手にジュカインから入れ替えてすぐの急造コンビで戦い抜ける自信がない……)

 

 他の人との連携を考えても、ちかいによって威力を引き上げやすく、またダイソウゲンによってグラスフィールドが張られている今、この恩恵を一番受けることが出来るジュカインから変えたくないというのも大きな要因だ。どちらにせよ、今は本気で集中しないと一番足を引っ張ってしまう可能性が高いのがボクである以上、行動は慎重に行わなければならない。

 

(さて、どう動こうか……)

 

「ピュピュイ~!!」

「ちょ、ほしぐもちゃん!?」

「え?」

 

 これから始まるであろう、明らかにこちらが不利なスイクンとの第2ラウンドのことを考えて前を見ていた時に、ふと横から聞こえてくる声に視線を向けると、その先には本来なら預けられているため、ここに来ることが出来ないはずのほしぐもちゃんが浮いていた。

 

「なんでここにほしぐもちゃんが!?」

「わ、わからない……いつの間についてきていたんだろう……」

「それよりも!!マックスダイ巣穴の外のポケモンがここに来たら、ここのガラル粒子との反応で暴走する可能性があるんじゃないの!?」

「「っ!?」」

 

 ヒカリの言葉でボクたちの頭の中に浮かんだものが、『何でここにいるのか』から『暴走したらやばい』へと変わっていく。ヒカリの言う通り、ほしぐもちゃんはこの洞窟の外から連れてこられたポケモンだ。研究員さんの話では、外から来たポケモンがこの洞窟内のガラル粒子に触れると暴走する可能性が高く、その場合スイクンによってただでさえダメージを受けているボクたちが、更に追い詰められる可能性が出てきてしまう。……いや、ほしぐもちゃんに戦闘能力があるかと聞かれたら微妙ではあるんだけど……とにかく、今ここでほしぐもちゃんが暴走するのはかなり危ない。シロナさんももちろんその思考にたどり着いており、いつでも攻撃が飛んできてもいいようにダイウォールの準備を進めていた。

 

「ピュピュイ〜!!」

 

 

『クオオオオオォォォォォッ!!』

 

 

「……え?」

 

 そんなかなりの緊張感を抱えながら場が動くのを見守っていると、とても信じられないことが目の前で起き始める。それは……

 

「ウルトラホール!?なんで今!?」

 

 デンジュモクとズガドーンを抑える時にも開かれたウルトラホールが何故か目の前に現れるというものだった。驚嘆の声を上げているのはボクだけだけど、ズガドーンたちのことがまだ記憶にしっかりに根付いているボク以外の3人も、この穴が現れることの意味を理解しているために驚きの表情を浮かべ、同時にさらに警戒度を引き上げていく。

 

 ただでさえスイクンとの戦いでかなり消費しているのに、ここにほしぐもちゃんの暴走と、新たなウルトラビーストが参戦なんてしてきたら溜まったものでは無い。それこそ、今まで捕まえてきた5人の仲間たちの力を借りたとしても、とてもじゃないけど乗り切ることなんて不可能だ。そう考えたボクたちは、とにかくいつでも逃げられるように、重心を少し後ろに傾けていつでも走り出せるようにし、しかし背中を急に襲われることだけはされないように視線は相手の方に固定してゆっくりと後退りをしておく。

 

(何が起きても直ぐに逃げられるように……っ!)

 

 しかし、そんな警戒をしているボクたちの予想を裏切るようなことがまたしても起きる。

 

 

『クオオオオオォォォォォッ!!』

 

 

 その予想外の行動を起こしたのはまさかのスイクン。雄叫びを上げながら急に走り出したスイクンを見て、思わずこちらも反撃をしようと構えたところで、スイクンの身体が180度反転。その身を翻して駆け出したスイクンの走る先には、先ほどボクたちの前に顔をのぞかせた、水色に光る大きな穴が広がっていた。

 

「なんでウルトラホールに向かって……?」

「ま、まさか!?」

 

 ユウリの言葉の途中で察してしまったボクは言葉を途中で詰まらせてしまい、そのまま状況に見入ってしまう。そんなボクの視線なんてまったく気にしていないスイクンは、そのまま開いたばかりのウルトラホールへと突撃していき、穴の中へと吸い込まれていく。

 

「ちょ!?スイクンが中に入ったわよ!?」

「むしろ、あの穴が開いたことが分かった途端に必死になったようにも……」

 

 スイクンの行動に対して驚きの声を上げるヒカリと、なにか思うところがあるのか、顎に手を当てながら物思いにふけっていくシロナさん。ボクも今起きたことに対して呆然としてしまっているし、ユウリに関しては未だに暴走する気配のないほしぐもちゃんに対して『どうして?』と言った顔を浮かべていた。

 

 全員が全員各々の行動をしている間にスイクンの姿は完全にウルトラホールの中へと吸い込まれていき、やがてその穴があった場所はダイマックスの赤い霧に包まれていく。

 

「あ、まって!!」

 

 そこまで時間が経ってようやく動けるようになったボクは、手を伸ばしながら慌ててウルトラホールの方へ走っていくけど、ボクが少し足を進めたあたりで再び赤い霧が晴れていき、ボクの視線の前がクリアになる。

 

「……ない……消えちゃった……?」

 

 クリアになった視界の先には、さっきまでぽっかりと開いていたウルトラホールの姿はなく、先ほどまで激闘を繰り広げていたスイクンの姿もない。急に訪れた静かな空間は、さっきまでスイクンがいたことがまるで夢だったかのような、そんな空虚感を運んできた。

 

「ピュピュイ~!」

 

 思考に囚われたり、今起きたことに呆然としてしまったり、いまだに現実感を感じない出来事に取り残されたりと、全員の感情がバラバラになってしまったため、どうまとまればいいのかわからない変な時間が生まれてしまった。バトルが終わったばかりで疲れているジュカインたちでさえも、その変な空気感に飲み込まれてどうすれば良いのか戸惑ってしまっている状態だ。

 

「すぅ~……ふぅ~……」

 

 とりあえず深呼吸を1つ。いろいろなことが立て続けに起きたことで確かに混乱しているけど、改めて今の状況を考えれば、スイクンは居なくなったし、新しい敵が出てくる可能性のあったウルトラホールも一緒に消えている。となれば、今ボクたちを脅かすものは何もない。こうやって一息つく時間はいくらでもある。まずは落ち着くことから始めよう。

 

「ふぅ……よし、順番に片づけていこう。まずは……お疲れ様ジュカイン。本当に、ここまで頑張ってくれてありがとうね」

「ジュカッ!」

 

 自分の心が大分落ち着いたところでまずはジュカインにお礼を言っておく。ここまで大きなダメージを受けながらもなんとか耐え、最後まで戦ってくれた彼には感謝しかない。レンタルポケモン故、残念ながらこの子とはお別れとなってしまうけど、短いながらもここまで付き合ってくれたことに本当に感謝だ。今一度頭を撫でて、ここまで頑張ってくれたことを労った後にボールに戻す。

 

 ここまでのやりとりにゆっくり時間を使ったことで、どうやら周りのみんなも大分落ち着き始めていたらしく、シロナさん、ユウリ、ヒカリ、それぞれがここまで戦ってくれた臨時のパートナーにお礼を言いながらみんなをボールに戻していく。ちなみに、ほしぐもちゃんはもうユウリにつかまっており、けど現状はモンスターボールを預けてしまっているのでとりあえずユウリのカバンの中にしまわれている状態だ。少なくとも、暴走状態になっているようには見えないのでとりあえず大丈夫という事ではあるのだろう。そこは安心かな?

 

「とりえあず、いろいろあったけどみんなお疲れ様。もう先の道が見えないし、とりあえず今回はここがゴール地点という事でいいでしょう」

 

 みんながやることを終えて顔を向き合わせたところでシロナさんから一言。その言葉を聞いてユウリとヒカリも『お疲れ様』とこぼしながらお互いの顔を見合わせていく。その表情には色々な謎や気になるところがあったせいで、晴れやかな表情をしていたとまでは言い切れないけど、それでもひとまずの山を越えたことに対する労いの表情を見せていた。今回スイクンを撃退できた理由の1つにみんなの連携がよかったこともあるので、余計にお互いへの労いが大きいんだと思う。

 

「ん~、疲れた~……楽しかったけど、さすがにここまで連戦したうえに最後の最後でスイクンとバトルってなると、気分としてはちょっとしたコンテストシーズンを走り抜けた後みたいな感覚ね」

「私も、ジムチャレンジとジム戦を同時にした気分だよ……」

「さすがに今回はボクも疲れたかな……」

 

 3人で伸びをしながら今回のダイマックスアドベンチャーに対する感想を述べていく。スイクンのこともあってとても大変だったけど、それ以上に楽しかった今回のアドベンチャーは、ボクたちにとってもとてもいい経験になった。これは確かに癖になりそうなアトラクションだ。

 

(ピオニーさんの娘さんや、いろんな人がこのアトラクション目当てでここに来たがる理由も何となく理解することができ……)

 

「あああっ!?」

 

 そこまで考えて、今回ボクたちがダイマックスアドベンチャーをするに至った経緯と目的を思い出した。いきなり叫んでしまったため、ユウリたちをちょっとびっくりさせてしまったけど、ボクの声を聞いてユウリたちも今回の目的を思い出したらしく、ユウリたちも口々に言葉を零す。

 

「そう言えば結局ピオニーさんに会うことはなかったね……」

「ということはこっちのルートは通ってこなかったってことね」

「あ~あ、そこに関してはちょっと損した気分……」

 

 ユウリとシロナさんの言葉に対してちょっとだけ不満そうな言葉を零すヒカリ。確かに、研究員さんに頼まれてここに来たというのもあるので、そういう意味ではサブミッションは達成できていない。研究員さんもついで感覚で頼んでいたため、むしろ合流できないことを前提に置いたお願いではあったのだろうけど……いざ会えないとなると、ちょっと思うところがあるし、純粋にピオニーさんが心配にもなる。

 

「まぁ、ピオニーさんなら何とかなってそうな気がするし、いいんじゃない?」

「それもそうね」

「ねぇねぇ!!あなたたち!!」

「ん?」

 

 ピオニーさんについて軽く話をしていたところに突如かけられる明るい声。とても今いる環境にはそぐわないその声につられて視線を向けてみると、そこには1人の女性がいた。

 

 薄めの褐色肌に髪の色はプラチナブロンド。毛先に行くと桃色になっているそれをふわふわと揺らしながら歩いてくる彼女はピオニーさんの娘さん。ピオニーさんと同じ緑色の瞳をキラキラさせ、アイシャドウトリップでオシャレにメイクされた顔を輝かせながら喋ってきた彼女の勢いにちょっとだけ押されながらも、視線はしっかりとむけて対応をする。

 

「あなたたちって、あの時オヤジの相手をしてくれた人たちだよね!?ダイマックスアドベンチャーもしに来てくれたんだ!?なんかちょっと感じるものがあるかも!!」

「そ、そっか……それはどうも?」

 

 ピオニーさん程とまではいかないけど、ちょっとテンションの高い喋り方を見ていると少しだけ血縁関係を感じるなぁと思いながら話を続けていく。

 

「そう言えばまだ自己紹介まだだったよね?アタシはシャクヤ!よろしくね!そっちの名前は?さすがにシロナさんは知ってるけど、最近ガラル地方を離れることも多かったから、他の人はガラルでは有名でもはまだ知らないからさ~。お願い!!」

「大丈夫ですよ。ボクはフリアって言います。よろしくお願いします」

「私はユウリです。よろしくお願いします」

「わたしはヒカリ。よろしくね」

「私も一応……知っているみたいだけど、シロナよ。よろしくね、シャクヤちゃん」

「フリアにユウリにヒカリね。そしてシロナさん……改めてよろしく!!あっ、フリアとユウリは敬語禁止!年も近そうだし、そういう堅苦しいのアタシ苦手だからさ。ヒカリだってタメ語なのに2人は敬語とか意味わかんないし、そこんところもシクヨロ!!」

「そういう事なら……わかったよ。よろしくシャクヤ」

「よろしくねシャクヤ」

 

 ピオニーさんの娘さん……シャクヤの名前をようやく知ることが出来たボクたちは、彼女の作りあげる独特な空間に染まっていくかのように自己紹介をしていく。こういう周りを無意識に巻き込んでいくところはまさしくピオニーさん譲りだなぁと思った。本人に言ったら納得しなさそうだけどね。

 

「いやぁ、それにしてもみんな強すぎっしょ!まさかスイクンを退けちゃうなんて!!」

「その様子だと……シャクヤちゃんもスイクンと戦ったのかしら?」

「そ!!けど負けちゃってさ~……その時一緒に戦ってくれた人たちは先に帰っちゃって、アタシもそこについて行こうと思ったんだけど……そしたらあなたたちが来てね。そこからちょっと気になっちゃって、覗いちゃってたってわけ!!」

「なるほど……ってことは最初からいたの!?」

「まね〜!」

 

 ぶいぶいなんて言いながら得意げに喋るシャクヤに少し呆れた表情を浮かべるボクたち。つまりはさっきのバトルもあのやり取りも全部見られていたということだ。全く気づかなかった……というか、ほしぐもちゃんのことは大丈夫なのだろうか?最初から見ていたということはバレてる気も……

 

「あ!さっきの雲みたいな子のことは黙っててあげるから!あなたたちの大切なダチなんでしょ?それにいいもの見せてもらったし、いつかアタシと一緒にアドベンチャー回って欲しいし?ここでいざこざとか起こす気ないし~。だからそこは安心してちょーだいな」

「あ、ありがと……そうして貰えるとすごく助かるよ」

 

 なんて考えていたら先にそのことについて喋られてしまった。隠し事をしないサバサバとした性格でありながら、それでいてきっちり自分の有利になることは頼んでくる強かさも兼ね備えた彼女の性格は、しかし独特な距離感と彼女自身の明るさ及び人懐っこさから嫌悪感などは感じず、むしろ隠すことをせずにまっすぐ思ったことを話してくれる姿に好印象を抱くほどだ。少なくとも悪い人では無いのだろう。ユウリも戸惑いながらも嬉しそうに言葉を返した。

 

「って、フリアたちがここにいるってことはオヤジはどうしたの?けしかけておいて言えたあれじゃないけど、オヤジってば諦め悪いし人の話聞かないから、大人しくどっか行ったようには思えないんだけど……」

「ピオニーさんなら『シャクちゃんを探すんだ~!!』って叫びながらボクたちよりも先にここに突撃しちゃったよ。それが心配で追いかけてきたんだけど……」

「まじ?でもアタシも会ってないからわっかんないな〜……ワンチャン迷って入口に戻ってんじゃね?」

 

 次の話題はピオニーさんについて。こちらに関してはまぁ概ね予想通りだ。会ってたら梃子でも離れなさそうだし、こうやってシャクヤが1人でいる時点で証明になってしまっている。案外シャクヤの言う通り先に入口に帰っている可能性も低くはなさそうだ。

 

「それじゃあ1度捕まえたポケモンや借りたポケモンを渡すためにも1度戻りましょうか。こんなところで雑談続けても……ね?」

「ですね」

 

 シロナさんの言葉に頷きながら、今度こそボクたちは帰路に着く。シャクヤも加え、1人増えた5人で帰るその道は、人数が1人増える以上に騒がしくなっていた。

 

「ねね、フリア。そういえばオヤジとのバトルはどうなったの?」

「ピオニーさんとのバトル?」

 

 人1倍明るく、おしゃべりなシャクヤからの質問攻めに最初こそびっくりしたけど、これくらいの元気の良さはよくよく考えたらジュンやヒカリに近しい。そう考えるとちょっと気楽で、ボクからの返答もいつも通りの空気を帯び始めた。

 

「とても強かったよ。まさか元ジムリーダーだったなんて……エルレイドが頑張ってくれたから何とか勝てたけど、本当にギリギリだった……」

「え!?ってことは勝ったの!?すっご!?バカンス中だし離れてかなり経つから全盛期の実力じゃないと言っても、アタシのオヤジかなり強い人なのに……フリアってもしかして凄い人だったりすんの?」

「それはもう!今期ジムチャレンジャーを無敗で乗り越えてる凄い人だもん。フリアはそれだけ強いんだから!」

「な~んでユウリが自慢げに言うのかな~?」

「ふ~ん……今のヒカリの言い方と表情。それにユウリの喋りからしてもしかして……ねぇ、ユウリってばまさか……」

「な、なにかな……?」

「……ユウリ、あなただんだん隠すの下手になってない?」

 

 話の話題はボクとピオニーさんのバトルからなぜかユウリを中心としたものに移り変わっていく。それからはボクをそっちのけで盛り上がる女性3人。姦しいとはよく言ったもので、どんどん盛り上がっていく彼女たちの会話に、『これは混ざらない方がよさそう』という感想を抱いたボクは、そこから少し離れてシロナさんと並んで歩く。

 

「相変わらず元気でいいわね」

「巻き込まれてる身としては、大変なんですけどね」

 

 微笑みながら語りかけてきたシロナさんに対して苦笑いで返すボク。

 

 そこからは賑やかな3人の会話をBGMに、概ね楽しく帰路につくことが出来た。ダイマックスアドベンチャーはひとまず成功したと言って差し支えないだろう。けど、同時に気になる謎も増えた。

 

「なぜあそこにスイクンがいたのか……」

「なんでウルトラホールが開いたのか……」

「ほしぐもちゃんは一体……」

「シロナさん……」

「そうね……少し、注意してみましょうか」

「……はい」

 

 ボクとシロナさんから交互にあげられた、スイクン。ウルトラホール。ほしぐもちゃんの3つの謎が、少しだけボクの心をざわめかせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




スイクン

残念ながら今回はゲットならず……しかしそれ以上に気になることに。ウルトラホーへと走っていきましたね。彼はなぜ必死に穴に飛び込んだのでしょう?

ほしぐもちゃん

いつの間にかついてきていた問題児。なぜここに?

ウルトラホール

何故か急に空いた穴。今回はスイクンを飲み込んで消えましたね。

シャクヤ

強かな子ですが、なんだかんだでいい子。多分、父親のことも嫌ってはいなさそうですよね。なんだかんだでいい親子だと思ってます。




もうちょっとでサトシさんの最終章が……楽しみですけど、同時に寂しさもありますね。




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