「メガシンカ……」
「あれが……噂に聞く……」
「初めて……観ると……」
ユウリ、ホップ、マリィ。3人の呟きの目の前で起きる神秘の瞬間。
まずはガブリアス。
全身の筋肉が膨張し、両腕の刃は大きく鋭く成長。さらに、手足にあった棘は胴体にまで拡がっており、ただでさえ攻撃的な見た目だったのがより凶悪になっていた。他に変わったところは、腕の羽が溶けて無くなっていること。ただ、これによって飛行能力が落ちるかと言われたらそういうことでは無いらしく、今も吠えながら元気に空を飛び回っている当たり、移動に弊害が起きることは無いらしい。そしてガブリアスの見た目で1番変わったところが両爪。鋭い爪があった場所は大きな刃に変わったと言ったけど、その大きさがとてつもなく、もはや鎌となったその両腕は、ひとたび地面に振るわれれば、大地はズタズタに引き裂かれてしまうだろう。それほどの破壊力を秘めた姿に変わっていた。
続いてメタグロス。
4つ足だったメタグロスの足が倍の8本に増え、それぞれが前方に4つ、後方に4つ伸びている状態となっており、実質8匹のダンバルが合体した状態となっている。それぞれの足の先の爪も長く鋭く発達していることから、その爪を前に構え、そのまま突撃するように放たれる拳は凄まじい破壊力を誇ることになるだろう。メタグロスの時点で4つあった脳の数も足の数同様8つに増えているらしく、それに伴って情報の収集と処理のスピードが格段に早くなっている。その結果、元のメタグロスの状態の比にならないくらい賢さも増しており、戦闘中はさらに冷徹に、冷静に、そして冷淡に判断を下す、まさにバトルマシーンと呼ぶにふさわしい姿に変化を遂げていた。
「これが……メガガブリアスとメガメタグロス……」
「メガシンカ……こんなにも迫力あるなんて……ちょっと、身体が震えたと……」
「凄い……凄いぞ!!かっこいいぞ!!」
進化を超えて進化をするメガシンカ。ガラル地方ではまず見られない現象にどんどんテンションを上げていくユウリたち。ボクも初めて見た時は物凄く興奮したのをはっきりと覚えているし、メガシンカのことを知っている今でも心から湧きあがってくるものがある。それはジュンたちも同じようで、ふと横にし線を向ければ、嬉しそうに頬を綻ばせるジュンとヒカリの姿があった。
「やっぱりかっこいいよな、メガシンカ!」
「わたしも、1度でいいからしてみたいわ」
「うん……そうだね……」
メガシンカに存在は知っているものの、シンオウ地方でもメジャーという訳では無いこの能力は、ボクたちもすることが出来ない。そのため今目の前で起きていることはとても貴重だ。だからこそ……
(余計目を離せない……!!)
ただでさえ気になる戦いがさらに興味深いものへと昇華する。こうなったらとことん見て吸収していこう。そう思い、さらに目を前に向けると同時に、戦場が動き出す。
「ゴゴゴ……ゴッ!!」
まず動いたのはレジドラゴ。言葉と共に再び現れる大量の岩石は、1度空中に浮かび上がり、今度は雨あられのように降り注ぐ。
「ガブリアス、『つるぎのまい』」
「え……?」
この岩に対して動いたのはガブリアス。迫ってくる岩石に対して行うのはまさかのつるぎのまい。攻撃技ですらないその指示に、マリィが思わず言葉をこぼすものの、その疑問は一瞬で解消される。
なぜなら、つるぎのまいを行った時に現れるガブリアスを囲む剣たちが、まるで彼を守るように周りを飛びまわり、岩を全て切り刻んだから。
「なっ!?あんな使い方知らないぞ!?」
「ちょっとした応用ですね。攻撃に転用することはできませんが、あのように弾くことはできますよ」
ホップのように驚いるところに、コクランさんから説明が入るけど……理解はできても納得はできなかった。自身の能力をあげる技は、その間無防備になるから使いどころが難しいのに、こんなことが出来るのであれば、いくらでも技を積み放題だ。
「『げきりん』!!」
「ガブアアアァァァッ!!」
そしてつるぎのまいを終えたガブリアスは、強化された攻撃力にものを言わせて突撃を行う。メガシンカによって膨張した筋肉のせいで、機動力に支障が出るのでは?という懸念はあったものの、そんなことは杞憂だったと思わせるような速度でレジドラゴに突撃する。
圧倒的暴力を纏ったガブリアスは、両腕を振り回しながら突撃。この技を食らってしまえばこうかばつぐんになるレジドラゴは溜まったものでは無い。それを理解しているレジエレキが、すかさずフォローのためにしんそくで間に割り込む。が……
「ガブアアアァァァッ!!」
「キキッ!?」
割り込まれたのなら割り込まれたで標的を変えるだけのガブリアスは、鎌を大きく振りかぶってレジエレキに叩きつける。殴られたレジエレキは、さっき吹き飛ばされた時よりもさらに速い速度で吹き飛んだ。
「入った!!」
「つるぎのまいで攻撃が上がっている『げきりん』ならさすがに……!!」
強力な一撃を目にしたユウリとホップが嬉しそうに声をあげ、レジエレキのダウンを確信する。
「2人とも……いえ、みなさん、入口まで下がりましょう」
しかし、そんな2人を窘めながら、コクランさんがボクたちを連れて下がることを提案する。何を言っているのかはわからなかったけど、言うことを聞いておいた方がいいと判断したみんなは、疑問的な顔を浮かべながらも遺跡の入り口の細い通路まで下がり、改めてシロナさんたちの方へと視線を向ける。
「なっ!?」
「なにあれ!?」
そこで驚きの声を上げるジュンとヒカリ。他のみんなも声をあげないだけで、同じような表情を浮かべながら戦場を見た。
「キキキキ!!」
そこにいたのは、遺跡内を縦横無尽に飛び回るレジエレキの姿。強力な一撃を貰ったはずなのに、そんなことを気にさせないように飛び回るその姿は、速すぎて黄色の残像しか目に入らないほどだった。
「なんで『げきりん』を受けてあんなに速く……いや違う、『げきりん』を受けたからこそ速くなってるのか!?」
「そのようですね……」
ボクの考えに肯定をしてくれるコクランさん。この言葉でボクは確信を得た。
行ってしまえば簡単で、げきりんで吹き飛ばされた勢いを利用して、その流れに逆らわず自分からジャンプ。当然そのまま飛べば壁にぶつかってしまうけど、そこを自身の丸い身体と触手を巧みに扱うことによって、まるでボールが壁にバウンドするような挙動を描いて走り回っていた。げきりんによる吹き飛びと、元々速い自身の速度を乗せたその移動法。黄色い閃光とでもいえばいいのか、速すぎて黄色い線がやたらめったらに走り回っているようにしか見えず、そのたびにバチバチと走る電撃が、こちらの足を更に縫い付けて来る。
「速すぎと……」
「どうやって追いつくのかな……」
その速さにマリィとユウリも不安そうな声をあげてしまう。
「ゴゴ……」
そして、速いレジエレキに見とれてしまうだけではいけないのがこの戦場。飛び回るレジエレキを見て、レジドラゴも小さく吠える。すると、げんしのちからによって空中に無数の岩の塊が浮かび上がる。一見この空中に浮かぶ岩たちは、飛び回るレジエレキの邪魔をしているようにしか見えない。しかし、現実はそんなことはなく、その岩でさらにバウンドすることによって、レジエレキの軌道が更に不規則なものへと変わっていった。
「キキッ!!」
更にその状態からレジエレキがエレキボールを連続射出。レジエレキと同じように、電気の弾が岩や壁を跳ね回り、一種のアトラクションのような状態になっていた。この状態になってしまうと、じめんタイプを含むガブリアスはまだしも、メタグロスはこの中を動くことが難しくなってくる。しかもこの状況で、弾かれる足場とならない岩が的確にこちらを狙ってきていた。
弾幕の集中砲火。それに対して、ガブリアスとメタグロスはどう動くのか。
「ガブリアス」
「ガブアアァァッ!」
まずはガブリアス。いまだに切れていないげきりんを振りまわすことによって、飛んでくる岩も電気もすべてを力ずくで叩き伏せていく。どれだけ弾を飛ばされようともそんなものをものともしない暴力の嵐は、あらゆる攻撃をひねりつぶす。
「メタグロス……『サイコキネシス』と『コメットパンチ』……」
「メッタ……!」
一方のメタグロスは、サイコキネシスとコメットパンチを丁寧に使い分けて、飛んでくるエレキボールを止め、げんしのちからを砕き、止めたエレキボールをサイコキネシスでそらすことで、別の攻撃にぶつけて相殺したりと、あばれまわるガブリアスとは逆に、その場から一歩も動くことなくすべての攻撃をさばききっている。自身よりも数百倍速い攻撃は、彼の抱える8つの脳から計算された答えによってすべてあばかれてしまっていた。
「あんなに激しい攻撃なのに……どっちも当たる気配がない……」
ユウリの呟きを聞きながら、まさしくその通りの戦場を見つめる。しかし、この均衡はボクが思うに長くは続かない。事実、その予想はしっかり当たり、シロナさんたちの不利展開という形で現れる。
「ガ……ブァ……?」
げきりんの反動によってとうとう混乱状態になったガブリアス。こうなってしまうと、攻撃を防ぐ術が半分失われてしまう。
「ゴゴゴ!!」
その隙を狙って動くのはレジドラゴ。先ほど見せた赤黒い波動をため始めたレジドラゴが、いまだにふらふらしているガブリアスに向かって解き放つ。
「メタグロス……!!」
そんなガブリアスをカバーするためにメタグロスが動き、サイコキネシスをドーム状に展開。ドームの壁に触れたレジドラゴの攻撃が、その壁に沿って少しずつそれ始めた。しかしこれで安心はできない。
「キキキ!!」
展開されたドームを上から押しつぶすかのように、レジエレキが電撃の檻をドームの上からかぶせて来る。これにより、逸れ掛けていたレジドラゴの攻撃も無理やり押し戻され、更に周りの岩もドームに集中していくことによって圧が増していく。
電撃、龍の砲撃、岩の連撃。そのすべてにさらされると、さすがのメタグロスも受け止めきることが出来ない。実際、メタグロスとガブリアスを覆うサイコエネルギはーその大きさを徐々に小さくし、罅を走らせ、ついに砕けていき……
「ガブリアス!」
「メタグロス……」
「「『じしん』!!」」
弾けると同時に2人が同時に、地面に拳を叩きつける。
メガシンカによって圧倒的な破壊力を手に入れた両者による破壊の一撃は、自身で張ったサイコキネシスの壁と一緒に全ての攻撃を弾き飛ばす。そのあまりにも激しい余波に、思わずボクたちも膝をついてしまう程。遺跡が壊れないかがちょっと心配だ。
「最初繰り出したときより激しいぞ……っ!」
「それより、なんでガブリアスは動けてると……?」
ホップが技の威力に驚いているところに投げかけるマリィの疑問。けど、その疑問の答えはすぐに目に入ることとなる。
「ガブリアス、おでこ、ちょっとしたけがを負ってる……。混乱した時、自分で地面に打ちつけたんだ」
ユウリの言葉につられてそちらに視線を向けると、確かに傷跡が残っていた。ユウリの言葉を裏付ける何よりの証拠だ。地面に自分で頭を打ちつけることによって、痛みで無理やり混乱を治す荒業。当然自身にダメージは少し入るものの、混乱で動けないことと天秤にかければ、その程度は受けたって問題ないというところだろう。
じしんによってすべての攻撃が吹き飛ばされた戦場。本来なら空中に攻撃をする術がないはずなのに、地面に残っていたげんしのちからによってできた岩石たちがものすごい勢いで打ち上げられることによって、空中に浮かぶげんしのちからと、飛び回っているエレキボールと巨人たちを次々と襲っていく。
「『どくづき』!」
「『しねんのずつき』……」
攻撃していたはずなのにいつの間にか押されてた巨人たち。大きなダメージこそ追っていないものの、まさかの反撃に反応が一瞬遅れてしまう。そこを逃すシロナさんたちではない。すかさず指示を飛ばし、ガブリアスとメタグロスをそれぞれの巨人へと向かわせる。
ガブリアスはレジエレキへ。メタグロスはレジドラゴへ。それぞれがそれぞれへ強力な一撃を叩き込むために猛進する。その両者の動きはすさまじく、反応が遅れている2人には反応できない。
「キキキィッ!!」
そう思っていたのに、それでもなお動くことが出来たのは、速度だけでなく反応速度も速い電気の巨人。機械じみた方向をあげながら動き出したレジエレキは、ガブリアスの攻撃をギリギリ受けてしまいながらも、自分から後ろに飛んで何とか軽傷に押さえながら、後ろの壁でバウンドしてメタグロスへ突撃。しねんのずつきを構えていたため、レジエレキの突撃を避けることが出来なかったメタグロスはこれを、しねんのずつきの標的をレジエレキに向けることで対策。レジエレキのしんそくと、メタグロスのしねんのずつきがぶつかり合い、激しい音を響かせた。
「ゴゴゴゴ!!」
メタグロスがレジエレキと相対したことによって手が空いたレジドラゴ。当然この状況を黙ってみたままではいない。自分を守るために戦ってくれているレジエレキに応えるように吠える彼は、咆哮とともに、自身を目とした黒いたつまきを発生。レジドラゴの周りに落ちていた岩石を巻き込みながら、その規模をどんどん大きくしていく。そして、成長したたつまきは岩を巻き込みながら少しずつメタグロスとレジエレキへと近づいていく。
「メタグロス……急いで飛ばしてはなれなさい……」
このままではまずいと判断したカトレアさんがメタグロスに撤退命令を出す。それに従うメタグロスは、レジエレキをたつまきの方に飛ばし、同士討ちを狙いながらカトレアさんのそばまで下がる。対するレジエレキは、メタグロスによってたつまきの中に押し込まれ、荒れ狂う岩石にもみくちゃにされる
「キ……キキッ!」
と、思われたが、たつまきに巻き込まれながらレジエレキが声を上げた瞬間、たつまきの中に電撃が発生。更に、たつまきに巻き込まれながらもレジエレキがエレキボールを発射しまくることによって、電撃と岩石が四方八方に飛び散るという、さっきよりもひどい状況になってしまっている。こうして観察している今も、ガブリアスとメタグロスは攻撃を避けることに専念している状態となっている。
「ほんと、次から次へとよく変な戦い方を思いつくわね。それも全部厄介な方で」
「全くよ……まるでどこかの誰かを見てるみたいだわ……」
(なんだろう、それとなく呆れられている気がする……)
シロナさんとカトレアさんの視線を感じたけど、気のせいと判断して放っておく。それよりも今はあのトンデモコンビネーションの解決方法だ。さっきから無差別に攻撃をまき散らしているせいで、いつ不慮の事故が起きてもおかしくない状況。ガブリアスたちの体力は傍から見ても大きく削れているようには見えないけど、このままではいつ不意な大ダメージを受けるとも限らない。特に、メタグロスの方が消耗は大きそうだから余計にだ。幸いたつまきに巻き込まれている以上、さっきの攻撃もあってレジエレキはかなりの体力が削れているはずだ。レジドラゴはともかく、このたつまきを止めることが出来れば、レジエレキは戦闘不能になるだろうとボクは予想している。この予想は大方外れてはおらず、シロナさんとカトレアさんも大体同じ結論に到達しているようだ。
「次から次へと戦法は変わっているけど、あちらはかなり苦しくなっていると見るわ」
「でしょうね……特に……レジエレキは少なくない傷を負ってるわ……とは言っても……あたくしのメタグロスの消耗も少なくは無い……だからここで決めるわよ……」
小さく、決意を込めるようにつぶやくカトレアさんと、その問いに対してゆっくり頷くシロナさん。伝説対メガシンカのバトルも、いよいよ佳境を迎える。
「キキッ!!」
「ゴゴッ!!」
その気配を感じているのはこちらだけでなく、巨人たちも一緒。声を上げ、気合を入れた巨人たちは、たつまきと電撃の威力を更にあげていく。もはや部屋の半分近くを埋め尽くす大きな黒いたつまきは、電撃と岩石を纏って少しずつガブリアスとメタグロスを圧迫していた。
「ガブリアス、『つるぎのまい』!!」
「ガブァ!」
そんな、もはや災害と呼ぶにふさわしい状況を前にしても、シロナさんたちの表情は変わらない。冷静に自分を磨き、来たるべき一撃に備えるため、ガブリアスが舞い始める。
「メタグロス……『コメットパンチ』と『サイコキネシス』……」
その間にも飛んでくる災害級の攻撃の嵐は、しかし前に立ちふさがるメタグロスが全てをシャットアウト。岩石は殴って壊し、電撃はサイコキネシスで逸らしていく。飛んでくる量が圧倒的に多いのに、そのすべてに対して全く間違えることの無い回答を用意していなしていく。
「ゴゴッ!!」
永遠と動かない戦況に苛立ちを見せ、先に変化を投じたのはやはり巨人たち。たつまきの中心にてじっと構えているであろうレジドラゴから声が聞こえたと思った瞬間、たつまきの中から3度、赤黒いレーザーが飛び出してきた。岩石や電撃に対処をせざるを得ないメタグロスを狙って放たれたその一撃は、とてもじゃないけど他の攻撃を受けながらさばけるほどやわな一撃ではない。
「ガブリアス!『げきりん』!!」
「ガブアアァァァァッ!!」
しかし、その攻撃を簡単に切り裂くポケモンが1人。シロナさんからの指示を聞き、再びその身体を激怒にゆだね、あばれまわるガブリアス。飛んでくる赤黒いレーザーを、右腕の鎌を縦に振ることで一刀両断。つるぎのまいを限界まで行った彼の一撃は、そのまま地面に突き刺さり、地面を大きく揺るがした。
「行きなさい!!」
「メタグロスは援護なさい……!!」
その一撃で止まらないガブリアスは、シロナさんの指示を聞く前から猛進。飛んでくる電撃も岩石も、その全ての処理をメタグロスに完全にゆだねてひたすら前に走り出す。流石にやばいと感じ取った巨人たちも慌てて攻撃のペースを引き上げるものの、ガブリアスの足は止まらず、たつまきまで一直線。たつまきの足元まで辿り着いたガブリアスが、両手の鎌を合わせて、力任せに振り下ろす。
「ガブアアアアアッ!!!」
二刀の鎌による渾身の一撃は、あれだけ大きかったはずのたつまきを一撃で縦に切り裂いた。
「キキッ!?」
「ゴゴッ!?」
「凄い……」
思わず言葉を零してしまう程には壮絶な光景。まさか自分たちの攻撃が真っ二つに割れるだなんて夢にも思わなかったであろうレジドラゴとレジエレキは、それでもここでやられるわけにはいかないと、たつまきを割るために攻撃したガブリアスの後隙を狙い、レジエレキはげんしのちから、レジドラゴは例の赤黒い波動を構えだす。
「『サイコキネシス』……ガブリアスへ……!」
そこに手を差し伸べるのはメタグロス。サイコキネシスを相手の技にではなく、まさかの
「カトレア!!」
「わかってるわ……決めなさい……!!」
シロナさんの言葉に食い気味で返すカトレアさんはすぐさまメタグロスに指示。サイコキネシスの飛ぶ先をレジエレキに設定。メタグロスによって射出されたガブリアスが、一瞬でレジエレキに接近し……
「ガブアアアア!!」
「キキ……ッ!!」
渾身の一撃にて地面にたたきつけ、レジエレキへたしかなダメージを刻み込む。
「ゴゴッ!!」
「させるわけ……ないでしょ……?」
叩きつけられたレジエレキの仇を取ろうと、龍の口をガブリアスに向けるレジドラゴ。しかし、そんな彼の後ろに、冷徹な戦闘マシーンが回り込む。
「『コメットパンチ』……」
静かに放たれる指示に従って、鋼鉄の拳がレジドラゴに振り下ろされ、レジエレキと同じように地面にたたきつけられた。
「キキ……」
「ゴゴ……」
それでもまだ反撃の意志を見せる巨人たち。流石伝説のポケモンの意地と言ったところだけど、四天王とチャンピオンは最後まで手を抜かない。げきりんによって再び混乱したガブリアスを、サイコキネシスで無理やり直すメタグロス。両者は地面に落ちた巨人を見下ろした。
「ガブリアス」
「メタグロス……」
「「『じしん』」」
地面に叩き落され、動けない両者に降り注ぐ最後の一撃。鋼の拳と大きな鎌が地面に突き刺さり、破壊の暴力がレジエレキとレジドラゴを襲っていった。
「これが……メガシンカ……」
伝説相手に一切引けを取らない圧倒的な強さを前に、ボクは言葉を零すことしかできなかった……。
げきりん
一定ターン暴れまわった後、混乱してしまう技ですが、アニメでもオノノクスが地面に頭を叩きつけて混乱を治していましたね。わかりやすい対策ですが、確かにと納得できるものでした。
レジドラゴ、レジエレキ
たつまきを絡めたコンビネーションをしていただきました。アニメだと、カメックスが逆に利用していましたね。まるでどこかの誰かみたい……誰のことでしょうか?
実際問題、ポッ拳でもガブリアスの破壊力はすさまじいので、アニメ空間だとメガガブリアスはとんでもなく強くなってそうですよね。こういうのは書いててとても映えるので楽しいです。残念ながら、アニメだと活躍の場は多くはありませんでしたが……。