【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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169話

「キキ……キ……」

「ゴ……ゴ……」

 

「ガブアアァァッ!!」

「メッタ……」

 

 遺跡内に木霊する4人の声。2人は度重なるダメージから今にも絶え絶えな声を発しており、もう2人はようやく勝ちきることが出来たことを心の底から喜ぶように、方や大きく叫び、方や噛み締めるように呟いた。そんな感傷にひたっている2人は、バトルが終わったことを悟ったためメガシンカを解除し、元の姿へと戻っていく。通常の進化とは違い、一時的にしか行えないというのもこのメガシンカという現象の不思議なところだ。どことなく、ボクとヨノワールのあの現象に似てなくもないよね。

 

「こんな所かしらね……シロナ……」

「ええ、わかってるわ」

 

 同じく、バトルの終わりを感じとったシロナさんとカトレアさんも、戦闘態勢事態は解いているものの、まだやることは残っているため、警戒だけはしておきながら巨人たちを見つめる。

 

「キ……」

「ゴ……」

 

 一方、シロナさんの視線の先にいる巨人たちは、最後に受けた攻撃が致命傷となったみたいで、顔の点字を不規則に点滅させながら、頑張って起きようとするものの、ピクリとも動けない様子だった。メガガブリアスとメガメタグロス……それも、ガブリアスに関してはつるぎのまいを限界まで積んでいるのだ。この結果は仕方ないと言うべきだろう。この様子を見て、今度こそ巨人たちを捕まえるべく、シロナさんは2つの空のモンスターボールを投げつける。

 

「行きなさい!」

 

 少し気合いの入った声とともに投げられたそれは、綺麗な放物線を描きながら巨人たちにコツンとあたり、先ほどと同じように巨人たちを赤い光で包み、モンスターボールへと吸収していく。完全に赤い光を閉じ込めたモンスターボールは、そのまま地面に落下。

 

 みんながじっとその様子を見守る中、先程と同じく3回小さく揺れた後に、今度こそ、『カチッ』というロックのかかる音が響き、レジエレキとレジドラゴ、両者の捕獲が完了したことが告げられた。

 

「ふぅ……これにて目標達成ね!お疲れ様、カトレア!」

「ええ……お疲れ様……けどあなたの本番はここからでしょ……?気を抜くのは早いのではなくて……?」

「その通りだけどいいじゃない、少しくらい感傷にひたっても。あなただって少し満足そうな顔を浮かべているし、満更でもなかったのでしょう?」

「……うるさいわよ……」

「お疲れ様でございます、シロナ様、カトレア様。お飲み物を」

 

 巨人たちを捕獲したことでいよいよ完全に緊張を解いたシロナさんたちは、いつも通りの温和な空気を放ちながら、さっきまでの戦いで少し固まった心を解すように、のんびりとした会話を繰り広げていく。コクランさんも頑張った2人を労うために、魔法瓶を取り出しながら2人の元へ近づいていた。

 

「お疲れ様ですシロナさん!カトレアさん!」

「バトル凄かったぞ!」

「ああ!すっげぇ感動した!!」

 

 そんなコクランさんに続くように、ボクとホップ、ジュンの3人で声をかけながら小走りで2人の元に駆けつける。後ろから足音が聞こえて来るあたり、ユウリたちも同じように小走りで追いかけてきているみたいだ。

 

「ありがとうコクラン。それにみんなも……むしろ。急に私たちだけで戦うなんて言い出してごめんなさいね?」

「いえ!メガガブリアスとメガメタグロスのコンビネーション凄かったです!」

「破壊力もさることながら、判断力に瞬発力……勉強になったと……」

「2人ともお疲れ様だぞ!!もちろん、エンペルトとムクホークもな!ありがとうだぞ!!」

 

 シロナさんの言葉に、やや興奮気味に返すのはユウリ、マリィ、ホップの3人。みんながみんな、先のやり取りに感動を覚えたみたいで、とても嬉しそうな声を上げながら声をかけていた。特にホップは、この戦いを陰から支えてみんなを守ってくれたエンペルトとムクホークにもお礼を述べていた。いつもは大雑把というか、前ばかり見ているというか、盲目になりがちな彼だけど、こういう時はしっかりと目を向けているのはいい所だ。

 

「ガブァッ!!」

「メタッ!」

「ペルッ!」

「ホークッ!」

 

 ポケモンたちもみんな、それぞれがちゃんと褒めて貰えたことに嬉しがっているみたいで、さっきまで暴れていたのが嘘のような可愛らしい一面を見せてくれた。

 

「本当によく頑張ったわ。ゆっくり休んでちょうだい、ガブリアス」

「メタグロス……お疲れ様……戻って……」

「エンペルト、ムクホーク、よく耐えてくれました。戻ってください」

 

 一通り労ったところでそれぞれの手持ちをボールに戻していくシロナさんたち。ボクたちも口々に『ありがとう』や『お疲れ様』と言葉を送り、その言葉を聴きながら戻っていくガブリアスたちは、どこか満足そうな顔を浮かべていた。

 

 さっきまで4人のポケモンが暴れ、2人のポケモンが守ってくれていた騒がしい空間が一瞬にして静かになり、後に残ったのはポケモンバトルによって色々と損傷が見られる遺跡だけが残ることとなる。

 

「この辺りの修復もいずれしなくてはいけないわね。ここは歴史的にも貴重な建物。保全はしっかりしなくちゃ」

「さっきまで暴れていた人の発言……?」

「それはあなたもでしょうに」

「あたくしは考古学者では無いもの……」

「でも、バトルは楽しかったでしょ?」

「……ノーコメントよ……」

 

 ちょっとだけ拗ねたような顔をしながらそっぽをむくカトレアさんとシロナさん。このやり取り、この遺跡に来てから頻繁に見かける気がするけど、やっぱりこの空気がいつものシロナさんとカトレアさんのやり取りなんだと思う。2人からは安心感を感じるし、2人を見つめるコクランさんの表情もすごく穏やかだ。本当に素の会話をしているんだろう。その空気感は、どことなくボクたちの会話のそれとよく似ていた。

 

「っと、あまりここで長話は禁物ね。ここですることは終わったし、1度民宿に帰りましょうか。……カトレアも早く帰りたそうだしね?」

 

 シロナさんから未だに顔を背けているカトレアさんを微笑ましそうな顔を浮かべながら見つめ、みんなに帰ることを指示するシロナさん。この遺跡がある三つまたヶ原は、寒冷地帯では無いため思ったよりは暖かいけど、それでも全体的に見れば寒い方の地域だ。長居をすればその分じんわりと体温を奪われることになるだろう。現に、少しだけユウリが震え始めていた。

 

「さぁ、帰りましょうか!」

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

 激しさで溢れていた遺跡から一転、寂しさを漂わせ始めた遺跡を後にするボクたち。シロナさんのことだから、全ての研究が終われば巨人たちを再びここに返しに来るのだろうけど、それまでの間ここは無人の場所だ。

 

「またね」

 

 ボク自身がもう1度来るかどうかは分からないけど、何となくそんな言葉を残さないと行けないような気がして。最後尾で遺跡の広間を出たボクは、少し駆け足気味に外に出る。

 

「ふぅ……いい天気ね」

 

 遺跡を後にして外に出て見れば、空を見上げながらそうこぼすシロナさんの姿。その言葉に釣られながら空を見上げてみれば、広がるのは言葉通りの快晴。清々しいほどに晴れやかな空だった。

 

「早く戻るわよ……」

 

 そんな感傷なんて露知らず。早く帰ろうと言葉をこぼすカトレアさんに、みんなは苦笑いを浮かべながらも足を運んでいく。

 

 フリーズ村へ帰っていくボクたち。そんなボクたちの上空には、空に溶け込むような、薄紫色をした何かが飛んでいるような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお!!こいつはすげぇな!!これが『発見!開かずの扉と伝説の巨人伝説!!』の正体なんだな!!」

「ええ、間違いないわ」

「へ~……しっかし、巨人が実は5人もいるなんざ、ド・たまげたぜ!!」

 

 定めの遺跡からフリーズ村に向けて移動すること数時間。再び帰ってきたこの極寒の地にて、身体を震わせながらも無事に戻ることができたボクたちは、今回の巨人伝説についての報告をするためにピオニーさんの民宿へお邪魔させてもらい、言葉を交わしていた。今回はずっと民宿にいたため、レジエレキとレジドラゴに関してピオニーさんはほとんど関わることはなかったけど、ピオニーさんから貰った情報のおかげで、定めの遺跡への道のりはすごくスムーズだった。ついてこなかった理由はちょっと一言物申したくなるかもしれないけど、少なからず助かったところもあるので、今回の件についてはピオニーさんにも知る権利は十分にある。そう判断したシロナさんが、『せっかくだからほかの巨人についても見せてあげましょう』という案を出したため、こうして民宿にて報告会兼発表会が行われているというわけだ。

 

 そんな発表会も順調に終え、たった今5人目であるレジドラゴをピオニーさんに見せて、ボールに戻したところだった。本当なら5人並べて順番に眺めるという、ちょっとした贅沢をしてみることも考えたんだけど……家の中でそんなことをしてしまえば床が抜けてしまう可能性があるし、かといって外で出すとなると住民の視線が多いのであまり褒められたことではないというのと、せっかく寒い所から帰ってきたのに、また外に出るのがボクたち的にはちょっと億劫ということで、民宿の中で1人ずつの紹介となった。

 

「しっかしあれだな!!ド・ハデな間接照明みたいだったり、ボウリングのボールみてぇだったり、今のくさジムリーダーみてぇに肩幅ごつかったり。果ては食べるとパチパチするお菓子みてぇだったり、強力な洗濯ばさみみてぇなやつだったりと、伝説のポケモンってやつらはどいつもこいつもド・おもしれぇ見た目してるな!!ダーハッハッハ!!」

「この子たちを見てそんな感想を述べる人なんて、おそらくあなたくらいしかいないのでしょうね……」

 

 ピオニーさんによる独特な講評に思わず苦笑いを浮かべるシロナさん。恐らく、シロナさん的には必死こいて捕まえた貴重な子たちの評価がこんな扱いにとどまってしまっていることに、ちょっとした思うところがあるのかもしれない。

 

「ほんとに……この子たちの歴史的重要度がわからないなんて……もったいない……」

「あ、あはは……ま、まあ、みんながみんな歴史に詳しいわけではないので……」

 

 ボクの予想は当たっていたみたいで、口の中で小さく零すシロナさん。だけど、ピオニーさんの性格的に、貴重なモノをしっかり丁寧に扱うと言った行動はとらなさそうだ。けどそれは決してマイナスという意味ではなく、伝説のポケモンに対してもフレンドリーに接することが出来る、ある意味懐が深いというか、馴染みやすい性格をしていた。巨人たちに感情があるかはわからないけど、もし仲間になるのなら、ピオニーさんのような人の方が一緒に冒険しやすいのかもしれない。

 

「とりあえず、報告はこんなものよ」

「おう、サンキューな!!レジエレキとレジドラゴ……それぞれ電と龍の巨人としてしっかりと探検達成としておくぜ!!」

 

 兎にも角にも、これでピオニーさんが持ってきた伝説は達成。どこからか取り出したのか、ピオニーさんは巨人に関するレポートにハンコをポンと押しだした。これで達成のしるしとしているみたいだ。

 

「じゃあ私は少し部屋にこもるわね」

 

 レジエレキをボールに戻し、巨人たちの入ったボールを抱えたシロナさんは扉を開けて、一足先にボクたちが借りている方の民宿に戻っていこうとする。

 

「なんだ?もう行っちまうのか?確かに日は暮れてきてるが、まだ真っ暗ってわけでもないだろ?」

「私は考古学者よ?そして手元には歴史を紐解く重要なヒントがある。なら、満足いく答えが出るまでとことん調べなきゃ!!」

「……なんか、いつになくテンションたけぇな。嬢ちゃん」

「あなたに言われるのはちょっと心外だけどね」

 

 自分の求めている謎の答えに明確に近づいていることに、いよいよ上がる気持ちを抑えられなくなってきたシロナさんのテンションがコイキングのぼり。その上がり用に、思わずピオニーさんがちょっと引いたけど、シロナさんの言う通り、こればかりはピオニーさんには言われたくない。

 

「それに、レジエレキとレジドラゴの治療もしなくてはいけないしね」

「ああ、そっか。この村ってポケモンセンターがないんだよね?」

「そういえば!この村に来た時、なんか足りないと思ったんだぞ!」

 

 そういいながら、今度は少し慈しみの表情を浮かべるシロナさんと、その様子からとあることに気づいたユウリの言葉に、この村の違和感がようやく解消されたホップが声を上げる。ユウリの言う通り、フリーズ村にはポケモンセンターが存在しない。ポケモンセンターがなかった場所としては、他にもマスタードさんが管理しているヨロイ島もあげられるんだけど、あちらは私有地なのに対して、こちらは1つの村だ。ポケモンとともに生活していることが多い今の時代、ポケモンセンターがない村なんて基本的に存在しない。だって、ないとものすごく困るからね。けど、そんなポケモンセンターすらないあたり、この村の限界度をより引き立てている感じはあった。そのこともあって、レジエレキとレジドラゴは勿論のこと、ガブリアスやメタグロスの治療だって、ここにいる以上は自分たちの手で行う必要がある。実際に、カトレアさんとコクランさんは、この村に帰ってきてすぐにメタグロスの治療を行っていたからね。

 

「レジエレキにレジドラゴ……そしてガブリアスも治療しなくちゃいけないもの。時間はいくらあっても足りないわ」

「大変そう……」

「けど、あたしたちに手伝えることってなかと……」

「ふふ、ありがと。その気持ちだけでも嬉しいわ」

 

 ポケモンの治療に考察と、どちらもやるとなったら、ユウリの言う通り時間はあっという間に無くなってしまいそうだ。けど、今度はマリィの言う通り、残念ながらボクたちにできることはほとんどない。それがわかっているからこそ、シロナさんも『気にしないで』といった雰囲気を出していた。

 

「ご飯になったら顔を出すから、それまではゆっくりしてちょうだい」

 

 そう残しながら、シロナさんはピオニーさんが借りている民宿から出ていく。その時の動きが少し弾んでいるあたり、やっぱりシロナさんのテンションは高そうだ。

 

「あれは……多分ご飯の時間が来ても出てこないわね……」

「そうなりそうですね。今宵のご飯はシロナ様のものはしっかり取り分けておくことにしましょう。ヒカリ様もその予定で今晩は作りましょう」

「任せてください!となると、冷めても美味しいものか、簡単に温め直せるものがいいわね……」

 

 そんなシロナさんの姿を見て、近い未来を予想したカトレアさんとコクランさん。ヒカリもこのことを考慮して、今日の献立を考え始めた。

 

「ふぃ~……しっかし、まさか本当に伝説を連れて来るとはな!!オレ自身しらべておいてなんだが、半信半疑なところもあったから、実際に伝説をこの目で見れてなんだかんだ嬉しいぜ!!」

「自信なかったのか……」

「まぁ、伝説って眉唾なものもとか、嘘の噂も多いからね。そのあたりは仕方ないんじゃない?」

 

 ピオニーさんの珍しく弱気な発言にツッコミを入れるジュン。だけど、こればかりはピオニーさんが不安がる理由もよくわかるので、フォローを入れておく。こういった伝承とか噂が正しく伝わっていることって本当にまれだからね。テンガン山で出会った彼らだって、正しく伝わってはいなかったわけだし。

 

「巨人の伝説が本当だったということは、他の2つの伝説もマジな可能性があるってことだ!!だ・ん・ぜ・ん!!やる気上がるってもんよ!!」

「確かに、信憑性は上がったよね」

「ってことは、最低でもあと5人の伝説に出会えるって事?なんか、実感なかと……」

 

 燃え上るピオニーさんにつられてテンションがちょっと上がっているユウリと、逆に冷静になってしまったマリィ。そんな2人の様子が面白くて、ついつい頬が緩んでしまう。

 

「そうなると、次はどっちの伝説を調べるかだな!!」

「あと残っているのは、『神秘!伝説の王と愛馬のキズナ伝説!!』と『目撃!大樹に集う伝説の鳥伝説!!』だな!!どっちから行くかは、お前さんたちに任せるぜ!!」

「うう、どっちも実際にあるとなると、すっごく気になるぞ……!!」

「というより、ピオニーさんに付き合うのはもう確定なんだね……」

 

 最初は巨人伝説のヒントがもらえたらラッキー程度だったのに、気づけばジュンとホップはもう心を掴まれてしまっているようだ。これはこのまま全部の伝説を回るコースかな?まぁそこに関しては、正直ボクも心惹かれ始めているので一緒に全部回りたい……かな?

 

「ダーハッハッハ!!とにかく、オレの調べた伝説に興味を持ってくれて嬉しいぜ!!だが、そこの調査は明日に回すとするか!!」

 

 ピオニーさんの言葉につられて窓の外に視線を向ける。シロナさんが出ていく時にも言ったけど、既に日は落ち始め、夜の帳が降りてこようとしていた。カンムリ雪原は極寒の地。夜に外に出るのはさすがに自殺していると言われてもおかしくない行為だ。ユウリもいるし、ここはピオニーさんの言う通り、今日はゆっくり休んで明日から伝説の探索へと赴くとしよう。

 

「さて、明日こそシャクちゃんが帰ってきてくれるといいが……」

「おいホップ!!雪合戦しようぜ!!」

「のったぞ!!絶対に負けないからな!!」

「さて、冷蔵庫の中身と相談して……さすがに昨日と同じメニューは嫌よね……コクランさんはどう思います?」

「ヒカリ様の采配にお任せいたしますよ。お嬢様も、ヒカリ様の腕を頼りにしておりますので」

「あたしたちはどうしよっか?ユウリ」

「じゃあ一緒にみんなのお手入れしない?マリィも最近できてないでしょ?ポケリフレ!!」

 

 今日はもう自由時間とわかった瞬間に各々が自由なことをして過ごしだす。まぁ、コクランさんとヒカリは自由というにはいささか縛られすぎている感はあるけど、本人たちは楽しそうにしているからよしとしておこう。

 

「さて……あなたはどうするの……?」

「そうですね~……」

 

 そうこうしているうちに、リビングに残っているのがボクとカトレアさんだけとなる。カトレアさんにこれからの予定を聞かれたボクは、少し上を見ながら考え込み……

 

「マホッ!」

「ブラッ!」

「ちょ、2人とも!?」

 

 いつの間にか横に現れたマホイップとブラッキーの頬ずりにその思考は中断させられる。ボクのこれからの予定が決まった瞬間だ。

 

「全くもう……でも、そういえば最近みんなとの触れ合いの時間なかったね」

 

 ヨロイ島に来た辺りから特訓ばかりで、まったりした時間を過ごせていないことに気づいたボクは、ここにきて甘えてきた彼女たちに時間を使うことに決めた。

 

「ということで、ボクも彼女たちと遊ぶことにします」

「そう……」

「あ、もしよろしければ、カトレアさんもどうですか?マホイップたちと遊ぶといっても、いつもお茶しながらまったりとするだけなので、ポフィンたべながらのんびりしているんですけど……」

 

 少しだけ寂しそうに聞こえたその声に対して、ボクはバッグから久しぶりにポフィンを取り出した。この雰囲気も久しぶりだ。なんせヒカリがいるから、ボクのここでのポジションが1つなくなっているんだよね。

 

「ヒカリには及びませんけど、よろしければぜひ」

「では……いただこうかしら……」

「マホマホ~」

「ブラ」

 

 机の上に出したポフィンを食べるカトレアさんとマホイップにブラッキー。3人がひと口含んだ瞬間に、表情がパッと明るくなった。

 

「なかなかいいわね……」

「マホマホ!!」

「ブラ!!」

「お口に合ってよかったです」

 

 カトレアさんの口から好評を貰ってほっと一息。ヒカリにコクランさんと、料理上手い人たちの食べ物をよく食べているため、舌が肥えているであろうカトレアさんに食べてもらうのはさすがに緊張するね。

 

「まだあるのでたくさん食べて━━」

『ちょっとフリア~!もうちょっとでご飯なんだから、あまり間食したらだめよ~!』

 

 ポフィンを更に準備しようとしたところにかかるヒカリからの声に、『お母さんみたい』なんて感想が出てきたボクは、思わず笑ってしまう。

 

「……ふふ、らしいので、控えめにいただいてください」

「そうね……そうさせていただくわ……」

「マ~ホ!」

「ブ~ラ!」

 

そうかと思えば、今度はカトレアさんにすり寄るマホイップとブラッキー。

 

「あなたたち……」

「すいません、どうもカトレアさんとも遊びたいみたいで……」

「仕方ないわね……付き合ってあげるわ……」

「ありがとうございます」

 

 そこからは、人懐っこいマホイップとブラッキーも交えた4人で、まったりと会話をしながら過ごしていった。

 

(四天王であるカトレアさんと、まさかこんなふうに過ごすだなんて夢にも思わなかったなぁ……でも、楽しい……本当に、ここに来て良かった)

 

 伝説と戦った日と同じとはとても思えないくらい穏やかな時間は、ボクもカトレアさんも、終始微笑んだ状態で流れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




定めの遺跡

ポケモンバトルの後ってよく地形変わってませんよね。いつも不思議に思います。ここもかなり荒れているんでしょうね。一種の荒らしなのでは?

伝説

よくよく考えたら、ピオニーさんの情報収集力ってすごいですよね。とてもじゃないですけど、テレビで流れていたとは思えない内容です。というか、この情報を普通に流すテレビもテレビな気がしますが……実機でもテレビでこの情報を得ているのが信じられないです。

ポフィン

久しぶりですね。というより、ヒカリさんがこのあたりに対して万能なため、どうしてもフリアさんの役目が一つ消えてます。師匠故仕方ないですね。




ポケモンdayまであと少し……DLCの発表がちょっと待ち遠しいです。




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