「「「「「ご馳走様でした!!」」」」」
「お粗末さまでした」
ヒカリによって作られたケーキたちを食べる小さなパーティは、最初こそ3鳥の存在もあって一部ギクシャクしていたポケモンもいたものの、ヒカリの言葉と行動によって柔らかい雰囲気を持つようになった彼らを見て、怯えていた子たちも無事に合流。さらに賑やかになったパーティはそのまま楽しく、そして騒がしく流れていき、たった今、全ての食べ物を食べ切り、消化し、食休みをいれたところでつつがなく終わりを迎えた。
「で、どうだった?わたしの作った子たちは。初めて扱う食材だけど、結構自信はあったから、なかなかいいものができたとは自負しているのだけど……」
「もう最高でした……まだ食べたい……」
「ほんとだぞ。あれだけ食べたのにまだ物足りなくなってくる……」
「本当に幸せな時間だったと……」
ヒカリの作ったケーキたちはどれも美味しく、ユウリたちが言うようにとてもたくさん食べたはずなのに、まだ食べたくなってしまう不思議な魅力があった。おかわりがないと聞いて最初はちょっと寂しく感じたけど、こうなってしまうのであればむしろおかわりなんてなくてよかったのかもしれないね。下手をしたらダイマックスよろしく、ボクたちの身体が悪い意味で大きくなってしまったかもしれない。
「肥大マックス……」
「何か言った?フリア?」
「あ、ううん!!何でもないよ!!」
思わず変なことを口走ってしまったので、ユウリに対して慌てて訂正する。うん。他の人も首をかしげているあたり、ちゃんと聞いた人はいなかったみたいよかったよかった。
「……下らない」
「うぐっ!?」
「フリア!?」
ただ、ヒカリにはばっちり聞こえていたみたいだ。白い視線を送られるけど、ここは知らんぷりをしておこう。ユウリからの視線が更に刺さって来るけど、今だけはスルーさせてもらう。
「さて、そうこうしているうちに結構時間が経ってるわね」
そんなちょっとあたふたしているボクを一瞥したヒカリは、今度は空へと視線を向ける。ケーキを食べ始めた時には昼を回ったばかりだった時間は、ケーキを食べながらいろんなポケモンと触れ合っていくうちに驚くほどの速さであっという間に流れていき、若干のオレンジ色に変わり始めていた。もう少しすれば、この空もどんどん暗くなっていくだろう。今ボクたちがいる場所は暖かいけど、カンムリ雪原という寒い場所に拠点を置いている以上、帰るのは速めにした方が賢明だ。
「あまり遅くなると、帰る時本当につらいから急いで準備しないとだね」
「あたしたちがテーブルとかテントとかを片付けるから、みんなは料理器具とかを片付けてほしいと」
「よろしくな!!」
みんなそのことはしっかりと理解しているため行動は迅速。ユウリ、マリィ、ホップが言葉を残してすぐさま片付けに移行していく。
「じゃあわたしとフリアで器具を洗っていくから、ジュンは皿を持ってきて、それが終わったら拭いてちょうだい」
「了解だ。ちゃちゃっと集めてちゃちゃっと拭いちまうぜ!!」
「調子に乗って割らないでね?」
ガラル組3人を見送ったボクたちもすぐさま片付けへ。分担して行われた片付け作業はあっという間に終了し、すぐにでも帰られる準備が完了した。周りを見渡せばもう野生のポケモンたちもそれぞれのお家に帰り始めており、片付けも終わったダイ木の周りは、とてもじゃないけどパーティを開いていたようには見えないほど静かに、そして綺麗になっていた。立つスワンナ跡を濁さずだ。
「ギャオ……」
「キキィ……」
「フォゥ……」
そんな綺麗になったダイ木には、まだ重要な存在が残っていた。鳴き声から分かる通り、このダイ木にて激闘を繰り広げ、仲直りし、そしてヒカリのケーキを通じて仲良くなったあの伝説の3鳥だ。
「あなたたちはどうするの?」
すっかりヒカリに胃袋を掴まれてしまった3鳥は、ヒカリの言葉に素直に反応をする。
「ギャォ」
「キキィ」
「フォォ」
小さく頷きながら順番に吠えた3鳥は、翼を羽ばたかせてダイ木の葉の中へと飛んでいく。
「……しばらくここに滞在するって事かな?」
「もしかしたらここが気に入ったのかも?」
葉の中に入って再びホシガリスたちと話しながらくつろぎ始めた彼らを見て、ボクとユウリはそっと微笑みながらその様子を見守る。
「伝説って言っても、こうやって見るとひとりのポケモンなんだなって感じるぜ」
「だな。なんか、初めてウールーと友達になって、はしゃいでた頃を思い出すぞ」
和やかに、それでいて心地よさそうに過ごす彼らは、ジュンとホップの言う通り、いい意味で伝説には見えなかった。
「うん。凄く楽しかったと」
「写真も一緒に取ってくれたものね。意外とサービス精神旺盛なのかしら?」
ボクが自分のスマホを起動してフォルダを開けば、さっきの宴のさなか撮影した全員の集合写真が見える。そこに映っている伝説の3鳥たちもとても楽しそうで、この写真を見るだけで楽しい気持ちが沸き上がる。
(出来ることなら、この写真の時間がずっと続けばいいのに)
そんなことをついつい願ってしまうけど、残念ながらボクたちは今から帰らなくてはならない。
「また来よ?ね?」
「……だね」
少し寂しい感情にさいなまれているときにかけられるユウリからの言葉。その言葉に寂しさを消してもらったボクは、小さく頷きながら、再びここに来て彼らと再会することを約束する。
「また来るね!ファイヤー!!サンダー!!フリーザー!!」
「その時は今日以上に遊ぼうぜ!!」
「わたしも、もっと沢山料理つくってあげるから、楽しみにしてなさい!!」
「ヒカリの料理、また一緒にたくさん食べようね!!」
「今度はもっと長い時間遊ぶと!!」
「そんでもって、余裕があればオレとも戦って欲しいぞ!!」
ボクに続いて、ジュン、ヒカリ、ユウリ、マリィ、ホップの順番で言葉を残していく。すると、ダイ木の方から返事が返ってきた。
「ギャオォォォッ!!」
「キキィィィィッ!!」
「フォオォォォッ!!」
伝説の3鳥から帰って来る、とても圧のある咆哮。しかし、それは初めて会った時に聞いた、こちらを威圧するような重いものではなく、ボクらの背中を『いってらっしゃい』と押してくれているような、暖かな声だった。
「……ふふ」
その事がとてもうれしく、ついつい頬が緩んでしまう。隣に視線を移せば、みんなも同じ感想を抱いたようで、ボクと同じように微笑んでいた。それがまたおもしろくて、ボクたちの笑い声がどんどん大きくなっていった。
「っははは!!……じゃあ帰ろっか!!」
「「「「「お~!!」」」」」
一通り笑い終えたボクたちは、フリーズ村へと足を向けていく。
「オレたち、絶対凄い経験したぞ!!な、ユウリ!!」
「だね!またみんなで遊びに来よ!ホップ!!」
「次のレシピはどうしようかしら……」
「もうそんなこと考えてるのかよ……ま、楽しみだからいいけどよ」
「ヒカリの変なスイッチが入っちゃったとね」
みんなでワイワイ話しながらつく帰路はとても穏やかで心地よくて。
(……本当に、とても楽しかった。絶対に、また来なくちゃね)
今日という1日が、ボクの思い出にしっかりと刻まれた瞬間だった。
☆
「「「「「「ただいま~!!」」」」」」
「おうお前ら!!お帰りだ!!……ほう、そのテンションの高さ、さてはなんかいいことがあったな?」
「それはこれから順を追って話しますよ」
ダイ木の下から発って数時間。行きの時よりもスムーズに帰路に着いたボクたちは、空が少し暗くなったくらいにフリーズ村に到着し、自分たちの民宿に戻ってきた。勢いよく扉を開け、声を出しながら帰ってきたボクたちを出迎えたのはピオニーさん。朝聞いたばかりなのに、昼にあった濃密な時間のせいで少しだけ懐かしさを感じてしまったその声に思わず苦笑い。関わり初めて日は浅いはずなのに、ちょっとこのうるささに慣れてしまっているようだ。
「おかえりなさい……」
「お帰りなさいませ。皆さまお冷えでしょう。すぐに暖かいものを用意しますので少々お待ちを」
「ありがとうございます!」
ピオニーさんに返事を返してそのままリビングへ行き、みんなでソファや椅子に腰を下ろすと、カトレアさんとコクランさんから言葉をもらう。コクランさんは一旦キッチンの方へと行き、人数分のカップに、おそらく紅茶と思われる匂いのする飲み物の準備を始めた。カトレアさんは変わらず読書を続けているけど、ちらほらと視線をこちらに投げてきているあたり、気になることはあるみたいだ。
「……大丈夫ですよ。ちゃんとカトレアさんの分もありますから」
「!?……そう……まぁ、ちょっとだけ期待して待っておくわ……」
「素直になればよろしいのに……」
ヒカリの言葉にほんのちょっとだけ頬を緩めながら視線を本に戻すカトレアさん。その姿が面白くてついつい笑ってしまいそうになるのをこらえながら、コクランさんに持ってきてもらった暖かい紅茶でのどを潤し、身体を温めていく。
「ふぅ~……温まる~……」
「生き返るって感じだぞ……」
「心地よかと……」
「紅茶ならちょうどいいわね。早速用意しようかしら」
美味しい紅茶に舌鼓を打つガラル組と一緒に紅茶を一口嗜んだヒカリは、紅茶とこれから出すものが合うと確信して、キッチンへと足を運んでいった。あと数十分もすれば、ダイ木の下で食べたあのスイーツたちが再びここに並ぶこととなるだろう。一度食べたユウリたちは勿論、ヒカリの腕を知っているカトレアさんたちも少しワクワクしているように見えた。最も、今回はカトレアさんたちが主役になるから、ユウリたちはあんまり食べられなさそうだけどね。
「じゃあ嬢ちゃんがおいしそうなものを準備している間に、今回の冒険の報告でも聴こうか!!つっても、伝説の3鳥っつーのは目撃情報多いみたいだから、あんまし目新しさはないかもしんねぇがな」
またもや紅茶を一気飲みしながら豪快に話すピオニーさん。その姿にコクランさんが渋い顔を浮かべるものの、おそらく何を言っても聞かないのであきらめてもらうしかないだろう。それよりも今は報告だ。確かに伝説の3鳥と言われたら目新しさはないかもしれないけど、ボクたちが出会った3鳥はちょっと違う存在だ。存分に驚いてもらうとしよう。そのいたずら心は、この中ではジュンが真っ先に反応したようで、急に立ちあがってはスマホロトムを堂々とあちらに向け始めた。
「そう言ってられるのも今のうちだぜ!!オレたちが出会った伝説はちょっと違うからな!!」
「ほう……」
「お、やけに自信満々じゃねぇか!!んじゃ、さっそく見させてもらおうか!!」
「任せろ!!」
ジュンの言葉に反応を示したのはピオニーさんとコクランさん。特にコクランさんは、ジュンの『ちょっと違う』という言葉に目を光らせているようだ。
「刮目してみるんだぜ!!」
そんな期待を背負っているとはつゆ知らず、スマホを堂々と掲げながらジュンはあの場所で取った集合写真を見せた。
「ほうほう、これが伝説の3鳥だな?……んん?なんだこいつら?」
「これは……確かに普通のファイヤーたちとは違いますね……」
「あなたがそういうなんて……あたくしにも見せてちょうだい……」
その写真を見たピオニーさんとコクランさんがいぶかしげな声を上げる。ピオニーさんはともかく、コクランさんまでもが声をあげていることが気になったのか、カトレアさんも遅れて画面をのぞき込んだ。
「確かに……あたくしの記憶にある3鳥とは見た目が違うわね……」
「写真でしか確認できないので何とも言えませんが……サンダーが地面に足をつけていたり、フリーザーが変わったお面をしたり、ファイヤーの口元がゆがんでいたりと、小さなところで違いが見受けられますね……」
「ん~……ファイヤーたちって言われたらそうだが、ちげぇって言われるとちげぇなぁ?」
それぞれがちょっと姿の違う3鳥の姿を見て、思い思いの感想を述べていく。その反応がとても嬉しかったのか、ジュンが調子に乗ってどんどんしゃべりだす。
「ただ見た目が違うだけじゃないぜ!!なんとこいつら全員、タイプも違うんだ!」
「ファイヤーがあく、ひこう。サンダーがかくとう、ひこう。そしてフリーザーがエスパー、ひこうと」
「成程……こちらは3すくみの関係になっているのですね」
「他にもいろいろあってだな……」
ジュンの言葉をマリィが引き継ぎ、その言葉にコクランさんが思考を回していく。適度に頷きながら返答をするコクランさんは、話している側からしてみればかなり話しやすく、話していて心地いい相手だ。その心地よさに乗ったジュンは、次々と話していき、最終的には彼だけで今日起きたことの説明を全部終えてしまった。
「面白い技を使うのですね……ここにシロナ様がいないことが惜しいくらいです」
「シロナがこのことを聞いたら……飛んで喜びそうね……」
「しっかし……あの嬢ちゃん、1人で全員倒しちまったのか……シャクちゃんみてぇに恐ろしい一面もあるんだな……」
話を聞き終えた全員の反応は、どれも驚愕半分、興味半分と言ったところか。知っている伝説のポケモンかと思っていたら、まさかの出会いを果たしたことにみんな興味深そうにしていた。
「と・に・か・く!ちゃんと伝説には会えたみてぇだし、達成の印を押しておかねぇとな!!」
一通りジュンの話を聞いて満足したピオニーさんは、懐から伝説の3鳥についてまとめられていた紙を取り出し、『ポンッ』という軽快な音とともにハンコを押した。
「これで2つ目達成だな!!あとは最後の伝説、『神秘!伝説の王と愛馬のキズナ伝説!!』だけだな!!」
「最後の伝説……このフリーズ村で広がってる話とね?」
「だな。ピオニーさんのメモによると、村の中心にある像が関係あるみたいだが……」
2つの伝説を終え、いよいよ残す謎もあと1つとなった。今までが2つとも本当に伝説のポケモンと出会えた確かな情報だったことと、今回はシロナさんの情報や、ボクたちの前知識と言った事前情報が一切ない未知の伝説のということもあり、ジュンの好奇心を刺激してやまない。
今から早く、その最後の伝説に対して挑戦してこの目で見てみたい。
その気持ちを身体全体で表し、持ち前のせっかちさも相まって、どんどん話を薦めようとするジュン。そんな彼の前に、コトンと軽い音とともに、ケーキの乗せられたお皿が置かれた。
「はいはい。とりあえず今日は一旦お話は終わりにしてゆっくりしましょ?どうせもう日も落ちて動けない。捜索するのは明日からなんだし、別のことで話していたいわ」
「それって単純に、今日のヒカリの仕事量が多かったからって話だろ?」
「悪いかしら?こっちはもうへとへとなのよ……ミミロップたちももうくたくただから、今日は速く休ませてちょうだい」
「料理つくって、伝説と1人で戦って……本当に今日の仕事量凄いよね……」
「ほんとよ……コンテストのシーズン中でもこんなに疲れなかったわよ……」
ジュンが若干不満そうに意見を述べるものの、それ以上に不満げな態度をもって返すヒカリ。ボクが改めてヒカリの今日の行動を振り返ってみたけど、今日のヒカリは本当に頑張りすぎだ。今日は……いや、基本いつもそうだけど、ヒカリの方が正しいので、ボクはヒカリの肩を持つ発言をする。
「って、わたしのことは今はいいのよ。それよりも……カトレアさん、コクランさん。……あとついでにピオニーさんも」
「……嬢ちゃん。オレだけ扱い悪くねぇか?」
「約束通り、あの赤い実で作ったデザートを用意したので食べてください。お口に合えばいいのだけど……」
「スルーかよ!厳しいな!!」
ヒカリの見事なスルースキルに、あんな言葉を残しながらも豪快に笑うピオニーさん。シャクヤにもしょっちゅうあんな態度を取られているから慣れているのかもしれないね。そんなピオニーさんの言動をスルーしているのはヒカリだけでなく、カトレアさんとコクランさんも一緒みたいで、ピオニーさんがしゃべり終わるころには、すでにフォークでケーキを一口サイズに切り分けており、今まさに口に運んでいる最中であった。
「……!?」
「ほう、これは……」
程なくして口の中に入れられた赤い実によるデコレーションケーキ。味わうようにゆっくり、上品に、丁寧に咀嚼していくカトレアさんとコクランさんは、その表情をすぐに変えていく。
「甘く、しかし、甘すぎるわけではないさわやかな味わい……フリア様と一緒に過ごすことで、幸せを感じているマホイップの、甘みとコクが深まったクリームとよく合っています。また、赤い実の柔らかくもしっかりとある触感も食べていて心地いいですね。成程、これはたしかに紅茶ととてもよく合います。贅沢を言うのであれば、美しい花々を眺めながら、暖かい日の光りでこのひと時を過ごしてみたいものです。お嬢様はいかがでした?」
「しゃべりすぎよコクラン……あたくしの言うことがないじゃない……」
「ってことは……!」
「ええ……凄く美味しいわ……コクランの言う通り……このケーキにふさわしい場所でまたいただきたいものね……その……ありがとうヒカリ……とてもいいものだわ……」
「ふふ、お嬢様にそういっていただけて、恐悦至極にございますわ」
「ちょっと……誰の真似なのよ……」
カトレアさんからのちょっと珍しい素直な賛辞に、思わず頬を緩めながら、まるでコクランさんのような丁寧さを演じながら礼を言うヒカリ。その姿は傍から見てもちょっとしたユーモアとからかいを合わせたもので、それを理解しているカトレアさんも少しだけ不満そうな、しかしそれでいてちょっと楽しそうな色を乗せながら言葉を落とす。そんなやり取りを見送りながら、ボクたちも改めてケーキを口にし、そのおいしさに笑みをこぼす。感想自体はお昼の時と変わらないけど、何回食べてものこのケーキのおいしさは凄い。ほっぺたが落ちそうという言葉が、これほど似合うケーキもなかなかないだろう。ジュンもさっきまで不機嫌だった表情を崩しているし、ユウリたちも幸せそうな顔をしている。
「お、こりゃうド・めぇな!!ただ、もうちっとでご飯なのに、その前に食っちまったのはちとあれだな!!」
「あ……」
そんななか、ケーキを大口でがぶりと豪快に食べたピオニーさんが言葉を零す。その言葉に反応して振り返ってみれば、壁にかかっている時計は6時くらいを指していた。外はだいぶ暗くなっており、もう少しすれば夕飯時である。その前にケーキというのは、ピオニーさんの言う通り確かにミスマッチだ。
「やっちゃったわね……ごめんなさい。荷物の片付けとか終えたら凄くに夕飯を……」
「いえ、今回はヒカリ様のデザートを楽しみにしすぎていたが故の事故。むしろ非はわたくしにございます。お気になさらないでください。また、今日はわたくしに料理を撒かせていただけませんか?ヒカリ様は今日はかなりのお疲れの様子……明日も外に向かわれるのであれば、今日のところはご自愛なさってください」
「コクランさん……じゃあ、お願いしようかしら……?」
「承知いたしました」
ピオニーさんの言葉を聞いてすぐにご飯の準備をしようと動くヒカリをコクランさんが止め、自分が料理をする提案をする。ボク個人としても、今日のヒカリの仕事量はとんでもないので是非ともゆっくりと休んで欲しい。身体が心配なのはもちろんだし、このフリーズ村は前も言った通り限界に近い集落だ。環境も相まって、一度体調を崩したら回復させるのはなかなか難しいと思われる。なので、体調不良の根本から回避していくというのはとても大事だ。それを理解しているヒカリは、ちょっと悔しそうな表情を浮かべながらもこの提案を了承。休憩のために2階の部屋へと移動していった。
「さて、ではわたくしは料理を始めますね」
「おし、飯が出来るまで別の遊びをしようぜ!!」
「ほんと、元気いっぱいと……」
「でも、確かにちょっと時間あるみたいだし、いろいろお話したり遊びたいかも」
「それじゃあオレたちも2階に行くぞ!何をするにしても、まずは荷物とかおかないとだぞ」
コクランさんの言葉を聞いて、他のみんなもヒカリに続いて2階に上がり始める。
「あなたはいかないのかしら……?」
「すぐ行きますよ。ちょっと失礼しますね」
その姿を少しぼーっと見つめていた時にカトレアさんから声をかけられたので、ハッとしたボクもすぐに追いかけようとする。もしかしたらボクもちょっと疲れているのかもしれないね。となれば、今日は早く眠れるように、そのあたりの準備もしておこうかな。
(フォ~……フォ~……)
「「!?」」
そう思い、足を動かした瞬間聞こえてきたのは、先日も聞いた何かが鳴くような声。
「今の声……」
「フリア……あなたも聞こえた……?」
「カトレアさんもですか?ってことは、やっぱり気のせいなんかじゃあ……」
前は気のせいと判断し、今回は疲れのせいかと思ったけど、カトレアさんも聞こえているのなら話は変わって来る。
「この声……何かある気がするわ……」
「いったい、何なんでしょうね……」
かすかに聞こえてきた謎の声。もしかしたら、ピオニーさんの話と何か関係があるかもしれない。そんな予感を感じながら、ボクはカトレアさんとちょっと話込んでいった。
3鳥
実際は渡り鳥なので、いつかここからいなくはなりますが、しばらくはちょっと滞在するつもりですね。仲良くもなっているので、次戦う時は連携もしてきそうです。恐ろしいですね。
伝説
いよいよ最後の伝説。やっぱり最後はあの子ですよね。
謎の声
最後に聞こえた謎の声。いったい誰なんでしょうね。
ビッグランを走りながらも、こちらもしっかり更新。流石に私情で遅らせるのは申し訳ないので……。