【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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184話

「さて、じゃあ改めて話をまとめましょうか」

『うむ。ヨもしっかり話しておきたいのである』

 

 レイスポスとブリザポスを何とか退け、フリーズ村の住民からお礼を貰いながら村の復興に取り掛かったボクたち。復興と言っても、家に傷は入っていなかったため、やったことといえば畑の整備や倒れた柵の修理、戦いの余波で積もる場所の偏った雪の切除くらいで、ポケモンたちの力も借りることによってそんなに多くの時間を使うことなくその全ての作業を完了。ただ、あくまでも『思ったよりは』というだけなので、時間で見てみればもう日は暮れ始めており、今から村の外に出て探索をするにはさすがに寒さがきつい時間帯となり始めていた。愛馬たちの情報のすり合わせもカトレアさんたちとしたいこともあり、今日の探索にいったん区切りをつけたボクたちは、そのままピオニーさんの民宿に戻ってまた話し合いを始めていた。

 

 ちなみに冒頭の会話を見てもらったら分かる通り、ピオニーさんにはもうてょわってもらっている。そのため、残念ながら今回もピオニーさんだけは話を聞くことが出来ない。……やっぱりちょっとかわいそうになってきた。いや、バドレックスの操作に耐えられる身体を持っているのがピオニーさんくらいだから、どうしようもないのは分かっているんだけど……そんなボクの微妙な感情を無視して、話は進み始めていく。

 

「とりあえず……さっき村を襲ってきたポケモン……あれがバドレックスの愛馬ということで間違いないのね……?」

『うむ。白銀の馬がブリザポス。漆黒の馬がレイスポス。それぞれ、こおりタイプとゴーストタイプのポケモンである。実際に戦ったフリアとジュンならばよくわかったやも知れぬが、双方自身と同じタイプである、『つららおとし』と『シャドーボール』をかなりの精度で操って来る』

「ああ。あの氷、攻撃にも防御にも使える万能の技だったぞ」

「ボクの方も、あんな風に『シャドーボール』を使ってきた相手は初めてだよ。まるでトレーナーに指示を貰っているかのような機転の利かせだった……」

 

 お互い別方面で器用な戦い方をしていた愛馬たちは、全盛期の力を持っていたのならさぞ強かったことだろうということがよく分かる。

 

「もし力を失っていない状態だったら、村に被害をもっと出してたと思う。何とか抑え込めることはできても、多分村を意識できるほど余裕がなかっただろうし……」

「悔しいがその点はオレも同意だな。最後の一撃なんて、安全策を取るのなら受け止めるよか逃げた方が速かったしな……」

 

 ボクの言葉に素直に頷くジュン。ジュンの戦闘をすべて見られたわけではないので、あっちの状況は全く知らないけど、話を聞く限りでは順調そうに見えても危ない所はいくつかあったみたいだ。本当に相手が本調子でなくてよかった。

 

「私たちも見守ってたけど、凄いバトルだったもん。とても野生のポケモンとのバトルのようには見えなかった……」

「ここに来てからスイクンに巨人たち、それに3鳥と、伝説のポケモンと戦うことが多かったけど、どれとも毛色の違う戦い方だったわね。ユウリの言う通り、トレーナーのポケモン同士のバトルと言われても納得できる内容だったわ」

「やっぱり伝説はレベルが違うと。……そう考えると、ヒカリはよく勝てたとね……」

「わたしの場合はほら、4つ巴だったからすり抜けて戦えたもの。今回のような防衛線でもなかったから、周りを気にする必要もなかったしね?もし気にしなくていいのなら、フリア、あなたはまずやたら目ったらの方向に『ねらいうち』をしまくってたでしょ?」

「まぁね」

 

 レイスポスの目が見えていない以上、全力で戦うのならレイスポスにとって重要な情報の1つである聴覚をつぶすためにも、ねらいうちによっていろんなところで爆発を起こして妨害をすることは勿論考えた。けど、戦場が村の中だったため、その戦法を取らなかったからこそ、今回はブラッキーに攪乱をお願いしたわけだしね。そのあたりを理解しているヒカリから指摘があったので、ボクはそこに肯定で返す。

 

『全盛期ならともかく、力を失っている今ならその戦法は確実に刺さるであろうな。その考えにすぐ到達する思考の速度、見事である』

「ありがと。って、今はそれよりも話すことあるでしょ?」

『っと、そうであったな』

 

 ボクに対して賞賛を送るバドレックスを止めて本題を促す。褒められるのは嬉しいけど、ちょっとこそばゆいし、今はもっと大事なことがあるのでそちらを優先してもらおう。

 

『まずは改めて、此度はこの村、そしてヨの像を守るために奮闘してくれて感謝する。オヌシらが警戒したように、力が少なく、あの像に存在のほぼすべてをゆだねている現状、あの像を壊されてしまえば、いよいよヨは存在を保てなくなる。本当に助かったのである』

「おう!!気にすんな!!」

「困ったときはお互い様だからね」

 

 ボクとジュンの態度に、改めて嬉しそうに頭を下げたバドレックスは、そのまま次の話へと続けていく。

 

『本当ならヨが間に割って入るべきだったのだが……思念を飛ばして立ち去らせるのが限界であった……』

「最後大技を使って逃げたのは、バドレックスが先に思念を飛ばしたからだったのか」

「そこに関してはむしろ助けられたよ。ありがとね」

『お礼を言われるほどではない。レイスポスたちも聡い子ゆえ、思念を飛ばす必要もあまりなかったやも知れぬがな』

 

 あの視界も音も消えて何も確認できなかった瞬間に、どうやらバドレックスがレイスポスたちに思念を飛ばしてくれていたから、技が終わった後にレイスポスたちの姿が消えていたみたいだ。けど、バドレックスが遠回しにボクが立てた説もあっていると肯定してくれていた。こういうフォローもしっかりしてくれるところが、バドレックスが人に慕われてきた理由の1つな気もするね。ジュンの性格を図らずも考慮しているところも、ポイントが高くなっているところだ。

 

『しかし、思念を飛ばして引かせることが出来たとはいえ、やはり完全に御するには『キズナのタヅナ』の存在は欠かせぬな』

「『キズナのタヅナ』……フリアの読んだ本に書かれていた物ね……」

「確か、素材に愛馬の鬣が必要という話でしたね」

「だからこそ、タヅナよりもにんじんを優先したものね」

 

 バドレックスの言葉から話の内容は『キズナのタヅナ』の話へと移っていく。昼に話したばかりのその内容を、カトレアさんとコクランさん。そしてヒカリの言葉で振り返りながら、みんなが頭の中で情報を整理していく。

 

『にんじんが両方手に入った今、次に取り掛かるべきものはこの『キズナのタヅナ』を作るところであるな。しかし、先ほども述べたようタヅナを作るにはレイスポスとブリザポス、それぞれの鬣が必要……となると再びあやつらと対面しなければならぬ。次に対面した時は、間違いなくフリアとジュンのことは警戒しておるだろう。力を取り戻すために研鑽をする可能性もある。再び戦う時は強力になっているとみてよい』

「ただでさえあんな強さだったのに、そこから更に鬣を取って帰らないといけないってかなり難しかと……」

「それに、またどこに行ったかわかんなくなったからな。探すところからやりなおしだぞ……」

 

 次に必要なのは『キズナのタヅナ』。それには愛馬たちの鬣が必要となる。というのも、それぞれの愛馬を従えるのにそれぞれの鬣を使うようで、レイスポス用のタヅナにはレイスポスの、そしてブリザポス用にはブリザポスの鬣が必要となって来る。そのためどちらか片方から余分にとって、もう片方に流用するという手は使うことが出来ない。なので、次は正真正銘、彼らと真正面からぶつかって勝たないといけないのだけど……

 

「あれ、そういえば……」

 

 ここまで話をして、ふと村を復興する作業に取り掛かる前に、ボクが畑群の中心で見かけてカバンにしまったものが頭をよぎった。

 

「ねぇバドレックス。みてもらいたいものがあるんだけど……」

『何かあったのか?』

「えっとね……」

 

 思案顔を浮かべているバドレックスに声をかけながら、レイスポスとの戦いの後に拾ってカバンに入れた、例の繊維状のものを取り出してバドレックスに見せてみる。

 

『これは……!?』

「レイスポスたちとの戦いが終わった後に、畑群の真ん中に落ちていたから思わず拾ってみたんだけど……」

「薄い水色の繊維と、黒い繊維……もしかして!!」

 

 ボクの見せた2つの繊維の束。それを見たバドレックスとユウリが、驚きと喜びの混じったような声を上げる。

 

『まさしく!これがレイスポスとブリザポス、それぞれの鬣である!!それこそがタヅナに必要なものである!!』

「ってことは!愛馬たちをまた探す手間は省けたとね!!」

「あとはもう1つの素材を集めるだけね」

「もう1つの素材って何だっけ?」

 

 キズナのタヅナを作るには、愛馬たちの鬣ともう1つの素材を編み込む必要がある。そのもう1つ素材についての話をマリィとヒカリの話を引き継いだユウリがボクに向かって投げてきたので、ボクは本の内容を思い出しながらその素材を口に出す。

 

「確か……『かがやくはな』……だったかな?」

『『かがやくはな』……確かに、そういっておったな……』

「バドレックス……?」

 

 ボクがその名前を口にすると、しみじみと言った風に口を紡ぐバドレックス。その姿が少し気になったので、ボクはバドレックスの方に言葉を投げかける。すると、バドレックスは思い出したかのように言葉を漏らした。

 

『いや、ヨに対しても奉納がなくなってしまった理由が分かったのでな……』

「理由?」

「何か心当たりでも?」

 

 そんなバドレックスの反応に疑問を持ちながら、ホップとヒカリが問いかける。

 

『恥ずかしながら、ヨは昨日の話を聞くまで『キズナのタヅナ』がいかにして作られているのかを知らなかったのである。勿論、その素材についても同様である。レイスポスたちの鬣が必要なのは、村の者たちからお願いされていた故知ってはいたのだが、他に必要なものと作り方に関しては全くの無知であった』

「そうだったんだ……」

『今まで貰うことが当たり前だった故、そんなところまで深く考えることすらなかったのだ。しかし……そうか……あのタヅナ、『かがやくはな』が必要だったのだな』

「そういえば、その『かがやくはな』って何なんだ?正直聞いたことも見たこともない花なんだが……」

 

 バドレックスの独白についてボクが相打ちを打っている中、ジュンから質問が飛んでくる。それに対して、バドレックスが引き続き説明をしてくれた。

 

『『かがやくはな』というのは、ヨの力によって咲く花の名前である。オヌシたちも本で読んだであろう?『右の手をかざせば草花は生い茂り』……と』

「オレが読んだ本の内容だぞ!!確かにそんな文があったな!!」

「ってことは、花の方は特に意識して作ってたものではないって事?」

『そこに関しては否である。普通の花を咲かせるのであればそれで構わぬのだが、『かがやくはな』に関してはヨが多くの力を使わねば咲かぬものなのだ。主にお祝い事や、祭事、祭日にてヨが作っていた花であったのだが……よもやそれまで素材として作られていたとは思わなかった』

 

 バドレックスから聞いた話は、ホップの読んでいた本に裏付けされていたものだった。実際にはその時出てきた花とはちょっと違うらしいことがヒカリからの質問への返答によって分かったけど、本質的には同じらしく、バドレックスが力を籠めることによってつくることが出来るらしい。しかしここで気になることが1つ。そして、ボクと同じ疑問に辿り着いたコクランさんとカトレアさんから、バドレックスに向けてその気になることが投げられる。

 

「バドレックス様。『かがやくはな』についての詳細はよくわかりましたが……もしそれが事実なのだとしたら、その花はもしやすぐに手に入れることが出来ないのでは……?」

「あなたは今力を失っている……そしてただでさえ少ないその力を……にんじんを育てるという行為に消費している……今のあなたにその多くの力を使う花を……新たに生み出すだけの力はあるのかしら……?」

 

 その疑問の内容は、『今のバドレックスにその花を作るだけの力があるのか』という点だ。確かに、花をバドレックスが作ることが出来るのなら、素材に関しての問題はもうクリアしたも同然だ。ボクが読んだ限りでは、他に必要な道具や素材に特別なものが書いてあったという記憶もないし、手順も少し複雑ではあるけど、こういったことが得意なヒカリにお願いすれば、再現が可能なレベルではあることはヒカリ自身から聞いている。なので、『キズナのタヅナ』そのものを作ること自体はかなり現実味が帯びてきた。

 

 しかし、カトレアさんの言う通り、今のバドレックスは力の多くを失っている状態となっている。更に今日は既ににんじんを2つ種から成長させるために多くの力を使っているので、現状のバドレックスは更に力がない状態となってしまっている。となると、『かがやくはな』をそもそもつくられるかどうかが怪しくなってくる。今の質問で他のみんなもそのことに気づき、『あ……』と言った表情を浮かべ始める。

 

『その点においては大丈夫である』

 

 一方で、みんなから不安の視線を送られたバドレックスは、しかし特に不安げな表情を浮かべることなく、むしろ目を閉じ、落ち着いた状態で言葉を返しており、祈るように合わせられた手と、冠のような緑色の頭部が淡く青色に輝いていた。

 

「バドレックス……その光は……」

『うむ。どうやら先ほどレイスポスたちが暴れていた際、最後にヨが思念を飛ばしている姿を見ているものが何人かいたみたいでな……まだ完全にヨの存在を認知したわけではないが、少なくともヨへの感謝の念はあったみたいでな。それが力へと変換されてヨに還元されているらしい。おかげでヨの力も、わずかであるが戻っておる。これなら……1輪は無理としても、花びらを何枚か咲かせるくらいなら……『クラウス……ブルムス』ッ!!』

 

 その光を見てボクが言葉を漏らしていると、バドレックスがその光をだんだん強くさせながら、気合の入った掛け声とともに力を解放していく。すると、にんじんを作った時と同じような光が一瞬部屋全体に広がり、同時にわずかに地面が揺れるような感覚に襲われる。そのことにびっくりしてしまい、少しだけ目を瞑ってしまう。けど、青い光も一瞬で収まったので、程なくして目を開けてみると、バドレックスの掌には2片の花びらが青く輝きを放ちながら浮いていた。

 

『ヒカリよ……これを……』

「これが……『かがやくはな』……」

『1輪ではないため、正確には『かがやくはなびら』であるがな……っ!?』

「バドレックス!?」

 

 バドレックスによってつくられた花びらを受け取ったヒカリは、割れ物を扱うかのように丁寧な手つきでそれに触れる。と同時に、バドレックスの表情が一気に苦しそうなものへと変わったため、ボクたちは慌ててバドレックスに駆け寄る。

 

『フーッ……フーッ……わかっていはいたが、やはり今のヨではこれが限界であるな……』

「バドレックス様。お飲み物を……これで少しは落ち着くはずです」

『ありがたくいただこう……ヒカリよ。花びらはそれで足りるだろうか?』

「え、ええ。作り方を見る限り、タヅナを1つ作るのに花びらが1枚必要みたいだから、2つ分作るのに十分だとは思うけど……」

『それは僥倖……ではそれを用いて、是非とも『キズナのタヅナ』を作っていただきたい。……頼めるか?』

 

 コクランさんから紅茶を受け取ったバドレックスは、その紅茶を飲んで一息。落ち着いたところでヒカリに向き直り、タヅナの作成をお願いする。その時の視線が物凄く真摯で真っすぐで……

 

「……任せてちょうだい。完璧なものを仕上げるわ」

 

 その視線に、ヒカリも同じ熱意をもって頷き返す。

 

 初めて作るものだろうけど、ポケモンコンテスト用の衣装なども自分で手掛けるほどの器用な指先の持ち主であるヒカリなら、きっと満足のいくものを作り上げるだろう。その事を知っているバドレックスは満足そうに首を縦に振り、今度はみんなに向けて言葉を放つ。

 

『今日はもう遅い。ヒカリがタヅナを作る時間も必要。それにヨも、にんじん2つに『かがやくはなびら』2枚の作成、そしてレイスポスたちに思念を飛ばしたりと多量の力を使い疲れてしまった。本番であるレイスポスたちとの改めての相対に備え休んでおきたい。他に何も無ければ、ヨは解散と行きたいのだが……構わぬか?』

「うん。問題ないよ。みんなも、特に何も無いよね?」

 

 バドレックスからの意見とボクからの確認。その両方に特に言葉のないみんなは、無言にてこの声掛けに返答をする。誰も意見がないことを確認したバドレックスは、改めて首を縦に振りながら、ゆっくりと民宿の出口へと進んでいく。

 

『手綱ができるのが明日か、明後日か、はたまたもっと遠くかはヨはよく分からないが……時がきたらまた声をかけてくれるとありがたい。そして是非とも、ヨが力を取り戻す瞬間を見届けて欲しい』

「ええ。できる限り早く作り上げるから、それまでゆっくり休んでなさい」

「最後まで見届けるよ。手伝うって約束したからね!」

『……本当に感謝する。やはり、オヌシらに頼んで良かったぞ』

 

 扉に手をかけながらこちらを振り向き、嬉しそうな表情を浮かべるバドレックス。その姿がとても微笑ましく、声を返したヒカリとボクは勿論、他の人もみんな表情を柔らかくしていた。ジュンやホップに関しては、名残惜しさからさらに言葉を続ける始末だ。

 

「なぁなぁ、別に休むだけならこの民宿にいれば良くないか?」

「そうだぞ!民宿の方が暖かいし美味しいご飯もあるし、快適だぞ?」

『それは誠に魅力的な提案であるな。しかしヨは土着の王。故にヨにとって1番の快適は自然の中なのである。この民宿も、木製という点で言えば『自然の中』と定義することが出来るのだが……やはり1番は自然の中なのである。それゆえ、迅速な回復が必要な今回においては、心苦しいがオヌシらの提案は此度は断らせて頂こう。すまぬな』

「いや、理由がちゃんとあるならいいんだ。オレたちこそ悪かったぜ」

「オレも、わがままが混じってなかったと言えば嘘になるからな……すまなかったぞ……」

『なに、謝ることもない。オヌシらとの会話はヨも好きであるからな。ヨが力を取り戻し、余裕が生まれたその時はゆっくりと話し合おうぞ』

「「おう!!」」

 

 ジュンとホップとの会話を終えたバドレックスは、同時にゆっくり扉を開け、その身をもう夜になってしまったフリーズ村へと滑り込ませる。

 

『ではまた。失礼するのである』

「うん、またね!!」

 

 そしてひとまずの別れを告げたバドレックスは、ガチャンと言う音を立てながら扉を閉め、その姿を完全に消してしまう。

 

「さて、わたしはやることできたし、チャチャッと夕飯を作って準備に取り掛かろうかしら?」

「それなら、今宵もわたくしが料理を行いますよ」

「でも、昨日も任せてしまっているから……」

「いえいえ、お気になさらず」

「肉!!コクランさん!!今日はいろいろ動いたから肉が食いたいぜ!!」

「あんたはちょっとは遠慮を覚えなさい!!」

 

「……ふごっ!?あ、あれ……?また寝ちまったのか……?って村の復興はどうなったんだ!?」

「もう終わりましたよ。それよりも、今日はもう休むので部屋の掃除とかしましょう」

「今日はいろいろ動き回ったし、力仕事も多くて疲れたからな!!」

「しっかり休める準備も大事と」

 

 バドレックスがいなくなって、いつも通りの空気が民宿の中に戻って来る。それがどこか心地よくて、その様子を見ているだけで、不思議と肩の力は抜けていく。

 

 コクランさん、ヒカリ、ジュンの晩御飯のやり取りも、ピオニーさんとガラル組のやり取りも、それぞれがボクを日常へ引き戻してくれる、のんびりとしたやり取りだ。

 

「相変わらず騒がしいわね……」

「でも、嫌じゃないですよね?」

「ノーコメントよ……」

 

 そしてボクとカトレアさんの紅茶を飲みながらの雑談も、そんな日常の1つになっていた。

 

「……でも……伝説を追い続けて……心が疲れているというのであれば……あたくし相手で落ち着くのであれば……まぁ……付き合ってあげないこともないわ……」

「ふふ、ありがとうございます」

「……全く……別に構わないとは言ったけど……あまりあたくしに構うと……パートナーに嫉妬されるわよ……」

「パートナー?ヨノワールですか?あまりそういう感情を向けられたことはないですけど……」

「……何でもないわよ……忘れてちょうだい……」

「???」

 

 カトレアさんの言葉に首をかしげながらも、ひと時の休息を過ごすボク。その日常に帰ってきた感覚は、いつも以上にボクの心を落ち着かせてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




素材

実機ではバドレックスは、タヅナの素材を一切知らないのですが、さすがに鬣を手に入れっるルートが思いつかなかったので、この場では知っている状態に。花の方は相変わらずでしたが。

ヒカリ

実機ではタヅナはピオニーさんが作成しますが、この作品ではもっと適任がいますので、ヒカリさんにお願いしました。ヨロイ島辺からの貢献度が凄いですね。




もう少しで新しいアニポケが始まりますね。こちらはこちらで楽しみなので、ゆっくり待ちたいですね。




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