【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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185話

「これが……『キズナのタヅナ』……」

「光にかざすととっても綺麗……」

「ああ。青色に淡く輝く様も、そこはかとなくバドレックスの力を見てるみたいでいいな!!」

 

 ヒカリがバドレックスから『キズナのタヅナ』の作成を依頼されて2日後。朝起きて、ピオニーさんを招き入れ、いつも通りのんびりコクランさんお手製の朝食を摂っていたところに、ヒカリが達成感を携えた表情を浮かべながらリビングに降りてきていた。その様子からここにいるみんなが察し、すぐに駆け寄って進捗を聞く。すると、とても嬉しそうな表情を浮かべながら、ヒカリが2つの布を見せてくれた。それこそが『キズナのタヅナ』だった。

 

 完成した『キズナのタヅナ』を早速見せてもらったボクたちは、万が一壊れてしまわないように丁寧に触れながら、ヒカリが作成したそれに見とれていく。ゆっくりと持ち上げて、試しに部屋の明かりに透かせてみれば、タヅナは綺麗な薄い青色の光を放っているように見えた。その様がとても美しく、ボクとユウリは思わず声を漏らし、ホップはその光から一昨日のバドレックスの放った光を想起していた。ホップの言う通り、バドレックスの力を象徴していると言われても納得できる代物だ。

 

「これ、ほんとに凄か……」

「とてもじゃないが、花と鬣から作ったようには見えないよな……」

「わたし自身も初めて作るものだからなんとも言えないけど……うん。会心の出来だとは思っているわよ」

 

 続くマリィとジュンからの褒め言葉設けて、達成感を含んでいた顔にさらに喜びを混ぜていくヒカリ。会心の出来と思っていたものがここまで高評価されて嬉しそうだ。

 

「綺麗だけでなく……頑丈そうでもあるわね……ここで破ってしまいたくないから引っ張ったりはしないけど……それでもちょっとやそっとではこの布は裂かれることは無いわね……」

「本当に素晴らしいクオリティです。しかしこれだけのクオリティをこの短期間で仕上げるのは大変だったのでは?」

 

 その評価はボクたちだけではなく、こういったものに触れることの多いだろうカトレアさんとコクランさんもしていた。と同時に、短期間でこれだけのものを仕上げたことに少なくない心配の念を抱いているみたいだけど、それに対してヒカリは首を振り、動作でコクランさんの言葉を否定しながら返していく。

 

「確かに作業自体はとても複雑だったわ。とてもじゃないけど、ジュンのような人だと多分、一生かけても作れないレベルね」

「なぁ、ここでオレをディスる必要あったか?」

「けど複雑な分、鬣と花を織る回数自体は意外と少なかったのよ。その証拠がその布面積の少なさね。実際にそのタヅナ、長さはあるけど太くはないでしょ?」

「確かに……」

「いや聞けよ!!」

 

 ヒカリに言われて改めてタヅナを見てみるけど、確かに形状は細長いし、肝心の長さもボクたち人間が使うにしてはちょっと足りないようにも見える。おそらく、バドレックスが使うように、人間のそれと比べて少し短めに調整されているのだろう。

 

「織り方も複雑ではあるけど、この形状ならコツを掴んでしまえばあとは繰り返し作業。そこまで行けば作るのに苦労はしないわね。正直、コンテスト用の衣装を作る方が、布の面積や細かさも加味すると大変かも。だから思ったよりは疲れていないわね。コクランさんも、ご心配ありがとうございます」

「さすがね……」

「過ぎた言葉でしたか。失礼しました」

 

 なんでもないように喋るヒカリは、幼馴染のボクからしても嘘を言っているようには見えず、本当に疲れたり無茶をしたりはしていないんだなということがよく伝わった。そのことにカトレアさんは関心の言葉を漏らし、コクランさんは軽い謝罪を入れる。そんな2人の反応にヒカリは、少しだけ照れながら視線を逸らし、逃げるように話をずらす。

 

「それよりも、早くバドレックスに見せてあげましょ?きっと首をキリンリキ見たく長くして待っていると思うわ」

「珍しい……照れから逃げるヒカリなんて久しぶり見たかも……」

「明日は槍が降るのか?」

「ジュン、後で覚えてなさいよ……」

「なんでオレだけなんだよ!!」

「一言余計だからだよ……」

 

 相変わらずのジュンに思わず苦笑いを零すボク。ただ、今は優先するものが別にあるため、ボクにとってはに慣れたいつもどおりのやり取りをとりあえずおいておき、ヒカリの言う通り早くバドレックスに見せるためにさっそく外出の準備を行う。

 

「お、今日も探検に行くんだな!!しっかり冒険を楽しんでくれよな!!」

「あ、あはは……了解です~」

 

 そんなボクたちを見かけたピオニーさんが、いつもと同じくボクたちを送る言葉をかけてくれる。けど、この後バドレックスと出会い、いつものようにお話をすることを考えると、ピオニーさんとは別の形で再会するので、そのことを知っているピオニーさん以外のメンバーはさっきよりももっと大きい苦笑いを浮かべることとなる。

 

「んん?どうしたお前ら?オレの顔に何かついてんのか?」

「いえ、何でもないですよ。行ってきますね」

 

 そんなボクたちの様子を見て怪訝な表情を浮かべるピオニーさんだけど、正直に答えることはできないので、ちょっと強引にごまかして外へと出かけていく。

 

「ちと気になるが……まぁいいか!!行ってこい!!」

 

 何とか誤魔化しきったボクたちは、ピオニーさんの豪快な見送りを背に受けながら、民宿の扉を開けて外に出る。

 

「ふぃ~、やっぱり寒か~」

「けど心地いい寒さだよな!!今日も天気がいいから気持ちは楽だぜ」

「私はやっぱり寒いのは嫌かなぁ」

 

 外に出たボクたちを迎えたのは、地面の雪に反射してさらに輝いている朝のフリーズ村。白銀の世界であるその光景はマリィとジュンの言う通り寒いけど綺麗でどこか心地いい。もうカンムリ雪原に来て何日か滞在したおかげでこの厳しい寒さにも慣れ始め、周りを見る余裕が出来たことも、こんなことを感じた理由だろう。最も、寒さが嫌いなユウリだけは相変わらずの反応をしているけどね。

 

「さ、バドレックスの元に早く行きましょ」

「おう!……でも、バドレックスのやつ、今どこにいるんだ?」

「う~ん、そういえば確かに集合場所は決めてなかったよね」

 

 そんな感動的ながらも、ちょっと見なれてきたため少しだけドライな反応を示したヒカリは、目的を早く達成するべくみんなを促していく。しかし、その言葉に対して肝心のバドレックスの居場所を知らないことを思い出したホップとボクは、辺りを見渡しながら言葉をこぼす。みんなもそのことに気づき、「そういえば」といった表情を浮かべながら辺りを見渡したり、考え込むように顎に手を当てたりしていた。

 

 そんな中、ふと頭の中に何かが響く。

 

(む?ヨを探しておるのか?であるならば、ヨとオヌシらが初めて出会った場所にて落ち合うとしよう)

 

 それはバドレックスからのテレパシー。最近はピオニーさんを介して会話をしていたため、急に聞こえた声に少しだけびっくりしてしまうけど、直ぐに理解したボクはみんなに向き直る。

 

「バドレックス、ボクたちが最初に出会ったあの広場で待ってるって」

「……ああ!!今の声バドレックスのか!!」

「いきなり鳴き声が響いてびっくりしたと……」

「そういえば、何も無い状態でバドレックスの声を聞き取れるのって、ボクとカトレアさんだけだったね」

 

 ボクの言葉にみんなの反応が少し遅れていたから「一体どうしたんだろう?」と思ったけど、そういえばそうだったと理解した。いつかホップやマリィたちも、何も無くても会話ができるくらいバドレックスの力が戻ると嬉しいね。

 

 とにかく、バドレックス本人から集合場所を提示してもらったので、ボクたちは早速民宿近くの広場へとその足を動かしていく。距離自体はそんなに離れていないので、程なくしてたどり着いたその場所には、既にバドレックスが待機をしていた。

 

(待っておったぞ人の子よ。その様子だと……)

「ああストップストップバドレックス!!声!ボクにしか届いていないから!!」

(む?そういえばそうであったな。むぅ、やはり力が無いと不便であるな……むん!!)

 

 早速話を進めようとするバドレックスだけど、このままだとボクしか話を聞くことが出来ずに、ボクが永遠と通訳をすることとなってしまう。流石にそれが続くとなると、ボクもバドレックスも色々と疲れてしまうので、やっぱりバドレックスの言葉をちゃんと人の言葉として発することの出来る媒体……っていうと、まるでピオニーさんを物みたいに扱っているような気がするのでちょっといやだけど、とにかくそういった存在が必要だ。バドレックスもそれはしっかりとわかっているので、ボクたちがさっき出てきた民宿のドアを、バドレックスがサイコキネシスで動かした木で軽くノックをする。すると、民宿の中からドタドタという音が鳴り響き、程なくして弾かれるようにドアが開かれる。

 

「シャクちゃんか!?帰ってきてくれt……」

 

(すまないが、今一度身体を借りるぞ!!)

 

「てょわわわぁ~ん……」

 

 中から飛び出してきたのは当然ピオニーさん。シロナさんは未だに研究に集中しているし、カトレアさんはそもそもテレパスの内容を人の言葉として理解している。そうなればコクランさんは何が起こるのかをカトレアさん経由で知ることが出来るので、当然コクランさんも動かない。となれば、ピオニーさんが出てくるのは必然だ。そんなまんまとおびき寄せられたピオニーさんは、外に出た瞬間にバドレックスによってキャッチされ、いつものてょわった姿となってしまう。

 

「……やっぱりだんだんかわいそうに感じてきた」

「私も……どうしようもないとはいえ、なんかね……」

『ヨもできればこんな手は取りたくないのだがな……もう少しの辛抱故、耐えて欲しい』

 

 ここまで綺麗につられてしまうピオニーさんに、どんどん悲しい気持ちが募り始めていく。ユウリもボクの意見に賛同しており、バドレックスも思うところがあるみたいで苦い反応をしているけど、バドレックス本人が言う通り、彼が力を取り戻すまではどうしようもない。ただ、その時もあと少しだと思うので、ピオニーさんにはあとちょっとだけ頑張ってもらいたい。

 

 ちなみに、マリィ、ジュンあたりはやっぱりこの姿がツボみたいで、けど流石に慣れてはきたみたいなのか、声を漏らすことはないけど必死にこらえている表情を浮かべていた。……いや、途中で噴き出してるからやっぱり耐えれていないね。

 

『してフリアよ。ヨを呼んでいるような気がしたのだが……』

「あ、そうそう!!バドレックス!!『キズナのタヅナ』が完成したよ!!」

『誠であるか!?』

「ヒカリが頑張って作ってくれたんだ!!」

「あまり持ち上げないでよ。わたしにできることをしただけよ」

 

 笑いを堪えきれていないメンバーはとりあえず放置して、バドレックスに向けて本題を話す。カバンの中に入れていた『キズナのタヅナ』を取り出して、バドレックスの前に2本ともたらして見せる。その際、ユウリがまるで自分のことのように嬉しそうに紹介をし、その姿にヒカリが照れながら言葉を返していく。

 

 素直で真っすぐなユウリと、自分に正直ではあるけど、どちらかというと他人を引っ張りまわす側のヒカリの組み合わせは、こうしてみると案外面白い組み合わせなのかもしれない。

 

『うむ……この手触り。この光沢。何よりタヅナより伝わるこの感覚……間違いない。これこそ『キズナのタヅナ』である。嬉しく、そして懐かしい……』

 

 ボクの手元から2つのタヅナを受け取り、両方をじっくりと見つめるバドレックス。その表情はとても穏やかで、とても嬉しそうで……まるで久しぶりに親友と出会ったかのような、懐かしむ雰囲気を感じた。

 

『このタヅナをもって、再び野を掛けられる可能性がある……それが現実味を帯びてきただけで、ヨは本当にたまらないのである』

 

 本当に嬉しそうにそうつぶやくバドレックスは、見ているこちらまでもが幸せになるほどだ。さっきまでユウリの純粋な言葉に照れていたヒカリも、この表情の前ではごまかすこともやめ、素直に嬉しそうな表情を向けていた。

 

 そんな少しふわふわした、穏やかな時間が流れていたけど、これはあくまでもスタートライン。大事なのはここからだ。もう少し感傷に浸っていたそうなバドレックスを止めるのは少し忍びないけど、本題に入らせていただこう。

 

「で、バドレックス。これでにんじんと『キズナのタヅナ』がそろったわけだけど……」

「肝心の愛馬たちが今どこにいるのかは、また1から探し直しだよな」

「近くに入ると思うから、また一昨日みたいにポケモンたち総出で探してもらうか?」

『いや、それには及ばぬ』

 

 ボク、ホップ、ジュンの3人で、この先のこと……具体的に言うと愛馬の捜索方法について話し合っていると、バドレックスから待ったの声がかかる。一瞬その意味が分からず、思わず首をかしげてしまう。勿論、ホップとジュンも同じ考えだったので、ボクより先に口を開いて疑問を投げかけた。

 

「及ばないってどういうことだ?」

「愛馬を見つけないと先に進めなくないか?」

『ヨが身体を休めている2日間、何もしなかったとでも?』

「「……成程ね」」

 

 そんなジュンとホップに対して、若干のどや顔を決めながら口を開くバドレックス。その様子からいろいろ察したヒカリとボクは、思わず口をそろえて言葉を零す。

 

『ブリザポス。そしてレイスポスは、このカンムリ雪原の北側に位置する『カンムリ神殿』という場所を根城にしているのである』

「休んでいる間に位置を探ってくれてたのか!!……でも、どうやって探したんだ?」

『身体を休めたこと。認知されたことによって力が戻ったこと。そして何より、愛馬たちがヨを思い出したことが重なって、ヨは愛馬たちとの繋がりをかすかに感じ取ることが出来たのだ。そこから今のアヤツらの居場所を探知したというわけである』

 

 ボクとヒカリの声に小さく頷いたバドレックスは、そのまま状況を説明。それに対してホップが首をかしげるものの、バドレックスが更に説明を重ねることで、みんながバドレックスの言葉に納得した。しかし、ここに来てもう1つの疑問が浮かび上がる。

 

「でも、2人そろって同じ場所にいると?フリーズ村であんなにバトルしてたから、てっきり別々の場所にいると思ってたと……」

「確かに……そこは気になるね……」

 

 それはレイスポスとブリザポスが同じところにいるという事。マリィが代表して口を開き、それにユウリが続いた。この謎はバドレックスも抱いていたみたいで、ボクたちと同じように考え込む様子を見せた。

 

『そこに関してはヨも不思議である。ヨと会う前から仲が悪かった両者故、ヨと繋がっていない今、例えヨのことを思い出したとしても、アヤツらが一緒にいる理由はないはず。いや……』

 

 そこまで話したバドレックスはその顔を下に向け、更に考え込むように言葉を零す。

 

『もしかして、ヨの言葉を聞いて昔を思い出し、アヤツらもヨとの思い出に浸って……いや、まさかな……』

 

 自分の中で答えを出したかのような言葉を落とすも、すぐに首を振って否定するバドレックス。バドレックスの独白を聞いたせいか、少しだけ空気がしんみりしたものの、それを振り払うかのようにバドレックスが口を開いたので、ボクたちも意識を切り替える。聞きたいことはあるけど、それは移動しながらでも聴けるしね。

 

『ともかく、まずはカンムリ神殿へ向かおうぞ。場所は北の山の山頂……ここから見えるあの枯れ木が目印であるな』

 

 バドレックスにつられて北に目を向けると、確かにここからでも見えるくらい大きな枯れ木が見えた。

 

『行き方はヨたちが『つめたいにんじん』を育てた場所から更に先に進むだけである。とはいうが、それでもちょっとした登山となる。オヌシら、準備はよいな?』

「「「「「「勿論!!」」」」」」

 

 バドレックスの言葉に頷いたボクたちは、愛馬たちと再び相まみえるため、カンムリ神殿へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今ヨたちが向かっている『カンムリ神殿』は、昔ヨたちが共に過ごしていた場所なのだ。……昔の嫌な事を思い出してしまう故、ヨの足が向くことはなかったがな……』

「成程、昔のバドレックスのお家みたいな所だったんだね」

 

 バドレックスとてょわっているピオニーさんを先頭にしてカンムリ神殿へと足を動かしていくボクたち。その間、バドレックスから昔話を聴き、相槌を打ちながら『頂への雪道』と呼ばれる所をゆっくりと進んでいく。

 

 頂への雪道。

 

 つめたいにんじんを手に入れた『雪中渓谷』から頂に向けて登山していき、途中にある『登頂トンネル』を抜けた先にある一本道の名称で、ここに来るまで複雑で急斜面などが目立っていた道と比べると、比較的緩やかな傾斜をした登山道だ。雪が降り積もっているのはもちろんのこと、そこに雪で化粧された木が乱立する姿はとても幻想的で、ここからダイ木を見下ろした先に見える壮大な景色と相まって、もしここが認知されていたら、間違いなく人気スポットになっているだろうと思えるほどの素敵な場所だった。枯れ木の間を踊るように飛びながら、氷の鱗粉を撒くモスノウたちも、この景色と相まって1つの芸術のようだ。この寒ささえ我慢できれば、間違いなく好きな場所になると思う。

 

『うむ。人の子がヨのために建ててくれたので、ありがたく住まわせていただいていたのだ。やはり、拠点というものはあれば安心できるうえ、一番身体を休めることが出来るのでな』

「でも、力を養うには自然が一番なんだろ?実際一昨日もそれを理由にして一旦別れたわけだしな」

「確かに……これだとバドレックスの話にちょっと矛盾が出来ちゃう……?」

 

 バドレックスがこれから向かう『カンムリ神殿』について説明しているところで、ホップから疑問を投げられ、それに追従する形でユウリも言葉を落とす。確かに、一昨日の行動と矛盾しているように感じたけど、これに対してバドレックスは、さも何事もないかのように答える。

 

『確かにそう聞こえるやもしれぬが……忘れておるかもしれぬが、ヨは土着の王であり、人の信仰を力の源としているのである。今は人がヨを覚えていないゆえ力が出ぬが、人がヨを覚え、称え、崇めるほど逆に力がみなぎるのである。しからば、その信仰の象徴であるこの神殿は、村にある像と同じく、ヨの力の源になりえる建物なのである。故に、ヨを象徴するこの建物は、自然以上にヨの力をためる場所にはうってつけの場所なのである』

「成程……シンオウ地方で言う祠とか神社のような役割なのかな……?」

「ああ、カンナギタウンに似たようなのがあったっけな」

『ほう、そちらの地方にも似たような役割を持つ建造物があるという事か……大変興味深い。ヨも見てみたいのである』

「なら、どこかのタイミングでシロナさんに声をかけてみましょうか。あの人カンナギタウンの出身だし、いろいろお話が聞けると思うわよ」

 

 バドレックスの話に、ボク、ジュン、ヒカリが乗っかっていく。

 

 シンオウ地方とガラル地方。見た目や伝説の内容は違えども、風習や人とポケモンの関係にどこか近しいものを感じるあたり、根幹の部分は一緒なんだなということがよく分かる瞬間だった。これから向かう場所も、『神殿』という言葉にすると仰々しく感じるものの、『バドレックスの昔のお家』や、『バドレックスを祀る神社』という言い方をすれば、幾分かリラックスした気持ちで臨めそうだ。

 

『シンオウ地方の歴史……まこと興味深くあるな……だが、昔話に花を咲かせるのは一旦やめるとしよう』

 

 お互いの文化に対して盛り上がる空気を止めるバドレックス。しかし、その話題転換に文句を言う人はいない。

 

 なぜなら、目的の場所が目の前に迫ってきたから。

 

 バドレックスの言葉と同時に、足元も雪道から石階段に変わり始めていた。

 

 見える景色も、綺麗な景色から立派な石造りの建物へと変わっていく。

 

『オヌシらよ……準備良いな?』

「「「「「「……うん!」」」」」」

 

 バドレックスの力を取り戻す旅。その最終章の会場へと、ボクたちは進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




作成期間

実機だとピオニーさんが一瞬で作りましたが、実際はかなりの器用さと技術が必要みたいなので、少しだけ期間を延ばしました。おかげでヒカリさんの体力は思ったよりは消費されていません。

神殿

テンガン山、やりのはしらも同じような作りですけど、フリアさんが音ぞれた時には壊れてますからね。それよりかは、カンナギタウンの祠などの方がイメージしやすいかと。一応、シンオウ地方は北海道を、ガラル地方はイギリスをモデルにしているので、それぞれの地域では神社と神殿という形になるのでは?という意図もあったり。




バドレックスのお話もいよいよ終盤ですね。




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