「ヘイ!」
「「「「「へへイ!!」」」」」
「タイレーツ……」
突如現れた謎のポケモン。スマホロトムで検索をかけて見ても該当ポケモンは存在せず、どこかポケモンらしくないその雰囲気は、ヨロイ島で見かけたデンジュモクとズガドーンのそれに似ていた。
「ピュ、ピュイ……」
そして何よりも、いつの間にかくっついていたほしぐもちゃんが少し反応を示しているところが、より私たちの予想を確固たるものへと押し上げていく。
「ねぇフリア。もしかしなくてもあの子って……」
「うん。多分ウルトラビースト。しかもあの姿はカトレアさんに見せてもらった覚えがある。コードネームは『UB SLASH』。名前は確か……『カミツルギ』」
「カミツルギ……」
「ヤー、ターン!!」
私とフリアが名前を口にしたと同時に、カミツルギが呼応するように声を上げる。ヨノワールを攻撃した両手を広げ、ゆらゆら動くその姿は、自然体に見えるからこそ隙がない。今にもこちらに攻撃してきそうな気迫を見せてくるカミツルギから少しでも視線を外してしまえば、一瞬で切って捨てられることだろう。それがわかっているから……ううん。そんなこと関係なしに、仲間の敵であるカミツルギを、タイレーツはただじっと見つめていた。多分、今のタイレーツにはカミツルギ以外見えていないと思う。
「タイレーツ、大丈夫?」
「……ヘイ」
(かろうじて返事はしてくれてる……さっきの約束が効いてるのかも……)
試しにタイレーツに声をかけてみると視線はカミツルギから一切外れはしないけど、私の声には何とか反応してくれた。これなら暴走する心配は今のところは無さそう。問題は……
(カミツルギを相手に、どこまで戦えるのか……)
見た目がかなり小さく、折り紙のような身体をしているためか、常に身体をヒラヒラさせ、流されているように見えるその佇まいからは、正直あまり強そうな感想を抱くことは無い。しかし、不意打ちとはいえ、耐久力に自慢のあるフリアのヨノワールに、一撃でここまでダメージを与えられるポケモンというのは私は知らない。少なくとも、タイレーツにはここまでヨノワールを傷つけられるだけの力は単発では出せない。間違いなく、素の力比べでは向こうに軍配が上がるだろう。ヨノワールに対してのふいうちでした攻撃が、弱点をつくあくかゴーストタイプの技では無いのなら尚更だ。
ここまで現状を考え直して、やっぱり勝ち筋があるようにはあまり思えない。タイレーツ以外のボールは民宿に置いてきてしまっているし、他のみんなには内緒で来てるから援軍も期待できない。唯一ここに来てくれたフリアも、私と同じくヨノワール以外は寝ているから連れて来ていないみたいだし、何よりも怪我をしている彼をバトルに巻き込みたくない。
「ほしぐもちゃん。私の後ろに隠れててね」
「ピュイ……」
本当なら、あらゆることをしてでもここから逃げるのが正解なのだろう。ここまであげてきた、こちらが不利な理由を見ればそれは明らかだ。でも……
「……ヘイ!!」
「「「「「へへイ!!」」」」」
「タイレーツ……」
タイレーツの原点が目の前に居て、こんなにも感情を爆発させている彼らを見ると。
「絶対勝つよ!!」
「!?……ヘイ!!」
「「「「「ヘイ!!」」」」」
止めることなんてできなかった。
「『メガホーン』!!」
「ヘイ!!」
私の指示を聞くと同時に、ヘイチョーが自慢の角を緑色に光らせながら、仲間と共に突進していく。
「ターン!!」
それに対しカミツルギは、自身の両手をピッタリとくっつけ、それを頭上に掲げる。すると合わされた両腕が緑色に光だし、ひとつの大きな刀となって、それをそのままタイレーツに振り下ろされる。
「スラ……ヤー!」
「ヘイ!?」
「あの技……エルレイドも使ってた。『リーフブレード』だ……タイレーツ!!引いて!!」
振り下ろされた緑の刀と、突き出された緑の角は、ぶつかり会った瞬間甲高い音をかなでて、少しだけ拮抗状態となる。が、やはり単発火力は向こうが上らしく、少しするとタイレーツはすぐに押され始めてしまう。なので私はすかさず下がることを指示。タイレーツもそこまで理性を失っている訳では無いので、不利を悟ってしっかり引いてくれた。
どうやらカミツルギの鋭そうな両手も見掛け倒しという訳ではなく、本当に切れ味が鋭いみたいで、エルレイドと同じ技だけど、特性で強化されたエルレイドのそれと遜色ない威力で放たれていた。
(エルレイドと同じで、切る事が得意な子なんだ。もしかしたら技も似てるのかな……?もしそうなら、少しありがたいんだけど……)
バドレックスや3鳥のように、彼らだけが放つ専用技は基本強力なものが多い。その上初めて見るということはこちらの反応がどうしても遅れてしまう。そうなれば、こちらが致命傷を受ける可能性もグンと高くなってしまう。そう考えると、まだ確定ではいものの、おおよその戦闘スタイルが見えてきたのは、心情的には少し嬉しかったりした。
もっとも、それで勝てるほど甘い相手ではないんだけど。
「ヤー、ターン!!」
「『メガホーン』!!」
少し気が抜けそうになるような声を上げたカミツルギが放つ次に技は、恐らくせいなるつるぎ。リーフブレードと同じく、両手を光らせてくっつけたその刃を、今度は右上から左下へ袈裟斬りの形で奮ってくる。これに対して再びメガホーンで応戦するタイレーツは、やっぱり力の差で押し負けてしまうけど、見た感じ、リーフブレードよりは火力は出ていないように見えた。
(火力が違うってことは、あの子は『リーフブレード』を使う方が得意ってことだよね?名前に『カミ』って入ってるし、紙と似てる性質なら、くさタイプの可能性は高いかも……でも、むしタイプの『メガホーン』は効果抜群じゃなさそうだし……あと1個のタイプ、なんだろう?)
「ユウリ、ボクも一緒に……っ!?」
「って、フリアは動いたらダメ!……ここは、私が頑張るから……っ!!」
「……ごめん、ありがとう」
未だ分からないことが多いカミツルギの、せめてタイプだけでも見極めようと思考を回している時に、私の後ろから苦しそうな声を上げながらフリアが無理やり起きようとしたので、慌ててそれを抑えて前を向く。いつもいつも、誰よりも前に出て、誰よりも他者を想って、誰よりも傷つく姿を、関わりがまだ浅い私でも沢山見てきた。だから、せめて今日くらいは私が守る側でいたい。
(でないと、あなたの隣に、胸を張って立てないから)
フリアを守ることを改めて誓い、気合いを入れ直して戦況を見ると、再びタイレーツが押し返されてこちらに戻される瞬間だった。
「ヘイ……ヘヘイ!!」
「「「「「ヘイ!」」」」」
力の差は歴然。ヘイチョーもそれを理解しているけど、それを表に出しては他のメンバーに伝染してしまうため、みんなを鼓舞するためにも明るい声で発破をかける。因縁の相手と言うだけあって、絶対勝ちたいのはもちろんのこと、何よりも後ろには傷ついたフリアとヨノワールがいる。下がる訳には行かない。この逆境的状況が、むしろタイレーツたちの心を昂らせており、どんどん士気を高めていく。
もちろん、私も同じ気持ちだ。
「タイレーツ、いくよ」
「ヘイ!」
「『はいすいのじん』!!」
「ヘヘイ!!」
「「「「「ヘーイ!!」」」」」
能力が足りないなら増やせばいい。自ら退路を断ったタイレーツは、その代わりとして全ての能力を引き上げる。これで少しはくらいつけるはずだ。
「『スマートホーン』!!」
「「「「「「ヘイ!!」」」」」」
能力を強化したタイレーツたちは、私の言葉と共に一斉に走り出す。6人のタイレーツが全員頭の角を鈍色に光らせながら走る姿は、さながら戦車軍団の突撃のようだ。
はいすいのじんで強化された能力を活かしながらかけるタイレーツに対して、カミツルギは両手の刃を淡い虹色で覆い、そのまま振りかぶってピンク色の斬撃を飛ばしてくる。間違いなくサイコカッターだ。フリアのエルレイドが使っているところを何度も見ているからよくわかる。
タイレーツの弱点をつくこの技は、何がなんでも回避しないといけない。幸い、現在頭にまとっているのがスマートホーンだということもあり、この鋼の部分であればあの虹色の刃もダメージは抑えられる。そう判断したタイレーツは、自分たちを2人3組に分け、ヘイチョーを含んだ一組が最前線に出てサイコカッターを受け止める。次々と飛んでくる弱点を突かれるその攻撃を、しかしはいすいのじんで上げた体力と、エスパーをいまひとつで受け止められる鋼を纏った角を利用して何とか逸らしていき、同時にカミツルギの視線を集めていく。その間に左右に走り込んだ2組は、左右から挟撃するように前進。押しつぶすように繰り出されるその攻撃は、カミツルギに当たる直前まで相手に気取られることなく肉薄することに成功した。結果、カミツルギはサイコカッターを止めざるを得ず、攻撃を防ぐことに専念。しかし、反応速度が速いのかカミツルギは、両腕に緑色の光を纏いながら左右に構えることですぐに対応。まさか防がれると思わなかった左右の組は、驚きの声を上げる。けど、攻撃を止めて左右に手を伸ばすということは、真ん中への防御が甘くなるという事。
「『インファイト』!!」
「「ヘイ!!」」
真正面から走り出すのはさっきまでサイコカッターを防いでいたヘイチョーともう1人のペア。その2人が両手の拳を構えて猛進し、カミツルギの懐まで潜り込む。
「「ヘヘヘイ!!」」
「ヤヤッ!?」
懐に入り込むと同時に2人から放たれる拳の嵐は、カミツルギの身体に想像以上のダメージを叩き込んでいく。けど、このまま押し切られるわけにはいかないと力を振り絞ったカミツルギは、その場で身体を一回転。暴力的なまでに鋭い切れ味を振り回して、自身の周りにいる6人のタイレーツ全員を弾いて行く。これでいったん振りだしに戻る形となる。けど、収穫はあった。
(リーフブレードが得意だからくさタイプなのは分かっていたけど、むしタイプの攻撃が思ったより通らない理由がわからなかった。けど、『インファイト』に対するあのダメージ具合……かくとうが苦手になるタイプが一緒についているんだ。むしに耐えられて、そのうえでかくとうが苦手なタイプは1つしかない!!)
「カミツルギ……あなたのタイプはくさ、はがねタイプ……!なら、かくとうで押していくよ!!タイレーツ!!」
「ヘイ!!」
「「「「「へヘイ!!」」」」」
突破口が見えたことに対してさらに士気を上げるタイレーツは、陣形を組みながら拳を構え始める。
「スラ……」
一方でカミツルギは自身にダメージを与えた敵をしっかりと見据え、タイレーツを今一番倒すべき相手へと認定した。
空気が変わる。
「ヤ―……ターン!!」
「あれは……」
雰囲気を変えたカミツルギ。そんな彼が横に1回転すると、彼の周りに赤い色の剣が漂い始める。その剣たちは、現れると同時に、カミツルギの周りをゆっくりと回り始める。
「ユウリッ!!」
「タイレーツ!!あれを止めて!!」
その動きを見てカミツルギが何をしているのかに気づいた瞬間、私はフリアの声を聞くと同時にタイレーツに攻撃を指示。なんとしてでもあの行動を止めないと、間違いなくこちらが勝てなくなってしまう。
あの行動はつるぎのまい。自身の攻撃力をグーンと上げるあの技は、せっかくはいすいのじんで縮まったカミツルギとの差を、最初以上に引き離されてしまう。それだけは避けないと、さっき以上の最悪な状態になってしまう。
「『インファイト』!!」
12の拳を携えて走り出すタイレーツ。とにかく相手に早く攻撃を当てることを意識した彼らは、直進でその距離を詰めていく。が、止めに走るには、カミツルギの行動に気づくのが少し遅かった。
赤い剣と共に舞を踊るカミツルギの攻撃がほんのり赤く光りだし、両手、両足の刃は鋭さをさらに増していく。
「スラ……」
舞を踊り終えたカミツルギの周りからは、赤い剣か消えていく。これでつるぎのまいは完了してしまった。けど、だからと言ってこちらの攻め手を止めるわけにはいかない。相手の攻撃が上がったということは、長期戦になるとこちらが押し負けるという事。なら、カミツルギが舞っていた間に詰めたこの距離を生かしてどんどん攻め込んでいく。
「タイレーツ!!カミツルギを囲んで!!」
直進で最短を選ぶ必要がないと判断した私は、攻め方を変える指示をタイレーツに飛ばす。すると、カミツルギを中心に、その周りを囲い、6人で包囲するように位置取りをする。そして全員がちゃんと配置につけたところを確認して、私は攻撃の指示した。
「いって!!」
「「「「「「ヘイ!!」」」」」」
中心に向かって走り出し、カミツルギに対して360°全方位から攻撃を叩き込まんと拳を振るタイレーツ。その攻撃には『ここで決める』という意志がしっかりと乗っており、今までタイレーツが行ってきたどのインファイトよりも気持ちのこもった連撃となっていた。
相手が私の推測通りのくさ、はがねタイプなら、この攻撃が決まれば倒れてくれるはずだ。けど、この予想はカミツルギの予想よりはるか上の行動をもって覆されてしまう。
「ヤ……スラッ!!」
自身が包囲されたと理解したカミツルギは、自身の身体を地面に対して垂直から水平に寝かせる。その姿を見た私は、最初はタイレーツの攻撃を受ける面積を減らすつもりなのかと考えたけど、カミツルギはその状態を維持したまま両手両足を緑色に光らせ、身体を高速で回転させ始めた。
その姿は、まるで回転のこぎりのようで、それを見た私の脳内には、その刃に触れ、ボロボロにされてしまうタイレーツの姿が頭をよぎってしまった。
「タイレーツ!!下がって!!」
ただでさえ鋭いカミツルギの切れ味が、つるぎのまいによってさらに強化されているため、あんなものに巻き込まれようものなら間違いなくこちらが一撃で倒されてしまう。それを危惧した私はすぐに撤退を指示。それを聞いてタイレーツも、この攻撃はまずいと判断したみたいで、一斉に後ろに飛んで下がった。しかし、カミツルギはわざわざ自分のテリトリーに近づいた敵を逃しはしない。
「ヤ―、ターン!!」
身体を回転させ、のこぎりと化したカミツルギは、タイレーツが飛びのいたのを確認するや否や、自身の回転を維持したままタイレーツたちを追いかけ始める。幸い素早さそのものははいすいのじんのおかげでこちらの方がわずかに速いけど、問題はそこじゃない。
もし追い付かれでもすれば一貫の終わり。そのプレッシャーが永遠と付きまとった命がけの追いかけっこ。それはこちらの方が足が速いとわかっていても、タイレーツの心を一気に蝕んでいく。そのせいで、ただでさえ疲れているのに余計にスタミナを削られてしまう。
このままだと捕まるのも時間の問題だ。
「タイレーツ!!みんなを集めて『スマートホーン』!!」
「へヘイ!?ヘイヘイ!!」
「「「「「ヘイヘイ!!」」」」」
逃げによる勝ち筋はないと判断したユウリとタイレーツは、ばらばらに逃げていたヘイたちをヘイチョーの下に集め、6人で壁のような陣形を作成。そこから頭部の角に鈍色の光を宿らせ、剣山のような防壁を作り上げる。
「ヤ―!!」
「ヘイ……ッ!!」
相変わらず気の抜けるようなカミツルギの掛け声と、想像以上に重い一撃を耐えるヘイチョーの必死な叫び声が重なる。そんな、少し離れた位置からでも伝わって来る両者の迫力あるぶつかり合いは、しかしタイレーツにはあと一歩がどうしても届かない。その証拠は、タイレーツたちが弾かれて転がって来るという形であらわされる。
「ヤー!」
「タイレーツ!」
「へ……ヘイ!!」
弾かれたタイレーツに対して追撃をするために再び回転しながら突っ込んでくるカミツルギを見て、タイレーツにすぐさま起きることを指示。タイレーツも身体を起こしてすぐさま陣形を組もうとするけど、それよりも速くカミツルギが突っ込んできたため、スマートホーンで受けざるを得ず、当然受けきることの出来ないタイレーツはまた吹き飛ばされる。
「ヨノワール!!」
飛ばされたタイレーツをすぐに抱き留めるのはヨノワール。いまだに背中を痛そうにしてるけど、動けないことはないらしく、せめてもの援護としてタイレーツたちをしっかりと受け止めてくれた。けど、タイレーツは6人で1人のポケモン。ヨノワールだけで全員を受け止めることが出来ずに、1人だけ違う方に飛ばされてしまう。
「タイレーツ!!大丈夫!?」
「ヘイ……」
そんなタイレーツの下へは私が直接駆けつけて抱きしめる。これで全員の救出に成功。しかし、タイレーツたちはばらばらにされている状態。
こんなチャンスを、カミツルギが逃すわけもなく。
「ユウリ!!逃げて!!」
「え?」
フリアからの悲鳴ともとれる声に反応して前を見ると、もう目の前までカミツルギが迫っているところだった。当然今の私はタイレーツを抱えているから、避けることが出来ず、タイレーツも私の下には1人しかいないから、カミツルギの攻撃を防ぐこともできない。
(これ……やば……っ!?)
いよいよ本気で打つ手なし。せめてタイレーツだけでも守るため、今抱きしめているタイレーツの盾になろうとしたその時。
「ふぅ……間に合ったであるな……」
どこからともなく聞こえてくるとても頼もしい声。その声に気づき、再び前を見た時、そこには巨大な氷が生まれており、その氷にカミツルギは止められていた。
「この氷……バドレックス!?」
「うむ、何やらレイスポスとブリザポスが騒がしかったのでな。慌てて外に出てみれば、危ない状況だった故手を出させてもらった」
急に出てきた氷に驚いていると、私たちの後ろからレイスポスとブリザポスを伴って、バドレックスが近づいてくる。今はブリザポスに乗っている状態で、その状態によって生み出された巨大な氷は、今も尚、必死に暴れているカミツルギを閉じ込めていた。
「大丈夫であるか?何やら見たことないポケモンに襲われていたように見受けられるが……」
「うん……ありがとうバドレックス。助けられちゃった」
「気を付けて。あの子はウルトラビーストっていう、違う世界から迷い込んだポケモンみたいだから」
「この程度の手助け、ヨにしてもらったことに比べたら安いものである。しかし、成程……異世界からの来訪者であるか……」
助けに来てくれたバドレックスにお礼を言う私と、カミツルギのことをバドレックスに説明するフリア。そんな私たちの言葉を聞いたバドレックスは、返事をしながら考え込むような動作をする。
「フリアはふいうちによって傷を負った状態であるか……」
「あっはは……不甲斐ない……」
「他者を守った故の行動であろう?むしろ誇るべきである」
「ありがと」
「うむ。そしてユウリよ。どうやら相手はかなりの強者と見る。ヨもともに戦おう」
フリアの姿を見て、少し心配そうに声をかけるバドレックス。それに対して、フリアも申し訳なさそうに返すけど、バドレックスは過去のことを引き合いにしてフリアに声をかけていく。こういわれてしまうと、返すことも難しそうだ。
そして次にバドレックスは、私への協力を提案してくる。ここに来てとても大きな援軍。伝説の存在であるバドレックスが一緒に戦ってくれたら、カミツルギ相手にも絶対に勝つことが出来るだろう。ここは是非とも一緒に戦っていきたい。
……けど、今も私の腕の中で、悔しそうに顔をゆがめるタイレーツを見ていると、その案に乗ることなんてできなかった。
「ごめんなさい、バドレックス。助けてくれたことは嬉しいし、その手は是非とも受け取りたい。……でも、ずっと追いかけていたもんね。ずっと勝ちたかったんだもんね」
抱えているタイレーツと顔を合わせながら言葉を紡ぐ。その間に、ヨノワールに抱えてもらっていた子たちもこちらに集まっていた。
「カミツルギは、この子たちの目標の1つ。だから……わがままかもしれないけど……私1人で戦わせてほしい!!」
「……ヘイ!!」
私の言葉に嬉しそうに声を上げるタイレーツ。
「ユウリ……」
「オヌシ……」
自分でもらしくないことをしていると思う。その証拠に、フリアもバドレックスも、少し驚いた顔をしていた。
確かにこのままだと勝てる気配はない。でも……それでも……タイレーツの気持ちを知ったら、この気持ちを優先させてあげたいと思ってしまったんだ。
「絶対、勝つんだ!!」
「ヘイ!!」
私の前に並び立つタイレーツ。それと同時に、カミツルギが自身を閉じ込める氷を打ち破って飛び出した。
「ヘイ!」
「「「「「へヘイ!!」」」」」
「ヤ―!!ターン!!」
再び向かい合う両者。
(なんだろう……今なら、フリアが強い人と戦うのを楽しそうにしてたのが、ちょっと分かるかも……)
そんな2人の姿を見た私は、頬が緩むのを止めることが出来なかった。
カミツルギ
ということで3人目のUBですね。その圧倒的なこうげきの種族値は、数値だけで言えばザシアンをも超えて全ポケモン3位に位置します。その3位という座も、上にいるのがメガミュウツーとメガヘラクロスというメガシンカしかいないので、現状では実質1位ですね。恐ろしい火力です。
ヤー
どうしても某筋肉様が出てきますね。原作でもこの言葉なのですが、やっぱり書いてて気が抜けます。
タイレーツ
いろんな援軍が来てくれましたが、それでもタイマン希望。頑張れ。
いよいよポケホーム連携ですね。ようやく中国語のメタモンを連れてこられる……ヒスイポケモンもつれてこられると思うと楽しみですね。バグが少し心配ですが……。