【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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評価の方もありがとうございます。


バウタウン編
21話


 真っ暗な部屋で流れるひとつのビデオ。それを食い入るように見つめる一人の男性の影があった。

 

「ふむ、まさかここまでとは……やはりこのエネルギーは素晴らしい!」

 

 映し出されている映像は複数人の人間の真ん中で暴れている一匹のポケモン。

 

 映像の主役のように映し出される暴れているポケモンはとても理性があるとは言えない。ただひたすら暴れているその様は常人ならとてもではないがみていたといは思えないものだった。が、その男はまるで希望を見つけたかのように輝いた瞳で見ていた。

 

「これはひとつの証明だ。やはりこの計画に間違いはない、ますますこの計画を前倒しにして早く進めなければ……!」

 

 男は今日も、未来のことを考えて動く。

 

 果たしてその行動は吉と出るのか、凶と出るのか。

 

 その結果を知るのはまだ遠い話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガラル地方は緯度のそこそこ高い地域にある。

 

 夏といえども全体的に見ればそこまで気温の上がらないこの地方は、春や秋となれば他と比べるとその時点でそこそこの寒さを誇る。ボクのいたシンオウ地方とその辺はよく似ていて、この温度感覚は別地方だと言うのに全く狂ってはいない。むしろ正しすぎてびっくりするくらいだ。そして今の季節はまだまだ春。つまり何が言いたいかというと……

 

「へっくし……うぅ……」

「ご、ごめんねフリア。まさか思いっきり釣りあげたらそのままコイキングがフリアに当たるなんて……」

「暖かくなってきたとはいえ、海はさすがにまだ冷たいからな……」

 

 もう今は温まり終わったとはいえ、そんな時期に海に叩き落とされたボクの体はむちゃくちゃ冷たくて寒くて死にそうな体験をしていた。

 

 いや、さすがに死にそうは誇張表現なんだけど、かと言ってこの時期に海はさすがに体温をかなり奪われる。あの後すぐに引き上げてもらったし、スボミーインに直行してお風呂に入り、服も着替え体温はだいぶ取り戻した。それでもさっきのことを思い出すだけでなんだか寒さがぶり返してくるような気がする。

 

「ブイ〜……?」

「あはは、イーブイもありがとね」

「ブイ!」

 

 ボクの首に巻き付くように引っ付いて温めてくれるイーブイをひとなで。本当になんでか疑問に思ってしまうほど懐かれてしまっている。個人的には凄く嬉しいし、そして何よりも可愛いから別にいいんだけどね。

 

「イーブイマフラー……気持ちよさそうと……」

「えへへ、いいでしょ」

「それだけ元気に返事できるなら大丈夫そうね」

「あ、はい!助けていただきありがとうございました」

「気にしないでちょうだい。わたしがたまたま近くにいただけだから」

 

 そう言って笑いながら答えてくれたのはここ、バウタウンはバウスタジアムのジムリーダー、ルリナさん。海に落とされたボクを見かけてすぐさま海に飛び込んで助けてくれた。

 

 ボク自身別にカナヅチという訳では無いんだけど、いきなり叩き落とされたということもあり少し体が硬直してしまい溺れる手前まではいっていた。そこをいきなり体を引っ張られて海面に顔を出した時に呼吸を整えながら助けてくれた人を見たらその人がルリナさんだったという訳だ。

 

 ボクをサラッと救ってすぐに『大丈夫?』と声をかけてきたルリナさんが、見た目の綺麗さも相まってかなんだかお姫様を助けに来た王子様のように見えた。……いや、ボク男だからお姫様って例えはおかしいんだけどさ?ルリナさんも女性だし。

 

 ジムリーダールリナ。

 

 褐色肌で、黒のロングヘアーの所々にメッシュやエクステと思われる青が混じっており、後頭部には水色のお団子頭を作っている。ここバウスタジアムのジムリーダーを務めており、みずタイプのエキスパートだ。他にもモデルとしての仕事もしているみたいで、バトルだけでなくその方面でもかなりの人気な人らしい。

 

 こうやって近くで見るとスタイルもいいし、助けてもらった時の対応から確かにこれは人気ありそうな人だななんて思ってしまう。

 

 そんなルリナさんに助けてもらったボクたちはスボミーインのお風呂を借りた後、これも何かの縁ということでルリナさんからのお誘いでバウタウンの中心にある大きなシーフードレストラン、『防波亭』にきていた。船を模したカウンターに海を表しているのか水色を基調とした店内の明るくもどこか優しく神秘的な雰囲気は、まるで水中で宴会をしているかのような華やかさもあり、飾られている絵画の効果もあってかかなり豪華に見える。また、何よりも特徴的なのは壁一面が丸々とガラス張りになっているところであり、そこから見える景色はバウタウンから見える海を一望でき、海とスタジアムが一緒に並んで見えるその風景は壮観で、この景色を見るためだけにその近くの席に座るというのもありなほどである。他にも細かい所でもこだわっているのがよくわかり、地面に貼られている真っ白いタイルには所々にヨワシの影絵が描いてあったり、座椅子の背もたれ部分が貝殻を表すようなデザインになっていたりと見ていてとても楽しい。……しいて怖いところを上げるとすれば……

 

(お財布……寂しくなりそう)

 

 少し安いのを注文しよう。

 

「それにしても吃驚したわ。今日のジムの予定も終わって少し散歩しようかなと思ったらいきなり何かが水に飛び込む音がしたもの。バウタウンはまだ暖かい気候をしているとはいえまだ海開きには早いこの時期に飛び込むなんて何事と思ったわよ」

「「「「お騒がせしてすみませんでした……」」」」

「釣り堀から落ちる人って割と多いから珍しい光景ってわけではないけど、まさかジムチャレンジャー……それもうわさの選手が落ちてるとは思わなかったわね」

「うぅ……」

 

 これでもし次のテレビ特集で『フリア選手、釣り堀で落水!?』なんて見出しで取り上げられたらもう外を歩けないから勘弁してほしい。

 

「意外とみんなちゃんと危険予知しているんですね……」

「というよりもジムチャレンジ中の人はそう何人も釣り堀に来ないっていうのが正解ね」

「え、そうなんですか?先を考えると捕まえてた方がよさそうですけど……」

 

 てっきりリザードンや次のカブさんへの対策に捕まえる人が多いと思っていたけどそうでもないみたいだ。

 

「あら、それはわたしなんて眼中にないってことかしら?」

「い、いえ!そういうわけでは……」

「ふふふ、冗談よ」

 

 誤解を生みそうだったので慌てて訂正しようとするとそっと微笑むルリナさん。なんというか……大人の余裕を感じるというか……かっこいい人だなって感じた。

 

「さて、さっきの話についてだけど……みんなそんなふうに先を見れるほど余裕があるわけではないという事よ。あなたが言っていることももっともではあるんだけど、そもそもジムチャレンジ初挑戦の人は大体浮足立つものよ」

「確かに、私もフリアがいなかったら最初の一歩どうするか悩んでいたかも……」

「そうかなぁ?」

 

 少なくともホップとマリィが一人でもしっかり歩いているところを見るに同じくらい才能あるユウリが立ち止まるとはとてもじゃないけど思えない。なんだかんだで横で見ている感じコウキみたいな天性のものを感じるし……。

 

「すくなくともフリアの戦闘スタイルというか、戦い方に触発されている部分はあるからな」

「あたしたちも、身近な目標があると燃え上ると!」

「ヤローとの戦いも見させてもらったけど、わたしも見ててとても興味深かったわ。わたしの戦い方を参考にした動きもあったし、苦手タイプであっても引かないその戦い方は見てるこっちも熱くなったわ」

「えと……あ、ありがとうございます」

 

 みんなからだけでなくルリナさんからも称賛の声をかけられてしまい思わず照れてしまう。なんだかこっちの地方に来てからというものこう褒められることが多くなった気がする……真正面から褒められるのは嫌じゃないけど恥ずかしいから困る。

 

「みんな噂してたけどやっぱり今年は豊作ね。まだ三つ目のジムを超えている人はいないけどこの時点ですでに注目されるべき人は頭角を現してきているもの。このままいけば数か月後はかなり盛り上がっているんじゃないかしら?」

「やっぱり見る人が見れば実力って今からでもわかるものなのか?」

「少なくとも将来壁になるかどうかはわかるわね。経験ってそういう事よ」

 

 まだボクたちはバッジ一個しかないもののすでにマークはされているみたいだ。光栄であると同時に少しのプレッシャー。これは次のジムチャレンジの時の観客もかなり増えそうだ。

 

「ちなみに、今ルリナさんが注目している選手って今何人いると?」

「そうね……とりあえずあなたたち4人とあとは昨日戦った4人の選手全員。それに一昨日戦ったビート選手ね」

「ビート選手……」

「ん?ユウリの知り合いか?」

 

 ビートの名前を聞いた瞬間少し顔を歪めるユウリ。ホップはそんな表情の僅かな変化に気づき質問していた。

 

「知り合いというか……ちょっとガラル鉱山で色々あってね……?」

「私あの人嫌い……」

「あ、あはは……」

「「「???」」」

 

 露骨なユウリの反応にみんながハテナをうかべる中事情を知るボクだけが苦笑いをこぼす。確かにあんな所を見たら嫌いにならない人はそんなに居ないだろう。しかし、あの時もシルクハットの人に勝ってたし今回もルリナさんに褒められているあたり実力はかなりあるのかもしれない。

 

「ビート選手ってどんな戦い方なんですか?」

「一言で言えば冷静ね。視野を広くして常に落ち着いて。もしかしたら内心焦ってたりするのかもしれないけど少なくとも顔に出ているところは見たことがないわ。あと、どうもエスパータイプに強い思い入れがあるみたいね。そのあたりはマリィ選手はよく分かるんじゃないかしら?」

「そういえばマリィはあくタイプで固めてたよな」

「あたしと同じタイプ統一の人……」

「今回が豊作と言われる由縁でもあるわね。タイプ統一で注目すべき人があなたとビート選手含め現在で既に6人もいるもの。未来のジムリーダー候補って言う点でも話題は結構大きいわね」

 

 タイプ統一は弱点の一貫性が生まれやすいから辛いのではと思われがちだけど、ひとつのタイプに絞って特化することによって相手の行動を絞りやすいためその対策を立てやすいというメリットがある。例をあげるとすればボクが参考にしたルリナさんとヤローさんの戦い。本来苦手なくさタイプに自由に動かせないために雨をふらせてこな系の技を封じたり、サブウェポンとしてこおりタイプの技を仕込んでいたりという具合だ。

 特にジムリーダークラスまで行くとタイプ相性くらいなら軽くひっくり返してくることなんてざらにある。他にもタイプを統一するとバラバラなタイプを育てるよりかは集中的に育てることができるから練度をあげやすいというのも大きな特徴だ。

 

 そういう利点があるためか割とタイプ統一をしているトレーナーは少なくなかったりする。もちろん他にも憧れやひとつのタイプに懐かれる体質持ちとか、単純にそのタイプが好きだからという理由で統一する人もいるけどね。

 

 ボクたちの中ではマリィがそれにあたり、手持ちはあくタイプで固めているみたいだ。理由は分からないけど、マリィにもなにかこだわりがあるのかもしれない。いつか聞いてみよう。

 

「さて、あなたたちは明日ジムミッションだっけ?となると戦うとなると最短でも明後日……うん、今から楽しみだわ!」

「おう!一発でクリアしてやるから楽しみにしておいてくれ!!」

「あたしも、絶対に明後日挑みます!!」

「うん……絶対勝つ」

「明後日、ボクたち四人との連戦ですけど大丈夫ですか?」

「ジムリーダーを甘く見ないでちょうだい。確かに強敵の連戦は疲れるけど、まだまだあなたたち相手に疲れる程やわな体力してないわよ?気にせず全員全力でかかってきなさい!!」

 

 ヤローさんの時と同じようにひしひしと感じるジムリーダー特有のプレッシャー。まだお店の中なのでそんなに強くは発してはいないけど、これがバトルフィールドとなればきっと容赦なく打ち付けてくるだろう。

 

(……ワクワクしてきた)

 

「ま、まずは明日のために頑張って栄養蓄えなさい。あまり特別扱いは褒められたことじゃないけど今日はおごってあげるわ」

「いいのか!?」

「ええ、ソニアからも連絡来てたし、もし出会うことがあったらよろしくって言われててね」

「ソニアさんと仲いいんですか!?」

「言ってなかったの?ソニアとはジムチャレンジの挑戦時期が一緒の同期よ。もっと言えばダンデとも同期ね」

「「「えええ!?」」」

「?」

 

 ソニアさんを知らないマリィだけが首をかしげるものの知っているボクたちとしては驚きの内容だ。知らないマリィもマグノリア博士の孫ということを話していたらたいそう驚いていた。それからというものの、当時のジムチャレンジの話を聞いて盛り上がったりして楽しいひと時を過ごした。

 

「さ、明日のためにいっぱい食べなさい!!そしてわたしに挑んできなさい!挑戦者たち!!」

「「「「はい!!」」」」

 

 とにもかくにもまずは明日のジムミッション。まだまだ序盤のジムということだけあって恐らくターフスタジアムと同じく選別目的を強くする意味合いも込めて難易度は高く設定されているはずだ。昨日戦った選手が4人しかいないこともその事の証明になるだろう。気合を入れて臨もう。万が一みんな突破してボクだけ突破できなかったとか笑えないしね。

 

 しかし……

 

(ビート選手……エスパータイプの使い手……キルリアの戦い方やルリナさんの対策の参考にもなるかもだし一回見てみるのもいいかも)

 

 とりあえずホテルに戻ったら確認してみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「成程……これは強いや」

 

 ホテルに戻って軽く食休みと二度目のお風呂を堪能してベッドの上。

 

 ボクが広げているのはホテルに備え付けられているノートPC。映されているのは先ほどルリナさんが褒めていたビート選手で、戦っているポケモンはガラル地方のポニータとカジリガメ。カジリガメはダイマックスをしており、ガラルポニータは傷つきながらも戦っている状態だが、ビート選手の手持ちはまだもう一匹いる状態。ここまでの戦いを見て思ったのはエスパータイプの強みをよく理解しているというところ。

 

 タイプ的には攻めで強いのはかくとう、どくに対してで弱いのはエスパー、はがねで、あくに関してはそもそも1すらもダメージが通らない。受けで強いのはかくとう、エスパー。ばつぐんを受けてしまうのがむし、あく、ゴースト。あまり強い方とは言えないがエスパータイプの何より強いのが他の技への干渉力。ボクのキルリアがやっていたサイケこうせんによる技をそらせるなんて序の口で、力が強ければ簡単に技ひとつで相手の技の軌道をそらせてしまう。勿論それ相応の力はいるもののボクのキルリアのように自分のからだに一部展開し、バリアのように使うだけでも全然違う。それを利用した技がリフレクターやひかりのかべと言った相手の攻撃を防ぐ技だしね。

 

 ビート選手の冷静さが強さというのがよく分かったのはその強みの生かし方。

 

 相手の技を見てどの技で防御すればいいのかをすぐに判断して技の指示を出す。これが簡単に見えてかなり難しく、エスパータイプの方が出力が少しでも足りなければ受け流すどころかもろに技を受けてしまう。ボクのキルリアがヒメンカのはっぱカッターをそらしていた時がまさしくそうで、キルリアが自分の体から離してサイコエネルギーを操れるのであればそもそも自分の周りに展開しておくだけであのはっぱカッターは全部防げたはずだ。少なくともビート選手の手持ちの何匹かは防げるだけの力はあったんじゃないかと思う。その証拠にこの試合を観戦している感じメンバー皆ちゃんと育っているように見えた。そしてそれを生かせるだけのトレーナーの指示。どの技ならサイケこうせんでそらせるか。この威力は強すぎるからひかりのかべで軽減させる。これは物理技だからリフレクターで受ける。その判断一つ一つがものすごく迅速かつ正確。トサキントの攻撃だってそらし、防ぎ、そしてそこからカウンターのように鋭く差し返す。一連の流れが鮮やかすぎて一つの芸術を見てるようにも見える。

 

(そのうえこの部分……)

 

 カジリガメがダイマックスしてダイストリームを放ち、ガラルポニータが受ける。本来ならひんしになっているはずの大ダメージを負ったガラルポニータはいまにも倒れそうになっており、ビート選手もそれを感じ取りモンスターボールを構えている。が、まるでそれを拒否するかのように、首を振っている。その行動に一瞬の思考停止が見え隠れしたがバトルを続行。サイケこうせんや、ようせいのかぜで頑張って粘るものの、2発目のダイストリームを放たれ、ここで初めてダウンする。

 

 一見ただ無駄にたっていただけに見えるこの行動も()()()()()()()()()()()()()()という制約によりとてつもなく大きな意味を持つことになる。

 

 たった1発。されど1発。

 

 その1発を耐えるだけで後ろのポケモンへの負担が一気に軽くなる。

 

 単純に飛んでくるダイマックス技が1発減るのだから。

 

 このガラルポニータはそれを理解した上で、本来なら受けきることの出来ない一撃でもひとえに自分の主のために、信頼するトレーナーのために、悲しませまいと、勝利を渡さんと懸命に立っているその姿は、ガラルポニータの図鑑説明の言葉も相まって心の底からお互いを信頼しあっている本当に良きパートナーというのがよく分かる。

 

 その事に画面越しに見えるルリナさんの顔はどこか微笑んでるようにもみえ、逆にビート選手の方は相変わらず表情は一切変わらないが、瞳の奥がほんの僅かに揺れているのがよくよく見てようやくわかるレベルでみてとれた。

 

「なんというか……素直じゃない人なのかな?」

 

 こういうのを見るととてもガラル鉱山で見かけたあの人と同一人物とは思えない。何となく捻くれ者の波動を感じる。あの時も傷ついた自分の手持ちを結局は庇っていたし、今回のこのバトルを見てもどうもボクは彼を嫌いにはなれないようだ。いつかユウリの誤解も解けてくれると嬉しいんだけど……

 

「難しそうだなぁ……」

 

 まぁ、とにもかくにもだ。やっぱりあの時も思ったけどこの人も物凄いライバルになりそうな予感がひしひしと伝わってくる。そしてルリナさんの発言から恐らくビート選手クラスの人間があと4人は控えていることとなる。

 

 こんなにも強く、才能溢れるトレーナーがあと4人も、だ。

 

「ボクたち含めればこの時点で9人……シンオウ地方の時はコウキの一人勝ちでしか無かったもんね……」

 

 あの時と比べてなんと全体のレベルが高いことか。これが招待制だからこそ起こり得る展開と言うべきか、はたまたガラル地方そのもののレベルが高いと言うべきか。とりあえず言えること、それは……

 

「……コウキに追いつくには、約束を守るためには……これくらい乗り越えなくちゃ、だよね」

 

 思い出されるのはシンオウリーグ。一緒にチャンピオンをめざし、誰かがなった後も良きライバルのまま戦おうという3人の約束。

 

 コウキ1人がただひたすらに強すぎて、ボクとジュンが手も足も出ずに負け、一時期2人揃って心が折れ、諦めかけてた時。

 

 ついぞ、ただ1度の敗北もなく、なんの苦戦もなく、気づけばひとりぼっちで頂点に立ってしまった親友の姿。

 

 コウキに圧倒され、同じように心を折られたトレーナーが心無い言葉を浴びせかけてきてたことも知らず、恐らくコウキにとってたったひとつの希望である約束さえも、ボクたちの諦めによって消え去った時のコウキのその時の感情の揺れ。

 

 後で知った時。ボクも、ジュンも、心の底から後悔した。

 

 もう、後悔はしたくない。次こそ、ちゃんとライバルとして隣に立ちたい。きっと、このガラル地方での旅で成長したあかつきにはライバルとして隣に立てるくらいに強くなってると思うから……

 

「まずは目の前のジムミッション!!」

 

 そのためにも、こんなところで躓く訳には行かない。心意気を確かに、ボクは明日に向けそっと部屋の明かりを落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




緯度

シンオウ地方の元ネタ 北海道北緯 43
ガラル地方元ネタ イギリス北緯 51

イギリスの方が緯度は高いですけど暖流と偏西風によって想像よりは寒くないとか。
温帯に属している所も日本に気候としては近くはあるかなと。雨は多いみたいですけどね。
それでもやっぱり北の方ではあることと雪原などが多いことから寒くはあるからシンオウ地方とは気候が近いと思います。
他の考察でも割と多いみたいですのでここのお話ではこの説で行きます。

ルリナ

なんだかイケメン美女になってしまった……。
ただ個人的な意見だと女性にもてる女性なイメージ。
面倒見のよさそうなお姉さんって気がします。

防波亭

改めてゲーム起動して内装確認してみると本当におしゃれ。
こんなレストランで海鮮コースたべてみたいですね。
個人的にヨワシのタイルが本当に好きです。

エスパータイプ

アニメのエスパータイプ強すぎませんか?

約束

実はこの関係とあるものを参考に……




次回、バウスタジアム編




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