【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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216話

「お疲れだぞカビゴン。ゆっくり休んでくれ」

 

 目を回しながら仰向けに倒れたカビゴンにリターンレーザーを当ててボールに戻し、ゆっくり休ませる。カビゴンがやられたのはかなり痛いが、それでもマリィの手持ちを2人倒し、そのうえでドクロッグの体力も残りわずかまで削ってくれているという大立ち回りを見せてくれた。これ以上求めるのは贅沢だろう。それに、マリィならこれくらい乗り越えてくるというのがわかっていたはずだ。

 

(まぁ、その方法が『きしかいせい』とは思わなかったけどな……マリィも、人知れず特訓を頑張っていたんだな)

 

 いつしかオレを助けてくれたこの技に、今度は反撃されるだなんて夢にも思わなかった。それだけオレにとってはかなり衝撃的な事だった。

 

(さて、問題はこのドクロッグをどうするかだな……)

 

 きしかいせいの強さはオレが1番よく理解している。体力が少なくなればなるほど威力の上がるこの技は、今ギリギリのところで立っているドクロッグが放てば、それはもうとんでもない威力になる。けど、逆に言えばドクロッグの体力はもうわずかだという事。それだけ追い詰められているのであれば、きっとそこら辺の野生のポケモンのたいあたりでも倒れてしまうだろう。

 

(かといって油断はできないからな。逆に言えば、一撃でも攻撃を許せば、こっちは手痛いダメージじゃすまない被害を被るぞ……)

 

 だからこそ、ここからはあまり得意じゃないけど慎重な行動が求められる。

 

(となれば次は……こっちだ!!)

 

「頼むぞ!!ウッウ!!」

「ウッ!!」

 

 そんなオレの4番手はウッウ。

 

 青色の翼をはためかせるウッウは、目の前のドクロッグを前にしても、いつも通りのちょっと間抜けな顔を浮かべている。緊張とは程遠そうなこいつらしい。

 

 さて、オレがウッウを呼んだ理由だけど、それはこいつの特性にある。

 

「ドクロッグ!!『きしかいせい』!!」

「ウッウ!!『ダイビング』だぞ!!」

 

 その特性を発動させる兼相手の攻撃を避けるために、地面に水を展開してその中へと潜っていく。一瞬にして姿を消したウッウに攻撃は当たらない。さっきまでウッウがいたところを通り抜けたドクロッグは、急に消えたウッウを探すようにキョロキョロと視線を動かす。

 

「ドクロッグ!!警戒すると!!」

 

 どこからウッウが現れるか分からない以上、マリィにできることはこちらがどこから出るかを警戒するだけ。これなら向こうから手を出されることはないだろう。その間にこっちは準備を進めていく。

 

 マリィからの攻撃で警戒しないといけないのは2つ。

 

 1つは『きしかいせい』。当り前だけど、これだけは絶対に食らうわけにはいかない。

 

 そしてもう1つ。それはアンコール。相手を直前に出した技で縛るこの行動は、こちらの動きを一気に制限してくる。だから下手な技で動くことは許されない。特に、変化技で相手に仕掛けるのは絶対にしちゃいけない。

 

 だからこそのウッウ。

 

「いまだウッウ!!」

「ウ~!!」

 

 オレが合図を出すと同時に、水面から顔を出したウッウは口に咥えた()()()()()をドクロッグに向かって吐き出す。

 

「っ!?ドクロッグ!!頭を下げて避けて!!」

「クッ!?」

 

 ドクロッグの死角から飛んでいくサシカマス。その軌道を見ていたマリィが慌てて頭を下げるよう指示すると、気配で察したドクロッグも慌てて頭を下げる。結果、先ほどまでドクロッグの頭があったところを、サシカマスが通り抜けっていく形となる。

 

「ウッウ!!」

「ウッ!!」

 

 その回避行動を見て、ウッウは再び潜行。飛んでいるサシカマスの先回りをし、空中でキャッチしたウッウはそのサシカマスを再びドクロッグがいる方に返していく。

 

 ウッウの特性『うのミサイル』は、なみのり、もしくはダイビングをして水の中に入った際、自分の残り体力によってサシカマスか、ピカチュウを咥えた状態で地上に戻ってくるというものだ。この時咥えたものは自身の攻撃手段として用いることができ、サシカマスの場合はダメージを与えながら防御を奪い、ピカチュウの場合は相手にまひ状態を与えるという追加効果も発生する。……なんで咥えてくるのかはわかんないけど……多分、ダイビングやなみのりする際に流れてくる水に、一緒に流されてくるんだろうな。そういう事にしておこう。

 

 とにかく、今はダイビングでドクロッグの周りに移動しまくって、サシカマスを発射しまくる。近距離が強いドクロッグにわざわざこちらから近付く必要はないし、相手は体力が少ししかないのなら、この攻撃が少し掠るだけでも倒れてくれるはずだ。それに、これならたとえアンコールで縛られても問題なく攻撃できる。

 

(本当なら『ダイビング』で直接攻撃したいところなんだがな……)

 

 潜っている場所に対してすぐに反応できないくらいに消耗していいる以上、本来なら直接殴った方が手っ取り早いのだが、ここにきてドクロッグの特性がちょっと邪魔をする。

 

 マリィのドクロッグの特性は『かんそうはだ』。この特性を持つポケモンは、ほのおタイプの攻撃や、晴れ状態には弱くなってしまうけど、みずタイプの攻撃や雨を受けると体力が回復する。だから、オレのウッウがダイビングをぶつけてしまうとその分体力が回復してしまう。相手のきしかいせいの威力を下げるという意味ではありかもしれないけど、相手の体力が回復するデメリットと比べると、やはりみず技は当てるべきではない。しかし、今のままだと、まだドクロッグには避ける余裕はあるみたいで。

 

「じゃあその分数を増やすぞ!!ウッウ!!」

「ウ~ッ!!」

 

 オレの言葉を聞いたウッウがサシカマスを咥える量を増やす。そうすれば当然こちらからの手数は増えることとなる。

 

「連続発射!!」

「『どくづき』!!」

 

 ウッウから3発のサシカマスが飛んでいく。これに対して、ドクロッグが右、左、右の順で腕を突き出し、サシカマスを弾いて行く。その隙にドクロッグの右側に回り込んだサシカマスが、右腕のせいで死角になるような位置から2発発射。これを見たドクロッグは右腕を突き出したままその場で一回転し、腕を薙ぐことで1つを弾き、もう1つはしゃがんで避けながらサシカマスをキャッチ。逆にウッウの方に投げ返してきた。

 

 本当に体力が少ししかないのか怪しい所だけど、サシカマスを投げているときに少し態勢を崩しているあたり、やっぱり限界は近いと信じたい。かといって、遠距離だけだと時間がかかるのも事実。

 

(なら、リスクは少しあるけど、ここで確実に決める!!)

 

「ウッウ!!下に『はがねのつばさ』!!」

「ドクロッグ!!来ると!!」

 

 オレの指示を聞いたウッウは、翼を鈍色に光らせ、足元の巣面に叩きつけて大きな水飛沫を上げる。その姿は真正面から見れば大きな水の壁がいきなり現れたようになっており、お互い相手の姿が視認できなくなる。

 

「この状態でサシカマスを発射しまくるんだぞ!!」

「ウッ!!」

「ドクロッグ!!つらいと思うけどもうひと踏ん張りと!!しっかりと集中!!」

「クク……ッ!!」

 

 水の幕を挟んで行われる、サシカマスの弾幕による攻防。水のせいでこちらは相手の位置がわからないので、狙いなんて付けずに適当にばらまく。一方相手は水のせいでサシカマスを視認できる時間が短いので、かなりやり辛そうに動いているようだ。それでも被弾はまだしていないあたり、集中力は本当に凄い。

 

(けど、ここで決めるぞ!!)

 

 攻防を繰り返している間に水の壁は消えていく。ドクロッグはどうやら、途中でサシカマスをまた捕まえて、それを得物として振り回すことで先の弾幕を防いでいたみたいだ。そのサシカマスをウッウが視認できたと同時に投げるつもりで構えていたみたいだけど、ウッウは既に水の中。そしてウッウがいないことに少なくない焦りを見せたドクロック。

 

 その隙を逃さない。

 

「『はがねのつばさ』!!」

「っ!?後ろと!!」

 

 ドクロッグの真後ろから現れたウッウは、鈍色の翼を携えて突撃を行う。対するドクロッグは、振り向きながら相手をしなくちゃいけないから技が間に合わない。苦肉の策として、右手に持っているサシカマスで殴ろうと振りかぶるけど、はがねのつばさを腕にぶつけることで弾き、ドクロッグを完全に無防備状態にする。

 

 そのまま、もう限界で動けないドクロッグに2発目はがねのつばさをぶつけてダウンさせる。

 

 

「ドクロッグ、戦闘不能!!」

 

 

「ありがと。あんたのおかげで、繋がったと」

 

 カビゴンを倒した立役者を褒めながらボールに戻し、マリィは次のポケモンを繰り出す。

 

「いくと!!モルペコ!!」

「ペッコッ!!」

「来たな……モルペコ……!!」

 

 次に現れたのはモルペコ。マリィの一番の相棒と呼んでもいいくらい、常に外に出てマリィのそばで一緒にいるポケモンだ。見た目は可愛らしいけど、あくと一緒にでんきタイプを持つこのポケモンは、ウッウにとっては天敵と言ってもいい相手だ。本来ならすぐにでも別のポケモンに変えた方がいい場面だろう。しかし、オーラぐるまで素早さをぐんぐん上げることの出来るモルペコを前に交代はかなりリスクが高い。ボルトチェンジもある以上、下手なサイクル戦ではこっちが不利だ。

 

「きつい相手だけど、頑張るぞ!!ウッウ!!」

「……ウ!!」

 

 相手がでんきタイプとわかって若干震えを見せるけど、すぐに気合を入れるウッウ。少し悪い気はするが、頑張ってもらおう。

 

「『ダイビング』!!」

 

 早速水の中に潜って特性発動。サシカマスを咥えながら、今度は直接モルペコを攻撃しようと突っ込んでいく。

 

「モルペコ!!帯電!!」

「ペッコ!!」

「な!?下がれウッウ!!」

 

 これに対してモルペコは、自身の身体に電気を纏って電気の鎧を着る。それを見て慌てて下がるように指示を出すけど、ウッウが攻撃する直前すぎてウッウの反応が間に合わない。結果、でんきの塊にぶつかったウッウは、モルペコにダメージを与えながらも自身も手痛いダメージを貰ってしまう。

 

「平気か!?」

「ウゥ……」

「『オーラぐるま』!!」

「ペコッ!!」

 

 まさかのカウンターにたたらを踏んだウッウはまひこそしていないものの、でんき技特有の痺れもあって動きが少し遅れる。その間に得意技のオーラぐるまを構えたモルペコは、フィールドを駆け回りながらウッウの方へ突っ込んでくる。

 

「ウッウ!!動けるか!?動けるなら潜るんだ!!」

「ウ……ッ!!」

 

 オレの声を聞いて何とか反応したウッウが慌てて水の中に戻ていく。その数瞬後に通り抜けていくモルペコを見てほっと一安心。

 

「逃がさないと!!そのまま水に突っ込んで!」

「ペコッ!!」

 

 しかし、マリィは安心しているこっちを逃さない。でんきの滑車に乗ったモルペコは、そのままウッウの潜ったところに突撃し、そこで電気をまき散らす。

 

 水の中を通して感電させて来ようとする作戦に一瞬息が詰まりそうになるけど、水の中を高速で泳ぐウッウの姿を見て、ほっと一安心。ギリギリ範囲外から逃げることが出来たみたいだ。

 

「『なみのり』!!」

 

 このまま接近戦を挑むのは分が悪い。あの帯電モードに入られるといよいよ手出しができなくなるので、次は接触しないように攻撃をしてみる。そのためにウッウは大きな波を巻き起こしてその中に潜り、波を操ってモルペコへ突撃を始めた。

 

「『オーラぐるま』!!」

 

 一方のモルペコは、再び電気の滑車に乗り込んで走り回り、なみのりの波に対してサーフィンをするように波の内側へ移動する。これだとどっちがなみのりをしているのかわからない。

 

「ほんと器用だぞ……けど、移動することに必死なら!!ウッウ!!」

 

 波に乗って走っているモルペコに対して、波の中からうのミサイルを飛ばすウッウ。吐き出されているポケモンがサシカマスからピカチュウに変わっているあたり、やはりさっきの電気の鎧の反撃はかなり痛かったみたいだ。

 

「避けると!!」

 

 迫りくる波の内側を走るモルぺコは、そんな状況ながらも飛んでくるピカチュウを、波の内側をピンボールのように跳びながら避けていく。

 

 波の内側で起こる電気の火花。モルペコが波の表面を跳ねる度に光るその様は、見ている人の視線を奪っていく。

 

 しかし、その電気の花火が急に止まる。

 

「ペコ~ッ!!」

 

 同時に聞こえだすのはモルペコの怒り声。モルペコの特性であるはらぺこスイッチが発動し、姿が変わった証だ。これでオーラぐるまのタイプがでんきからあくに変わる。同時に、波が少しだけ落ち、波の内側が水のトンネルへと姿を変えていく。

 

「『ダイビング』だ!!」

 

 この変化を見て、オレはウッウの攻撃方法をうのミサイルからダイビングへ変更。水がトンネル状になっているのであれば、そしてオーラぐるまが電気を纏っていないのであれば、水を纏ってダイビングをすれば、威力も攻撃スピードも上がるし、でんきによるカウンターも少ないはずだ。

 

 ピカチュウと電気が飛び交っていた状況から一転。黒色の滑車と水の線が飛び交う状況へとなり、更に、先ほどと違ってこの2つの攻撃がぶつかり合って、そのたびに波に音が反響し、不思議な戦闘音が聞こえてくる。

 

 モルペコの足元から飛び出したウッウの攻撃を跳ねて避けたモルペコは、トンネルの天井と左壁の2か所で反射して、左側の側面を走る。対するウッウも、攻撃を避けられたと判断するや否や、モルペコと同じように天井で反射して、着地したモルペコに向かって再度突撃。

 

 このまま逃げてもらちが明かないと判断したモルペコは、今度はウッウにぶつかりに行くようにジャンプ。波のトンネルの中心でぶつかり合う2人は、一瞬の拮抗の後弾かれ、モルペコは波の左側面を走り、ウッウは天井から波の中に潜り込む。そしてまたウッウが別の場所からモルペコに飛び出し、同じような高速バトルが繰り広げられていく。

 

 そんなバトルを数分ほど続けていると、波が崩れ、フィールドは再び地面に水が張っているだけの状態に変わる。

 

 波が荒ぶる激しい環境から凪のように静かな状態となる戦場にて、お互いを見つめるウッウとモルペコ。ウッウはピカチュウを咥えており、モルペコははらぺこモードからまんぷくモードへとチェンジして、最初の黄色い可愛らしい姿にもどっていた。

 

 ダメージを見るだけなら、ウッウがなみのりをする前と後では何も変わっていない。しかし、オーラぐるまを何回もしていたモルペコの速さは間違いなく上がっている。そういう点で見ても、現状を説明するのなら、やはりウッウの方が押されていた。

 

(やっぱ長期戦はきついな……!!)

 

 ウッウには瞬間的な火力というのはあまりない。だかららこそ、サシカマスをぶつけまくって防御を落としたかったのだけど、その前にウッウの体力を減らされてしまった。

 

 しいて幸いなことを言えば、モルペコ自身があまり攻撃が高いという程ではないところ。だけど、ウッウもあまり防御が高いわけでなく、そしてどうしても覆せないタイプ相性があるため、むしろマイナスの方が色濃く出ていた。

 

 しかし、ウッウの瞳に諦めは一切なく、なみのりによって発動した特性の効果でピカチュウを咥えたままじっとモルペコを見つめていた。

 

(……いや、なんか締まらないな?)

 

 見た目はともかく、本人に意志はあるし、先ほど波の中で凄い攻防を見せてくれていたからこんな顔でもやる時はやるってことを観客もしっかりと理解してくれている。

 

「ウッウ!!絶対勝つぞ!!『ダイビン━━』」

「『でんこうせっか』!!」

「ペコッ!!」

「ウッ!?」

「ウッウ!?」

 

 気合いを入れ直そうとしたところで飛んでくるのはモルペコの速攻。素早さが上がっていることもあり、もはや目で追い切れない速度で飛んできたモルペコは、文字通り電光となってウッウにぶつかって吹き飛ばす。この衝撃に何とか耐えたウッウは、しかしピカチュウを咥えている時に衝撃を受けたせいでピカチュウを吐き出してしまう。幸い、ピカチュウ自体はモルペコの方へ真っ直ぐ飛んで行ったため、攻撃としてはカウンターの形とはなった。

 

「もう1回『でんこうせっか』!!」

 

 しかし、無理やり吐き出された攻撃とあって、速度が伴っていないこの攻撃はモルペコにとって避けるのは容易い。

 

 小さなステップで飛んでくるピカチュウを避けたモルペコは、そのまま再びウッウの元へ飛び込んでくる。一方でウッウの方は、ダメージを受けてる兼ね合いで動くのに少しのラグが入る。これではダイビングは間に合わない。

 

「『ドリルくちばし』だぞ!!」

 

 せめて相手の攻撃の勢いを止めようと、真正面から攻撃をぶつける準備をするウッウ。嘴を光らせ、飛んでくるモルペコに対して迎撃の準備を整えたウッウは、そのまま嘴を突き出した。

 

「来た……モルペコ!!流して!!」

「え?……はぁ!?」

 

 そんなウッウの攻撃を見て、まるで待ってたと言わんばかりの声をあげながら変な指示を出すマリィ。その言葉の意味が分からなかったオレは、一瞬変な声をあげ、そこから起きてしまったことに今度は驚きの声をあげてしまう。

 

 何があったかと言うと、真正面から迫ってくる嘴に対してモルペコは少し右にそれ、右手でウッウの嘴を、モルペコから見て左に少し押して攻撃をいなす。攻撃がいなされたことによって本来であればすれ違っていく両者を、モルペコがウッウの翼を掴むことによって距離が離れるのを阻止。そのままウッウにおんぶしてもらう様な態勢へと持っていった。

 

「ッ!!ウッウ!!急いで『ダイビング』だ!!」

「ウ~ッ!!」

 

 ここまでの一連の流れがあまりにも綺麗すぎて、思わず見とれてしまいそうになってしまうけど、それ以上にこの状況がやばいことに気づいたオレはすぐさまダイビングを指示。ウッウも、モルペコを簡単に振り払えないことを理解したため慌てずに素早く水の中に飛び込んだ。

 

「モルペコ!!絶対にここで決めると!!帯電!!」

「ぺ……コ……ッ!!」

 

 水の中をかなりの速さで泳ぎ回るウッウ。振り回され、急に水に引き込まれたことで息も苦しそうにしているモルペコだけど、こちらもここが最大のチャンスとわかっているため、全力で抗って手を離さない。そのまま身体の中で少しずつ電気を貯めていき、一気に放電。水の中でバチバチと激しく弾ける音を響かせながら、水の中を2人が高速で泳ぎ回る。

 

「ウッウ!!」

「……ッ!!」

 

 効果抜群のタイプをゼロ距離で受け続けるウッウ。もういつ倒れてもおかしくないのに、それでもウッウはギリギリまで頑張っていた。

 

 声を出す気力すらもダイビングへ向け、水中を飛ぶように泳ぐウッウ。痺れる身体に鞭打つ彼は、そのまま水面から空へと思いっきり飛び出した。

 

 ここに来て、ようやくウッウの狙いを悟る。

 

(このままモルペコと地面に墜落するつもりか!?)

 

 もはや捨て身の一撃。

 

 本当は凄く止めたい。けど、こちらに視線を送るウッウの瞳が、いつになく燃えていて……

 

(そんな目見せられると……止められないぞ……!!)

 

 そんな彼の意思を尊重したくなったオレは、むしろ声を上げてウッウの背中を押す。

 

「行けッ!!ウッウ!!」

「ウッ!!」

 

 オレの指示を聞いて声をあげたウッウは、纏う水を推進力にして加速。さらに、この状態で身体を回転させ、息苦しさから少し力が抜けていたモルペコを一度振り払い、離れたモルペコを嘴ではさんで逆に捕まえる。勿論モルペコは今も帯電状態。触るだけでウッウにとってはとてつもないダメージが入るはずなのに、それを根性で耐えて咥え続けた。

 

「モルペコ!!もっと出力を上げると!!」

「ペ……ッコォッ!!」

 

 対するモルペコもこのままやられるつもりはない。嘴から逃げられないことを悟ったモルペコは、さらに電気出力を上げて先にウッウを倒し切る作戦に出る。

 

 お互いの意地と意地がぶつかり、その意地の大きさに比例してウッウの周りの水の流れの激しさと、モルペコのスパークの光の強さが増していく。

 

 激しく光り輝く1つの流星と化した2人が、そのまま勢いをつけて地面にぶつかり、電気と水をまき散らしながら大爆発を起こす。その爆心地から目をそらさずに、ただひたすら見つめていると、程なくして結果が目に入る。

 

 そこにいたのは……

 

「……ペッコォッ!!」

「ウ…ウゥ……」

 

 

「ウッウ、戦闘不能!!」

 

 

 大きなダメージを受けながらも立つモルペコと、目を回しているウッウの姿だった。

 

 どうやらギリギリモルペコの意地が上回ったらしい。

 

 あとちょっとで勝てそうだっただけに、とても悔しい。

 

「ありがとな、ウッウ。本当によく頑張ってくれたぞ!!」

 

 けど、同時にとても誇らしい気持ちもあった。

 

「ウッウの気持ちを繋いで……行くぞ、バチンウニ!!」

 

 ウッウが自分自身をかけてつなげたバトンを最後までもっていくため、オレは5人目の仲間を元気よく繰り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ダイビング

水の無い場所でこれほどの水技を……
実際問題、雨も濁流も波も起こせるポケモンなら、ダイビングの時は薄い水を地面に張るくらい、簡単にしそうな気もしたりします。

うのミサイル

けどやっぱりこれは分からない……サシカマスはともかく、ピカチュウ……君はどこから……?
ちなみにピカチュウはウッウに吐き出されるたびに「チャァ~……」と情けない声をあげています。そして、サシカマスの複数発射は、ポケモンユナイトから。ウッウのユナイト技がこんな感じですよね。

モルペコ

なみのりピカチュウ改め、なみのりモルペコです。もしかしたら、電気ネズミ全員出来るかもしれませんね。サーフィン中のぶつかり合いは危険ですので、リアルでは市内でくださいね。




最近少し忙しいので、もしかしたら事前連絡なく投稿が遅れる可能性があります。(実際、この話を書き終えたのが22時50分)それでも、5日目には投稿できるようには頑張るつもりですので、4日目に投稿がなければ『そういうことなんだな』と思っていただけたら幸いです。少しご迷惑を掛けますが、ご了承くださいませ。




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