【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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最近ゼノブレイド2を買って遊んでるんですが、ホムラが可愛すぎて辛いです。
はい、完全に個人のあれです。

タグに新しく「ご都合主義」と「シンオウ組」を追加しました。
シンオウ組に関しては感想で最初ダンデ世代と勘違いしたという意見があったので確かにと納得し、少しでも減ればと思い付けましたが……効果があるかはまだ分かりませんね……
ご都合主義に関してはバウスタジアムにてなかなかなミスをしたのでその部分に関してですね。

さて、今回はちょっと番外色濃いめです。
視点がよく切り替わりますので色々な人の動きを見ていただけたら。


25話

「うう〜ん、いい子いないなぁ……」

 

 フリアが熱を出して2日後。

 

 恐らく今日がフリアの熱が下がって自由に動けるようになる日。そんな日のお昼、私は海で教わった釣りの仕方を参考にバウタウンの港で釣りをしていた。フリアへのお見舞いの合間にちょくちょく訪れては釣りをしていたこともあり、そこそこ腕は良くなったと自負している。途中優しい漁師さんにも教えて貰ったりもしちゃったからもしかしたら今ならフリアにも釣りだけなら負けないかもしれない、なんて思っちゃったりも……ただ……

 

「ほいっ!……う〜ん……」

 

 軽快に釣り上げるは赤色の鱗に王冠のように見える黄色いたてがみのコイキング。髭の色が金色だから男の子かな?

 

「よしよし、暴れないでね」

 

 こうやってお口から針を外す作業も手馴れてしまった。痛くないようにそっと外してあげて、頭をひとなで。未だに何が起きたのかを理解出来ていないコイキングはあちこちを見回しながら跳ねている。しばらくして私の存在に気付き、じっと見つめることでようやく自分が釣られたことに気づいたのかさらに跳ねる。表情にも特に変化がないことから恐らくすぐにでも海に帰ってしまいたいのだろうということがよく伝わったので、この子もすぐにリリース。海の中に入っていったコイキングはそのまま元気よく沖の方へと泳いでいってしまった。

 

「はぁ、今回も良さそうな子じゃなかったなぁ……」

 

 アブリーといい、エレズンといい、ラビフットといい、運命的な出会いとでも言わんばかりの衝撃的な出会いをしている子ばかりが手持ちにいるせいなのかどうも普通にバトルして捕まえるという行動を取ろうとしても気が乗らない。なんだかそれが普通なはずなのにこの出会い方に慣れてしまっているせいかこうでないと上手く戦えないのでは?と、迷信に似たなにかに取りつかれている気さえしてくる。新米トレーナーである私がそんなこと気にする必要なんてないのに、新米トレーナーだからこそ1度知ってしまった蜜の味を忘れられずにいるというのが今の私の状態。

 

「やっぱりここは1回くらいちゃんとバトルして捕まえなきゃダメだよね……でも……」

 

 心のどこかでそれは妥協で仲間にした子じゃないのか?と囁く悪魔がいる。何度も何度も首を振って追いやろうとしてもすぐに帰ってくるその言葉は一種の呪いのようにも感じた。

 

「うぅ、このままじゃカブさんに勝てるかどうか怪しいよ〜……」

 

 次に戦うジム戦はカブさん。ほのおタイプのジムリーダーで登竜門として扱われる程の大きな壁。あのなんとかなる精神で全力でぶつかっていくホップが珍しく緊張を抱え、少しでも特訓しなきゃと焦らされているような感情を抱かせる相手。ホップはカブさんとの戦いが辛いって言ったけど、実は私だって手持ちを見返して見ればかなり辛い方だったりする。

 

 ラビフット、アブリー、エレズン。

 

 それぞれの得意技で相手に通る攻撃ができるのはなんとエレズンしかいない。しかもそのエレズンでさえこうかばつぐんの技は覚えていない。いつもタイプ不利を覆してきたフリアだってこうかばつぐんをつくことができる技はしっかりと覚えさせている。なのに私にはそれがない。そして何よりもきついのが、次のカブさんとのジム戦はバウスタジアムと一緒で3対3の戦いなんだけどアブリーが全く戦えないという点。主な技は全ていまひとつで受けられ、逆に向こうの技は弱点。ラビフットはこちらの攻撃は通りづらいものの向こうの攻撃も止められるので長期戦を覚悟でゆっくり戦えばまだ何とかなる気はする。けど、どう考えたってアブリーがその強さを存分に生かせるビジョンが思いつかない。

 

「そのためにもやっぱりみずタイプの子が欲しいよ〜……」

 

 私はフリアみたいに予め作戦を練って準備万端で挑むタイプではなく、どちらかと言うとこんなことしてきそうっていう予感をその場で感じ取り、予測して行動するのが得意な直感タイプだと思っている。だからフリアみたいに色々な作戦っていうのはなかなか思いつくことができない。不利なものは不利。そもそも私は新米トレーナー。そんな高等技術はまだまだ勉強不足もいい所なのです。

 

「はぁ、そう考えるとやっぱりフリアって凄いなぁ」

 

 不利な状況でも覆してしまう発想の豊かさとそれを可能にしている本人の地力の高さ。そしてそんなフリアの期待に応えようと全力で頑張るフリアの手持ちのみんな。ただ何も考えずにバトルを眺めていた子供の時には決してわかることの無い、トレーナーになった今だからこそ肌に感じることができるその強さ。シンオウ地方のリーグで準優勝だったのも頷ける。そんなフリアの戦い方は、いつの間にか私にとって一種の目標みたいなものになっていた。

 

 最初はホップや、周りの友達が目指しているから私も頑張ってみようかな?そんな、恐らく軽い気持ちと言われそうな感覚でしか頑張っていなかったジムチャレンジ。もちろんその根底にはポケモンが、ポケモンバトルが好きという気持ちがあり、その気持ちの大きさは簡単に負けるようなことはないと自負するくらいにはちゃんと持っていたと思う。けど、ホップと比べるととても褒められた目標なんかじゃない。どこかそう思っている自分がいた。

 

 けど、そんな私の思いを彼は、フリアは簡単に壊していった。

 

 ターフスタジアムで見た……バウスタジアムでも見た……そんな彼の試合。

 

 心が震えた。感動した。魂がこれだって叫んだ。本当に口から叫び声を上げたくなった。

 

 これが、本当のポケモンバトルなんだって、初めて心の底から見とれてしまった。

 

 もっと見ていたい。もっと感じていたい。そんなことをずっと思っている間にいつの間にかフリアのバトルに魅了されきっている自分がいるのが分かってしまった。きっと魅了された速度はガラルの誰よりも早いという自負と共に。

 

「なんか……私フリアの厄介なファンみたいになってる……」

 

 思わず苦笑いを浮かべながらそんな言葉が口からこぼれる。そう、ファンなんだ。どうしようもなく彼のバトルが大好きで、彼のファンで、そして何より……私の目標の人物になっている。

 

 他の人はチャンピオンやジムリーダーに憧れるかもしれない。けど私は身近な彼に憧れた。テレビ越しに見る凄い人なんて凄いのが当たり前。だけどそばにいる彼は私とほぼ同じ年齢で、手持ちの強さも同じくらいで。なのに、人を惹きつけるあんなに凄いバトルをしちゃう……そんな身近なのに凄いと感じる彼だからこそ。

 

 今はまだ遠いけど、このジムチャレンジを通して絶対に追いつきたい。あんなふうに強く、そして人を惹きつけるようなバトルのできる人になりたい。いつの間にか私の中にできた、ジムチャレンジに挑むのに私が胸を張って言うことの出来る目標。

 

「う〜ん、そのためにも頑張らないとね!!」

 

 海に向かって気合を入れて声をあげ、そこでふとここが外であることを思い出し慌てて周りを見渡す。幸いにも周りに人はいなかったので恥ずかしい思いをすることはなかったみたい。ほっとため息をひとつ。

 

(けど、人はいないけど誰かに見られてるような……?)

 

「ヒン……?」

「あれ?」

 

 右側の下の方からなにか鳴き声みたいなものが聞こえたので視線を下に向けてみる。そこには1匹のポケモンが。

 

 地味な土色の体色にパッとしない斑模様。痩せこけて見える頬に大きな目の周りはまるで隈のように見えなくもない。さらにそんな体に着いている水色の胸びれや背びれは細かく入っている切れ込みのせいでどこかボロボロという感想を与えてくる。コイキングよりもみすぼらしく見える地味なポケモン。

 

「ヒンヒン……?」

 

 よく分からない、少なくとも私は見かけたことの無いその子に、けど、そんなこの子から何故か目が離せなくて……

 

「ねぇ、もし良かったら━━」

 

 気づいたら、私は声をかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次はエンジンシティ……そろそろ出発し時ですかね……」

 

 数日前にここ、バウスタジアムを突破し次のジムへの挑戦権を獲得したワタクシは少しの間、このバウタウンの近くにある第二鉱山にて特訓をしていた。ここでは次のジムリーダーであるカブさんが特訓場としてよく使っているとの事。ならば運が良ければその姿を拝見し、対策をねられるのでは?と考えた結果の数日間の滞在。結果としては成功と言っていい。何回かこの目で確認することができ、動きも少しではあるが理解出来た。強いて問題があるとすれば、特訓に出していたポケモンがジム戦で出てくるとは限らないことですが……。それでも今のワタクシなら突破できる。そんな自信は少しあったのです。しかし問題がひとつ……

 

「……確か先程、また彼を見かけた気が」

 

 先程遠くから第二鉱山の入口を見ていた時に入っていったピンクと紫の間の色をしたコートという目立つ色。ただでさえ目立つのに、ワタクシを倒し、散々な言葉を投げかけたあの少年。ローズ委員長直々の推薦者。

 

 正直気に入らない。今すぐ叩きのめしたい。しかし……

 

「くっ……!!」

 

 思い出すのは鉱山にて言われたあの言葉とその時の目。あの目はあの人たちと同じ……他者を見下し、期待はずれだと言わんばかりの失望の目。

 

 幼い頃より、ワタクシが向けられた目。

 

 体が震える。歩きたいのにその気力をそがれる。なんと情けないことか……そんな自分が何よりも悔しい。しかし、今のワタクシではきっとまだまだ手が届かない。あの鉱山を抜けたいのに彼が通せんぼのようにしか見えず先に歩けない。

 

「せめて、誰か彼の気を引く人が他にいれば……ん?」

 

 その人に任せてそっと通り抜ける。なんてことも出来るのにと考えたところでふと視線の端に1人の少女が目に入る。

 

「あの人は確か……」

 

 釣ったのか海辺でポケモンと戯れている彼女は世間では注目されている選手の1人。記憶が正しければチャンピオンからの推薦者の1人だったはず……

 

「あの人を上手く利用すればもしくは……」

 

 あの人達を見返すために、ここで立ち止まる訳には行かない。だから、今はなんとしてでも先に進まなくては行けない。そのためになら、使えるものはなんでも使う。たとえそれがみっともなかったとしても……

 

 

 

 

 この瞬間が、彼の分岐点だったのだと彼が気付くのはもう少し、あとの話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 砂嵐吹き荒れる砂漠の中を歩くこと数時間。ゴーゴーゴーグルがないととてもでは無いが前を見ることができない酷い天候。

 

 ここはホウエン地方は111番道路。

 

 キンセツシティより北にあるこの道は、普段はほのおのぬけみちを通って北に進む道路だがゴーゴーゴーグルを持っている人はこの限りじゃない。111番道路の東側に広がるこの砂漠地帯は先程も言った通り常に砂嵐にまみれてはいるものの、冒険者にとってそんなものはささいなものでしかない。目に入って危ないのなら目を覆えば普通に歩いて行ける。……まぁ服に砂がかかってきて鬱陶しいってのはあるんだけどな。

 

「まだつかないの〜……?」

「もう少しよ。2人とも頑張ってちょうだい」

「そうだぞ!最近体力減ってきたんじゃないのか?」

「体力以前にこの砂嵐が嫌なの!!……うぇ、また口の中に砂入ってきた……」

 

 そんな砂嵐の中を歩くのはオレことジュンとシロナさん。それとホウエン地方に来て再会し、たまたまコンテストの合間だったらしく、暇だったからシロナさんが手伝いを頼んだヒカリだ。歩いている場所はともかくとして、ヒカリとこうして歩くのは久しぶりだからなんだかんだ楽しい。ヒカリは砂が髪に絡んでつらそうにしているけどな。

 

 さて、なんでこんなところを歩いているかというとホウエンに来た理由であるシロナさんの研究の手伝いだ。その研究対象であるポケモンの一匹がこの砂漠の奥にいるんだとか。一応事前に軽くは教えてもらってはいたんだが……本当にさわりくらいしか説明がなかったから今わかっているのはシンオウ地方にも関係ある昔のポケモンという事くらいの知識だ。

 

 正直想像ができない。

 

 ホウエン地方にきて思ったことはとにかくあったかいこと。

 比較的寒冷地方なシンオウと比べるとまだまだ春だって聞くのにもう初夏くらい暑くていつもこの時期に着ている服が着れないくらいだ。ここまで環境が違うし距離もそこそこ離れているのに関係があるポケモンって不思議でしかない。地方をまたいでも歴史ではつながっているっていう話。想像はつかないけどロマンは確かに感じる。

 

(本当にシロナさんについてきてよかったぜ)

 

 テンガン山の伝承も最後まで行けばシンオウ地方の伝説に出会うようなとんでもない研究結果だった。今回だってもしかしたら……そんな期待が高まっていく。

 

「見えてきたわね……」

「「!?」」

 

 砂嵐で視界が悪い中、ぼんやりと見えるその輪郭はパッと見大きな岩に穴が開いているだけにしか見えない自然の建造物。なんてことないただの洞窟に見えるけど。入口から漂ってくるプレッシャーは確かなものだ。いつの間にか砂嵐もかなり弱くなってきている。はっきりと見えるようになった大岩は、その入り口を大きく開けて静かにオレたちを迎え入れる。いつの間にかヒカリもその重圧に充てられたのか軽口はなりを潜め、そっと腰のボールに手を当てていた。

 

「ついたわよ。ここが砂漠遺跡よ」

「「砂漠遺跡……」」

「この先は気をさらに引き締めなさい。かなり大仕事になるわよ」

「「……」」

 

 いつになく真剣な声をしているシロナさんに無言の返事。オレも腰のボールに手を当てていつでも戦えるように準備しておく。

 

 砂漠遺跡の中に入るとまず出迎えてきたのが地下に入り込むような階段だ。そこそこの深さがあるのか階段は真っ暗で先の様子がとても確認しづらい。

 

「ヒカリ、お願いしていいかしら?」

「あ、はい!出てきてパチリス!!」

「パチ!!」

 

 ヒカリのパチリスが元気に飛び出し周りを明るく照らし出す。真っ暗だった洞窟がよく見えるようになり、足元の不揃いな階段がよく見える。一歩、また一歩と下におりながらシロナさんがゆっくりと喋りだす。

 

「ここの遺跡はシンオウ地方のとあるポケモンと深いかかわりがあるの。ジュンはともかくとしてヒカリはキッサキシティに行ったことはあるかしら?」

「はい。一応フリアたちの付き添いで全部の街は回っているのでキッサキももちろん回ってますけど……もしかしてキッサキ神殿と関係があるんですか?」

「ご明察よ」

 

 キッサキ神殿。

 

 シンオウ地方の最北端に位置する町で寒冷と言われるシンオウの中でもさらに過酷で寒いキッサキシティの中に建てられている神殿。

 

 古代からある珍しい神殿らしく、中に入られる人もかなり限られているらしい。現にオレは入ったことはない。ただ聞いた話によるとキッサキシティのジムリーダーであるスズナさんは入る許可を貰っているんだとか。考古学で有名且つ、シンオウチャンピオンでもあったシロナさんもまた許可は貰っているんだろう。だから今ここでその話が出てきたんだと思う。けど、その神殿とこの遺跡に一体何の関係があるのかはさっぱり見えてこない。そんなオレたちの表情を読み取ったのかシロナさんが続きを話し出す。

 

「そのキッサキ神殿はね、とある伝説が深く関係しているの。その伝説の名前は巨人伝説」

「「巨人伝説……」」

 

 聞いたことの無い伝説の話だ。

 

「キッサキ神殿にはとてつもない力を内包した巨人が封印されていると言われているわ。その巨人はシンオウ地方では大地を司るポケモンと言われていて、その巨体に秘められた力は大陸を縄で縛り引っ張って動かしていたといわれているほどなの」

「大陸を引っ張った!?」

「どんだけの力持ちなの……」

 

 まるで眉唾。信じるほうが頭がおかしいなんて言われそうなそんな話。けどテンガン山での話を思い出すにとてもただの作り話だなんて思えない。

 

「しかも驚くことにその巨人、一説ではあなたたちがテンガン山で見た伝説たちを作り上げた存在と戦ったかもしれないなんて話もあるの」

「「うえぇ……」」

 

 伝説を作り上げた伝説と戦った経験ありのとんでもない存在。正直スケールが大きすぎて頭が痛くなってきた。しかもそんな存在が自分が行ったことのある街に封印されているだなんて誰が予想できようか。もしかしたら今オレたちはとんでもない事に関わっているのかもしれない……。けど気になることがひとつ。

 

「なら尚更調べる場所はシンオウ地方じゃないのか?こことの関係が余計わからなくなったんだけど……」

「いい質問ね。そしてその答えがこの先にあるわ」

 

 シロナさんの言葉を聞いていた時、ふと風の動きが変わった気がして前を見る。するとそこには階段の終わりが見えており、その先に空間があるのが分かる。程なくして階段を降り終えたオレたちを待っていたのは砂漠にいた事を忘れるくらいにどこか涼しく、とても広い空間だった。どこを見ても岩しかなく、別に何か貴重なものがあったりする訳でもない。ただ、この空間の1番奥に何か絵のようなものが書かれているのが見て取れる。その絵を見つけたシロナさんは迷わず歩み寄り、絵に向かって手を向け触っていく。どうも書かれている絵は表面が凸凹しているらしい。

 

(そういえばここに来る前によった場所にも似たような絵があったっけ?)

 

 もしかしたらなにかの暗号なのかもしれない。真剣にその絵を調べるシロナさんはそのまま説明を続ける。

 

「さっき言ってた巨人の話なんだけど、その話には続きがあるの。大陸を引っ張ったと言われる巨人は色々な場所を巡る過程で自分に似た存在を何体も作ったとされているの。あるものは氷山の一角から、あるものは粘土や岩石から、またあるものはマグマから、と言った具合にね」

 

 少し、話が見えてきた気がする。

 

「もちろん巨人が動いていた時に作られたこの……少し矛盾した言い方をするけども、小さな巨人たちもはるか昔に作られた存在。けど、どの個体も今となってはその全ての存在が巨人と戦った伝説と戦って倒された、ないしその力を恐れた人々によって封印されたかのどちらかなの。なぜ倒されたのか?なぜ封印されたのか?原因は大きな力を持っていたからなのか?はたまた無機質故にコミュニケーションを取ることが出来なかったからか?……人や伝説のポケモンと大きな対立があったのか?その経緯に関しては全くの謎なの。だからこそ今回、私が研究のテーマとして取り上げたのがこの巨人伝説。そして……」

 

 凸凹している絵からゆっくり離れ、その凸凹した絵から右に2歩、こちら側に2歩歩きだし、そこでルカリオを呼び出した。

 

「……このためだけに技を入れ替えたって言うのが少し不本意だけど仕方ないわね。ルカリオ、『かいりき』」

「ルオオォォ!!」

 

 シロナさんの近くで吠えるルカリオ。

 

 一見何も無いところで無駄に技を振っているように見えるその行動は、しかし、ルカリオがかいりきを終えると同時に洞窟そのものが激しく揺れ動き、凸凹している絵があったところに穴が空いていく。オレたちは迷わずその穴へ足を進めていく。

 

「……そして、この先にその巨人伝説に関わりのある1匹のポケモンがいる。大陸を引っ張ったという巨人が作り出したポケモンのうちの1匹が……」

 

 現れた穴の奥。

 

 パチリスが照らし出す洞窟の更に奥。暗闇でよく見えないはずなのに、まるでHと読めそうな配置で光る謎の点が激しく主張する。

 

「さて、歴史の真相の一端……触れさせてもらうわよ!!ヒカリ!!ジュン!!」

「「はい!!」」

 

「シジ、ギギギゴゴゴ」

 

「ルカリオ!!」

「「エンペルト!!」」

 

 シロナさんの言葉と巨人の無機質な鳴き声を合図にオレとヒカリは相棒を繰り出す。

 

「さぁ、あなたのこと……教えてちょうだい!!レジロック!!!!」

 

「ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!」

 

 伝説との、探求の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フリアがガラル地方にてジムチャレンジを、ジュンとヒカリがホウエン地方で巨人伝説の研究を、そんな新しい旅を順調に進めている時、彼らの故郷であるシンオウ地方でも新たな旅がひとつ、進んでいた。

 

「『リーフストーム』!!」

「ズガイドス!?」

 

 荒れ狂う葉っぱの嵐がズガイドスをうちつけていく。弱点をついた強力な一撃は容易くズガイドスを吹き飛ばし戦闘不能へと追いやっていく。

 

「ズガイドス戦闘不能!!ワタシラガの勝ち!!よってこの勝負、チャレンジャーの勝ち!!」

 

 どうやらこの戦いはジム戦だったようで、たった今その決着がついた所だったようだ。ジムリーダーと思われる男性がバッジを片手にチャレンジャーに歩みよっていく。

 

「いやぁ、見事な戦いだったよ。安心してこのバッジを渡すことができる」

「ありがとうございます!!……けど、今度はジム用のパーティではなく本気で戦ってみたいですね……」

「ははは、その意見はとても魅力的だけど、こればかりは決まりだからね」

「ああ、すいません!!なんか文句みたいになっちゃって……」

「いやいや、君の気持ちもよく分かるから大丈夫だよ」

 

 戦闘後の軽い感想戦。お互い笑顔で続ける会話はとても爽やかで、物足りなさは感じていたもののお互い楽しいバトルができた証でもあるように感じる。

 

「しかし、本当に強かった。まるであの子たちを見てる気分だったよ……」

「あの子たち……まさか?」

 

 チャレンジャーの言葉に頷きながら続きを喋るジムリーダー。

 

「フリア君、ジュン君、そして現チャンピオンのコウキ君。あの3人は強かった……ここのジム戦でもその片鱗を見せてくれたからね」

「やっぱり……」

 

 どこか納得したような顔をするチャレンジャー。そしてすぐにその顔を輝かせ、真っ直ぐジムリーダーを見つめチャレンジャーが言葉を放つ。

 

「俺、ここにはそのコウキさんに挑むために来たんです。噂を聞いて、ぜひ戦ってみたいと思って!!」

「……そうかい」

 

 チャレンジャーの言葉にどこか思う事があるらしいジムリーダー。

 少し考える顔をしだす。

 

「君なら、あるいは……」

「はい?」

「いや、こちらの話だよ」

 

 小さい声はチャレンジャーには聞き取れなかったみたいで、聞き返すもののはぐらかされてしまう。少しハテナを浮かべるチャレンジャーだが、まぁいいかと言った様子で気にしない。

 

「君とコウキ君……うん、いいバトルになりそうだ。楽しみにしてあるから、頑張ってくれ!!マサル君!!」

「はい!!ありがとうございました!!ヒョウタさん!!」

 

 色々な場所で新しい冒険が続いている中、ここシンオウ地方でも確かに、冒険の足は進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




釣り

どうやらユウリさんに新しい出会いが?
誰でしょうね?
ちなみに作者は初見プレイ時、みずタイプを手持ちに入れてないです()

目標

少しずつ明確なものを。
立ち位置的には「経験値いただきます」のあの人に似てるかもしれませんね。

ワタクシ

2回目の登場。
何気にストーリーが重い子。
しっかり書いてあげたい……

巨人伝説

某神と巨人の関わりって意外と深いんですよね。
某神がロック達を倒したというのは神様の持ち物であるプレートは倒した巨人たちの力が与えられたものという説明があることから。
ノーマルタイプのプレートがないということは巨人の王は封印こそされたものの、倒されるまでは行かなかったのかなと。
そうなるとあの特性のない本気の王はどれだけ強かったんでしょうかね?
神が封印までしかできなかったことからかなり強かったのでは?
新作で巨人の話も来てくれると嬉しいなぁと楽しみにしている作者です。

レジロック

少なくとも某神が倒してプレートにされた個体と人間に封印された個体の2体がいたはず。
となるとこの子達はもっと数がいる可能性ありますよね。

シロナさん

ということで1話にてフリアとジュンにしていたおねがいのもう片方は巨人伝説の研究でした。
シンオウにも、ホウエンにも、果てはガラルでも伝わっているので絡ませやすいかなと言う理由からです。
何気にジュンとヒカリの手持ちが少し公開されましたね。
ちゃんと6匹考えてますよ。
……いつ公開されるか分かりませんが。

シンオウ地方

いつだって誰かしらがどこかで新しい冒険を始めてます。
それはもちろん彼もおなじ。
さて、どうなる事やら……









本当ならユウリとワタクシさんの話だけにする予定が、感想欄でシンオウ組の期待がそこそこあったので確かにどこかで出したいと思い、今のタイミングなら少し出せそうと思い追加です。
追加とは言うものの元々この設定は1話の時点で作ってたので後付けという訳でもないんですけどね。
プロットは大まかには作ってあるので……
そしてプラスで最後の人も追加。
旅に出てると前の話で言ってましたよね。
シンオウに来てました。
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