【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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262話

「エル……レイド……ッ!!」

「エル……ッ!!」

 

 場に出るやいなや、とてつもない大声でこちらを広範囲に攻撃してくるニンフィアのハイパーボイス。

 

 ユウリのストリンダーが放つばくおんぱと比べるとやや見劣りはするけど、それでもニンフィアの特性と相まって、強力な攻撃に昇華されたこの攻撃は、エルレイドに対して不可避の一撃となっており、その後ろにいるボクにまでその余波が飛んできてしまうくらいには強力だった。

 

 ニンフィアの特性、フェアリースキン。ノーマルタイプの技をフェアリータイプに変化させ、さらに威力を上昇させて放つことができる効果によって、本来ならエルレイドにとってはまだ耐えられる技が、自身の弱点を正確に射抜く凶悪な一撃へとなってしまっている。

 

(このままだと……まずい……!!)

 

「エルレイド!!地面に『せいなるつるぎ』!!」

「エ……ル……ッ!!」

 

 このまま音波に晒され続けると、サーナイトとのバトルでかなり削られているエルレイドは一瞬でやられてしまうため、ハイパーボイスの威力を少しでも下げるために地面に技を放って、その際巻き起こる土砂と振動によって無理やり威力を軽減させる。これによってエルレイドに技が直撃することはなく、技が本格的にこちらに到達する頃にはかなり威力を抑えることには成功した。

 

「エル……ッ!?」

「くっ……!!」

 

 が、それでもエルレイドにとってフェアリータイプの技はこうかばつぐん。ビートがフェアリータイプのエキスパートだから当たり前と言えば当たり前なのだけど、こうも苦手なタイプとの連戦が続いてくると、さすがにエルレイドも限界が近い。先のムーンフォースといい今回のハイパーボイスといい、直撃こそ貰ってはいないものの、確実にまとまったダメージを貰っているエルレイドは、倒れてこそいないけど既に満身創痍だ。

 

(このまま突っ張ってもいいビジョンなんて見えない。ならここは……)

 

「エルレイド。1度退いてくれる?」

「……エル」

「ありがとう。またキミに頼るから少しだけ休んでね」

 

 エルレイドに一言かけて一旦ボールに戻していく。

 

 敵を前にして退くという行為は、前に出て主を守るという意志が強いエルレイドにとってあまり好ましく思われない行動だけど、それでもボクの意見を尊重して戻ってくれた。本当にありがたい。

 

「大丈夫。また出番が来るから、その時にお願いね」

 

 ボールに戻ってくれたエルレイドに声をかけながら、ボクは次にボールに手をかける。

 

「その間は……キミに頼むよ!!モスノウ!!」

「フィィ!!」

 

 ボクの手元からでてきた3人目の仲間はモスノウ。こおりのりんぷんを煌めかせながら撒き散らし、空中で優雅に漂う姿はやはりいつ見ても綺麗だ。この紹介文も、もう何回も言っている気がするほどには見とれてしまっている。

 

「『ちょうのまい』!!」

 

 そんなモスノウが更にこおりのりんぷんを振りまきながら、空中で舞を踊って自身の能力を引き上げる。が、ビートは一切の動揺を見せずこっちをじっと見つめている。

 

(本当によく見てるし、ボクのモスノウのことも調べられてる……)

 

 素早さが上がる分こちらの方が能力の成長という観点では強いのだけど、問題は相手がニンフィアだという事。

 

(ニンフィアはブラッキーと同じイーブイの進化系だから、タイプ特有の技以外は基本的に憶える技は似通ってくる。特に、ノーマルタイプの技は基本的に一緒の技が使えるはずだ。ってことは……)

 

「『でんこうせっか』!!」

「フィアッ!!」

「やっぱりあるよね!!『ふぶき』!!」

「フィィッ!!」

 

 ビートが声を出したと同時に地面を勢いよく蹴りだしたニンフィアは、猛ダッシュでバトルコートを駆け回ってモスノウに突っ込んでくる。これに対してモスノウはすかさず翅を羽ばたいて、冷たい嵐を巻き起こそうとするけど、それよりも速く走りだしていたニンフィアの体当たりが直撃する。

 

「フィッ!?」

「大丈夫だよ!!」

「フィ……ッ!!」

 

 急に走り出したニンフィアの突撃で大きく後ろに飛ばされるモスノウだけど、すぐさま態勢を整えて翅を羽ばたく。これによって、先ほど出そうとして中断されたふぶきを発射。ちょうのまいによって強化されたこごえるかぜが、一直線にニンフィアに向かって飛んでいく。

 

「『ハイパーボイス』」

「フィアアァァァッ!!」

 

 しかし、技の威力を強化しているのはニンフィアも同じ。距離が空いているため、十分反撃も間に合うニンフィアから放たれたハイパーボイスがしっかりとふぶきと相殺し、お互いの技が散っていく。結果、バトルコートに少し涼しい風が待っていく程度に抑えられた。

 

「『でんこうせっか』!!」

「フィッ!!」

 

 宙を舞う氷の結晶。しかし、そんなものに見とれることなく指示を出したビートの言葉によって、その結晶の合間を素早くピンク色の影が走り抜ける。

 

 でんこうせっかはノーマルタイプだから、この攻撃すらも特性でフェアリーの力を乗せて放たれている。そのためただのでんこうせっかに比べたら火力がかなり違う。ニンフィア自身の物理火力はそんなに高く無いとはいえ、モスノウだって物理攻撃にはそんなに強くないポケモンだ。こういった攻撃を何回も受けるのはあまり宜しくない。かと言って、モスノウの機動力はちょうのまいありきのものだ。まだ十分に積めていない今の段階では、とてもじゃないけどこのでんこうせっかを避けることは不可能だった。

 

「なら、避けるんじゃなくて防げばいい!!モスノウ!!自分に『ぼうふう』!!」

「フィッ!!」

 

 だが、避けられないのであって防げない訳では無い。

 

 自身の周りに風を巻き起こし、嵐の鎧を纏ったモスノウは、突っ込んできたニンフィアをはじき返す。それもただはじき返すのではなく、先程ハイパーボイスとのぶつかり合いで舞った氷の結晶も自身の周りに巻き込むことで、触れたものに逆にダメージを与えるカウンターの鎧が出来上がっていた。

 

「フィアッ!?」

「……厄介ですね」

 

 氷の礫に傷をおわされながら何とか地面に着地するニンフィアと、その様子を見て舌打ちをこぼすビート。ちょうのまいの効果もあって、強固な鎧に進化したこの技は、ニンフィアの物理火力では突き抜けることは出来ない。これででんこうせっかは気にしなくて済む。

 

(けど、ニンフィアの得意技が『ハイパーボイス』な以上、油断はできない……)

 

「なら、『ハイパーボイス』!!」

「そうなるよね!『むしのさざめき』!!」

 

 しかし、この状態のモスノウを前にしても一切引くことはせず、すぐさまハイパーボイスで攻撃。それに対してこちらもむしのさざめきという音技で反撃。2つの音波は2人の中心でぶつかり合い、そして爆ぜた。

 

 その様子に、ボクは冷や汗を少し流す。というのも、音技は音ゆえにみがわりを貫通する効果を持っており、そういうこともあってか、みがわりと役割が少し似ている、今モスノウが纏っているような鎧やヨノワールがよくする岩の壁で受け止めるといった行動に対してとても強い。多少威力を弱めることが出来ても、他の技に比べると防御効率はかなり下がってしまう。ビートもそのことに気づいているからこそ、今もこうやってハイパーボイス主体で攻撃してきているという訳だ。

 

(正解への判断が速い……けど、まだこのくらいなら、モスノウの特性と『ちょうのまい』による上昇分を合わせて受け切ることも……)

 

「届きませんか……なら、『でんこうせっか』からの『ハイパーボイス』です」

「そう来るか!!なら……ここ!!後ろに『むしのさざめき』!!」

 

 距離のあるうちに受け止めながら無理やりちょうのまいをしようと思ったら、ニンフィアの姿が消え、気づけば後ろに立っていた。そこから再びハイパーボイスを放たれたので、何とか反応してむしのさざめきで防御。すぐさまこちらからも攻撃しようと動くものの、しかしその時には既にニンフィアは別の場所を走っており、とてもじゃないけどこちらの技を当てられる状況ではなかった。

 

(『でんこうせっか』を移動手段として用いる……どこかでよく見た戦法だね……)

 

 とても馴染み深い戦い方を、とても嫌なタイミングで押し付けてくる。実に上手い戦い方だ。けど、この程度の戦い方ならまだ弱点はわかっている方だから動きやすい。

 

「モスノウ!!全力で『ふぶき』!!」

「フィッ、フィィィッ!!」

 

 ボクの指示を聞いて、全力で翅を羽ばたかせたモスノウ。これにより、バトルコート全体の温度がガクッと下がると同時に、景色が一瞬のうちに白で埋め尽くされていく。

 

 周りを一切気にすることなく放たれる無差別攻撃。これなら、ニンフィアがどこにいようとも気にすることなく技を当てられる。

 

「フィア……ッ」

「力技ですね……ならこちらも……『ムーンフォース』!!」

「フィアッ!!」

 

 そんな全範囲攻撃を繰り出しているこちらに対してビート側が行った行動は、ボクの真逆の行動である一点突破。ムーンフォース1発に対して渾身の力を込めたニンフィアは、気持ちのこもった声と同時にこの一撃を発射。力は込め、しかし圧縮して放つことで本来よりも一回り小さいその攻撃は、荒れ狂うふぶきの中を真っ直ぐモスノウの方向へと突き進んでいく。

 

 全方位に攻撃範囲を広げたが故の弱点。そこを正確に着いてくるあたり、やはりビートの観察眼は鋭い。

 

(でも、その弱点はボクも承知なんだよね!)

 

「モスノウ!!突っ込んで!!」

「フィッ!!」

「え?」

 

 飛んでくる月の光球に対して、真っすぐ突っ込むモスノウ。おおよそ思っていたモスノウの行動ではなかったためか、ビートの顔がここに来て初めて何かが抜けたかのような表情を見せてきた。

 

 ようやくビートのちょっと崩れた顔を見ることが出来たのが少し嬉しい。

 

 その勢いのまま突っ込むモスノウは、迫りくるムーンフォースに対して回避行動なんて一切取らない。いや、避ける必要がない。

 

 なぜなら、ムーンフォースが勝手に避けてくれるから。

 

「なっ!?」

 

 モスノウに当たると思われたムーンフォースは、直前にモスノウが身体に纏っていたぼうふうの鎧によってその軌道をずらされ、明後日の方へ飛んでいく。これは、ぼうふうがモスノウのふぶきを巻き込んで、ふぶきとぼうふうの合体鎧と化していることが原因だ。

 

 2つの力が重なることで強力な防御となり、その結果ムーンフォースは弾かれる。

 

(最も、ちょっとでも調整しくじったら逆に『ムーンフォース』を引き寄せることになっちゃうけどね)

 

 そのあたりの力調整はモスノウ任せだ。もうずっと使ってきた技だし、今更その加減を間違えることはないと信じている。

 

「そのまま体当たり!!」

「フィッ!!」

 

 風と雪を纏いながら突っ込むモスノウの姿は、1つの大きな大砲だ。ひとたび受けてしまえば、そのダメージはとんでもないものになるだろう。ここまでくれば、例え物理攻撃力の低いモスノウでも、かなりのダメージが期待できるはずだ。それを見込んで、とにかく前に突き進む。

 

「くっ、『ムーンフォース』です!!」

「フィアッ!!」

 

 対するビートも、この状況になってしまっては打つ手がないのか、とにかくムーンフォースを連打しまくることしかできずにいる。しかし、どれだけ放たれようとも、月の光球はどれ1つ当たることなくモスノウからそれていく。

 

 これで、ちょうのまいで素早さの上がっているモスノウを止められるものは存在しない。

 

「モスノウ!!ゼロ距離で叩き込んで!!『ふぶき』!!」

「フィィッ!!」

 

 真っ白な雪景色の中、ふぶきの風に乗ってニンフィアの懐まで潜り込んだモスノウは、ゼロ距離まで近づいたところで自身の纏っているぼうふうとふぶきの鎧を爆発させる準備を始める。

 

(ここまで近づいて、これだけの嵐を起こせば、さすがのニンフィアもたまらないはず!!)

 

「……ふっ」

「……え?」

 

 しかし、ここに来て聞こえてきたのはビートの小さな微笑み声。先まで呆気にとられた間抜けな表情を浮かべていたのに、すでにその表情は消え、今はまたいつものニヒルな微笑みを浮かべていることにどうしようもない不気味さを感じてしまう。しかし、ここまで接近しておきながら今更こちらの行動を変えることはできない。ニンフィアの懐まで突き進み終えたモスノウは、何か嫌な予感を感じながらも、そのまま風を解き放とうとし……

 

「ニンフィア!」

「フィィアッ!!」

 

 ニンフィアが合図すると同時にニンフィアの周りにピンク色の風が通ったのがかすかに見えた。それと同時に、モスノウが纏っていた風が解放され、ニンフィアに強烈な暴風雪が叩きつけられる。

 

「フィアッ!?」

 

(……ダメージは入ってる?じゃあ、さっきのビートの笑いって……)

 

 風を受けたニンフィアの表情はとても辛そうで、正直演技には見えない。もしかしたら多少のダメージは軽減されているのかもしれないけど、それでも少なくないダメージが刻まれているようには見えた。けど、それだと尚更さっきのビートの表情の意味が分からなくて……

 

(気になる点があるとすれば、さっきかすかに見えたあのピンク色の風、ニンフィアで該当しそうな技は……『ようせいのかぜ』……?でも、わざわざそんな技を使う理由って……?)

 

 ニンフィアが使うことの出来る技で、且つ該当しそうな技を頭の中で思い浮かべてみたけど、どうしたってようせいのかぜしか思いつかず、そしてこの技を憶えておく理由が思い当たらない。ハイパーボイスがあって、ムーンフォースもあるのなら、他の技を使える方が範囲もとれるし強いと思う。ビートくらいのリアリストなら尚更そうだ。例えばこれがジュンなら想像は出来るし、実際にエンペルトはみず技にかなり寄った構成だから特に違和感はないのだけど、相手がビートというのがどうしても引っかかる。

 

(……とはいっても、今のビートはフェアリージムのジムリーダーだもんね……フェアリータイプの技の使い方をたっぷりしみこませた今なら、おかしくはない……のかな?)

 

 しかし、一応納得できる理由もあるにはあるので、とりあえず今は警戒しておくにとどめておいて、自分の行動をしっかり固めていく。

 

「とにかく、モスノウ!!もう1回自分に『ぼうふう』!!」

 

 固めたうえで今の自分の安定行動を模索するのなら、答えは自身の防御を固めることだ。ニンフィアの使う技が4つ全て確定している今、でんこうせっか以外は全部特殊技だし、でんこうせっかを含めたうえで、モスノウのぼうふうとふぶきの鎧を突破するのが難しいことが分かった。しいて言えば、ハイパーボイスが突破の鍵になるけど、こちらも先ほどのやり取りで、ぼううふうとふぶき、そしてこおりのりんぷんと合わせれば受けきることが出来るというのが証明されている。ならばもう恐れる必要はない。

 

「フィッ!!」

 

 モスノウもそのことを理解してくれているので、すぐさまぼうふう発動。モスノウの周りに風が集まり始め、そしてそのぼうふうに巻き込まれるように周りの雪が集まり、再び暴風雪の鎧の完成。これで完璧な防御を再び作り上げた。そして……

 

「掛かった」

「っ!?モスノウ!!今すぐ鎧を解いて!!」

「フィ……ッ!?」

 

 ビートの声を聞いた瞬間、視界の周りから集まってくる月の光球。その動きに嫌な予感を一気に感じたボクは、モスノウに慌てて鎧の解除を指示。せっかく作り上げたものをすぐに解除することに疑問を思いながらも、それでもボクを信じてくれたくれたモスノウがすかさず鎧の解除のため風を解放。しかし、その直前でモスノウに襲い掛かる物体があった。その正体は、先ほど視界の端に映っていた月の光球。それが、モスノウが風の鎧を解除する直前に全てモスノウに突き進んでいく。

 

 それはまるでモスノウの風に吸い込まれていくようで、少なくとも、視界に映る範囲全ての光球がモスノウの方へと誘導されていた。

 

 そして再び視界にかすかに映る、ピンク色の細い風。

 

「フィッ!?」

「くっ、やられた……」

「気づいてももう遅いんですよ」

 

 その正体はやっぱりようせいのかぜで、モスノウが鎧をまとうために身体に集めたぼうふうに、ようせいのかぜを少し混ぜ、その軌道にムーンフォースを滑り込ませることで、モスノウがぼうふうを纏う時にムーンフォースを一緒に巻き込ませる作戦というわけだ。

 

 その作戦はしっかり突き刺さり、モスノウが風を拡散させる直前にはもう、モスノウの周りはムーンフォースに包まれていた。

 

 結果、巻き起こるのは複数のムーンフォースによる大爆発。いくらこおりのりんぷんで守られていたとはいえ、先ほど鎧で弾いたムーンフォースのすべてがモスノウに返って巻き起こったこの大爆発は、そう簡単に威力を抑えることはできない。そのため、モスノウは大きなダメージを受けながらこちらの方に吹き飛ばされてくる。

 

「大丈夫!?」

「フィ……ッ!!」

 

 それでも何とか耐えきったモスノウが、ボロボロの羽を動かしながら再び宙に浮かび上がる。

 

「流石、特殊耐久は目を見張るものがありますね……」

「……凄いね……ちゃんとフェアリータイプのジムリーダーだ」

 

 そんなボクとモスノウの視線に映ったのは、こちらに対して自信満々の笑顔を浮かべながら、自身の周りにムーンフォースを漂わせるニンフィアの姿。

 

 フェアリータイプの技を自由自在に操るその姿は、まさしくフェアリージムのトップにふさわしい姿だった。

 

「ニンフィア。『ハイパーボイス』」

「フィ、アアアァァァッ!!」

「モスノウ!!『ふぶき』!!」

「フィッ!!」

 

 そんなビートから繰り出される無慈悲な指示。それと同時に、ニンフィアが特性によってタイプの変わった大声を放ち、この大声に乗ってムーンフォースも飛んでくる。

 

 ムーンフォースとハイパーボイスによる同時攻撃。それはまるで1つの大きな壁のようにこちらに迫って来る。

 

 これは打ち砕けない。けど、それがわかっても諦めるわけにはいかないモスノウは、必死に翅を羽ばたかせて最後のふぶきをはなつ。

 

「フィアアアァァァッ!!」

「フィ……ィ……ッ!!」

 

 お互いの火力は同じ。そのため、ふぶきとハイパーボイスはお互いが相殺し合い、綺麗な雪の結晶を散らすにとどまる。しかし、ニンフィアの攻撃はハイパーボイスだけではない。ハイパーボイスが消えた後も、その直進をやめないムーンフォースの弾幕が再びモスノウに襲い掛かる。

 

「……モスノウ、ごめん」

 

 連鎖して響き渡る爆発音を前に、ボクは未来のことを想像して先に謝りを入れておく。そんなボクの想像を証明するかのように、ムーンフォースの爆発によって上がった砂ぼこりが消えたところで、バトルコートの中心で倒れるモスノウの姿を確認できた。

 

 

『モスノウ、戦闘不能!!』

 

 

「お疲れ様。モスノウ」

 

 倒れたモスノウにリターンレーザーを当て、労いながら腰へ。

 

(ビートの技術……ほんとに凄い……)

 

 フェアリータイプへの造詣が深まっているおかげで、戦いの幅がぐんと広がっている。こんな戦い方は、例えビートがエスパータイプ使いのまま成長したとしても見せることの無かった戦い方だろう。それをこんな短期間で身に着けている。それが本当に凄い。

 

「フィァ……」

「……流石にダメージが大きいですか」

 

 だけど、なにも相手も無傷というわけではない。あの暴風雪の解放を至近距離で受けたんだ。それ相応のダメージは刻まれている。

 

「行くよインテレオン!!」

「レオッ!!」

「戻りなさいニンフィア」

 

 そんなニンフィアに追撃をするためにボクはインテレオンを選択。が、ビートもこのまま攻めても意味なく倒れるとわかってニンフィアを戻す。恐らく、まだ残っているボクのエルレイドを考えてのことだろう。どこまでも冷静な判断だ。

 

「行きますよ、マシェード!!」

「マーシュ……」

「マシェード……交代先も完璧……」

 

 サーナイトを落としたことで得たこちらの士気をゆっくりと摘むために、ビートの采配が少しずつ、光り始めるのを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ニンフィア

ニンフィアのようせいのかぜは、実機では剣盾から覚えなくなってしまった技ですが、アルセウスではまた覚えるようになって、そしてSVでまた使えなくなったというなんとも不思議な経緯をたどっています。ここでの解釈としては、ガラルのニンフィアは普通は覚えられない(もしくは、覚えられるけどそのことを認知されていない)けど、他地方の個体は使うことが出来、ポプラさんは長い経験からそのことを知っている故に覚えさせることに成功した。という想定だったりします。まぁ、技や特性に関しては、既にエルレイドという特例がいますし……広い心で見ていただけたらと思います。




本日投稿された、初音ミクとポケモンのコラボ曲であるメロメロイドが好きで好きで好きだらけでした。しばらくリピートが止まらなさそうです。




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