【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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264話

「ルロォッ!!」

 

 前足を上げ、気合十分と声を張り上げるのはボクにも馴染み深いギャロップ……と言いたいのだけど、その姿はボクの知っている姿と大きく異なっており、真っ赤に燃える炎の鬣が一切確認することが出来ず、代わりにあるのが、今ビートが来ているユニフォームとおなじ、ピンクと水色のパステルカラーをした綺麗な鬣だった。

 

 蹄が地面を叩く度に鮮やかにひかるその美しい毛並みは、見ているこちらの気持ちを引き込む不思議な魅力があった。

 

 ギャロップのリージョンフォーム。ほのおタイプからガッツリとタイプが変わり、エスパー、フェアリータイプとなったガラルギャロップが次の相手だ。

 

「ギャロップ、『サイコカッター』!!」

「ルオォッ!!」

 

 ビートの指示とともに素早く放たれるピンク色の刃。それはギャロップが角を軽く振っただけで発生し、しかもそれだけの動作であるにもかかわらず、とてつもない数の刃が発生。それらがギャロップを中心として竜巻のように動き、辺り一帯を吹き飛ばす。

 

 とは言っても、インテレオンは現在ボクの近くにいるのでこの攻撃の影響範囲にはいない。だからこそ、ボクはこの行動に対して静観を貫いていた。

 

 では、この行動の意味とは?

 

 それはとても簡単で、正解は先程の戦いで残っていたキノコのほうしの除去だ。

 

「あなたに睡眠が効かないのであれば、これはもう必要ありません。むしろ、ギャロップが眠る危険を残しているため、逆に利用されるかもしれません」

「リスクケアが完璧だね」

 

 実際、インテレオンはもう眠らないので、この胞子を使って悪さできないかなと考えていたところだったので、ビートの動きは悪くない。いや、むしろ最適解と言ってもいいだろう。ねむり対策のためとはいえ、どくを貰ったせいでこちらが使える時間は少ない。使えるものはなんだって使って、できる限り早く決着をつけたかったこちらとしては、地味に痛い行動だ。

 

「だからといって、弱音はなしだけどね!!『ねらいうち』!!」

「『サイコカッター』!!」

 

 けど、こうなってしまったものは仕方ない。すぐに頭を切りかえて攻撃の指示。

 

 インテレオンの指先と、ギャロップの角から放たれた弾幕は、お互いの中心でぶつかり合い、弾けて煙幕を作り出す。

 

「レオッ!!」

「ルオッ!!」

 

 お互いに技が相殺されたのを確認した両者は、それと同時に今度は足を動かす。どちらも高いすばやさを売りとしているので、とにかく動いて相手に的を絞らせないように立ち回り始める算段だ。

 

「『サイコカッター』!!」

 

 先程できた煙幕を中心に、そこから時計回りで外周を走る両者は、煙幕のせいもあって相手の姿を視認することはできない。が、ガラル地方のギャロップはエスパーを含んでいるためか、相手の気配や感情にかなり敏感になっている。そのため、敵の補足を視界に頼る必要が無いから、この状況でも正確にインテレオンを狙うことが出来る。

 

 その特性を存分に生かしたギャロップの攻撃は、煙幕の中を突っ切って真っすぐインテレオンへと飛んできた。

 

「『アクアブレイク』!!」

 

 が、インテレオンはインテレオンで、視力と反射神経がずば抜けて高いため、煙幕と自分がかなり短い距離であっても、目の前に現れた瞬間の攻撃にすぐさま反応することを可能としていた。

 

「『ねらいうち』!!」

 

 煙を突き抜けて飛んでくる斬撃を全て、両手と尻尾に纏った水の刃で叩き落してガード。次に、飛んできた方向からギャロップの位置を逆算したインテレオンが、その方向に向かってねらいうちを発射。

 

「『メガホーン』!!」

 

 対するギャロップも、サイコパワーを使ってインテレオンが攻撃してきたことを感知し、事前に角を攻撃の軌道上に滑りこませることでガード。

 

「『サイコカッター』!!」

「『ねらいうち』!!」

 

 お互いの技が防がれたとわかった瞬間に、今度は両者ともに遠距離攻撃開始。

 

 サイコパワーによる先読みと、圧倒的な反射神経という別分野のぶつかり合いは、しかしどちらも高い水準によって行われているため、お互いにクリーンヒットはない拮抗状態となる。

 

 煙の中で響き渡る攻撃のぶつかり合いは、それによって発生する衝撃によって煙を徐々に払っていき、たちまちボクたちの目にも入ってくるようになる。

 

 このままではらちが明かない。そう判断した両者は、最後の一撃だけは少し力を込めて発射。が、両者力を入れたのならば、当然結果は変わらない。2つの攻撃は煙の中で大きく爆発を起こし、それによって煙を全部晴れさせたうえで、両者の位置を初期位置まで押しのけた。

 

 ひとまずのお互いの攻撃は拮抗。実力はそんなに差がないように見える。

 

 しかし、今回は互角だとダメだ。

 

「レオッ!?」

「く……やっぱりちょっときつい……」

 

 マシェードと戦うために身体に受け入れたどくが、じわじわとインテレオンを蝕んでいく。

 

 ポケモンの数ではボクの方が有利だけど、ことこの1対1だけを見るのなら時間はボクの敵だ。しかも、インテレオンの後ろに控えているのがブラッキーであることを考えても、やはりここではできる限りギャロップにダメージを与えておきたい。これはブラッキーを信用していないのではなく、単純に今回の戦い自体が、ブラッキーにとってとてもつらいものになってしまっているからだ。

 

(さすがにフェアリーしかいない相手となると、どうしてもブラッキーが動きづらいよね……)

 

 エルレイドのように攻め手が豊富なポケモンならまだしも、ブラッキーのように敵の攻撃を耐えることを求められるポケモンは、タイプでの負けはかなり痛い。そんなブラッキーのためにも、インテレオンでできる限り頑張るべきだ。

 

「インテレオン!!『ねらいうち』!!」

「レ……オッ!!」

 

 インテレオンもそれを理解しているからこそ、少しでも強引に攻めるべく、前に走りながら両手の人差し指からねらいうちを乱射。威力こそあまりないかもしれないが、きあいだめで集中状態になっているインテレオンのこの攻撃は、全てが急所に吸い込まれるように飛んでいく。

 

「攻めてきましたね……ですが、その『きあいだめ』こそがあなたの弱点でもあります。『サイコカッター』。守るように構えなさい」

「ルロッ!!」

 

 これに対してビートはギャロップに防御を指示し、それに従ったギャロップは、自身の急所を守るように角を構えた。そこから一切動く気配を見せないギャロップだったけど、ビートの言う通り、今のインテレオンから身体を守るならこれだけで十分だ。

 

 きあいだめを行ったインテレオンの攻撃は、急所に絶対当たる技となっている。しかし、逆に言うのならば、()()()()()()()()()()()でもあるわけだ。つまり、最終的に着弾する場所は、ギャロップにも筒抜けという意味でもある。なら、その部分を守るように技を置いておけば、あとはねらいうちの方から勝手に飛んできてくれる。

 

 この行動によって、インテレオンのねらいうちは全て防がれてしまった。

 

「『アクアブレイク』!!」

「レオッ!!」

 

 けど、そんなことなんてこっちだって理解している。だからこそ、相手が防御行動をとっている間に懐まで飛び込んだインテレオンは、右手に水をため、全力の手刀を左から右に振るう。

 

 インテレオンのねらいうちは確かに防がれはしたけど、決して反動がなかったわけではない。どくによって身体を蝕まれているインテレオンの体力は確かに削れている。しかし体力が削れているということは、インテレオンのもう1つの特性であるげきりゅうも本領を発揮し始めるという事だ。現に今もアクアブレイクを構えているインテレオンの身体はほんのり青色に光っており、アクアブレイクのために纏っている水の勢いもいつもよりまして強くなっている。こんな攻撃を角だけで受け止めているのであれば、受け止めた反動で動けない時間が生まれていてもおかしくない。

 

 そこを突くためのこの1手。ボクの狙いは最初からアクアブレイクによる接近戦だ。

 

「いけ!!」

「レオッ!!」

「……大丈夫、そこまではぼくだって見えている……『こうそくいどう』!!」

「ルロッ!!」

「ッ!?」

 

 が、インテレオンの決死の攻撃は、ギャロップの身体が一瞬ぶれることにより、その残像を切り割くにとどまってしまう。

 

 肝心の主は、さっきいた場所から半歩程後ろに下がっており、インテレオンに向けて緑色の角を光らせながら構えていた。

 

「まずっ!?」

「『メガホーン』!!」

「ルロッ!!」

 

 その状態から、クラウチングスタートを切るように強く地面を蹴りだしたギャロップの攻撃が一閃。こうそくいどうによって速度も乗ったこの攻撃は、インテレオンに回避の余裕を……なんなら、ボクが指示を出す暇すら与えずにインテレオンのお腹に突き刺さる。

 

「レオッ……!!」

「まだ……!!『れいとうビーム』!!」

「レ……オッ!!」

 

 お腹に攻撃を受けて大きく飛ばされたインテレオンは、しかし、ギリギリで自分から後ろに飛ぶことで威力を軽減させたことで何とか体力を残しており、飛ばされながらも右人差し指をギャロップの方に向けて凍てつく光線を発射。真っすぐ伸びたそれは、ギャロップの足元めがけて放たれた。足に当たれば機動力を奪え、例え回避されても地面に当たれば地面が凍り、踏ん張りが効かなくなって、間接的に足を奪うことが出来ると思っての行動だ。

 

「避けてください!!」

 

 これに対するビート側の解答は回避。言葉に合わせて軽くジャンプしたギャロップの行動によって、れいとうビームは地面にぶつかって地面を凍らせるにとどまる。しかし、先も言った通り、これで踏ん張りが効かなくなるから追撃をされることはなくなった。

 

(けど、体力がもうほとんどない。だからどくが回りきるよりも速くギャロップに攻撃を……)

 

「ギャロップ、追撃」

「ルロッ!!」

「なっ!?」

 

 しかし、そんなボクの思考を、ビートの指示とギャロップの行動ひとつで思いっきりつぶされてしまった。

 

 その行動は、ギャロップが()()()()()()()()()

 

 鬣と同じ色の雲を纏った蹄が光りだし、その部位より放たれるサイコパワーによって宙に浮いたギャロップが、空中を走りながらインテレオンに対して走り始める。

 

 あたりまえだけどれいとうビームで凍っているのは地面だけだ。空中に浮いてしまえばこんなのは何の障害にもなりはしない。

 

「『メガホーン』!!」

「ルロッ!!」

「ぐっ……『アクアブレイク』!!」

 

 空中に飛び出しているのにこうそくいどうの恩恵は受けているとかいう訳の分からない挙動で空中を邁進するピンクの一角獣は、インテレオンに向かって緑色の光の軌跡を残しながら突っ込んでくる。これに対して、ねらうちをするかアクアブレイクをするのか一瞬だけ迷ったボクは、急所守りで防がれたことを思い浮かべてしまったので、アクアブレイクを選択。

 

「ギャロップに対して物理技で対応……いくら『げきりゅう』で強化されているとはいえ、さすがにそれはピンクではありませんね」

「ルロォッ!!」

「レオッ!?」

「インテレオン!!」

 

 しかし、純粋な力勝負ではインテレオンは勝つことは難しい。そこにどくによる体力低下とこうそくいどうによる速度の乗った攻撃が重なることで、インテレオンへかかる負荷が更に上がり、つばぜり合う事すらなくインテレオンが力負けする形となって、ボクの下まで吹き飛ばされ、目を回すこととなる。

 

 

『インテレオン、戦闘不能!!』

 

 

「ありがとうインテレオン。ゆっくり休んで」

 

 どくを患ったうえでここまで頑張ってくれたインテレオンにお礼を言いながら腰のホルダーに戻し、ボクは6人目のボールを取り出す。

 

「お願い、ブラッキー!!」

「ブラッ!!」

 

 出てくるのは漆黒の身体に真っ赤な瞳をしたげっこうポケモン。その小さな身体に見合わず、高い耐久力を秘めた頑丈な身体は、しかしタイプ相性でかなりのディスアドバンテージを持っているため、いつも以上に表情を緊張に染めた状態で出てきた。

 

「大丈夫、頑張れるよブラッキー」

「……ブラッ!!」

 

 そんなブラッキーの緊張を、声掛けでほぐしてあげながら、ボクは目の前の強敵を見据える。

 

(フェアリージムに挑戦した時はそもそもブラッキーを選出しなかったもんね。だから、ブラッキーにとってここまで不利な相手とのバトルは初めてなんだけど……そういう意味では相手がギャロップでまだよかった)

 

 ギャロップはエスパーとフェアリーの複合タイプであるため、他のポケモンに比べてあくタイプの技がまだ通る方だ。それに、フェアリーもエスパーも、基本的には特殊技が強い傾向にあるのだけど、ギャロップの得意とする技は物理だし、能力的にも、ボクの知っているほのおタイプのギャロップと変わらないのであれば、物理攻撃の方が高いはずだ。それなら、攻めが強くないブラッキーの得意技であるイカサマが刺さりやすい。こうそくいどうによる素早さ勝負での負けも、そもそも足が速い方ではないブラッキーではその前から負けているだろうし、でんこうせっかを移動方法とするのであれば結局関係ない。ブラッキーを選出するタイミングとしては、これ以上にないタイミングだろう。

 

「『あくのはどう』!!」

「ブラッ!!」

「避けて『メガホーン』!!」

「『でんこうせっか』で前に退避!!」

「っ!!小癪ですね」

 

 ブラッキーでの戦い方を頭の中で構築しながら、とりあえず牽制の遠距離攻撃。これを右に小さくステップを踏んで避けたギャロップは、角を緑色に染めながら一気に突進。相手がフェアリータイプ使いということに埋もれて忘れがちかもしれないけど、あくタイプにとってむしタイプも弱点であるため、この技も受けるわけにはいかないブラッキーは、ギャロップの突進に合わせてでんこうせっか。それも、後ろに下がったり横に避けるのではなく、ギャロップとすれ違うように走り出すことによって、ギャロップの虚を突いて回避に成功する。

 

「反転して追いかけてください!!」

「逃げながら地面に『あくのはどう』!!」

 

 ギャロップの攻撃を避けたブラッキーは、でんこうせっかの速度を緩めずそのまま走り出すことでギャロップとの距離をどんどん離していく。

 

 現状確認出来た技で遠距離攻撃がサイコカッターしかなく、そのサイコカッターもタイプ相性でブラッキーには効果がないので、ギャロップが攻撃するには追いかけるしかない。そこを理解しているビートは、すぐさま追撃を指示し、それに従ったギャロップは身体を器用に反転させ、すぐさまブラッキーを追う。これに対してブラッキーは、ギャロップが近づいてくる前に地面にあくのはどうをぶつけ、砂煙を巻き上げてブラッキーの姿を隠していく。

 

「姿くらませ……先ほどのインテレオンとのバトルで学習しませんでしたか?ギャロップにその手の目くらましは効きませんよ」

「それはどうかな?」

「では試しますか……ギャロップ!!『メガホーン』!!」

「ルロッ!!」

 

 いつも以上に砂塵を強くして、自身の姿を隠していくブラッキー。しかし、それは裏を返せば自分の視界も狭めていると言うことでもある。これが相手も視界が無いのならまだいいのだけど、今回は煙幕の中でも相手の位置を確認できるギャロップが相手だ。ビートからすれば、この一手はむしろ自分が有利になる行動。こういう反応になるのも分かる。けど、わかってこれをしているボクは、煙幕の中で待っているであろうブラッキーに対して、信頼を込めて声をかける。

 

「タイミングは任せるよ!!ブラッキー!!」

「……」

 

 返答は無い。しかしこれは集中している証でもあるので、ボクはこのことを特に気にすることなく煙幕を見続ける。

 

 そんなやり取りをしていると、とうとう砂塵の近くまでたどり着いたギャロップが、緑色の軌跡を残しながら砂塵の中へと突進する。

 

 美しい毛並みと光を携えたその姿は、しかし一瞬で砂塵の中に吸い込まれて行ったため、もう確認することは出来ない。そして、砂塵の中に足の速いギャロップが突っ込んだというのなら、砂塵の大きさからして、もう1秒もしないうちにブラッキーとギャロップは接敵することとなる。

 

 果たして、両者のぶつかり合いの結果は……

 

「……ブラッ!!」

「ルロッ!?」

「っ!!来たっ!!」

「なっ!?ギャロップ!?」

 

 砂塵の中から聞こえてきたのは、ブラッキーの気合いの入った声と、ギャロップのなにかに戸惑う声。戦況を正しく判断することは出来ないけど、この声を聞く限り、どうやら砂塵の中ではブラッキーの方が少し有利な状況らしい。

 

「『イカサマ』!!」

「ブラッ!!」

 

 その有利な状況を信じたボクは、すぐさま攻撃を指示。同時に、再びブラッキーの声が聞こえると同時に、ドスンという鈍い音と共に砂塵がはれ、ようやくブラッキーたちの姿を確認できるようになった。

 

 そこには、苦しそうな表情を浮かべながら、両目をぎゅっと瞑るギャロップと、真っ黒に染めた前足を、ギャロップの首あたりに叩きつけ、今まさに吹き飛ばそうとしているブラッキーの姿だった。

 

「ブ……ラッ!!」

「ルロッ!?」

 

 その状態から、声を上げながら腕を振り抜いたブラッキーと、これによって吹き飛ばされるギャロップが、それぞれ初期位置に戻ることによって、一旦の区切りとなる。

 

「ギャロップ、無事ですか?」

「フルル……」

 

 自分のもとまで戻ってきたギャロップを気遣うように声をかけるビート。一方ギャロップも主を心配させまいとすぐに返事をしようとするものの、それ以上に別の不快感があるために、顔を振ることに一生懸命になってしまっている。

 

「……なるほど、汗ですか」

「気づくの早いなぁ……」

 

 顔を必死に動かすギャロップを見てこちらが何をしたのかを察するビート。

 

 ビートの言う通り、ブラッキーがしたのは自身の汗を飛ばすという行為だ。これがどういう事かと言うと、ブラッキーと言う種は元々自身に危険が宿ると、全身の毛穴から毒素を含んだ汗を飛ばし、相手の目を奪うという戦い方をする。そのため、ブラッキーは自身の意思をもって自在に発汗させることが可能だ。今回行ったのはそれで、自身の身に降りかかる危険に集中したブラッキーは、近くにギャロップが来たのを感じた瞬間に汗を霧散させ、ギャロップの目に掛けたというわけだ。

 

 いくら煙幕の中では目に頼っていないとはいえ、ギャロップは別に目を瞑っているわけではない。そんなデリケートなところに、急に異物が入ってきたら、たとえ頼っていなくてもひるむのは確実。残念ながら、ギャロップの特性がパステルベールであるためどく状態になることはないのだけど、それは置いておいてもこちらにとって有利な展開になることに変わりはない。

 

 ブラッキーの懐刀はしっかりと突き刺さり、ギャロップに一撃叩き込むことが出来た。

 

「『でんこうせっか』!!」

「ブラッ!!」

 

 目に汗が入ったことと、イカサマを貰ったことによって怯んでいるギャロップに対して追撃をするべくダッシュするブラッキー。

 

(タイプ不利を無理やり乗り越えたこの状況。当り前だけど、もうブラッキーの汗を使った技は通じない!!ここで決め切るしかない!!)

 

 ここまでやったうえで、ここを逃してしまうとブラッキーで勝てる未来を見通すことが出来ない自身の作戦の狭さを呪いながら、決死の追撃を指示。

 

「一本取られましたね……ですが、ぼくのギャロップは視界に頼った戦い方はしていません。なら、()()()()()()()()()()()()()()()()。ギャロップ!!そのまま『こうそくいどう』!!」

「……やっぱ気づくよね」

 

 ビートの声に、この状況の対策を教えてもらったギャロップは落ち着きを取り戻し、さらに自身の足を加速させ、ブラッキーのでんこうせっかをバックして回避。

 

「『メガホーン』」

 

 そのまま下がったところで、勢いよく地面を踏みしめたギャロップは、先ほどよりも圧倒的に素早い動きでブラッキーとの間を詰め、緑に光る角を叩きつける。

 

「ブラッキー!!」

「ブ……ラ……ッ!!」

 

 これをもろに貰ったブラッキーは、そのまま勢いよく吹き飛ばされ、ボクの横を通過。後ろから鈍い音が聞こえたのでそちらを振り返れば、バトルコートの端に、背中をつけたまま倒れるブラッキーの姿が目に入る。

 

 

『ブラッキー、戦闘不能!!』

 

 

 耐久に自身のあるブラッキーに、一撃でここまで致命打を与えるその破壊力に思わず息をのむ。

 

(強い……けど……!!)

 

「ルロッ!?」

「……やってくれますね」

 

 ブラッキーを飛ばしたギャロップは、その身体をまひに蝕まれていた。

 

 フェアリー相手だと回復が間に合わないと踏んで、つきのひかりではなくでんじはを仕込んでいたのがここで役に立つ。これで、こうそくいどうによって上がった素早さの大部分をそぐことが出来た。

 

「ありがとう、ブラッキー!!行くよエルレイド!!この意志を引きつぐ!!」

「エルッ!!」

 

 ブラッキーが落ちたことで、残り手持ちポケモンは逆転されてしまった。しかし、ブラッキーの残してくれたものは、確かに次に続くものとなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






ブラッキーの汗はちゃんと原作準拠です、だからこそ、実機でもどくどくを覚えるわけですね。……なぜか剣盾では没収されてますが。

でんじは

逆にこちらはSVで新規習得した技ですね。どんどん器用になってきて、ゴースト統一の私としては少しだけ恐い所です。




初音ミクとポケモンのコラボの18曲目も発表されましたね。BGMと歌詞が凄くて終始興奮してました。まだまだ次の曲も作られるみたいですし、ますます楽しみが募りますね。




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