【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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UA20000突破。
感謝です。

今日公式でようつべに投稿されたアニポケセレクションはゲッコウガVSジュカインでしたね。
いつ見てもこれは神回。
何回見ても鳥肌が……
こんな描写ができるようになりたい。


幕間 ガラル第二鉱山編
27話


「イーブイ、『でんこうせっか』!!」

「ヒンバス、『うずしお』!!」

「ヤドン、『ねんりき』です」

 

 3人のそれぞれの手持ちがカムカメやコソクムシ、カメテテと言ったこの第二鉱山に住むみずタイプのポケモンを的確に追い返していく。

 

 ボクとユウリはこの機に仲間になったばかりの仲間の特訓を兼ねての選出だけど、セイボリーさんは見たことの無いポケモン……訂正、見たことはあるけどいつもと姿が違うポケモンを繰り出しており、気になったボクは思わず図鑑を掲げてしまう。

 

 図鑑によるとこのポケモンはガラルヤドン。

 

 ヤドンはヤドンでも頭のてっぺんほぼ全てが黄色で染まっている。と、同時に尻尾も同じ色で染まっているんだけどどうやら食べているきのみが原因なのだとか。ヤドンのしっぽはどこの地方でも食材として食べられているんだけど、このヤドンのしっぽはスパイシーなんだとか……食べているきのみが辛いものばかりなのかな?

 

 ちなみにタイプはエスパータイプ。

 

 こうやって図鑑でしっかり調べておかなかったらみずタイプだと勘違いしたまま戦うことになっていたかもしれない。こういう野生バトルや野良対戦ならいいんだけど大会でのバトルとなるとあたりまえだけど基本道具なんて持ち込まないから図鑑も持っていくことはない。それはつまりこんな感じで図鑑で調べてから相手のタイプを知って弱点をつくという戦い方ができないという事。相手のタイプがわからないなんて致命的もいいところだ。もちろん初見の敵と戦うことも想定すればアドリブが聞く方が便利ではあるんだけど、だからといってそれは下調べを怠る理由にはならないしね。なかには初見でタイプが絶対分からない子もいるし。ゴルーグなんて初見でタイプわかる人絶対いないよ……

 

「このガラルヤドンはワタクシの住んでいるヨロイ島に生息しているポケモンなんですよ。ワタクシの大事な相棒です」

 

 ボールに戻しながら言うセイボリーさんの表情は穏やかで、今までのどこか胡散臭さを感じる表情とは打って変わって、自分の手持ちをちゃんと大切にしている人の顔だった。

 

「こんな顔もできるんだ……」

「失礼だよ……って言いたいけど、気持ちは分かるなぁ」

 

 ユウリの言葉にツッコミを入れるけど、確かに昨日の彼の顔を見ていたらとてもじゃないけど、中身が同じ人間だとは思えないくらいには落差があった。もしかしたら想像よりいい人なのかもしれない。

 

「んん、さて……行きますよ。時間は有限なのです」

「分かってますよ……って、先々行ってますけど本当に道分からないんです?」

「分からない割には私たちの前を歩いているような……」

「そ、そんなことないですよ?……これはあれです!この中で1番強いであろうワタクシが露払いをしようと言うわけですよ!!」

「「は、はぁ……」」

 

 なんて思っていたらまたいつもの胡散臭さいモード突入。

 

 う〜ん……やっぱりよく分からない。そんな感じでボクとユウリはなんだか微妙な空気感を感じながら3人で再びガラル第二鉱山を歩き始めて行く。

 

 ガラル第二鉱山。

 

 バウタウンとエンジンシティを繋ぐこの場所はガラル鉱山と役割は一緒で鉱物を採掘する場所となっている。ただ、同じ鉱山と言ってもその内部は大きく違っており、ガラル鉱山が暖色の蛍光灯が多く、ゴツゴツした明るい工事現場という雰囲気が強い場所なのに対して、このガラル第二鉱山は照明が少ないのか少し暗く、取れる鉱物も寒色系のものが多いのか鉱山内も寒色系の雰囲気を醸し出している。海が近いせいか、第二鉱山内に池や水たまりがいくつも点在しているのもガラル鉱山との大きな違いのひとつだろう。みずから反射している光によって洞窟内が照らされているというのもこの第二鉱山が少し暗く、しかしどこか神秘的に移るこの場所を演出する手助けになっている。

 

 そして何よりも違うのがやっぱり出てくるポケモンの種類。さっきも言った通り海が近いせいか池や水たまりが沢山あり、そこを住処とするみずタイプのポケモンがそこそこの数確認されている。さっきであった子たち以外にも、カラナクシやドジョッチ、ヘイガニが少なくとも確認できている。

 

「う〜ん……釣りを教えた意味がなかった気がする……」

 

 釣りなんていう面倒なことをしなくてもここに来ればそれだけで簡単に、しかも釣りよりも圧倒的にたくさんの種類と出会うことができる。いや、正確には釣りが面倒臭いという訳では無いんだけど、少なくとも冒険初心者に対してはこんなにもひとつのタイプに出会いやすい場所があるのにわざわざ苦労の多い方選ぶ必要なかったなぁと思わずにはいられない。

 

「そんなことないよ?おかげでこの子と出逢えたし、なんだかんだで釣りも楽しかったもん。ね、ヒンバス」

「ヒン〜」

「そっか。なら良かった」

 

 戦闘を終えたヒンバスを抱き抱えながらそういうユウリの表情はとても穏やかで、抱えられているヒンバスの表情もかなり嬉しそうだ。見ているこっちまで少し暖かくなってしまう。

 

「出会ったばかりとは思えないほど仲良くなってるね〜」

「それはフリアもでしょ?」

「え?」

「ブイブッ!!」

「っとと、はいはい。よっこいしょと」

 

 ユウリの言葉の後に聞こえるボクを呼ぶ声に視線を下に向けると、器用に後ろ足だけで立ちながら前足でボクの脚をカリカリと軽く引っ掻き、甘えてくるように鳴いているイーブイの姿が。

 

 バウチャレンジの時にいきなり飛びついて少し危なかったのをちゃんと覚えていたのか、今回はこうやってボクにお願いしてから定位置の肩の上に乗せてもらうように行動してきた。こういう所をちゃんと学習できるうちの子はほんとにいい子たちばかりだ。

 

「よしよし」

「ブイ〜……」

「ほら、仲良い」

「みたいだね」

 

 撫でてあげるとこちらもヒンバスと同じように嬉しそうにしているイーブイ。ほんとに可愛い子だ。

 

「仲のいい旅仲間……別に羨ましくはないのですよ」

 

「……?セイボリーさん、なにか言いました?」

「いえ、何も言ってませんよ。そんなことよりも、あまりゆっくり歩いているとここを抜けられませんよ」

「っと、そうですね。少しペースあげましょうか」

 

 かなり広いとはいえ、一応ガラル鉱山よりも狭くはあるこの第二鉱山は1日あれば十分抜けることはできそうなくらいの規模ではある。ここまで順調に来ているし、少しくらいペースを上げても問題はないだろう。もっとも、こちらもガラル鉱山と同じように足元は悪く、視界もかなり制限され、かなり入り組んでいるため、初めてここを訪れた人はなかなかに迷ってしまうだろう構造をしているから注意は必要だけど……。確かに方向音痴の人は出口にたどり着けずに、その間に野生のポケモンにどんどん手持ちの体力を削られ、戦えなくなってしまい、あなぬけのひもでバウタウンに戻って体制を立て直さざるをえない。なんて状況においやられ……を繰り返して永遠と前に進めないなんて状況が予想されそうな雰囲気はある。

 

 ……けどやっぱりセイボリーさんの言葉が凄く引っかかる。

 

 あの発言はこの鉱山を1日で抜けることができる距離というのを分かってないと出ない発言のような……?

 

 相変わらず拭えない疑問を抱えているボクたちのことなんか気にもせずさっさと歩き始めるセイボリーさん。さきさき前に進むのはいいんだけどなんかこの先の道に変なものが転がってる気が。

 

「ねぇ、ユウリ……あれなんだと思う?なんか図鑑にも反応があるんだけど……」

「私も気になってた。あの半分赤くて半分白いちっちゃいモンスターボールみたいな球……図鑑で反応があるなら調べられるかな……?」

 

 ユウリが懐からロトム図鑑を取りだしてかざす。するとすぐに解析結果が表示される……けど内容を全部理解するよりも先にその赤白の物体をセイボリーさんが踏みそうになって……

 

「セイボリーさん!ストップ!!」

「えっ?」

 

 忠告を急いでしたものの間に合わず、赤白の物体を踏み抜く。そして……

 

「アウチッ!?」

「「セイボリーさんっ!?」」

 

 セイボリーさんの足首を飲み込まんばかりになにかかかじりついていた。まるでそれはトラバサミのような見た目をしておりいかにも痛そうな歯がセイボリーさんの足首に……

 

「って観察してる場合じゃない!!イーブイ!!『スピードス━━』!!」

「ヒンバス!!『うずし━━』」

「ノーッ!!」

「ちょ、セイボリーさん動かないで!?」

「狙い付けられない……」

 

 足をぶんぶん振り回し噛み付いている何かを無理やり引き剥がそうとしているけど、そんなことをされた噛み付いた側のポケモンは対抗意識を燃やしだし、さらに強く噛み付こうとする。その痛みに耐えきれずセイボリーさんがさらに暴れての悪循環。

 

 さっき答えを言っちゃったけどこの噛み付いているのは実はポケモン。

 

 地面に埋まって赤と白のちっちゃなモンスターボールのようなものだけを地表に出し、それを餌として通ったものに噛み付くという変わった習性を持つそのポケモンの正体はマッギョ。それもガラルの姿で、原種が踏んできた敵をしびれさせる地雷だとすれば、こちらの見た目はまんまトラバサミ。

 

 鉄分を豊富に含む泥の中で生活していた結果、体の表面が薄い鋼でコーティングされており、頭やしっぽの先にあったヒレもトラバサミの歯のような形に変異していた。ちなみにあの赤と白のちっちゃなボールの正体はガラルマッギョの唇だ。

 ……そりゃ唇踏んづけられたら攻撃してくるよね。

 

 タイプはじめん、はがねタイプでどうやら原種よりもさらに攻撃的な性格になっているのだとか。

 

 じめんタイプがあるなら尚更ヒンバスの攻撃を当ててあげたいんだけど……かなり痛いのかセイボリーさんはパニック状態のまま暴れてしまいボクたちの声が届かない。

 

 どうにかしなくちゃなんて考えている間に走り回ったり転げ回っているセイボリーさんがとうとう危惧していた状況にぶつかる。それは……

 

「再びアウチッ!?この硬い岩はなんですか!?」

「……フリア、どうしようこれ」

「あ、あはは……これはまずい……」

「ん?おお!!今ぶつかった勢いでトラバサミが取れましたよ!!足が取れるかと思いました……って、おふたりともどうしたのです?もしかして、ワタクシのエレガントな脱出劇を見て感動を━━」

 

「ガメェ……」

 

「━━おや?」

 

 セイボリーさんの後ろにたち、こちらをギロリと睨みつけてくる影。その影はとても見覚えがある……というかつい先日死闘をくりひろげたばかりの相手。

 

「ガメェェェッ!!」

 

 野生のカジリガメだった。それも単体ではなくカジリガメの群れ。

 

 ルリナさんに育てられ、躾られたあの優秀なカジリガメではなく、野生の中で生きてきた凶暴な個体。そもそもカジリガメ自体が気性の荒いポケモンであり、そのポケモンをあそこまで育て上げることのできるルリナさんの手腕が凄いだけだ。そんなポケモンに事故とはいえ思いっきりぶつかってしまえば……

 

「「「「「ガメェェェェェエエエッ!!!!」」」」」

「「うわああああああっ!?」」

「テ、テレポートォォォォォ!!」

 

 こうなるのは当たり前の結果である。

 

 いきなり暴れ出すカジリガメの群れ。みずでっぽうや、がんせきふうじ、シェルブレードをやたらめったらに繰り出してくるその姿は普通に1体1で戦う分には全然捌けるし、ルリナさんの手持ちの比べると威力も全然だけど、こうも数の暴力で来られると逃げるしかない。

 

 後ろから聞こえる水しぶきの音や岩のぶつかる音、地面が揺れ、削れる音など物騒な破壊音が後ろから迫ってくるのが無茶苦茶怖い。頑張って逃げ回るけどここで更なる問題が……

 

「何このマッギョの数!?」

「こ、ここ走ったら絶対噛まれる……」

「もうあの痛みは勘弁ですよ!?」

 

 どこかで逃げる道を間違えたのかボクたちの目の前にはさっき見た赤と白のボール……ガラルマッギョの唇の畑が広がっていて、とてもじゃないけど進めない。正確には進めるだろうけどこれを避けながら進もうとすると間違いなく後ろのカジリガメの群れに追いつかれてしまう。

 

「ええい!!前がダメなら横に行けばいいのです!!こちらに!!」

「セイボリーさん、ちょっと待って!!」

「そっちはそっちで━━」

「フギャッ!?」

 

 横に逃げようと走り出すセイボリーさんが再び何かにぶつかる。

 

 それはウミウシポケモンのトリトドン。

 

 すやすや寝ているところにぶつかられたのが苛立ったのか周りに岩が浮き上がっていく。

 

「フ、フリア……これって」

「うん……『げんしのちから』、だね」

「……ということは」

 

「ポワァァァア!!」

 

「ジメレオン、『みずのはどう』!!」

 

 飛んでくる岩に対してジメレオンを呼び出しみずのはどうで迎撃。何とか岩を打ち砕き、攻撃を阻止する。けど岩を砕いてそのまま突き抜けていくみずのはどうが不自然にトリトドンへと吸われて行く。そしてそのままみずのはどうのエネルギーを体に受け、()()()()()()()()()()()()()()()()()の姿が……。

 

「よりにもよってよびみず!?」

 

 よびみずはみずタイプの攻撃を吸収して自分の力に変えてしまう特性。

 

 トリトドンがこの特性を持っているのはよく知っていたけど思いのほかジメレオンのみずのはどうの威力が高すぎたのか、まさかのげんしのちからをつきぬけて吸収されてしまった。これがねんちゃくとかの別の特性だったら困らなかったものの、ここの運も最悪な様子。さっきよりもからに火力の上がったげんしのちからが再び飛んでくる。

 

「もうやだぁ!!」

「ユウリ!!とにかく逃げるよ!!セイボリーさんも!!」

「なぜこうなるんですか〜っ!!」

 

 飛んでくる攻撃をとにかく避けながら、もうこうなっては仕方ないと賭けに出るかのようにマッギョの上を走り抜ける。どうやら反射神経はそんなにいい方では無いのか、ボクたちが走り抜けたあとから起動していくトラバサミたち。そして起動したトラバサミが地表に出てきたことによりボクらに飛んでくるはずだった攻撃がガラルマッギョに直撃。その事に怒りを覚えたガラルマッギョまでもがいっせいに攻撃を放ってくる。

 

 何故かボクたちに向けて。

 

「なんでこっち狙ってくるのさぁぁぁぁ!!」

「やだやだやだやだぁぁ!!」

「ワタクシの心はサイコブレイクゥゥゥウ!?」

 

 鉱山内に木霊する3つの叫び声。反響するその声にまるで自分から出てるとは思えないなぁなんて場違いなことを考えながらボクたちはひたすら駆けた。

 

(とりあえず元凶のセイボリーさんをしばかなきゃ……)

 

 そんな少し黒い決意を固めながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……ここまで来れば大丈夫かな?」

「ひゅぅ……ひゅぅ……全く、恐ろしいやつでした……」

 

 モンスターハウスと言わんばかりの大群に襲われ、どれだけ逃げたか分からないくらいの長時間走り続けた私たちは物陰に入り込んで周りの状況を伺っていた。あまり体力に自信がある方じゃない私とセイボリーさんはもう息が上がっていて、しばらく休まないとろくに動ける気が全くしない程疲労していた。

 

 正直いつしかのイワークに追いかけられていた時よりも何倍も怖かったし疲れちゃった……

 

「ですがもう追ってきていないみたいですね……フフフ、ワタクシのサイコパワーに恐れをなして逃げたのでしょう」

「セイボリーさん、殴っていいですか?」

「ホワイッ!?」

 

 勿論本気でそんなことするつもりは無いけど言うくらいなら許して欲しい。だって絶対元凶この人だもん……。ただ、さっきの発言も単純に空気を和ませようとか、あまり気負わないようにしようとか、そういったほんの少しの優しさは感じ取れた。どうもこの人、胡散臭さはあるもののどちらかと言うと不器用なだけで根はいい人なんだと思う。今回の件も自分に非があるとはちゃんと認めてはいるみたいだし、それを言ったらちゃんと止められなかった私たちのせいでもあるわけだからここはいいっこなしだと思う。

 

「しかし、ここがこんなに危ないところとは思いませんでした……」

「それについては同感かも。まさかあんなにみんな気性が荒いなんて……」

 

 他の人がどうやって突破して行ったのがすごい気になっちゃうところだ。

 

「とりあえずもう少し休もう。手持ちのみんなもしっかり回復させてあげて、次はこうならないように慎重に。たとえ同じ状況になっても少しは戦って抑えられるようにならないと……」

「ええ、その意見に賛成です。何よりもワタクシたち自身の体力をしっかり回復させなければ……」

 

 セイボリーさんの同意も得られたことだし、ここで一時的に休憩をとることに。テントも貼れるけどさすがにここで建てる訳にはいかないので手持ちを呼び出しはするけどこっそりと静かに休憩する。少し横を見ればセイボリーさんも手持ちをみんな呼び出し、きのみをあげたり撫でたりしていた。そして反対側の横にはフリアが……

 

「……あれ?」

 

 いると思ったら誰もいない。ジメレオンたちの影も見えない。周りを見渡す。やっぱりいない。

 

「どうかしました?」

「あの……フリア、見ました?」

「フリア、ですか……確かに見受けられないですね。もしやテレポートで1人だけさっさと逃げて……」

「フリアがそんなことするわけないの。あなたと一緒にしないで」

「なんだかワタクシに対する当たりが酷くなってません!?」

 

 預かり屋のあの時に誰よりも真っ先に立ち向かう様な性格の人がそんなことするはずもない。しかし周りを見渡しても人影なんでどこにもなくて。それはつまり何を表しているかと言うと……

 

「……はぐれた?」

「まぁ、真面目な話。そういうことになりますよね」

「そ、そんなぁ……」

 

 今第二鉱山のどこにいるのかいまいち把握ができないこの現状。まだまだこの先の道のりは険しいと見て取れるのにここに来てまさかの1番頼れるフリアと離れ離れというハプニング。そして何より……

 

「セイボリーさんと2人だなんて不安しかないよ〜……」

「それどういう意味ですかね!?」

 

 なにか喚いているけど無視してこの先どうしようか考える。自分たちがいる場所が分からない以上、下手に動くのは危ない気もするし、だからといってここでじっとしているのも違う気がする。せめて出口からどのくらいの場所かくらい分かればまだ方針の基準くらいにはなるんだけど、それすら分からないからどう動くのが正解かわからない。

 

(こんな時フリアならどう判断するんだろう……)

 

「っつつ」

「え?」

 

 頭の中でうんうんうなっていると急に聞こえた少し甲高い声。振り返ってみるとセイボリーさんが足首を抑えて少しうずくまっていた。

 

「セイボリーさん!?」

 

 慌てて近づいて足首を見させてもらう。そこには先ほどマッギョがかみついていた場所に歯の痕がきれいにくっきりと残っていた。よくよく考えたらあんなのがかみついていたらこんな痕がつくのなんて当たり前だ。たぶんここまで走って来られたのは一種の興奮状態だったから。それが切れた今、常にじんじんと熱を持った痛みに襲われ続けているはず。カバンからすぐに簡易的な治療道具を取り出していく。

 

「わ、ワタクシはこれくらいの傷……」

「いいから、じっとしてて。ひどくなったらいよいよ動けなくなっちゃうよ」

 

 応急措置をてきぱきと進めておき、とりあえず大丈夫なところまでもっていく。かみつかれてすぐに離したおかげでそこまでひどくはなっていないからすぐに治るとは思うけど、早くポケモンセンターや、宿屋で休ませてあげたいのが現状。かといって今どこかわからないのに無理やりセイボリーさんを動かすわけにも行かない。いよいよもって詰まってきた。

 

 そんな時に聞こえるザクッザクッという足音。

 

「「ッ!?」」

 

 一瞬で私とセイボリーさんの表情が強張る。ここはまだ鉱山の中。もし今野生のポケモンに襲われでもしたら……たとえ野生じゃなくても悪質なトレーナーでもやばい。一瞬フリアが来てくれたかもなんて考えたけど、そんな都合のいいことが起こるなんてとてもじゃないけど思えない。そして今、セイボリーさんは足を負傷している。

 

(逃げられない以上倒すしかないから……)

 

 そっとモンスターボールを構える。誰が、なにが来ても大丈夫なように……

 

 どんどん近づいてくる足音。そしてついにその足音の正体が姿を現す。人影が出てきた瞬間ラビフットを繰り出そうとして……

 

「おや、君たちは……」

「……カブさん?」

 

 まさかの登場人物に私たちの時は止まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




第二鉱山

ガラルマッギョに最初吃驚しました。
結構大げさな書き方かもですけど、旅の序盤でトラバサミがあるところ歩かされるってなかなか危険だと思うんですけど……

セイボリー

なんか書いててネタキャラに……なぜこうなった……
でも元々ネタみたいなところもあったし少しくらいなら許されそう……




他の方のいい作品読むと自分も頑張らなくちゃって影響されちゃいますね。
おかげでモチベ下がらないです。
書くのも読むのも楽しくて充実充実。




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