「う〜ん、どこにいるんだろ……」
エール団を退けてガラル第二鉱山を歩くこと数十分。最初こそは足取りが軽かったものの、なかなかユウリたちと合流できずに若干の焦りに襲われていた。道を覚えている訳では無いけど何となく見覚えのある景色の所までは戻ってきたような気がするからだいぶ近づいているとは思うんだけど……
「先に出口に到着してるのかなぁ」
ビートと一緒に戦っていた時間がかなり長かったのでその可能性は十分に有り得る。もしくはセイボリーさんが負傷していると読んで1度バウタウンに戻っているか。
「戻るか進むか、2分の1だけど外した時のダメージデカすぎて選べないなぁ……うむむ、あの辺から別れたはずだからこっちだとは思うんだけど……」
ボクが野生のポケモンを引きつけるためにわざと別れたところからある程度進んだあたりで右左とあたりを見渡す。どうも分かれ道が多くどっちに行ったか物凄くわかりづらい。何かしらの目印があればいいんだけどそれも望めなさそう。
「せめて何かしらの手がかりがあればなぁ……」
さすがに通った後に何かを残すなんてことは出来ないにしても、岩肌に不自然な傷が一つや二つでもあればわかりやすいものの、そんなもの当然ある訳もなく、結局は手当たり次第に歩いていくしかない。仕方ないと首を振りながらまた探すために足を動かそうとして……
「ブイ!!」
「イーブイ?」
モンスターボールからイーブイが元気よく飛び出してくる。
「どうしたの?」
「ブイブイブイ!」
脚をカリカリしながらなにか訴えてくるイーブイにまた肩に乗りたいのかな?なんて思い、持ち上げてゆっくり肩に乗せる。すると、そういう意味ではなかったのか、器用に肩からリュックの上に移動し、何かを漁り始める。
「本当にどうしたの?」
上手いこと体重移動しているため落ちそうには見えないけど、かと言って落ちたら危険なのでとりあえずリュックを地面に置き、イーブイのさせたいようにさせてみる。地面に置いたことによって漁りやすくなったリュックの中に入り込んでさっきよりも激しく中身を漁り出す。目的のものでは無い物は外に出されていくためそれを受け取って直ぐにカバンに戻せるように並べておいておく。
どうでもいいけど、リュックに顔を突っ込んでしっぽををフリフリしているイーブイがとても可愛い。
そんな光景をしばらく眺めていると、ようやくリュックから出てきたイーブイが何かを咥えていた。
「……ポフィン?」
「ブイブイ」
イーブイが咥えていたのはポフィンが入っている袋。ユウリにあげたものとは別のもので、こちらは1つの味だけという訳ではなく、色とりどりでたくさんの味のポフィンが沢山詰まっている。
「食べたかったの?」
「ブ〜イ、ブイ!ブイ!」
首を振りながら答えるイーブイ。その後、イーブイが何かに向けて指を指しているように見える。その先には岩肌があるだけで……いや、指しているところにちょうど青色の鉱石が埋まっていて……
「青色……あ、もしかして?」
袋から青色のポフィンを取り出す。味を分かりやすくするためにしぶいポフィンに付けられた色だ。それをイーブイの目の前に持っていって見せる。
「これでいい?」
「ブイ!!」
どうやら目的の品みたいで、意味が伝わったことによりイーブイは喜びながら青色のポフィンに近づいていく。そのままポフィンに顔が当たるか当たらないかといった所まで接近し、スンスンと鼻を鳴らしていく。おそらくポフィンの匂いを嗅いでいると思われるその行動を数秒行った後、イーブイは少し先に走り出し元気よく吠える。
「そっちの方向なんだね?」
「ブイ〜!!」
ボクの言葉に元気よく返事をしたイーブイはボクの数歩先を進んでいく。その後ろ姿に頼もしさを感じながらボクも足を進めた。
イーブイが行ったのはポフィンの匂いを覚えて、その匂いを辿っていくというもの。そんなものでたどり着けるのかと思うかもしれないけど、ボクは昨日ユウリにたくさんのポフィンをプレゼントしている。しかも青色に着色されたしぶいポフィンを大量に。そのことを覚えていたイーブイが青色のポフィンを所望したのはこうやって匂いをたどれるのでは?と気づいたからだ。袋に沢山詰め込まれたポフィンは少々の日にちがたった程度では、その芳醇な香りはなかなか消えない。袋に大量に詰め込まれているのなら尚更だ。ならば、人間よりも多分嗅覚が優れているであろうイーブイにとって、その匂いは何よりも大きな道標となる。その事に気づいたからこそ、イーブイは自分から飛び出してきてポフィンの匂いを嗅がせてくれとお願いしてきたという訳だ。
(つい最近にようやく卵から孵化したばかりだって言うのに……そうとは思えないや)
卵から孵化してまだ7日前後しか経っていないのにもうこんなにも頼もしいイーブイが少し不思議に見えてしまう。
(ポケモンの成長ってものすごく早いね)
そんな子供の成長を見守る親の気持ちを何となく理解しながらイーブイの後ろをついて行く。途中にまたマッギョたちがちらほらと襲いかかってくるものの、数が少ないのならば余裕をもって撃退できるので、道案内に集中しているイーブイを守るようにして戦っていく。
しばらく歩き続けていると段々とこの第二鉱山で働く人や、バウスタジアムを抜けたのか、ジムチャレンジャーであろう人たちの影が少しだけ見れるようになってきた。出口に近いかどうかは分からないけど、少なくとも順路に戻ってきているのは間違いないだろう。
(もしかしたらユウリたちの近くまで来ているのかもしれないね)
「ブイッ!!」
「あ、ちょっと、イーブイ!!」
そんなことを考えている時にいきなり元気よく鳴くと同時に走り出すイーブイ。速いという程ではないにしろ、すばしっこいうえ小さいので見逃すと大変なことになる。視界から外れないようにしっかりとイーブイを見ながら急いで追いかける。
「ブイッ!!」
ある程度進んだ後イーブイの元気な声がまた響く。その近くから聞こえる聞き覚えのある声たち。次こそ間違いなくユウリとセイボリーさんで間違いない。イーブイがしっぽを振っているのが何よりの証拠となるだろう。
「イーブイ〜、ユウリたち見つけた?」
「ブイブイ!!」
こちらに振り返ってぴょんぴょん飛んで教えてくれるイーブイの反応的に見つけたのだろう。長い洞窟の一人旅もようやく終わりが見えてきたみたいだ。角をぬけて今度こそユウリたちと出会う。
「ユウリ〜、セイボリーさ〜ん、お待たせしまし━━」
「ノー!!それ以上は私の体が〜っ!!」
「でもこれに乗せないと歩けないもん!!耐えてセイボリーさん!!」
「着く頃には私の体消し炭になってあの世にテレポートしてしまいます!!」
「でもセイボリーさん乗せるもの他にないから!!」
「……いや、ぼくのトロッゴンは乗り物ではないんだが」
視界に入ったのはセイボリーさんを引っ張るユウリの姿とその横で苦笑いを浮かべながら頬をかいている次の目的地、エンジンシティのジムリーダーのカブさんがいた。ユウリとセイボリーさんはともかくとしてまさかカブさんがいるとは思わなかった。
エンジンスタジアム、ジムリーダーカブ。
白髪混じりの髪や、皺が刻まれた顔はかなりの風格があり、ルリナさんや、ヤローさんと違って静かに、けど確かに激しく燃えるような、穏やかなプレッシャーを携えていた。
……ちょっと状況が状況だからあんまり集中できないけど。
「おや、君は……」
「あ、フリア!!」
「フ、フリア君!?ちょうどいいところに!!たった今あなたにワタクシを助ける権利を与えます!!早く助けなさい〜!!」
「え、えと〜……」
カブさんからは興味の視線を、ユウリからは喜びの視線を、そしてセイボリーさんからは懇願の視線を。3つの視線を同時に受けてどれから反応すればいいのか困惑してしまうボク。
(なるほどこれがカオス……)
とりあえずまずは直ぐに返答を返せるユウリに一言言おう。
「はぐれてごめんね。心配かけちゃった。そっちは大丈夫だった?」
「うん。見ての通り平気。セイボリーさんがちょっと足を怪我しちゃったけどそれ以外は……」
「怪我……セイボリーさん、大丈夫?」
「え、えぇ。まぁこれくらいならかすり傷ですよ。ユウリさんに手当もしていただいているので……」
視線を下に向ければ確かに足首に包帯が巻かれている。場所的にやっぱりガラルマッギョに噛まれていたところだろう。ただ少しは立てるみたいだから重傷という訳でもないみたいだ。不幸中の幸いである。
「そして、怪我したセイボリーさんとどう移動しようか悩んでいた時に来てくれたのが……」
「カブさん、というわけだね」
「うん」
ユウリの言葉でとりあえずの現状は把握できた。周りのちょっとした戦闘痕を見る限り、セイボリーさんを野生のポケモンたちから守ってくれていたようだ。
「カブさん、ありがとうございました」
「いや、気にしないでくれ。たまたまここを通っただけなんだ。それにぼくがいなくてもユウリ選手の実力なら、ここのポケモンのほとんどは迎撃できるだろうしね。そうだろう?フリア選手?」
「ボクの名前……」
名乗ってもいないのにボクの名前を言い当てるカブさん。やはり、ジムチャレンジャーの情報は既に色んなところを巡りに巡っているということだろう。相変わらずこの扱いになかなかなれなくてソワソワしてしまう。気分はちょっとした有名人のそれだ。
「やはり注目の選手のことはしっかりと調べておきたいからね。特に別地方から来たとなれば、ぼくにとってはなんだか親近感わくからね」
カブさんは元々ホウエン地方の出身だ。そう言われると確かに、自分と同じで別地方からやってきた選手と言うのは自然と目に止まってしまうのかもしれない。
「さて、長話は是非したいのだが……まずはセイボリー選手を運ばないとね。傷は軽いとはいえ足の怪我は早く診てもらった方がいい。ジムチャレンジャー、ひいては冒険者にとって足はとても大事だからね」
「っとと、そうでしたね」
カブさんの話は興味深いけどまずは優先事項から。セイボリーさんを運び出さないといけない。
「ほら、だからやっぱりトロッゴンに乗って……」
「だから焼け死ぬと言っているのです!!」
「ちなみにカブさん、トロッゴンって何℃くらいなんですか?」
「ふむ、正確な温度と言われるとなかなか難しいんだけど……トロッゴン自身は約1000℃のほのおを吐けるね」
「1000℃……」
「「……」」
うん、あながち消し炭は間違って無さそうだ。
「大丈夫、セイボリーさん。あなたなら耐えられます」
「やけくそになってないですかねユウリさん!?」
「とは言っても、表面ならそんなに温度高くなさそうだし……セイボリーさん、その足でエンジンシティまでいける?」
「……も、もちろん歩けますとも!!そんなに遠くなければ」
小声だったけどしっかり聞こえた部分に対する答えを聞くためにカブさんに視線を送るが……
「残念だがまだまだ遠いね。ここは順路から少し逸れている位置だし、足場も悪い。その足で歩き続けるのは苦労があると思うよ」
「ならやっぱり……」
「だが、トロッゴンが乗せている石炭の上に乗せるというのもあまりおすすめは出来ないね……見た目が黒いままなだけであって温度はかなり高いよ。あまり推奨はできないかな」
「ほらやっぱり!!何かで運んでもらうというのはありがたいのですがさすがに熱いのはワタクシ嫌なのです」
「ぼくがウインディかキュウコンを連れてきていたら話は変わっていたんだけどね……残念ながら今は連れてきてないんだよ」
苦笑いをうかべならがも申し訳なさそうな声で言うカブさん。カブさんは全く悪くないのにこういうことをサラッと言うってことはかなり優しい人なんだろうなって思った。けどカブさんの言う通りここからさらに歩くとなるとさすがにセイボリーさんの体が心配になる。ボクたちがセイボリーさんを担ぐというのも、セイボリーさん、身長も大柄で体重もちゃんとあるから多分ボクたちの体力が持たないから無理だろうし……割と大きな悩み事ではあったりする。
……けどまぁ、実はあまりその所を心配はしてなかったりするんだけどね。
「カブさん、大丈夫ですよ。そこのところ、実は考えがあるんです」
「「え!?」」
「ほう?」
ボクがそういうとカブさんは興味深そうに、ユウリとセイボリーさんは驚きの声を上げて聞いてくる。
「そんな方法あるの!?」
「もうワタクシが燃えなければなんでもいいです!!」
「いや、正直セイボリーさんには気付いてほしかったんだけどなぁ……」
「え!?」
さらに驚くセイボリーさんだけど正直もうとっくに試しているとさえ思ったくらいだ。この様子だと本当に気づかなかったみたい。
「ほらほら、早くやりましょう。セイボリーさん、手持ちを出して!ボクも出しますから」
「手持ち……?」
「いいから早く!!」
「え、ええ……来なさい、ユンゲラー!」
「ボクも、もう一回お願い。キルリア!」
ボクはキルリアを、セイボリーさんはユンゲラーを呼び出す。
「ユンゲラー……うん、良いポケモンだね。これならいけそう!!」
サイコパワーの出力も高いユンゲラーならボクの考えている作戦もうまくいけるだろう。キルリアと合わせて十分な力があるはずだ。これでコロモリや、ガラルヤドンなどが出てきたらちょっと怪しかったかもしれないけどね。この作戦をするにあたってそこそこの足の速さと少し強めの出力がいる。この二匹はその条件を両方満たしているから多分大丈夫だ。
「そう、ですか……しかし一体何を?」
「ん?」
どうやらまだ気づかないみたいだ。
「まったく、本当にエスパー使いなんですか?」
「そこまでいいます!?」
「ま、いいですけどね。じゃあ早速やりましょう」
「本当に任せていいので?」
「大丈夫。安全は保障するからさ。さぁいくよ」
「なんか不安なんですけど!?!?」
なんかうるさいけど却下。とにかく強引にボクは作戦を始めた。
☆
「あの……フリアさん?」
「なぁに?だいぶ安全だし快適だと思うんだけど……」
「うん、確かにこの運搬方法なら安全だね。こんな方法があったなんて、私もびっくり」
「ユンゲラーが持ち上げ、キルリアがサポートする……ふむ、確かに理にかなっているね。それにこれなら患部への負荷もかからない」
「ほら、完璧」
「かもしれませんが……流石に恥ずかしいんですが!?」
ボクたちよりも
ボクが考えた作戦。それはエスパータイプの力でセイボリーさんそのものを浮かせて運ぶというもの。サイコキネシスやねんりきといった技はなにもポケモンバトルだけで使う技ではなく、モノを動かしたりそらしたりなんて応用の効く技だ。どこかのエスパータイプのジムリーダーは常に自分の横にポケモンを置き、その子たちに自分を浮かせて移動するようにしているだなんて話も聞いたことがある。それはそれで足腰がすぐ弱って体に物凄く悪そうだけど……まあ今はそんなことどうでもよくて。要は今、そんなエスパータイプのポケモンたちの力によってセイボリーさんを浮かせて、ゆっくり運んでいるわけだ。勿論どのポケモンでもできるというわけじゃなくて、人を浮かせられるだけの出力が出せ、かつ運ぶという作業上、最低限の足の速さも必要となる。さっきコロモリとヤドンではだめといったのはコロモリでは出力が足りず、ヤドンでは足が遅すぎるというわけだ。その点キルリアとユンゲラーなら両方を満たしているから大丈夫という事。もっとも、キルリアは若干出力にムラがあるため今回は補助に徹してもらっているけどね。そのためかたった今もセイボリーさんはまるで見えないベッドに寝かされているかのように空中で横になってそのまま水平移動している。おかげで今もこうやって安全に移動できているのでぜひともセイボリーさんには感謝してほしい。
……ボクが逆の立場だったら恥ずかしくて死にそうだからお礼はしないけど。だってはたから見たら空中で寝たまま水平移動とかシュールでしかない。
「いや、確かに安全かもしれませんがさっきから視線を凄く集めているのです!!このゆびとまれもびっくりな吸引力!!」
「じゃあ自分で歩きます?」
「ぐっ……せ、せめて高度を低くして直立の姿勢で運んでくれませんか!?」
「カブさん。エンジンシティまであとどれくらいですか?」
「あと十数分といったところかな?出口までそう遠くないよ」
「無視しないでくださいまし!?」
このままだとワタクシの心がサイコショック……なんて言ってるけどそんなことが言える間は大丈夫だろう。あたりがちょっとひどいかもしれないけどさっきも言ったとおりこれくらいしか安全に運ぶ方法がなかったのも事実なので我慢してほしい。それに患部を心臓より上にあげた方がいいなんて話もあるからそう考えるとこの体勢が1番理にかなっているのだ。もっといえば、ぱっと見こんなにあやしい人と一緒にいるボクたちも奇怪な目で見られている。カブさんがいるからまだましだけど、それでも視線を集めることに変わりはないので正直ボクたちもものすごく恥ずかしい。よって、残念ながらセイボリーさんに拒否権はないのである。
「しかし、このキルリアとユンゲラー……どちらもしっかりと育てられている。流石は注目選手のポケモンといったところだね」
「ありがとうございます。自慢の仲間たちなんです」
「うん。人を運ぶこの力強さと人を傷つけない出力を安定させられる技術力……どちらも一朝一夕でつくものではないだろう。ユウリ選手も、ぼくがきみたちに気づくよりも早く察してこちらに構えてた。察知能力の高さがよく分かった瞬間だ。なるほど確かに今回のジムチャレンジャーは豊作だね」
こうも手放しに褒められるとやっぱりうれしいけど恥ずかしさの方が勝ってしまい、ボクとユウリで思わず目を合わせてはにかんでしまう。褒めてくれるのが登竜門として名高いあのカブさんからだとすれば余計にだ。
「だが、てっきりユウリ選手とフリア選手はホップ選手とマリィ選手と一緒に挑んでくると思ったんだけど……」
「わ、私たちが一緒にいることもばれてる?」
「そこまで噂広がっているんですか?」
「ジムチャレンジャーは基本一人で行動することが多いのと、注目選手が四人も集まればいやでも視線というのは集まるものだよ。特に、君たちは仲がいいみたいだからね」
「実際仲はいいですから!ね、フリア」
「うん。自慢の友達です」
まだまだ付き合った時間は短いとはいえ、濃密な時間を過ごしていることに変わりはなく、そのせいか出会いの遅さの割にはかなり仲がいいと自負している。そのためかこうやって周りからも言われるのは単純にうれしい。
「あ、そういえばホップたち、どうでしたか?」
「彼らなら昨日エンジンスタジアムを突破して先に進んだよ。実にいい戦いをさせてもらったよ」
そう答えるカブさんの顔はものすごく嬉しそうで、先ほどの答えが嘘ではないということがしっかりと伝わってきた。
「おかげで少し熱が入ってしまってね。だから今日もここで特訓をしていたんだ」
「カブさん、ここで特訓してるんですか?」
「ああ」
ユウリの質問に答えながらカブさんが近くの壁に手を当てる。
「ここは海が近いせいかみずタイプのポケモンが多く住むんだ。みずタイプはボクの扱うほのおタイプが相手をするのが苦手なポケモン……だからこそ、そんな相手と戦うことによってぼくたちのほのおはみずなんかじゃ消せないほど、より強く、より高く燃えるんだ」
こぶしを握りながらそう答えるカブさんは、年齢から来そうな衰えなんてまるで見せず、むしろ経験を積んでいるからこその威圧を放っていた。
……登竜門と言われる所以の発端に触れた気がした。
「もちろん、ぼくたちのほのおは君たちを熱く歓迎する。シンオウとガラルのそれぞれのチャンピオンから推薦された二人……相手にとって不足なんて全くないからね……おっと」
カブさんの言葉を聞いて視線を前に向けるとガラル鉱山の出口が見えていた。
「そこをくぐるとすぐにポケモンセンターがある。そこで彼を休ませてあげるといいよ。君たちも、挑戦するならしっかりと体を休ませないといけないしね」
カブさんの言葉に頷きながら出口をくぐる。暗い所から明るい所へと出る時特有のまぶしさを感じながら、そのまぶしさが収まったところで前を向くと少し懐かしく感じるエンジンシティの景色。カブさんの言うとおり、エンジンシティについてすぐのところにポケモンセンターも発見できた。これでセイボリーさんを休ませてあげることができる。ユンゲラーとキルリアもずっと力を使っていて疲れているから労ってあげないとね。
「カブさん、今日はありがとうございました」
「おかげで私たちは無事にここに帰ってこれました。本当にありがとうございます」
「気にしないでくれ。ぼくはたまたま近くを通りかかっただけだからね」
それでもセイボリーさんを運んでいる間にボディガードしてくれたり、ボクが合流するまでの間で守ってくれたりしたのは確かだ。しっかりとお礼はしないとね。
「それでもです。本当にありがとうございました」
しっかりと頭を下げるボクとユウリ。頭上からカブさんの苦笑いが聞こえるがこればかりは譲れない。
「ふむ、そうだな……どうしてもというなら……お礼は熱いバトルということで。楽しみにしてていいかな?」
ジムリーダーのはずなのにむしろボク達に挑むかのような挑戦的な発言。また一段、プレッシャーが強くなる。思わず息をのんでしまうボクたち。けどそのプレッシャーはなぜか心地いいもので……
「「はい!!」」
いつの間にか元気よく返事をしていた。その返事を聞いて満足したカブさんはそのままエンジンスタジアムへと足を進める。
「ホップたちに追いつくためにも、絶対に勝たないとね」
「うん」
大きく、静かに、だけど激しく燃えるその背中を見つめながら、ボクたちも同じように闘志を燃やしていった。
「あの、いい加減ワタクシをおろしてもらえませんか?」
「「……あ」」
「ほんとにワタクシの扱いひどすぎませんか!?」
イーブイ
割と鼻は効きそう。
アニメでもよくやってますし……
トロッゴン
気軽に1000℃とか言っちゃうのがポケモンの世界。
出力がやばい……
実機ではトロッゴンが手持ちかどうか会話的に微妙なところでしたがまあ手持ちでもいいのではと。
タンドンにほのおがないので悩みどころでしたがここではカブさんの手持ちということで。
セイボリー
完全にアニメのゴジカさんリスペクト。
でもあれすぐ体が衰えそう()
そしてやっぱりなんかネタキャラに……どうして……
一応弁明しますけど私は普通にセイボリーさん好きです。ちゃんと好きです(大事なことなので(ry)
勝手にネタキャラになろうとする彼が悪い(暴論)
カブ
物凄く好きです。
この見た目で一人称が「ぼく」なのもいいところ。
純粋に渋いかっこよさがひかるキャラですよね。
何気にそこそこ続いた第二鉱山突破。
次はエンジンスタジアム……かな?