「ノワアアアァァァッ」
「ガブアアアァァァッ」
両者の腕が地面にたたきつけられると同時に発生した大きな振動は、バトルコートの地面に無数の亀裂を作りながら対戦相手目掛けて突き進み、真正面からぶつかり合って音と砂塵を巻き上げた。その威力は凄まじく、一瞬とはいえすなあらしを散らしてしまいかけるほどの規模だった。いや、この場合はこれだけの爆発が起きてなお、晴れていないすなあらしの厄介さを褒めるべきかもしれないけど……とりあえず今はそのことは置いておく。
こう表現してみると、お互いの技が綺麗に相殺したかのように聞こえるけど、実際のところは少し違い、さすがにダイマックスしている分、威力はイーブンでも規模としてこちらが勝っているため、ガブリアスのじしんが先に潰れることとなり、その余波がそのままガブリアスに向かって襲いかかっていく。
「耐えろガブリアス!!」
「ガブッ!!」
押し合いで負け、自身を襲ってくる大きな揺れ。だけど、ダイマックス権を先に使い切っているキバナさんはこうなることをしっかりと見越していたため、慌てることなくガブリアスに防御を指示。ガブリアスも準備はしっかりとできていたみたいで、両腕をクロスさせ、ダイアースの余波をしっかりと受け止めていた。
「さすがガブリアス……生半可な攻撃じゃあ、ダイマックスしてても通じないか……」
「オレ様の本気の本気だ。そんななまっちょろい攻撃だと、全部吹き飛ばしちまうぞ!!ガブリアス!!ダイマックス相手だろうと関係ねぇ!!全力でやっちまえ!!『げきりん』!!」
「ガブアアアアァァァッッ!!」
攻撃を受け切り、クロスしていた両腕を振り払いながら声を上げたガブリアスは、キバナさんの指示を聞いた瞬間に、身体から藍色のオーラを全開させ、全身に力をみなぎらせながらヨノワールに向かって真正面から突っ込んできた。感情を爆発させ、怒涛の勢いで突っ込んでくるこの攻撃はいくらダイマックスで耐久力が上がっているとはいえ、受けてしまえば致命傷になってしまう可能性はかなり高いだろう。
かと言って、この攻撃から逃げる訳にも行かない。
「ヨノワール!!真正面から受けて立つよ!!『ダイナックル』!!」
「ノワアアアァァァッ」
藍色のオーラを纏いながら突っ込んでくるガブリアスに対して、こちらは両腕にオレンジ色のオーラをまといながら攻撃開始。ガブリアスとヨノワール、それぞれから力を込めた右腕が真っ直ぐ突き出され、ガブリアスの爪と、ヨノワールの大きな拳が正面衝突し、大きな衝撃音を奏でながら、お互いの右腕が弾かれる。
じしんとダイアースの時と同様、やはり威力だけを見るのなら互角らしい。ダイマックスにも張り合えるカブリアスの強さには少し舌を巻いてしまう。
「「ッ!!」」
けど、そんなボクの心情を無視して、1回攻撃が弾かれた程度では攻撃の手なんて止めるわけが無い両者は、そのままぶつかり合いを再開。先に動いたのはヨノワールで、弾かれた右腕から今度は左腕に力を集中。ヨノワールと違い、空中に飛び出して弾かれているため、少しだけバランスを崩しているガブリアスに向かって今度は左腕を真っ直ぐ伸ばす。
これに対してガブリアスは、両腕のヒレを器用に動かして気流に乗り、身体を一気に急上昇させ、ヨノワールの拳の軌道から上に向かって回避。そのままヨノワールの頭上まで飛び出し、そこから両腕のヒレを鎌のように真上から振り下ろしてきた。
反撃は間に合わないとは判断したヨノワールは、振り下ろし攻撃に対してすぐさま右腕をガブリアスとの間に挟み、受け止める態勢へ。ダイマックスによってさらに逞しくなっているオレンジ色の腕は、ガブリアスの攻撃をしっかりと防ぐことに成功した。
「ノワッ」
「ガブッ!?」
攻撃を受け止めたヨノワールは右腕を振り払うことによってガブリアスの態勢を大きく崩し、空中に無防備な姿を晒させることに成功。この状態のガブリアスに向かって、左腕によるストレートをガブリアスに向かって真っ直ぐ放つ。
「かち上げろ!!」
「ッ!!」
自身に向かって迫り来る巨大な拳。これに対して回避行動を取れないガブリアスは、身体をねじって回転させ、左腕のヒレで下から上に向かって思いっきり殴りつけてきた。これによりヨノワールの拳の軌道が上に逸れ、ガブリアスから外れてしまう。
「今だガブリアス!!」
「ガブァ!!」
左ストレートを掻い潜ったガブリアスは、その腕に沿うようにしてヨノワールへ肉薄。左腕の下を通って、左肩の方へまわりこみ、そのままヨノワールの顔面目前まで接近したガブリアスは、今度こそげきりんを叩き込むために、自慢の両腕を思いっきり振り上げる。
ここまでこられたら、避けることは出来ない。
「頭突きで突き放して!!」
けど、そこはすぐさま発想を逆転させ、むしろガブリアスの方に近づくことによってこれを阻止。頭を思いっきり前に振ったヨノワールの動作によって、頭突きを受けたガブリアスは少し後ろに下げられた。
「叩きつけろ!!」
「ノワアアアァァァッ」
頭突きによって少し飛ばされたガブリアスは、今度こそ何も出来ない状態にまで態勢を崩された。そのことを確認したヨノワールは、すぐさま右腕を振り上げ、オレンジ色の光をまとったそれを、鉄槌を叩きつけるかの如く振り下ろし、ガブリアスを地面へと叩きつける。
「ガブッ!?」
「ガブリアス!?」
クリーンヒットを受けたガブリアスは、地面に2回ほどバウンドした後にキバナさんの横まで交代。げきりんの副作用によるこんらん状態こそ殴られた衝撃で治ってはいるものの、それでも大きなダメージが身体に刻まれた。
これなら、次の攻撃で落とせる。
「ヨノワール!!『ダイホロウ』!!」
「ノワッ」
ダイナックルの効果によって上昇した攻撃力を載せ、ヨノワールの両手が怪しく蠢く。すると、カブリアスの周りに紫色のオーラを纏った椅子やティーポットなどが出現。これら全てが明確な攻撃意志を持って、次々とガブリアスへと襲いかかっていく。
「『げきりん』だ!!とにかく耐えろ!!」
「ガ……ガブアァッ!!」
迫り来る死の弾幕に対して、声を張り上げることで自身を鼓舞したガブリアスは、再び藍色のオーラをまとって両腕のヒレを振り回し始めた。
真正面から来た椅子を、右腕を左から右に凪いで吹き飛ばし、次いで来るティーポッドを、左腕をアッパーのように振って破壊。次に左右から迫るふたつのカップを、両腕を広げて回転斬りのように振り回して弾き、真上から落ちてくる箪笥を無視してヨノワールの方へと走り出す。
「全部壊して、突き進め!!」
「絶対に止める!!とにかく攻撃を注いで!!」
「ガブアアアァァァッ!!」
「ノワアアアァァァッ」
キバナさんの声を聞いたガブリアスが叫びながら大地を駆け、ボクの声に大声で返したヨノワールが、その進撃を止めるべくダイホロウの弾を作って発射する。
次々と降り注ぐ紫色の雨は、しかしその間を綺麗に縫い、時に両腕の刃で弾いていくガブリアスにはあと少し届かない。勿論、ダイマックス技且つ、ヨノワールのタイプと一致しており、さらにダイナックルの効果で強化している技ということもあって威力はとんでもないことになっているため、ただ弾くだけでも腕への負担はとても大きく、また回避した弾も、地面に着弾した時の余波までは避けられないので、それによって小さなダメージはコツコツとガブリアスに刻まれてはいた。そのため、ヨノワールへ近づくのにクリーンヒットこそ貰ってはいないものの、距離が詰まり始めた時には、ガブリアスの身体には擦り傷が沢山ついてしまっていた。これは想像以上のダメージが入っているとみていいだろう。
しかし、ガブリアスは自身の身体に着いた傷の一切を無視して走り続ける。
「ガフアアアァァァッ!!」
むしろ、この傷の痛みを、技の名前通りげきりんのための要素として処理し、自身の力をさらに引きあげていく。その破壊力は凄まじく、最初こそ腕を痛めていそうだったダイホロウ弾きを、今は完璧に破壊ないし受け流すことに成功し始めていた。
(なんて馬鹿力……っ!!)
それでもこれ以上進撃を許す訳にはいかないこちらは、残るダイホロウのほぼ全てによる同時攻撃を行った。これにより、宙に浮かんだ2桁近くの紫の弾丸が一斉にガブリアスへと突っ込んでいく。
「しゃらくせぇ!!全部ぶっ壊せ!!」
「ガブアアアッ!!」
ヨノワールの渾身の一撃。しかし、それすらもガブリアスは力でねじ伏せてくる。
両腕をクロスした状態から思いっきり両腕を開き、クロス状の斬撃をもって飛んできたダイホロウの全てを切断。突進の勢いを殺さずにこれを行ったことにより、ガブリアスはそのままヨノワールの懐まで一瞬で駆け抜け、右腕によるアッパーを放ってきた。
「ノワッ!?」
「ヨノワール!!」
一瞬で距離を詰めて技を構えてきたガブリアスに対して、反射的に両腕をクロスさせて防御態勢を取るヨノワール。その判断が功を奏して、ガブリアスのアッパーはしっかり防ぐことに成功した。しかし、ガブリアスの込めた力が強すぎたせいか、ヨノワールの腕が真上に弾かれて、大きな隙を晒すこととなる。
「いけぇ!!」
「ガブアァッ!!」
ヨノワールを守るものはもうない。それを確信したガブリアスとキバナさんは、声を上げてヨノワールへの大きな一撃を狙う。
ダイマックス中で耐久が上がっているとはいえ、この攻撃を喰らえば大ダメージは必至だ。しかし、ヨノワールにはまだ防御する手段が残っているということを忘れてもらっては困る。
「ヨノワール!!」
「ノワッ」
両腕を弾かれたヨノワールは、腕を無理に戻すにではなく、弾かれて反った身体をさらに反らし、お腹にある大きな口を開いていく。
「喰らいつけ!!」
「っ!?ガブリアス!!止めろ!!」
「ガブッ!!」
キョダイマックスゲンガーよろしく大きな口を広げたヨノワールは、そのままガブリアスを噛み砕かんとお腹の口を勢いよく閉じていく。これに対してガブリアスは、噛み砕かれないように上顎に右腕を、下顎に左腕を向けて閉じる口に逆らうように力を込めていく。
今までの対戦相手だったら簡単に噛まれてくれたのに、今回はしっかりと対応してきたあたり、キバナさんの頭の中にはちゃんとこの択は意識として存在していたらしい。さすがの判断力と反射神経だ。
「けど、ボクだってさすがに警戒されるって思ってました!!ヨノワール!!投げ飛ばして!!」
「は!?」
「ノワッ」
「ガブッ!?」
しかし、この戦法はこのリーグ中に割と頻度を多めに見せている。なので、そろそろ噛まれることを警戒する人も出てくると予想していた。だからこそ、今回は噛み砕くのではなく、ガブリアスを咥えた状態で身体を時計回りに振り、一回転するタイミングで口を大きく開ける。すると、遠心力を受けたガブリアスが、ヨノワールが口を開けたと同時に大きく後ろに投げ飛ばされた。てっきりこのまま嚙み砕かれることを想像していたガブリアスは、耐えることに力を集中しすぎていたみたいで、急に身体を襲ってきた浮遊感に対して対処が遅れてしまう。
「ヨノワール!!」
「ノワッ」
空中に放り出されてバランスを崩してしまっているガブリアスに向けて、ヨノワールは大きな右手を突き出してぎゅっと握りしめる。すると、先ほどガブリアスに向けて打ちだしたダイホロウの残りがガブリアスに向かって飛んでいく。先ほど攻撃した時に、全部のダイホロウを使わずに少しだけ残していたのはこのためだ。
「ガブリアス!!」
「ガブ……ッ!?」
態勢を崩した状態で、それでも攻撃を跳ね返すべく必死に両腕を振り回すガブリアス。しかし、そんな不安定な状態で受け止められるほどダイホロウは安くない。この攻撃を防ぎきることの出来なかったガブリアスに対して、大きなダメージとなって襲い掛かり、その身体を地面へと叩きつけた。
「ガ……ブ……ッ」
地面に落ちたガブリアスは、これまでのダメージが積み重なったせいでもうほとんど動けない状態になっていた。あと一撃……いや、もはや攻撃をしなくても、時間が経てばこのまま意識を失ってしまうだろう。もっとも、ヨノワールのダイマックス時間も切れてしまったので、ここで追撃をしたくてもどっちにしろ出来ないのだけど。
「ガブリアス……ん?」
地面に倒れ、満身創痍となっているガブリアスに向け声をかけようとするキバナさん。そんなキバナさんの動きが、なぜか不自然に止まった。
(どうしたんだろう……?)
動きを止めたキバナさんの視線はガブリアスの方ではなく、自身の腰元にの方に向けられており、そこをじっと見つめたキバナさんの表情は、一瞬驚いたようなそれを見せ、けどすぐに引き締まったものに戻っていった。
その様は、何かを覚悟したかのようなそれで。
「……ノワ」
「ヨノワール……気を付けてね。きっとこのバトル、まだまだ何か大きなことが起きそうだから」
「ノワ……!!」
その様子を観察していたボクは、いつの間にかダイマックス状態から元に戻って、横に戻ってきていたヨノワールと言葉を交わして警戒度を上げる。本当ならガブリアスを2撃で倒して、最後1発くらいはジュラルドンにぶつけたかった所なのだけど、ガブリアスの想像以上の頑張りによって残念ながらその考えは阻止されてしまった。ダイマックスだけの勘定なら、キバナさんは2人、こちらは1人撃破と言う、少し負けている状態になってしまったという事だ。そんな未だに追いつけていない状態なのに、そこからまだ何か仕掛けてくるとなると、自然と警戒度が上がってしまうのは許して欲しい。
「……わかったぜ、ジュラルドン。なら、お前のための準備をしっかりとしてやる」
「……ヨノワール、来るよ」
「ノワ……」
ボクとヨノワールが警戒している中、キバナさんの声がゆっくりと広がっていく。
獰猛なキバナさんからは想像できない少し優しい声色を持って告げられる言葉を、一言も漏らさないように耳を傾けるボクは、しかし次に告げられるキバナさんの言葉にその警戒度を一気に散らされてしまう。
「ガブリアス!!最後の仕事を頼むぜ!!『あまごい』!!」
「……『あまごい』?」
「ガ……ブァッ!!」
その指示の内容はあまごい。指示を受けたガブリアスは、すなあらしが吹き荒れる中、空に向かって声をあげながら、今度こそその身体を地面に横たえて意識を失った。
「ガブリアス、戦闘不能!!」
これでキバナさんの手持ちも最後の1人となった。しかし、それ以上にガブリアスが最後に残したこのあめがとてつもなく気持ち悪い。
(なんであめなんか残してジュラルドンにパスを……?ジュラルドンで闘うなら、すなあらしが残った方が絶対に都合がいいはずなのに……)
「ありがとうなガブリアス。お前の意思は必ずつなぐぜ」
思いもよらない天候操作によって完全に思考が狂わされているボクのことなんて気にせずポケモン交換を行うキバナさん。リターンレーザーを受けたガブリアスはそのままハイパーボールの中に納まっていき、すぐさまキバナさん最後のポケモンが繰り出される。
「頼むぜ、ジュラルドン!!」
「ジュラッ!!」
現れたのは当然ジュラルドン。あめを受け、自慢のジュラルミン合金の身体を煌めかせながらたたずむその姿は、しかし本来だと身体が錆びるのを嫌って洞窟に籠っていく習性のあるジュラルドンを知っているこちらとしては、神秘的ながらもひどく違和感のある光景となってこちらに映っていた。
やっぱりこういう姿を見ると余計にあめを降らせた理由がわからない。
「ジュラルドン……もう引き返せねぇぞ?……いいんだな?」
「ジュラ……!!」
神妙で、静かで、しかしとても厳かな一言を落とすキバナさん。その発言の意味がよく分からなくて、やっぱり思考がまとまらないボクに対して、ジュラルドンは懐に手を伸ばしてなにかの塊を取り出した。
それは、金属が幾層にも重なって固められた塊で、ブロック型に作られたそれはジュラルドンの右手の上で光を反射してキラキラと輝いているように見えた。
「お前が覚悟を決めたっていうなら、もうオレ様からは何も言わねぇ。……安心しろよジュラルドン。お前の先が見つかった時点で、リーグも先の存在を認めてくれた。多分、先が見つかった以上、ここでもいつかは自然に行われる可能性があるからって事なんだろうな。なんせお前はこのガラル地方出身のポケモンだ。それなら、例えお前が先に行ったとしても、この地方のルールをやぶったわけじゃねぇ」
金属の複合体を見つめるジュラルドンに向かって、徐々に熱を込めながら声をかけるキバナさん。その言葉につられるように、ジュラルドンも右手に掴んでいるそのふくごうきんぞくをゆっくりと持ち上げていく。
「ここのリーグにも許可は取ってある。……さぁジュラルドン!!覚悟を決めたのなら……ここからお前の新しいバトルを見せてやろうぜ!!」
「ジュラッ!!」
「「……」」
キバナさんの言葉を受け、声をあげたジュラルドンは、右手に持ったふくごうきんぞくを勢いよく口の中に入れ込んだ。
バリバリと、ゴリゴリと、硬いものが噛み砕かれる音が響き渡るバトルコートを、ボクとヨノワールは勿論、この場にいる観客たち全員が固唾を飲んで見守っていた。そんな、この場にいる全員の視線を釘づけにしている中、ゆっくりと食事を楽しむジュラルドンは、徐々にその身体を青白い光に包んでいく。
その光は、神秘の証。
ポケモンが、己の限界を超えて、更に上のステージに進む予兆。
沢山のなぞに包まれているポケモンの中でも、特になぞに包まれている一番の奇跡。
「ヨノワール……ボクたちも、準備するよ」
「ノワ……」
青白い光に包まれたままのジュラルドンのシルエットがどんどん変わっていき、高層ビルのようなシルエットは、徐々に折りたたまれた鉄橋のようなそれに変化。元々そこそこ角ばっていた身体もさらに角ばっており、より頑丈そうなイメージを感じるようになった。
「ジュ……ラァッ!!」
そんな青白いシルエットが、叫び声と同時に飛び散り、その姿が確認されるようになる。
その姿は、一言で表すのなら剣竜だろうか。ジュラルドンの時に腹部に合った青黒い部分は大型化し、全身にいきわたっているその姿は、そこはかとなくナックルジムのユニフォームを彷彿とさせてくれる。その姿は、人によってはキバナさんのジムに寄り添うに成長したように見えるかもしれない。
「いくぞジュラルドン……いや、ブリジュラス!!」
「ジュラァァァッ!!」
主の勝利を願う意志に寄り添い、進化を果たした新しい姿。
その名を、ブリジュラス。
「このあめの中なら、お前はとことん強くなれる!!今度こそ、ここを越え、ダンデを越え、てっぺんを取るぞ!!」
「ジュラアアアァァァッ!!」
手足の末端に静電気を溜め、バチバチと派手な音を立てながら声をあげるブリジュラスは、自身の身体を薄い赤色に光らせながら口元に電気を集中させて、攻撃する準備を整えた。
「開幕から派手にブっぱなすぜ!!『エレクトロビーム』!!」
「ジュ……ラアアァァァッ!!」
その溜めた電撃を一気に解き放つその攻撃は、全てを焼き尽くすビームとなる。
「ヨノワール!!」
「ッ!!」
急に放たれた光速のビームに対して、回避を間に合わせることができないこちらは慌てて防御態勢に入るけど、クロスした両腕に直撃した電撃はその場で大爆発。そのときに発生した煙によって、ヨノワールの身体が隠されてしまう。
「いったた……威力高すぎ……」
急に腕に襲い掛かってきた痺れに思わず顔をしかめてしまうボク。この痛みの大きさが、ブリジュラスの能力値の高さをよく教えてくれる。
進化することによって強力な強さを手に入れたのだろう。この一幕で、その強さをよく理解することが出来た。けど、ボクの腕に痛みが走ったということは、こちらも準備が整っているという証だ。
「ノワッ!!」
自身の周りにある煙を吹き飛ばしながら姿を現すヨノワール。その姿は、もはやおなじみとなったキズナへんげ状態。水色のモノアイと、口から漏れる青色の焔が一番のポイントであるボクだけのヨノワールの姿。
「よう、特別なヨノワール……あの時のリベンジ、果たさせてもらうぜ!!」
「負けません。このタイミングで進化されたとしても、絶対に勝って先に進ませてもらいます!!」
「ジュラァッ!!」
「ノワッ!!」
進化したブリジュラスと、キズナへんげで姿を変えたヨノワール。
お互い奥の手を切った最後のぶつかり合いが始まった。
ブリジュラス
と言うわけで、ブリジュラスの登場です。フライゴンではなくガブリアスを物語に入れたのは。あまごいを覚えるのがガブリアスだけだったからですね。フライゴンも憶えるのなら、フライゴンにしたかったです。また、キバナさんのジュラルドンを進化させるかどうかも凄く悩みました。フライゴン同様、ジュラルドンのまま戦って欲しいという気持ちも同じくらい大きかったので……。しかし、天候を操るキバナさんととてもマッチした性能であることと、ジュラルドンの体色が、この作中でも書いてある通り、少しだけナックルジムのユニフォームに色合いが似ていたのを確認したので、やはりキバナさんのことを意識しているのかなと思って、今作品ではこのルートを取らせていただきました。ifルートで、コータスたちでフリアさんと戦うキバナさんも、ぜひ見てみたいですね。ちなみに、ふくごうきんぞくを食べて進化しているのは、ジュラルドンの主食が岩なので、そこから妄想した進化方法だったりします。