【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

305 / 374
305話

 強い羽ばたきと共に風が舞い上がり、その風に乗って黒と青紫の翼が広がり、2人ずつ人を乗せた2鳥のポケモンが空へと飛び立った。そこから北西の方へ進路を向けた彼らは、こちらに迫っているポケモンの群れのはるか上空を行き、目的地へ急行していく。

 

 あの速度で飛び出したのだったら、きっと直ぐに目的地についてしまうだろう。時間が惜しい今の状況において、それはとても安心できる材料の一つだ。

 

「……よし、行ったわね」

 

 あっちの心配はいらない。だから、飛んでいく背中を見送ることなく、わたしは自分のするべきことのために視線を前に向ける。

 

「ヒカリさん、頑張ってください。こんなことしか言えませんけど……わたし……」

「大丈夫大丈夫。その代わり、後ろは任せるわ。申し訳ないけど、中の手伝いまでできるほど余裕は無いからね」

「はい!!救助者のみなさんはわたしたちが守ります!!ヒカリさんも、危なくなったら下がってくださいね?その時は、手当ぐらいならできますから!!」

「ええ、頼りにさせてもらうわ」

 

 アオイの激励を背中で受け、それに手を挙げながら言葉を返すと、人が遠ざかる気配と扉が動く音を感じた。きっとアオイが預かり屋の中に戻って行ったのだろう。向こうも向こうでこれからが大変だろうから、しっかり頑張って欲しい。

 

「……よし!!」

 

 ひとまず、今わたしが気にするべきはこのポケモンの軍勢だ。むしタイプの比率が多いこの軍勢に対してとにかく耐え続ける。幸い、先程ここに戻るために放った大技のおかげか、一部のポケモンは萎縮してしまい、逃げている姿が確認できたため、さっきに比べたら数は少し減ってはいる。しかし、逆にさっきの攻撃で何かが切れたのか、暴れだしそうになっている子も見受けられるので安心はできない。負けるつもりはさらさらないけど、楽な戦いになることは無いだろう。

 

 けど、わたしの心はいつも通りの状態を貫いていた。

 

 だって、わたしには強力な味方がいるのだから。

 

「キキィッ!!」

「ありがとうサンダー。全部終わったら、またダイ木の麓で、みんなでご飯食べましょうね?」

「キキキィッ!!」

「フィィッ!!」

「フリアのモスノウの知り合いさん……でいいのよね?あなたたちも一緒に遊ぶ?」

「フィ〜ッ!!」

 

 わたしの提案に嬉しそうな声を上げるサンダーとモスノウたち。

 

 わたし1人だと厳しかったかもしれないけど、この味方となら全然乗り越えられる。この後ファイヤーとフリーザーも来るのならなおさらだ。

 

 故にわたしは焦らない。きっとこの夜も、フリアたちが止めてくれる。なんせ、テンガン山での出来事を乗り越えた実績があるのだから。

 

「こういうものは、なんだかんだ何とかなるものなのよ!!さぁ、そんなハッピーエンドに向けて、全力で頑張るわよ!!エンペルト!!トゲキッス!!ミミロップ!!」

「キキッ!!」

「フィッ!!」

 

 恐れるものは何も無い。いつも通り、自信を持ってぶつかっていく。それで今回も大丈夫!!そう信じ、わたしはサンダーとモスノウと、気合いを入れるように声を上げながらポケモンを呼び出して構える。

 

(見た感じ、レベル差的にも抑えることは難しくなさそう……これならいくらでも耐えれるわ!!)

 

「エンペルトは『ハイドロポンプ』!!トゲキッスは『エアスラッシュ』でミミロップは『とびはねる』!!」

「ペル!!」

「キィ!!」

「ミミッ!!」

「キキィッ!!」

「フィィッ!!」

 

 押し寄せてくる軍勢に対し、抵抗を開始するわたしたち。サンダーもモスノウも、わたしたちに続くように技を放ち、運勢をどんどん押し返していく。このまま行けば、余裕を持ってここを守ることが出来るだろう。

 

「わたしだって、あいつらの同期なのよ!!それなりの実力はちゃんと備えて━━」

 

 自分を鼓舞するように声を上げながら戦うわたし。

 

 しかし、そんな順調な戦いをしているわたしたちの前に、あれが再び現れる。

 

「ちょ!?なんでまた!?」

 

 戦場の頭上に突如現れて、激しく発光し出すウルトラホール。その存在が、今まで順調だったことによって保っていたわたしの心を大きく揺り動かす。

 

(さすがにここでレシラムとかゼクロムみたいなポケモンがポンポン出てきたら抑えきれないわよ……)

 

 まだ空いただけで何も排出されていない大きな穴。しかし、既に激しく光っていることから、そう遠くないうちに何かしらのポケモンが放たれることになるだろう。

 

 普通のポケモンか、ウルトラビーストか、はたまた伝説のポケモンか。

 

 1番目なら全然いい。これだけの軍団のポケモンを相手している中、今更ポケモンがさらに増えたところで別に問題は無い。ちょっと戦いが長くなるかもしれない程度だ。

 

 2番目は少し怖い。ズガドーンやデンジュモクのように、話が通じる可能性もあることを考えれば一概に悪いとも言えないけど、フリアとユウリから聞いたカミツルギのような、問答無用で襲ってくるタイプが来た時が少しめんどくさい。デンジュモクもズガドーンも、こちらを攻撃してこなかったから良かっただけで、彼らが見せ合いで見せた爆発と電撃は、地形すら変えかねない火力を備えていたのだから。

 

 そして問題の3つ目。これが一番まずい。

 

 普通に1人伝説のポケモンが追加されるだけでこの戦況がひっくり返されかねない。もちろん、簡単に負けるつもりは無いし、パルキアたちと戦った経験からある程度戦える自信もある。なんだったら、サンダーやモスノウもいるし、あとからファイヤーとフリーザーも戦ってくれることを考えれば、勝つことだって難しくない。けど、忘れてはいけないのは、わたしの後ろには預かり屋という守るべき存在がいるということ。

 

 今現在の話をするのなら、人を守りながら伝説のポケモンと戦うのは厳しすぎる。

 

 他の人もしているじゃないか、と思うかもしれないけど、その人たちとわたしとでは、前提条件がそもそも違う。

 

 まず1つ目が、わたしはさすがにジムリーダーたちほど強くはないということ。あくまでもわたしの本職はコンテストであってバトルでは無い。そんじょそこらの人には負ける気は無いけど、さすがにプロ相手にはどうしようもない。そんなわたしが、周りに気遣ってまで戦うのは難しすぎる。

 

 そして2つ目は、守る場所が戦闘場所から近すぎること。

 

 ジムリーダーたちは、伝説のポケモンをスタジアム内に閉じ込めるか、街の外から中に入れないようにして戦っており、避難民は街中のスタジアム内及び、戦闘場所から離れた場所に避難している。そのため、戦いの余波が流れにくく、安心して戦うことが出来る。

 

 しかし、わたしたちはそうじゃない。後ろを振り向けば、すぐそこに避難所。たとえ相手を釘付けにできたところで、流れ弾が飛んで行ってしまえば目も当てられないことが起きてしまう。ただでさえ実力に不安があるのに、そんな中でここまで考えながらバトルするのはさすがに無理だ。コウキくらい強くないと本当に大変なことになる。

 

「お願いだから、楽な子が来てちょうだいよ……」

 

 頭の中で色々考えている間にも、どんどん強くなっていく発光。その様子から、今すぐにでも何かしらが解き放たれると理解したわたしは、冷や汗を流しながらじっと構える。

 

 そしてついに、ウルトラホールから何かが吐き出された。

 

 穴から飛び出してきて、最初にわたしが感じたものはただ1つ。

 

「……最悪」

 

 これに尽きる。

 

 理由は、穴から飛び出してきた影が2つあったから。

 

 それも、どちらもサイズが大きく、その上で見たこともないポケモン。当然放つプレッシャーも凄まじく、それだけでパルキアたちと同格であることがよくわかった。

 

「なんでよりにもよって2人なのよ……」

「キキィ……」

「フィ……」

 

 そのことに少なくない絶望を感じたわたしたちは、ついつい恨み言を零してしまう。

 

 しかし、それでもわたしは下がる訳には行かない。

 

 アオイにあんなことを言った手前、逃げるのだけは絶対に出来ない。

 

「ほんっとうに……こういう役割はフリアの専売特許でしょうに……フリアと一緒に居すぎて変なの伝染ってないかしら?……想像したらなんかムカムカしてきた……ああもう!!やってやろうじゃない!!……って、あれ?」

 

 今頃ナックルシティで頑張っているだろう幼なじみを思い浮かべながら、覚悟を決めて戦う準備をし、何がなんでも抵抗してやると半ばヤケクソ気味になりながら構える。

 

 顔を叩いて気合を入れいざ尋常に勝負。と、そこまで意気込んだところで、ようやく戦況をじっくり見ることのできたわたしは、今しがた降りてきた2人のポケモンが、わたしたちを見るのではなく、お互いを見つめあっていることに気づく。それも、ただ見つめあっているのではなく、放つ空気はかなり剣呑なもので、ともすれば今からでもこの2人で殴り合いが始まるのではないかと言うほど。

 

 伝説のポケモン同士が殴り合うのは、それはそれで被害が拡大してしまうのでやめて欲しいところではあるけど、わたしが想像していた展開とは全然違ったことと、まだ何とかなる可能性が増えたことによる安心感から、わたしは冷静さを取り戻すことに成功し、改めて目の前のポケモンについてじっくり観察をした。

 

 わたしの前に落ちてきた2人のポケモンの片方は、一言で言えば黒。鋭角的な水晶みたいな身体をし、半分に割れた頭部と一体化した胴体に、触れたものを簡単に切り裂いてしまいそうなほど凶悪な形と大きさをした手と爪を携えながら、しかしそれを繋ぐ腕や足はかなり遅く、危うさすら感じるアンバランスな見た目をしたポケモンだ。その黒の色はとても濃く、見るだけで吸い込まれそうな感覚に陥るほど。

 

 対するもう1人のポケモンは、こちらも一言で言うのなら月。もしくは夜……だろうか。身体の大部分を、星空を連想させるような暗く、それでいて美しい色合いをした被膜のようなもので構成されており、その端には三日月の形を模した刃が着いている。胸の内側から常に溢れるほのかな光と、頭部の透明部分から見える赤い瞳と星空そのもののような体組織は、まるでこのポケモンが宇宙生物そのものと言われても納得してしまいそうな見た目だ。

 

 ブラックナイトという事件の途中で出てきた、黒と夜を表現していそうな2人という何とも奇妙な関係。それがたった今わたしの目の前で睨みあっている両者の姿だった。

 

 そんな中でわたしが違和感に感じたものが、2人目に紹介したポケモンの方だ。

 

 身体の大部分の色が暗く鮮やかな宇宙色に輝くその姿は、どうしてもわたしに強い既視感を与えてくる。

 

「その身体……すごく見覚えがある……どこかで……」

 

 もちろんこのポケモンに出会ったことは無い。これだけ綺麗で大きく、そしてこんなにも強いプレッシャーを放つこのポケモンに、1度でも会っているのであれば絶対に強く記憶に残るはずだ。記憶力には割と自信がある方のわたしの脳内で、該当するポケモンが居ない以上、やはり会ったことは無い。けど、感じた既視感は本当に強く、それこそつい最近はずっと見てきたかのような感覚を思える。

 

 それと同時に、わたしの頭の中で、とある仮定が浮かび上がった。

 

「もしかして、あなたは……」

 

 見つめ合う両者。

 

 夜のポケモンが肩で息をする人間のような、若干乱れた呼吸をしているように見えるあたり、おそらくここに来る前からぶつかり合っていたであろう、そして黒のポケモンの方が若干優勢だったのであろうということを追加で感じとりながら、しかしそれ以上に、今しがた頭の中で浮かび上がった答え合わせをしたくて仕方がなかったわたしは、そんな逼迫した状況なんて気にすることなく、夜のポケモンの方に足を動かし、質問をなげかける。

 

「ねぇ教えて。あなたは、ほしぐもちゃんの……コスモッグの、関係者なの……?」

「ぺア……ッ!?」

 

 コスモッグの宇宙色と同じ身体をしたポケモンに向かって、はっきりと告げられたわたしの質問。これに対して、夜のポケモンは驚いたような声をあげながら、わたしの方へと振り向いた。

 

 それと同時に向けられた夜の瞳からは、焦りと悲しみ、そして若干の喜びが混じった複雑な色を含んでおり、それはまるで、長らく迷子だった自分の子供の手掛かりを、ようやく見つけた母親のような姿に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、ついた!!ありがとう!!ファイヤー!!フリーザー!!」

「送ってくれてありがとうと!!預かり屋の方も、お願いとね?」

「ギャオッ!!」

「フォォッ!!」

 

 ファイヤーとフリーザーのおかげであっという間にナックルシティの入口までたどり着いたボクたちは、ここまで送ってくれたファイヤーとフリーザーにお礼と預かり屋のことを頼む旨を伝え、とんぼがえりしていく彼らを見送ってからナックルシティの方へと足を向けていく。

 

「スタッフさん,さっきぶりです。現状はどうですか?」

「あなたは、先程救助者を連れてきてくれた……はい、こちらは問題ないです。キバナさんこそ、スタジアム内に現れたポケモンの対処にかかりきりですが、ナックルスタジアムのジムトレーナーの方が応戦してくださっているので、防衛に関しては安心してください」

「その通りみたいだな。軽く見回してみても、やばそうな雰囲気の場所はなさそうだぜ」

 

 入口にたどり着くと同時に、付近を守るスタッフに声をかけたのは、先の救助作戦でこちら側を担当し、既に1度顔を合わせているコウキで、いきなり現れたファイヤーとフリーザーに驚いていたところに優しく声をかけ、緊張を抜きながら状況を質問していく。

 

 現れたのが味方であることを知ったスタッフの方は、驚いた顔をすぐさま戻して、コウキと情報交換。同時に、周りを見渡していたジュンが報告通りの状況であることをしっかり目で確認し、感想を告げる。

 

 この様子なら、ここの加勢は必要ないだろう。

 

「報告ありがとうございます。よくわかりました」

「いえ……こちらこそお礼を。マップを確認したところ、要救助者の反応が全て消えていました。最悪のケースを考えていたのですが、私の予想が正しければ……」

「ああ!!オレたちが全員助けておいたぜ!!ワイルドエリアのことはもう大丈夫だ!!」

「……本当に、ありがとうございます」

 

 今度はボクたちが状況を報告する番。

 

 ワイルドエリアでの出来事をジュンから聞いたスタッフの人は、嬉しさ半分、安心半分の色を乗せた顔で頭を下げ、お礼を言ってきた。きっと、マップに映る反応を前に何も出来ないことに凄く焦っていたのだろう。これで少しでも心が楽になって貰えたら嬉しい。

 

 お互いの現状報告がいい方向に向かっていることに安心したボクたち。しかし、ブラックナイトはまだ終わってはいない。なので、ここまでの話に区切りが着いたのなら、次にするべきはこれからについてだ。

 

「フリア選手たちは、これからどちらへ?」

「ダンデさんの援護のために、ムゲンダイナの方へ行こうと思っています」

「チャンピオンの加勢ですか……なるほど、確かにあなた方のレベルであれば、強力な助っ人になれるでしょう。チャンピオンが負ける姿なんて想像できませんが、元凶のポケモンが2人いる以上、手助けできる人がいるに越したことはありませんからね」

 

 ボクの意見を聞いて、頭の中で考えをまとめたスタッフの方は、ボクたちがダンデさんの手助けに行くことに肯定的な姿を見せてくれた。ひとえにこれは、リーグで活躍を見せたことと、ワイルドエリアの救助を完遂させたという実績の賜物だろう。

 

「行き方はナックルスタジアムに行けば分かりますか?」

「ええ。ナックルスタジアムに入ってすぐ右手側に、大きな扉がありますのですぐに分かるかと。普段ならロックが掛けられているはずなのですが、チャンピオンが何もせずにすんなりと扉をくぐる姿を確認したので、今なら通れると思います」

 

 そんなボクたちを信じてくれているのか、ダンデさんが向かった方向を聞いてみれば、すぐさまその場所への行き方を教えてくれた。その判断の速さに驚き、同時に少しの嬉しさを感じたボクは、改めてこの信頼に応えたいと強く思いながら返事をする。

 

「ありがとうございます!!ではボクたちは早速━━」

「おい!!また穴が空いたぞ!?」

「え!?」

 

 返事をし、早速ダンデさんの方へ向かおうと歩き出すボク。しかし、そんなボクの行動を、コウキが声を荒らげて止めてきた。

 

 コウキの声につられて空に視線を動かせば、そこにはもう何度目になるか覚えていないウルトラホール。

 

 青白く輝きながらその存在感を大きく示してきたその穴は、光の強さと穴の大きさをどんどん強くさせながら、その中からボクたちの方に向かって一人のポケモンを吐き出した。

 

「なんだ……あれ……」

 

 そのポケモンを見ながら言葉を零したコウキと一緒に、出てきたポケモンをよく観察する。

 

 そのポケモンは、おおまかな形としてはアーボックのような姿だけど、当然ながら見た目や大きさは全然違う。黒と緑を基調とした身体の背中からは、目の付いた襟巻のような器官が生えており、その目はまるでこちらを睨んで監視しているように見える。また、身体のいろんなところにハニカム模様が散りばめられており、そのせいか、今目の前にいるのがポケモンだとわかっていながらも、そこからは生物的とも非生物的ともとれる、独特の雰囲気を醸し出していた。

 

 このポケモンから放たれるプレッシャーから、この子もまた何かしらの伝説を備えたポケモンだということは分かるものの、今まで見たことのない上に、レシラムやゼクロムのように、伝承としても聞き覚えの無いポケモンのため、何をしてきそうだとか、何が得意そうとかはもちろん、タイプすらわからない。

 

(何をしてくるんだろ……)

 

 一気に跳ね上がる警戒心を持って、じっと目の前のポケモンを見つめる。

 

「ジ……ガガァッ!!」

「「「「っ!?」」」」

 

 すると目の前のポケモンが声をあげながら、身体中から緑色の光を解き放つ。

 

 放たれた緑の光は、天高く上ったかと思えば、ある程度のところまで登ったところで折り返す。

 

「これ……まずっ!?」

 

 そして折り返した光は、そのままボクたちに向かって降りそそぐ。

 

「チリーン!!『サイコキネシス』!!」

「フーディンも『サイコキネシス』!!」

「エンペルト!!『ハイドロポンプ』!!」

「ゾロアーク!!『あくのはどう』!!……て、きゃぁ!?」

 

 降ってきた緑の光に対して慌てて技をぶつけて相殺を狙うボクたち。

 

 急だったのでみんな1人しかポケモンを呼べなかったものの、呼吸を合わせることでみんなの技を1つに束ね、強力な迎撃として空に技を放つことで、空から降りそそぐ矢への対抗手段とした。しかし、空から落ちる矢の威力があまりにも高いせいで、これでも相殺し切れず一部が地面に落ちて爆発を起こす。

 

 この攻撃が誰かに当たるということはなかったものの、突如行われた全体への無差別攻撃により、ここにいるスタッフもポケモンたちもみんな大パニック。ナックルシティを守る陣形が一瞬にして瓦解していく。

 

 幸い、野生のポケモンも今の攻撃でパニックになったため、今すぐに入り口を抜けられるということはないだろうけど、それ以上に今の攻撃がやばすぎてシャレにならない。もう一度同じ攻撃をされたら、間違いなくけが人が出て来る。

 

「急いで止めないと!!出てきてオーロン━━」

「マリィ!!フリア!!お前たちは先に行け!!ここはオレたちが止めるぞ!!カビゴン!!」

「ああ!!こいつはおれとジュンに任せてくれ!!マニューラ!!」

「ジュン!!コウキ!!」

 

 マリィがすぐさま応戦するためにボールを構えたところに、待ったをかけて立ち向かったのはジュンとコウキ。恐らく、『このポケモンは絶対に止めないといけないけど、いい加減ダンデさんに加勢もしなきゃまずそう。しかし、ナックルシティの内部を知っているボクたちじゃないと、そもそもダンデさんの下に辿り着けない可能性が高い。』とすぐに判断した結果なのだろう。相変わらずこういう時の判断はスバ抜けて早く正確だ。

 

「……わかった。お願い!!」

「2人とも、気を付けると!!」

 

 そんな2人の意思をしっかりくみ取り、ボクとマリィはチリーンとゾロアークを戻しながらナックルシティへと走り出す。

 

「へへっ、お前と一緒に並んで強敵と戦えるの、久しぶりで楽しみだぜ!」

「足引っ張るなよ?ジュン!!」

「お前こそ!!」

 

(……頑張って、ジュン!!コウキ!!)

 

 後ろから聞こえる、自信満々な掛け合いに、心の中で激励を送りながら、ボクとマリィはナックルスタジアムの入り口を目指した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヒカリ

まだまだウルトラホールから追加されます。作中にも書きましたが、ここで見た目が黒と夜の子が来るのはちょっと面白いですよね。

ジュン、コウキ

彼らの前にもあの子が登場。設定だけ見るのならば、もしかしたらシロナさんたちの次にやばいポケモンかもしれませんね。




私のカウントミスが無ければ、これであの2人を除けば、描写されいないのは後2人……のはず。もう少しでコンプリートですね。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。