【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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VS来訪者
308話


「ふぅ……こりゃあ、なかなか手ごわい相手ですなあ」

「大丈夫ですかヤローさん……もしあれでしたら、他の場所から援軍も……」

「それはいけません。ここはぼくのスタジアムで、ぼくはジムリーダー。この街を守る義務があり、それを誇りに戦っているんですよ。だからこの1番危ない役目に、他の人を巻き込む訳には行かんのですよ。ぼくなら大丈夫だから、あなたも避難しなさいですよ」

「しかし……いえ、わかりました。もうこのスタジアムに人はいません。全員避難済みです。ですから……好きなだけ暴れてください!!あなたが勝つことを信じてます!!ご武運を、ヤローさん!!」

 

 ぼくに対して最後の報告を告げた、現状うちのジムトレーナーの中で1番の実力を持つ頼もしい人。そんな彼が、悔しそうな顔を浮かべながら、しかししっかりと今するべきことを認識してこのスタジアムから外へと走り去っていく。その様を見て、『これなら農作業で万が一腰がやられても、後継者には困らないなぁ』なんて呑気なことを考えてみる。

 

(ああいう性格の子はしっかり伸びますからねえ。未来が楽しみなんですわ)

 

「さて、そんな若者の未来のために、ぼくももっと気合いを入れるんじゃあ!!」

 

 走り去った彼の背中を見送ったぼくは、顔を両手でバチンと叩き、改めて気合いを入れて目の前の強敵を見据える。

 

 青く、神々しく、それでいて美しい。農家を営んでいる人なら大体の人が耳にする、生命と再生を司る、正しく神と呼ばれているような伝説のポケモン。願うことならば、こんな形では出会いたくなかったと心から思ってしまうものの、それでも、大切な人であるガラル地方の人たちを傷つけてきたというのなら、黙ってい見ている訳にはいかない。

 

 ゼルネアス。それがぼくが今相対しているポケモンの名前。

 

「ワタシラガは『かふんだんご』。アップリューは『Gのちから』でタルップルは『りんごさん』!!」

 

 スタジアムの中心に鎮座しているそのポケモンに対して、こちらは次々と攻撃を仕掛けていく。

 

 こんなポケモン相手に手加減なんて当然できないから、ずっとこうやって全力攻撃を繰り返して行っており、ゼルネアスの視線を外に向けないように、常にこちらを意識してもらおうととにかく手数で攻めている。しかし……

 

「ルアアアァァァ!!」

 

 ゼルネアスがひとたび声をあげれば、空中に浮かび上がるのはピンク色に輝く球の軍団。

 

 空中に突如現れたその群れは、そのあまりの数と、込められた力のせいで、出現するだけでこちらの攻撃全てを受け止めてしまう。

 

「ルアアァァッ!!」

 

 こちらの攻撃が全て消え去り、それを確認したゼルネアスがさらに叫び声をもうひとつ。すると、空中に浮かんでいたピンクの球が、一気に地面に無理かって降り注ぐ。

 

 その様は、ムーンフォースの嵐という言葉がよく似合っている。

 

「ダーテング!!『おいかぜ』!!みんなはこの風を利用してとにかく逃げるんじゃあ!!」

 

 空より降り注ぐピンクの雨。その1粒1粒が必殺の威力を秘めているため、1発とて受ける訳にはいかない。なので、この攻撃を絶対に避け切るために、ダーテングの両手のうちわで突風を発生させ、その風に乗ってみんなが雨の間を縫うように移動していく。特に、フェアリータイプが弱点であるダーテングとアップリュー、タルップルは、死に物狂いで回避を行っていく。

 

 しかし、空を飛ぶアップリューと、風を自在に操って、自分の機動力に変えられるダーテングはともかく、タルップルは元々の素早さも低ければ、自身の機動力をあげる手段も乏しい。そのため、今回のように無差別の広範囲攻撃をされるとどうやったって被弾の可能性がグンと高くなってしまう。

 

「タップ!?」

「タルップル!?」

 

 その予想通り、ピンクの雨の中でタルップルの悲鳴が上がり、そちらに視線を動かせば、今まさにバランスを崩して横倒しになってしまっているタルップルの姿があった。

 

 身体に傷が付いていないところから、ダメージこそ受けてはいないのだろうけど、どうやら自身のすぐ近くにムーンフォースが着弾したことで大爆発が起き、その爆風にあおられることによってひっくり返ってしまったということらしい。戦闘不能になっている訳では無いのが不幸中の幸いではあるものの、ひっくり返ってしまっているタルップルに、次の攻撃を避けることは出来ない。

 

「ルアッ!!」

 

 そこを逃しはしないゼルネアスは、ムーンフォースを再び構え、今度は雨のように降らせるのではなく、口元に大きなものを作り、確実にタルップルを倒すための攻撃をしてきた。

 

 当然、こんなものを受ければタダでは済まない。

 

「ダーテング!!ワタシラガに向かってもう一度『おいかぜ』!!ワタシラガはタルップルの前に行って『まもる』じゃ!!」

 

 この攻撃を何がなんでも止めるために、この中で1番風の影響を受けやすいワタシラガをおいかぜで飛ばし、その上でワタシラガにまもるをしてもらって防壁を作成。ゼルネアスの攻撃を真正面から受け止めてもらい、タルップルを凶弾から守ってもらった。

 

 これでタルップルを守ることには成功した。

 

「シラッ!?」

 

 しかし、伝説のポケモンのムーンフォースを簡単に受け止められる訳がなく、攻撃に弾かれたワタシラガが、地面をはねるように飛ばされていく。幸い、この間にもまもるは展開され続けているため、ダメージこそほとんど入ってはいないものの、かなりの速さで飛ばされたワタシラガはそのままチェリムの方へと飛んで行った。このままでは、交通事故のような派手なぶつかり合いが起きてしまう。

 

「いや、これはむしろ攻めるチャンスじゃ!!チェリム!!『はなふぶき』!!ワタシラガはそのまま『まもる』を維持するんじゃあ!!」

「チェリ!!」

「シ……シラッ!!」

 

 だが、この一連の動きをチャンスに変える方法を閃いたぼくは、チェリムにはなふぶきを指示。チェリムの周りを桜の花びらが台風に巻き込まれたかのように渦を巻き、ピンク色の竜巻を発生させる。

 

 チェリムの周りに急に竜巻が起きたせいで、ここに向かって飛ばされていたワタシラガは当然これに巻き込まれることとなる。渦を描く花びらと風に対して何も抵抗できないワタシラガは、ダメージは防ぎつつも、風の流れに身を任せることしか出来ずに、ただただ空中を飛び回ることとなる。

 

「ダーテング!!キレイハナ!!2人も1緒に『はなふぶき』!!そのままゼルネアスにうち込め!!」

「ダアァ!!」

「ハナァ!!」

 

 この渦に対してダーテングとキレイハナがさらにはなふぶきを注ぎ込むことによって、渦の規模が3回りほど成長。花びらとワタシラガを巻き込んで発生したきれいなピンクの渦は、あらゆるものを巻き込む巨大な台風となって顕現。これをゼルネアスに押し込むことによって、この台風による被害を全て、ゼルネアスに受けてもらおうと言う作戦だ。

 

「ルアァッ!!」

 

 この攻撃はさすがにやばいと判断したゼルネアスは、渦に対して角を光らせサイコキネシスを発動。強力な念動力はピンクの渦を何とか捕まえて、その勢いを徐々に落とし始めていく。

 

 フェアリータイプのみであるため、エスパータイプの技が決して得意ではないはずのゼルネアスなのに、これほどまで強力なサイコキネシスを放てるあたり、やはり伝説の名は伊達では無い。

 

「こちとら3人のポケモンによる合体技っちゅうのに、得意タイプじゃない技で止められるって言うのは、ちょいと心にくるものがありますなぁ……ですが、まぁ予想通りと言えば予想通りなんですわ!!」

 

 ピンクの渦を何とかとめたことによる安心感から少しだけ気を抜いていたゼルネアス。しかし、忘れてはいけない、この渦に最初から巻き込まれていた存在のワタシラガのことを。

 

 ゼルネアスの呼吸のタイミングでまっすぐ突っ込んだワタシラガは、風の勢いを受けたままゼルネアスの真正面まで移動。そして到着と同時にまもるを解除し、技の準備に入る。

 

 急に目の前に現れたワタシラガに対して、慌てて反撃をしようと、再び口元にピンクの光を溜め込むゼルネアス。しかし、ここまで近づけばもうガードは間に合わない。

 

「ワタシラガ!!『わたほうし』!!」

「ワ……タッ!!」

「ルアッ!?」

 

 ゼルネアスの目前に辿り着いたワタシラガが放つ技はわたほうし。白色のモコモコした胞子によって、視界を一気に埋めつくされたゼルネアスは、予想していなかった技に不意を突かれ、怯みを見せた。

 

 顔面に現れた白い綿は、ゼルネアスの顔に満遍なく降り注ぎ、ゼルネアスの視界を奪うだけでなく、肌に張り付くことで動きも制限することができ、素早さを大きく削ることとなる。

 

「絶好のチャンス!!畳み掛けるぞ!!ワタシラガ!!『リーフストーム』!!ルンパッパ!!『ハイドロポンプ』!!アップリューは『Gのちから』でタルップルは『りんごさん』!!ダーテング、キレイハナ、チェリムは『はなふぶき』!!アマージョは『トロピカルキック』!!」

 

 伝説のポケモン相手にここまでの隙はなかなか拝めるものでは無い。この機を絶対に逃す訳にはいかないこちらは、現状放つことの出来る全力を持って、ゼルネアスに技を放っていく。

 

 ずっと一緒に研鑽してきた仲間ということもあり、近接技であるアマージョのもの以外の7つの技は全てが綺麗に混ざり合い、完璧な一撃となってゼルネアスに突き進み、そのうえでアマージョの一撃が追撃とばかりに襲っていく。未だにわたほうしの影響で上手く動くことの出来ないゼルネアスにこれを避けるすべはなく、見事に直撃。とてつもない爆発音を奏でながら、ゼルネアスの身体を大きく後ろに飛ばすことに成功した。

 

 ゼルネアスがここに現れて、バトルを始めて既に数十分は経とうとしているが、ようやく纏まったダメージを入れることが出来た。だが、逆に言えばここまでまともなダメージが入っていないということでもあり、後ろに倒れたのではなく、飛ばされただけという事実に、まだこのバトルが終わっていないことを感じたぼくはついつい言葉が漏れ出てしまう。

 

「ここまでやって致命傷にすらならんですか……」

 

 

「ルアアアァァァッ!!」

 

 

 先の攻撃で起きた爆煙を、叫び声1つで吹き飛ばしながら、攻撃されたことに怒ったゼルネアスが、自身の身体の周りを囲むように光の柱を生やしながら、こちらを真っ直ぐ睨んできた。

 

 生えた光の柱は全部で10本くらいで、その輝きはそんなに強くなく、長さもそんなにない。その上攻撃が飛んでくる気配もないので、これだけなら別に驚異にはならないように見える。

 

が、ジムリーダーとしての勘が、『あの技はやばい』と強く囁いてくる。

 

(きっと、自身の能力を強化するなんらかの変化技ってところですかねえ……なら、あれを止めなきゃ、とんでもない事になりそうだ。幸い、チャージに時間のかかる技のようですし、発動しきる前に攻撃を叩き込めば……!!)

 

「みんな!!さっきの攻撃を━━」

「ルアァ……」

「━━もう一度……っ!?」

 

 そのやばい技を止めるべく、もう一度総攻撃を加えようとしたところで、ゼルネアスが小さく吠え、力を少し解き放つ。すると、地面から色々な植物が生まれだし、ちょっとした小さな森ができた。

 

 森と言っても、そんな大層なものではなく、1本1本の木は小さく、大きくてもぼくの膝にも届かないくらいで、その様は森の模型と言った方がしっくりくるほど。当然これだけでは何ら脅威にはなり得ない。

 

 しかし、そんな森の中に、ひとつだけ明らかにまずいものがひとつある。

 

 鬱蒼としげる森の中で、1枚だけはっきりと視界に入れることの出来る真っ赤な葉っぱ。

 

 周りが緑なせいでしっかりと認識できるその葉は、周りから養分を奪っているのか、自身がなっている木を小さくさせながら、それに反比例するように自身の体積を大きくしていく。

 

 そうやってすくすくと急速に育っていく赤い葉を、ゼルネアスは愛おしそうに見つめていた。

 

「ルンパッパ!!ダーテング!!あの赤い葉っぱに『ハイドロポンプ』と『ぼうふう』じゃ!!」

「ルアァッ!!」

 

 その現象をみて、すぐにゼルネアスが何をしようとしているのかわかったぼくは、これを早く止めるべく、葉に1番近いダーテングとルンパッパに指示を出して攻撃を発射。あの赤い葉を使い物にならなくさせるために、とにかく強力な攻撃を叩き込ませる。しかし、それをゼルネアスが許すことはせず、ダイマックスした自身の身体を、赤い葉と攻撃の間に滑り込ませ、盾にして無理やり防いできた。

 

(あの葉を守るためにそこまでするか!?)

 

 身体を貼って守られた葉はこの間に完全に成長し切り、1枚の立派な姿に成る。と同時に、先の攻撃の爆風に煽られたは葉っぱは、親の元から旅立つ子供のように、風になびいて空へと舞っていき、赤い葉がなっていた木は、栄養を完全に吸い取られたのか、音もなく枯れていき、地面へとその身体を横たえた。

 

(まずい……)

 

 宙に舞った赤い葉は、そのまま上昇気流に乗ってその高度を上へ上へとあげていき、ついにゼルネアスの目の前まで浮び上がる。

 

「ルア……」

 

 そしてその葉を、ゼルネアスは躊躇することなく口に含み、小さく音を立てながら飲み込んだ。

 

(『パワフルハーブ』を使われた……チャージが……終わる……!!)

 

 

「ルアアアァァァッ!!」

 

 

 瞬間、ゼルネアスを囲っていた光の柱が一気に発光。長さも一気に伸び、その光から何かを吸収したらしいゼルネアスの身体が、薄く赤色に発光する。何かしらの能力が上昇した証だ。

 

「ルアッ!!」

 

 自身の能力が上がったことを確認した瞬間、ゼルネアスは声を上げて再びピンクの雨を降らせてくる。

 

 さっきは凌いだ攻撃。しかし、今回は先と違ってゼルネアスの能力が上がっている。その分強力なものが来ることは簡単に想像できるので、こちらも気を引き締めなくちゃいけない。

 

「みんな気をつけて回避━━」

「ダンッ!?」

「ルパッ!?」

「っ!?」

 

 が、そんなぼくの覚悟を嘲笑うかのように、空から降り注ぐピンクの光弾は、想像以上の威力と速度を持って降り注ぐ。結果、ゼルネアスに1番近かったダーテングとルンパッパがこの攻撃に被弾。勢いよく吹き飛ばされた2人は、そのままスタジアムの壁に突き刺さり、目を回して倒れることとなる。

 

 願うことなら、この2人の元に駆けつけて身体を診てやりたい。が、現在ゼルネアスが放った攻撃は、スタジアム全土に無差別に行っている範囲攻撃。ダーテングたちが倒れた今この瞬間も攻撃が止まることはなく、ずっとピンクの光弾は降り続けているため戦場から目を離すことが出来ない。特に、先程被弾しそうになっていたタルップルはさらに厳しくなっている攻撃の嵐を前に、再び巻き込まれそうになっていた。

 

「タルップル!!後ろじゃあ!!」

「タルッ!?」

 

 そんなタルップルの真後ろに、またひとつ光弾が落下しようとしていた。

 

 このままではまたタルップルが爆風にあおられてしまう。そうなれば、今度こそタルップルは戦闘不能になってしまうだろう。しかし、攻撃速度が上がったせいで、回避するのがどうしても間に合わない。

 

(まずい……!!)

 

「ハナハナッ!!」

「キレイハナ!?」

 

 タルップルにとって絶望的な状況。しかしそれを救ったのは仲間のキレイハナ。光弾と地面の間に身体を滑り込ませたキレイハナは、そこではなふぶきを発動。小さな竜巻を起こして、落ちてくる光弾を必死に止めた。

 

「ハ……ハナッ!!」

「タル……ッ!!」

 

 この隙に前に走ったタルップルは、このおかげで何とか攻撃範囲から脱出することに成功。そのままゼルネアスから離れるように動き、攻撃の密度が低い所に逃げていく。

 

「よくやったキレイハナ!!下がるんじゃ!!」

「ハナ……ッ!?」

 

 これで技を受け続ける必要のなくなったキレイハナに下がる指示を出す。キレイハナも同じことを考えていたみたいで、はなふぶきを操作して今受け止めている攻撃を反らし、すぐに戦線を離脱しようと動く。しかし、そんなキレイハナの下に、空からもう1つ新しい光弾が直撃。2つ分の攻撃が重なった爆風がキレイハナを襲い、キレイハナもまた、ダーテングたちと同じように吹き飛ばされる。

 

 この攻撃が、今の一連の攻撃の区切りらしく、これでゼルネアスの攻撃はいったん終了。天から落ちて来るピンクの球はひとまずの落ち着きを見せた。しかし、その被害は甚大で、こちらのダーテングとルンパッパ、そしてキレイハナが戦闘不能となってしまった。

 

「良く戦ってくれた。ゆっくり休んでくださいな」

 

 壁にもたれかかって目を回している3人の仲間をボールに戻しながら、ねぎらいの言葉をかける。

 

 これでボクの残り手持ちは5人。対するゼルネアスは、ダメージこそそこそこ負ってはいるものの、先ほどのチャージによって能力がかなり強化されているせいで、とてつもない力をみなぎらせていた。このまま先ほどの攻撃を繰り返されれば、そのたびにこちらのポケモンは倒されていくことになるだろう。そうなってしまえば、ゼルネアスはもう誰にも止められない。

 

「……ふぅ……やるしかないか」

 

 目を閉じ、深呼吸を1つ。

 

 ここでぼくが倒されるわけにはいかない。なぜなら、ぼくはこの街を守るジムリーダーで、ぼくの後ろには守るべき人たちが、ぼくが愛するターフタウンが広がっているから。

 

「久しぶりにやるからちょっと不安ですが……そうもいってられませんからな!!」

 

 心を落ち着けたところで、両手を思いっきりバシンと叩き、気合を注入。そして、右手と左手にひとつずつボールを構え、右手をアップリューへ、左手をタルップルへと向けて、リターンレーザーを飛ばし、2人をボールの中へと戻していった。

 

「さぁ、久しぶりに行くぞ……!!2人とも!!」

 

 両手にひとつずつモンスターボールを握り締めたぼくは、そのままぎゅっと力強く握りしめ、同時に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「普段は一度しかできないダイマックス……だが、これだけダイマックスエネルギーが空気に充満している今なら……!!」

 

 両腕から解き放たれた赤い光は、そのまま両手に握りしめられているモンスターボールへと吸収され、その両方がぐんぐんと体積を大きくし、ぼくの両手にその重みをしっかりと伝えてきた。

 

 普通の人なら、片方ひとつだけでもかなりの重さになるだろう。実際、ほとんどの人がダイマックスボールを投げる時は、両手を使ってしっかりと投げつける。だが、長年農作業で培ってきた筋肉が、この2つのボールを軽々と持ち上げることを可能にしてくれていた。

 

 両手に感じるずっしりとした重み。

 

 その重みには、背中に抱えるこの街の人たちの命も一緒に乗っかっている。

 

 この戦いは、絶対に負けるわけにはいかない。

 

 そう思うと、心の奥からどんどんとやる気が盛り上がっていく。

 

 

「ウオオオォォォッ!!」

 

 

 そのやる気を表すかのように、空に向かって大きな声で叫び、ぼくはこのダイマックスボールを天高く放り投げる。

 

 

「ぼくたちは粘る!!農業は粘り腰なんじゃあ!!ここにいるみんなを守るためにも……根こそぎ刈り取ってやるぞ!!アップリュー!!タルップル!!キョダイマックスじゃあ!!」

 

 

「リュオオオォォォッ!!」

「タルウウウゥゥゥッ!!」

 

 

 投げられたボールから飛び出したのは、キョダイマックスしたアップリューとタルップル。その姿は、別の名前のポケモンでありながら、全くおなじな見た目をしており、おそらくぼく以外に見分けることは出来ないだろう。

 

 大きな林檎から密と首を出し、嗅ぐだけで気絶してしまいそうなほど甘い匂いを立ち登らせる2人の竜。

 

 その2人が、まだ戦うことの出来るワタシラガとアマージョ、チェリムとともに、じっとゼルネアスに目を向ける。

 

(絶対に……ここは守る!!)

 

 ジムリーダーの意地を貫き通すために、ゼルネアスとにバトルはさらに先へ進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジオコントロール

1ターンのチャージ後、自身のとくこう、とくぼう、すばやさを、それぞれ2段階ずつ上昇させる最強格の積み技です。これをパワフルハーブを摂取することで、ノーチャージで初ことができるという、いつものコンボですね。それを、今回は生命と再生を司る存在と言うことで、作って自分で摂取するという行動をとってもらいました。実機でこんなことをされたらたまったものではないですね。ただ公式で、ゼルネアスから命の力をもらったものが近くにいたら、それだけで草木は生気を取り戻すと言われているので、全然これくらいできそうなんですよね。流石伝説のポケモンです。

キョダイマックス

アップリューとタルップルの見た目の違いは存在しません。本当に全く一緒です。……ちょっとくらい、何か違ってもよかったんですよ?




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