【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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314話

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

「マタドガス、ペロリーム、ブリムオン、『マジカルシャイン』。この間にトゲキッスは『ドわすれ』をして、特防を育て次第前に出な」

「ドガッ!!」

「ペロッ!!」

「リオォ……」

「キィ」

 

 天に向かって吠えるレックウザが、こちらを見据えながら吐き出すのはだいもんじ。全てを燃やし尽くさんと、音と熱を放ちながら迫ってくこの攻撃は確かに強力だ。ダイマックスをしていることも相まって、こちらのポケモンの火力では簡単には受け止められない。なのでこの攻撃に対して、まずはマタドガス、ペロリーム、ブリムオンが技を打って威力を削り、この間にトゲキッスが特防をあげるドわすれを発動させ、受け止める準備を進めていく。

 

 能力値で差をつけられているのならば、こちらがそれだけ成長すればいいだけだ。

 

 3つの光によって威力が抑えられ、そして特防を育てたトゲキッスが前に出て受け止めることで技は完全に威力を殺され、トゲキッスが翼を広げることで散らされる。

 

「ギャロップ、クチート、『じゃれつく』」

 

 相手の攻撃が終わったところで、次はこちらの攻撃。だいもんじを放ったばかりで隙が出来ているレックウザに向かって、近接技が得意な2人が駆け、その距離を詰めていく。が、相手はそう簡単には接近を許さない。

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

「ギャルッ!?」

「クチッ!?」

 

 自身に走って来る2人の影を確認したレックウザは、声をあげた瞬間その姿を消し、迫って来るギャロップとクチートに対して、高速の体当たりをかましてきた。

 

「『しんそく』……成程、面倒な技をこしらえてるねぇ。なら、ギャロップは『こうそくいどう』、ペロリームは『コットンガード』を構えな」

 

 相手が特殊技だけでなく、物理技、それも高速で相手を攻撃してくるしんそくを使ってくるというのが分かったので、今度はそちらに対応する準備を整えていく。これで相手がどちらで攻撃してきても、ある程度は対処をすることができるだろう。

 

「しかしレックウザ……噂はかねがね聞いているが、こうして相対していみると面白い形をしているやつさね。……戦い方はピンクさのかけらもないがね」

 

 空中でとぐろを巻くかのように身体を動かすレックウザを眺めながらそうつぶやいたあたしは、今度は自分のポケモンたちを見ながら頭の中で戦い方を考えていく。

 

 此方のポケモンは、マタドガス、クチート、ブリムオン、トゲキッス、ペロリーム、ギャロップ、マホイップの総勢7名。相手が伝説のポケモンと言うこともあって、全力のメンバーをかき集めてきたつもりではあるが、果たしてこのメンバーで勝てるのかどうか。

 

(……ふむ、問題なさそうさね)

 

 その答えを軽く出したあたしは、すぐさま準備を整えていく。

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

「さぁ、さっさと始めていくよ。ペロリームは『コットンガード』、トゲキッスは『ドわすれ』、ギャロップは『こうそくいどう』を。マホイップは『デコレーション』をクチートとブリムオンに行いな」

 

 声をあげ、空中でりゅうのまいを始めているレックウザに対して、こちらも自身の能力を育てる技をどんどん行い、相手に能力で押されないようにしていく。

 

 相手はダイマックスをしている伝説のポケモン。りゅうのまいで上がる能力は攻撃と素早さの2つだけで、その上昇幅も1段階だけではあるが、そもそもの能力が高いレックウザにとっては、その1段階上昇だけでも十分な成長が行われる。その成長速度に追いつくには、むしろこれでも足りないくらいだろう。唯一、単発で3段階成長できるコットンガードだけは追い付けているかもしれないが。

 

 

「ザァッ!!」

 

 

「ふむ、ペロリームは右に走りな」

 

 なんてことを考えていると、再びレックウザの姿が掻き消える。

 

 恐らくしんそくを行ったと思われる現象を確認したあたしは、この時のために防御を成長させたペロリームを動かし、寸前にレックウザがよこしていた視線から予想した、しんそくを放ってくる方向に対する防御を固める。

 

 ピンクの可愛らしいもこもことした綿を纏ったまま、あたしから見て右へと走ったペロリームは、その場でさらに綿を広げながら待機。すると同時に、目の前に緑の巨体が現れ、ペロリームに向かって突進してきた。

 

 目にも止まらぬとはまさにこの事で、速すぎて視認すらできないその一撃。が、この一幕において驚いた反応を見せたのはこちら側ではなくレックウザ側。しんそくという技を使ったはずなのに、自身の動きを正確に読まれ、攻撃予定地で既に防御して待っているポケモンがいることに驚いてしまい、攻撃の手が若干緩められた。

 

 ただでさえコットンガードで防御を固めているのに、そこに飛んでくるのが驚きによって威力の下がってしまったものであるのならば、いくら相手がダイマックスしているとはいえ、受け止めるのは容易い。勿論、相手が巨体ということもあって、全くの無傷という訳には行かないが、あのレックウザからの攻撃をかすり傷に抑えられているのであれば万々歳。寧ろ、次の展開を考えれば余裕でおつりが返ってくる。

 

「クチートは『じゃれつく』。ブリムオンは『マジカルシャイン』」

 

 ペロリームに受け止められ、明確な隙ができたところで襲いかかっていくのは、マホイップのデコレーションで火力が上がっているクチートとブリムオン。相手の弱点をつき、且つ2人が行える現状最高威力の技をもって、動きが止まっているレックウザに対して攻撃を仕掛けていく。

 

 耐久が格段に上がるダイマックスといえども、さすがにこの攻撃を受けてタダで済むことは無いだろう。それを分かっているレックウザは、しんそくを再び発動させて場を離れ、身体に少しかすり傷を作りながらも何とか脱出。

 

 

「ザァ……」

 

 

「簡単にさせるわけが無いだろう?マタドガス。『おにび』」

 

 このままではまだ力が足りないと判断したらしいレックウザは、さらに自身の火力を伸ばすために踊りを舞う準備をする。しかし、そんなことを簡単にさせるつもりが無いこちらは、マタドガスにおにびを放ってもらい、舞をしている暇を与えないようにする。

 

 動きが遅く、そして距離が開いてある状態で打っているため、このおにびはレックウザには当たらない。しかし、やけどになりたくない一心で大きく動いて回避したレックウザの行動は、こちらに自由に動く時間をくれた。

 

「今のうちにどんどん行くよ。トゲキッスは『ドわすれ』でギャロップは『こうそくいどう』。マホイップはまたクチートとブリムオンに『デコレーション』だよ」

 

 おにびを必死に避けているレックウザの前で、こちらはさらに能力を強化。既に能力が成長しきっているペロリームに続いて、トゲキッスもこれで特防が上がりきった。これでますます磐石となっていくだろう。

 

「ここまで来れば大分楽に……ほう、なかなか面白い子だね」

 

 整い始めた自分の場にちょっとした満足感を感じ始めたところで、おにびと踊っているだろうレックウザの方に視線を動かすと、そこには()()()()()()()()()()()()レックウザの姿があった。

 

 それも、定期的に自身の身体を赤く光らせながら。

 

 おそらく、おにびを避けながらりゅうのまいも同時に行っているのだろう。空中で複雑な軌道を描きながら、自身の力を増幅させていくその姿は、一種の芸術を見ているようでもあった。

 

 しかし見とれている場合では無い。こちらがチャンスと思っていた時間で成長を遂げているのであれば、おそらくその上がり幅は1段階所では無い。少なく見積っても、3段階は成長しているとみておいた方がいいだろう。最初の1回と合わせれば4段階だ。さすがにここまでされてしまえば、こちらの状態も磐石とは言えない。ちょっとでも油断すれば、そこから一瞬で刺してくる。

 

「ペロリーム、マタドガス、トゲキッス。『マジカルシャイン』をとにかく━━」

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

 おにびと戯れている今がチャンス。そう判断したあたしは、とにかく近づかれないように、まずは光の壁を形成しようと声を上げる。が、どうやら相手はあたしの想像よりもかなり成長しているらしく、マジカルシャインの壁が出来上がるよりも早くこちらの懐に潜り込んできており、その長い身体をこちらに伸ばしてきていた。

 

「ペロッ!?」

「ドガッ!?」

「キィッ!?」

「小賢しいね……ブリムオンは『マジカルシャイン』。ギャロップとクチートは『じゃれつく』」

 

 一瞬でこっちに接近してきたレックウザは、そのままマジカルシャインを打とうとしていたペロリーム、マタドガス、トゲキッスに身体を巻き付けて拘束。その姿を見てすぐにブリムオンたちに援護の指示を出すけど、その技が当たる前に直ぐに場を離れたレックウザは、高い位置まで飛び上がった後に身体を反転させた。

 

 その視線の先には、未だに自分を追いかけてくるおにび。

 

 紫色をした3つの火の玉は、何がなんでもレックウザをやけどにさせようと追いかけてきていた。この存在にいい加減腹が立ったのか、レックウザは声を上げながら、今しがた捕まえたトゲキッスたちをぶん投げ、このおにびたちにぶつけていく。

 

 投げられたペロリームたちに回避はできない。火の玉にぶつかり、逆にやけどを受けてしまった彼女たちは、レックウザを追いかけるはずだったそれを消しながら、そのまま地面へとたたきつけられてしまう。

 

 幸い、捕まった子たちは全員耐久力の高いポケモンであったため、大ダメージを受けることは無かった。しかし、だからこそ、せっかくコットンガードやドわすれで耐久力をあげた子たちがやけどを受けてしまったのが勿体ない。

 

 これで彼女たちは、長く戦うことが出来なくなった。

 

「ならこっちも悠長にしている暇はないねぇ。ギャロップ、マホイップ!!最後の『こうそくいどう』と『デコレーション』だよ!!」

「ギャルォ!!」

「マッホッ!!」

 

 ペロリームたちがしっかり攻撃を受けられる体力が残っている間に、最後の積み技を指示したあたしは、それと同時に腰からひとつのボールを取り出し、それを()()()()()()()向ける。

 

「こっちで戦うのは久方ぶりさね。さぁ、気張っていくよ!!」

「リオッ!!」

 

 リターンレーザーを受けたブリムオンは、元気よく返事をしながらボールの中へと入っていく。と同時に、あたしの右腕に巻かれているダイマックスバンドを反応させ、赤い光を注入。

 

「っとと……相変わらずか弱い乙女に優しくないさね……」

 

 光を吸収して一気に重みを増したボールに身体を一瞬持っていかれ、腰が曲ってしまうのを何とか耐えながら一息。落とさないようにしっかりと持ったボールを、空に向かって投げる準備を整える。

 

 

「ストレートじゃあつまらないさね。熟したフレーバー……たんと味わいな……ブリムオン!!キョダイマックス!!」

 

 

 思いっきり両腕を振り上げ、天高くへと投げられたモンスターボールは空中で割れ、中からあたしのもう1つの切り札であるキョダイマックスブリムオンが姿を現した。

 

 

「リオオオォォォッッ!!」

 

 

 声をあげながら現れるキョダイマックスブリムオン。その姿はいつものそれと違い、毛の部分が二股に分かれ、通常形態では隠れていた顔から下の上半身部分が丸見えになり、あたかも小さな本体が巨大な機械を操縦しているかの様な見た目に変化していた。

 

 先のリーグでは、ビートが使ったキョダイマックス。

 

 あの子にこの子の戦い方を教えたのはあたしだ。当然戦い方も熟知している。その練度は、マホイップのそれにも決して劣ることはないだろう。

 

「力だけが活力じゃない。……あんたの視界、奪わせてもらおうよ」

 

 場に出るなり、目の前にいるレックウザを視界に捉えながら、こちらの大技をブリムオンに指示していく。

 

 

「ブリムオン、『キョダイテンバツ』」

「リオオオォォォッッ!!」

 

 

 天へと力を解き放ったブリムオン。その力に応えるように、天から降りそそぐのは3つの流れ星。デコレーションにより、特攻を最大限にまで成長させたその攻撃は、ピンク色の激しい光を纏いながら降りそそいでくる。

 

 ドラゴンタイプであるレックウザがこんな攻撃を受けてしまった日には、例えダイマックス状態であろうとも、一撃で倒れることになるだろう。それほどにまで、とてつもない威力を内包した、こちらの本気の一撃。

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

 しかし、そんな攻撃を前にしても、相手のレックウザは一切ひるまない。

 

 徐々に目前に迫って来る星を前にして、逆に立ち向かうように飛翔したレックウザは、身体をねじりながら高度をあげていくことによって、堕ちて来る星に対してすれ違うように進んでいく。

 

 3つの流れ星の間を器用に切り抜けて、天高くまで舞い上がったレックウザは、ある程度まで高い所まで行くと、今度は振り向いて、こちらに大きな口を開け、その口の中に焔をため込んでいく。

 

「『ダイバーン』……星に対して、太陽で対抗といったところかね」

 

 ため込んでいる焔の体積をどんどん大きくしていくレックウザ。その大きさは、程なくしてこちらが落とした流れ星以上までに成長していた。元となっている技がだいもんじであるため、りゅうのまいの恩恵を受けることがないこの技は、まだそんなに威力が高くないと思っていたけど、どうやらその考えは捨てた方がいいらしい。

 

「キィッ」

 

 そんな大きな攻撃を前にして、特防を最大まで育て上げたトゲキッスが、みんなの盾になるように前に出た。

 

 声をあげながら翼を広げるその姿は、まるでこれが自分の役目だと言わんばかりの気迫を感じる。勿論、周りのみんなも、トゲキッスにすべてを任せるつもりはなく、トゲキッスの近くで各々が太陽に対する迎撃技を構えだす。

 

(あたしが指示しなくとも、勝手にこういう行動をしてくれる。本当にいい仲間たちさね。だが……)

 

「大丈夫さね。安心おし」

 

 頼もしい仲間たちを微笑ましく見ながら、しかしその行動は必要ないと案に言いながら、みんなを安心させていく。

 

 それと同時に……

 

 

「ザァッ!?」

 

 

「なにせ、上に飛んだ程度じゃあ、『キョダイテンバツ』を避けられるわけではないんだからね」

 

 レックウザの顎を、下からかちあげるように、一筋の光が立ち上った。

 

 その光の発生源は、今しがたブリムオンが落とした流れ星の1つで、地面へと落ち、身体半分を埋め込んだその黄色い塊は、その位置から真上に向かって光の柱を発射。そのうちの1つが、今まさにダイバーンを放とうとしていたレックウザの顎を打ち抜いたというわけだ。

 

 

「ザ……ゥ……」

 

 

 こうかはばつぐん。

 

 顎を打ち抜かれたレックウザは、攻撃を受けて上を向いたと同時に力を制御できなくなったため、上空にダイバーンを発射。明後日の方向に飛んでいった火の玉は空中で爆ぜ、不発に終わる。そして、キョダイテンバツの追加効果で混乱状態へと陥ってしまったレックウザは、そのまま地面へと垂直落下。身体を動かすこと叶わず、そのまま地面に落ちていく。

 

「マタドガス、ペロリーム、トゲキッスは『マジカルシャイン』。クチートとギャロップは『じゃれつく』」

 

 かなりのダメージが刻まれたレックウザ。だが、混乱して一時的に判断が上手くできなくなっているだけで、混乱が解けてしまえば、また先程のように元気な姿を見せてくるだろう。なら、その前に最後のトドメを入れて叩き潰す。

 

(『キョダイテンバツ』が当たったとはいえ、あくまでも当たったのは一つだけ。それも直撃じゃなくて、余波でしかないからねぇ。こうかはばつぐんとは言ってもまだ耐えられる。だからここで最後まで攻めきってやるさね)

 

 あと数秒も経てば地面にぶつかるだろう。その時がレックウザの完全な最後の瞬間だ。

 

 頭をゆらゆらさせながら地面に落ち、そのレックウザに対してみんなが同時に技を発射。一応準備した最後のプランを使うことなく終わりそうなことに、安心半分、残念さ半分の気持ちを持ちながらその光景を眺めておく。

 

 ……が。

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

 こちらの攻撃が当たる瞬間、気合いで混乱を振り払い、大声を上げ始めるレックウザ。それと同時に、レックウザの身体が虹色の光に包まれていき、まるで卵の殻にでも籠ったかのような姿を見せ始める。

 

 その殻はとても頑丈で、こちらの攻撃の全てを受け止めた上で、傷一つ着くことなく地面へと落ちてきた。

 

「その光……まさか……」

 

 1度地面に落ちてきた卵は、その場で数回小さく揺れると、再びその身体を空中へと持ち上げていき、徐々に高度を上げていく。その途中も定期的に揺れるその姿は、どこかポケモンの孵化の瞬間を想起させ、こちらの興味を引き付けていく。

 

 しかし、同時に肌を焼くようなピリピリとした感覚に、その興味はすぐさま失せ、逆に焦燥感に駆られて思わず顔を顰めてしまう。

 

「やになっちゃうねぇ……伝説っていうのは、石すら要らずになれちゃうものなのかい?」

 

 ある程度の高さまで浮き上がったところで、虹色の卵の揺れはさらに激しくなり、その揺れが原因なのか、今度は卵に罅が生まれ、その罅が卵全体へと広がっていく。

 

 虹色の卵が、かえる。

 

 そして……

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

 その卵の中から、新しい姿となって天に吠えるレックウザの姿が現れた。

 

 顎が幅広な刃状と化して大きく前に突き出した形となり、その顎や角からは元の黄色い模様が尾先まで剥がれ、長い髭が後ろに流れるように伸びている。また、濃い緑色をした全身の皮膚は、滑らかなエメラルドの光沢を放っており、見た目だけでなく、彼が放つ光もまた、高貴なものへと変貌していた。

 

 メガシンカ。

 

 カロス地方で発見され、研究されている進化を超えた進化の力。その力は凄まじく、しかしそこに至るためには、特別な力を秘め、そしてその力とポケモンを繋ぐための石が必要とされている。ずっとガラル地方にいたあたしは、関わることこそほとんどなかったものの、その存在に関してはしっかりと知っていた。

 

 故に、今目の前で、その石を持つことすらせずに、その先に至ってしまったポケモンの姿に驚かされてしまった。

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

「っ!?ブリムオン!!『ダイサイコ』をしな!!」

 

 新しい姿となって、りゅうのまいをしながら天へと吠えるメガレックウザ。その姿に一瞬見とれてしまっていたことに気づいたあたしは、慌ててブリムオンに技を指示。それも攻撃をするためではなく、自身の周りにサイコエネルギーによるドームを形成して、攻撃を受け止めるためという守りの一手。

 

 見とれてしまった時間がロスして、これくらいしか対処ができないと判断したからこその、現状最速ででき、且つ最硬の盾となるダイサイコ展開。これで少しでも相手の攻撃を受け止めることが出来ればラッキーだ。

 

 しかし、そんなあたしの希望的観測は、一瞬で砕け散る。

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

 りゅうのまいを終え、攻撃と素早さを極限まで育てきったメガレックウザの身体が、淡い緑の光に包まれていく。

 

 ただでさえエメラルド色に発光していたレックウザは更に神秘的な姿となり、その状態で天高く飛翔。そこから一気に軌道を変え、こちらに向かって一筋の流れ星となって突っ込んで来た。

 

 ぶつかり合うダイサイコとレックウザの大技。

 

 お互いの間でぶつかり合う緑とピンクの輝きは、しかし、お互いの技が拮抗することはほとんどなく、一瞬で傾くこととなる。

 

 レックウザの勝利と言う形で。

 

 

「リオッ!?」

 

 

「っ……ブリムオン!!」

 

 一瞬で砕かれたダイサイコの破片を突き抜け、そのままブリムオンの身体ど真ん中に突撃したレックウザ。攻撃を受けたブリムオンは、ダイサイコが威力を削ってくれたとはいえ、それでも大きなダメージを負ってしまう。

 

(いや、相手が『りゅうのまい』を完全に積み切っていることを考えれば、耐えれただけ行幸ってところかね……マホイップの『デコレーション』で火力上げてたおかげではあるが……)

 

 

「リ……オ……ッ!!」

 

 

「全く、とことん無茶苦茶なやつさね」

 

 ボロボロになりながらも何とか耐えたブリムオン。しかし、今にも倒れそうな姿で立っている彼女は、なんでダイマックスを維持できているのかが不思議なくらいだった。

 

 そして、そんな彼女の前に……

 

 

「ザアアァァァッ!!」

 

 

 ブリムオンに大ダメージを与え、ようやく反撃できると嬉しそうに声をあげるメガレックウザが、緑色の輝きをまき散らしながら、再び技を構え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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