【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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320話

「ヌメルゴンは『りゅうのはどう』!!キングドラは『ハイドロポンプ』!!バクガメスは『だいもんじ』!!ブリジュラスは『ラスターカノン』!!」

 

 こちらのポケモンから次々と繰り出される攻撃の嵐。

 

 龍の咆哮が、水の激流が、炎の文字が、鋼の弾丸が次々と突き刺さっていく。そのどれもが一級品の火力を持っており、それ故に一部狙いを定めるのが難しい攻撃がありはするものの、相手はダイマックスした上で、見た感じそんなに機動力があるポケモンでは無い。そのため、こちらの攻撃が外れることはまず無い。だから、さっきから何度もこうやって攻撃をぶつけてはいるのだが……

 

 

「クジャアアアァァァッ!!」

 

 

 その全ての攻撃を、大きな口で飲み込まれ、消化されていく。

 

「全く、何でもかんでも全部食いやがって……暴食なんてレベルじゃねえぞ」

 

 漆黒の身体をし、腹部に大きな口を持ち、その口の中から、サザンドラの首を彷彿とさせるような2本の舌をのぞかせているという、今まで見てきたポケモンの中で一番の異質さを放っているその巨体は、経験上ダイマックスしてなかったとしても相応の大きさを持っていそうなことを想像させてくる。

 

 そんな異質なポケモンがひたすら行ってくる、こちらの攻撃の捕食。

 

 どうやら無機物だろうが有機物だろうが関係なしに口の中に入れ、全てを分解するらしいやつの口は、この場に現れたと同時に観客席の一部を保護バリアごと食い出したため慌てて攻撃したのだが、まさかこちらの攻撃すら食べるとは思いもしなかった。

 

(こいつは絶対にスタジアムから外に出す訳には行かねえな)

 

 こんなやつが街に出てしまったら、それこそ街全てが食らいつくされかねない。何がなんでもここで食い止める必要がある。

 

「そのためにも……釘付けにするしかねえよな!!ジャラランガは『スケイルノイズ』!!ガブリアスは『ストーンエッジ』!!」

 

 こちらの攻撃が食べられたことを確認したうえで、手を止める訳にはいかないとすぐさま追撃するこちらの技は、今度はちょっと毛色の違うものを選択してみる。

 

 片方は物質の存在しない音による攻撃で、もう片方は地面から生えてくるという口の範囲外からの攻撃。

 

 真正面からと、真下からの同時攻撃ということも相まって、とても簡単に食べられるとは思えない攻撃を前にどんな動きを見せてくるのかと見つめていると、相手は予想外の行動をした。

 

「バックステップ……食うだけが脳みそを支配しているってわけじゃねえみたいだな」

 

 巨体を懸命に動かして行われたバックステップ。これにより、ストーンエッジが生えてくる場所よりも後ろに下がった黒いやつは、自身を狙ってきたストーンエッジを盾にして音波をガード。そして、これによって砕かれた岩の破片と音波の残りをしっかりと自身の口の中に吸い込んで、咀嚼していく。

 

「っつーか、音までも食えるのかよ。なんでもありだな……」

 

 バックステップと言うちょと予想外の行動をしたのは勿論だが、それ以上に音を食べるとかいう全く意味のわからない行動を取られた方がショックが大きい。この様子ならどの攻撃も通ることは無いだろうし、万が一ポケモンそのものがあの口に飲まれようものならなんて考えるとゾッとする。

 

(こうなると、下手に近接攻撃するのは怖いな……かと言って、遠距離攻撃は簡単に捕食される。お腹が脹れるまでたらふく食わせてぶっ倒れる、っていうのを狙ってみてもいいんだが……あの様子じゃあ無理だな)

 

 冷静に現状を分析しながら、目の前の黒い龍をじっと観察してみるが、あれだけのものを口に含んでおきながら、苦しそうな様子も満足した様子も一切見えない。まるでブラックホールが生きて身体を貰った姿とでも言った方がよっぽど納得出来るその食いっぷりに、今思いついた作戦もさっさと却下。もしかしたら容量がちゃんとあるかもしれないが、それを試すにはいささかリスクが高すぎる。

 

(となると、結局口の範囲外からの攻撃をするしかないってことだな……なら……)

 

「ヌメルゴンは『あまごい』!!ガブリアスは『スケイルショット』!!ジャラランガは『ソウルビート』!!」

 

 こちらがするべき行動は自ずと見えてくる。

 

 それは機動力の確保。

 

 相手の攻撃無効化範囲は口がある方向、つまり真正面だけだ。その真正面以外から攻撃するには、素早く回り込む足が必要。だからこそ、うちのメンバーですばやさをあげることの出来る面子が一斉にその手段を取っていく。

 

 ガブリアスは自身の鱗を弾丸として飛ばすことで、守りを捨てる代わりに素早さを手に入れ、ジャラランガは自身の体力を犠牲に、素早さを含めた全ての能力を強化し、ヌメルゴンは、自身の足は速くならないものの、雨によってキングドラのすいすいを発動させ、味方の足を速くした。

 

 ガブリアスの放った鱗は、期待してなかったがやっぱりあいつのお腹の中へと吸収されてしまったが、これでうちのパーティの半分が強化された。欲を言えば、残りの半分のメンバーを速くすることもしたかったが、まぁ前衛3人、後衛3人と考えればバランスはいい。このまま攻めていくのも悪くないだろう。

 

「ブリジュラスは『ラスターカノン』でヌメルゴンは『りゅうのはどう』、バクガメスは『だいもんじ』!!」

 

 そうと決まれば即行動。まずは後衛組で攻撃を放ち、相手に動きを誘発させる。すると、オレ様の狙い通り大きな口を開けて、またこちらの攻撃を食べる準備を始めていく。

 

 この状態のあいつは、真正面に口を開けているせいで左右と後ろは完全な死角だ。今なら問題なく攻撃が通るはず。

 

「キングドラは『ハイドロポンプ』!!ジャラランガは『スカイアッパー』!!ガブリアスは『げきりん』!!」

 

 右側に入り込んだキングドラと左に回ったジャラランガ。そして、真後ろに回ったガブリアスによる、3方向からの同時攻撃。それも、それぞれが自分の得意とする技による本気の攻撃で、相手のタイプが分からない以上タイプ相性は分からないが、相性が普通以上であるのならば、どれかひとつでも当たったら十分なダメージが見込める威力が内包されている。

 

「いけっ!!」

 

 後衛3人組の攻撃が食べられている間に行われる波状攻撃。そのタイミングは完璧で、あいつが避けることは不可能だ。

 

(さぁ、この攻撃を受けた反応で、お前のタイプを見極めさせてもらうぜ)

 

 一切の情報を見逃さないように注視する。

 

 このやり取りから、一気にこちらの流れを作るために。

 

 しかし、どうやら相手はオレ様が思っている以上に厄介な相手らしい。

 

 

「クジャアアアァァァッ!!」

 

 

 ヌメルゴンたちの攻撃を咀嚼している黒いやつは、食べながら叫び声をあげるという訳の分からない行動をしながら、口から伸びる龍の頭のような舌を左右へとのばし、それぞれの先をキングドラとジャラランガの方へ伸ばし、迎撃の準備をした。

 

 最初こそは、この程度ならぶち抜けると思っていたが、そんなオレ様の考えが覆されたのは、舌先がハイドロポンプに当たった瞬間だ。

 

 激流が舌先に触れると、キングドラの放った激流が舌先によって捕獲され、そのまま大きな口の中に呑まれていく。

 

「水を掴むって何だよ!!あの舌先、動きが自在すぎるだろ!!ジャラランガ!!下がれ!!」

 

 どうやらあの舌先に着いている小さな口は人間で言う箸みたいな役割をしているらしく、そのうえ形を持たないものをも捕まえられる能力もあるらしい。あれに捕まったら最後、口の中への片道切符となるだろう。キングドラのハイドロポンプの軌道をいとも簡単に操ってきたあたり、力もかなりあると見た方がいい。となれば、いくら強化して力の上がっているジャラランガといえども、迂闊に近づくわけにはいかない。

 

 腰の横に上向きで拳を構えていたジャラランガに慌てて退避を指示し、ギリギリのところで舌先の範囲から逃れることに成功。ジャラランガも物凄く嫌な予感を感じていたのか、後ろに下がりきったところで息を吐きながら冷や汗をかいているように見えた。

 

 これでこちらの攻撃を5つ連続でいなしてきた黒いやつ。

 

 結構自信のあった攻撃をことごとく無傷で乗り切りやがるその姿に、ついつい悪態をつきそうになるのをグッとこらえて、こちらの最後の矢の攻撃を見つめる。

 

「カブアアアァァァッ!!」

「叩き込めガブリアス!!」

 

 その最後の矢とは、黒いやつの真後ろに周り、怒りの力に身を染めたガブリアス。オレ様の手持ちどころか、世界中で見てもトップクラスの破壊力を備えたその剛腕が、今まさに死角から襲いかかっていく。

 

 いくらあの口が規格外の能力を秘めていようが、いくらあの舌先が自由に動こうが、真後ろから迫る攻撃は食べることは出来ないし、舌先もそこまで伸びることは無い。だから、この攻撃は防ぎようは無い。

 

(パッと見、フェアリータイプでもはがねタイプでもなさそう……いや、むしろドラゴンタイプを持ってそうな見た目だしな。さすがにこれはしっかりとダメージが入ってもらわないと、こっちが困るぞ)

 

 期待半分、不安半分を持って見送るガブリアスの一撃。

 

 黒いやつの後ろから飛びあがり、後頭部を狙って今まさに振るわれていくその攻撃を見て、相手の反応をしっかりとみておこうとじっと見つめるオレ様に待っていた光景。

 

 それはあの黒いやつが、身体の側面から生えている両腕を頭上で組んで、ガブリアスの攻撃をしっかりと受け止めきってしまう姿だった。

 

「なっ!?」

「ガブァッ!?」

 

 先も言った通り、ガブリアスはかなりの力を持ったポケモンだ。いくらダイマックスをしているとはいえ、その火力は簡単に受け止められるものでは無い。しかし、今目の前にいるこいつは、ガブリアスの本気の攻撃を、腕を組んで盾にするだけで受け止めきってしまっていた。

 

「ちっ、なんでも食べられるって凶悪な特性だけじゃなくて、そもそもの身体能力も優秀ってか。嫌になるなオイ」

 

 割と余裕そうな表情を浮かべたまま攻撃を受けきっているその姿に、我慢していた悪態がとうとう出てしまう。それほどまでにその光景が信じきれなくて、しかし次の展開を想像したら、こんな所で思考を止める訳には行かないので、すぐにどうするべきか頭をはたらかせていく。

 

 その予想をしていた次の展開。それは、ガブリアスが弾かれ、空中に打ち上げられるというもの。

 

 

「クジャアアアァァァッ!!」

 

 

 組んでいた腕を解放するように左右に広げる黒いやつ。これによって、腕に攻撃を止められていたガブリアスは、空中に打ち上げられる。

 

 空を自由に飛ぶことの出来る彼なら、これくらいのことは大したものでは無いが、急に打ち上げられるとなるとどうしても無防備な時間というものは発生してしまう。そんなチャンスを見逃してくれるような相手では無い。

 

 

「ク……ジャァ……ッ!!」

 

 

「『ダイドラグーン』かっ!!」

 

 打ち上げたガブリアスの方に身体の向きを変えた黒いやつは、そのまま口元に藍色のオーラを溜め込み、発射の準備を整える。その馴染み深すぎる予備動作を見て、すぐさまなんの技をしてこようとしているのか理解したオレ様は、すぐさまみんなに指示を出す。

 

「キングドラは『ハイドロポンプ』ヌメルゴンとバクガメスは『りゅうのはどう』!!ジャラランガは『スケイルノイズ』でブリジュラスは『エレクトロビーム』だ!!」

 

 ガブリアスへの攻撃を阻止するための一斉攻撃。

 

 ガブリアス以外の面子が放てる最高火力を持って、黒いやつの動きを阻止するために猛進する5つの攻撃は、長年一緒に戦ってきたおかげか、お互いの技が下手に干渉し合うことなく、綺麗に重なってより強力な一撃となって、黒いやつの背中目掛けて突っ込んでいく。

 

 後ろから迫ったガブリアスを攻撃するために、後ろに振り返ってダイドラグーンを構えている黒いやつに、これを防ぐ術は今度こそない。ガブリアスを助けるためという名目だけど、下手をしなくてもこっちの方が火力が出る展開に、むしろ少しだけラッキーという思いもある。これで少しでも大きなダメージが刻まれたらかなりありがたい。

 

 が、やはりオレ様の望み通りの展開にはならず……

 

 

「クジャァ……!!」

 

 

「まるで効いてませってか?本当にデタラメだな……」

 

 実際起きたことを説明するのなら、黒いやつが衝撃によって僅かに身体をかたむけただけ。身体に傷がついたようには見えないし、当然ダメージも入っているようには見えない。唯一の朗報として、黒いやつの態勢が崩れたことにより、ダイドラグーンの軌道が若干逸れたため、その軌道からガブリアスが逃れる時間を作ることは出来たものの、それでも完全に避けられたわけではなく、藍色の大きな波動はガブリアスの左翼を掠っていく。これによってバランスを崩したガブリアスは、ダメージこそ大きく受けることはなかったものの、地面へと頭から落ちてしばらく動けない状態となる。

 

 

「クジャアアアァァァッ!!」

 

 

 ガブリアスの一時的な行動不能を確認した黒いやつは、自身が行動の邪魔をされたことにストレスを感じたのか、ガブリアスに八つ当たりをするかのようにその場で大きく足踏みをする。それによりじしんが発生し、黒いやつを中心に全方向にじめんタイプの波動が広がっていく。

 

「くっ、ヌメルゴンとブリジュラスは、『りゅうのはどう』と『ラスターカノン』で威力を落として、残りはバクガメスは『トラップシェル』で受け止めろ!!ガブリアスはキングドラとジャラランガが助けてくれ!!地面に『ハイドロポンプ』と『スカイアッパー』!!」

 

 黒いやつが放った攻撃に対して、こちらは3、3に別れてこれに対処していく。

 

 自陣から動いてなかった3人組は、まずブリジュラスとヌメルゴンがじしんの威力を抑え、弱まったところでバクガメスが背中の甲羅でがっしり防御。そこからトラップシェルの効果により、爆発のカウンターを黒いやつに向かって放ったが、まぁ結果はお察しで、ガブリアスのあの攻撃を受け止められた時点で、距離があり、ドラゴンタイプを持っているであろう相手に対してこうかがいまひとつであり、更にあめによって威力が減衰しているバクガメスの攻撃が刺さる道理はない。黒いやつに触れると同時にバクガメスの攻撃は散っていき、無傷の結果となる。最も、今回は相手の攻撃を防ぐために行った行動であるため、この結果人あってしまったのは仕方ないと割り切れるのだが……問題はガブリアスたちの方だ。

 

 倒れているガブリアスの前に立ちふさがるのは、素早さが上がっており、ガブリアスと一緒に前衛を務めていたキングドラとジャラランガ。ガブリアスの前に立ちふさがった2人が迫りくるじしんに対して必死に技を放って威力を殺していく。

 

 2人の放った攻撃は、完全にじしんの威力を殺し切ることこそできはしなかったものの、この頑張りのおかげでかなり削ることはでき、3人を襲う攻撃はだいぶ威力を落とすことに成功した。それでも3人そろって後ろに下げられてしまったあたり、やっぱり相手の火力はかなりすさまじい。それをここまで抑え込んだ2人には感謝だ。

 

 しかし、安心するのはまだ早い。

 

 

「クジャアアアァァァッ!!」

 

 

 いくら防御を出来ていても、後ろに押されている事実に変わりは無い。それはつまり、まだ完全には隙を消しきれていないことでもあり、同時に相手に攻撃のチャンスを残していることに他ならない。

 

 そんなキングドラたちに向かって、次に黒いやつがしてきた行動はまさかの大ジャンプ。その巨体とダイマックス状態からはとても想像できない質量のある大ジャンプは、藍色のオーラをまといながら、その着地地点をキングドラたちに見据えて落ちてくる。

 

「ちょ、それはまずいだろ!?」

 

 ドラゴンタイプの突進技、ドラゴンダイブを放つ動きだ。

 

「ブリジュラス!!ヌメルゴン!!バクガメス!!『りゅうのはどう』!!」

 

 空から落ちてくる特大の爆弾を少しでも止めるべく、見た目と使ってきた技からドラゴンタイプが含まれていることを半ば決め打ちしたこちらは、3人揃ってりゅうのはどうを発射。3つに固まった大きなエネルギーは、藍色の隕石となっている黒いやつ目掛けて突き進み、そのまま大きな音を立てて爆発する。しかし、それでも黒いやつの進軍を止めることは出来ず、出来上がった爆煙の中を突っ切ってきた黒いやつは、やはり身体に一切の傷を見せることなく、しかしほんの少しだけ勢いを削がれた状態で、キングドラたち目掛けて落ちていく。

 

「これでもとまらねぇのかよ。……キングドラは『りゅうのはどう』でジャラランガは『スケイルノイズ』!!ガブリアスは『スケイルショット』!!そんでもって攻撃と同時に下がれ!!」

 

 こうかばつぐんのはずの攻撃を受けた上で、この状態であることに若干の絶望感を感じかけるものの、それでもここで挫ける訳にはいかないこちらは反撃の攻撃を放つ。が、ヌメルゴンたちの攻撃と違って、こちらは真正面からの攻撃であるため、黒いやつの口がある状態になってしまっている。おかげでりゅうのはどうとスケイルノイズはやつに美味しく頂かれ、唯一少し軌道が逸れていたスケイルショットも、口ではなく、口の上にある小さな頭目掛けて飛びはしたが、これも屈強な腕を盾にすることで防御。鱗の弾丸は全て弾かれ、黒いやつの落下攻撃は継続されたままとなる。

 

「ん……?」

 

 ただ、このことは予想していなかった訳では無いので、キングドラたちは、この技を放った反動で後ろに飛ぶように指示をしておいた。そのおかげで、ヌメルゴンたちが稼いだ時間も相まって何とか黒いやつの落ちてくる予定の場所から離れることに成功。さすがに落下地点をずらす技までは持っていなかったらしい黒いやつは、そのまま振動と轟音をかなでながら地面へダイブ。その隙に、ガブリアスたちは何とかオレ様の近くまで退却をすることに成功。ひとまずの危機は乗り越えることが出来た。

 

 と、ここまで戦ってきたことで、ほんの小さな違和感に気づく。

 

「気のせいか……?いや、多分そんなことねぇな。……試すか?キングドラは『ハイドロポンプ』でガブリアスは『ストーンエッジ』!!ヌメルゴンは『かみなり』!!」

 

 ほんの小さなわだかまり。しかし、それがやけに気になったオレ様は、確認のために3つの技を放った。

 

 真正面から突き進む水と、地面から襲う岩の刃、そして空から降り注ぐ雷は、ドラゴンダイブの後隙でまだ完全に身動きを取る事の出来ない黒いやつに正確に飛んでいく。

 

 

「クジャアアアァァァッ!!」

 

 

 しかし、そのどの攻撃もダメージを与えるに足りえない。

 

 水の激流は口に呑まれ、空からの雷は豪腕に堰き止められ、岩の刃に関しては、1度見て問題ないと判断したのか、今度は避けることすらなく受け止めて、無傷の身体を見せてきた。

 

 そして、お返しとばかりに放ってくる2度目のじしん。

 

 さすがにこのじしんは、こちらとの距離があることと、こちらに6人全員が揃っていることもあり、それぞれが技を放つことで無難に弾く。それどころか、じしんを超えてこちらの攻撃がいくつか黒いやつに向かっていく事になるが、そこはやはり口の中に収納され、咀嚼していく。

 

 こちらの攻撃が全く通じない。しかし向こうは一撃必殺の技を持っているという理不尽なバトル。

 

 人によっては、もうこの時点で諦めてしまう人がいるかもしれないそんな状況。

 

 しかし、そんな状況でも、オレ様は確かに光明を見た。

 

「な~るほど、そういう事か。わかったぜ」

 

 突破口と言うには狭い入口だと思う。だが、全く分からなかったところから、明確に見え始めた勝ちへのルート。

 

 たとえ数パーセントしかない勝ち筋だろうと、それが0から増えたものならば値千金だし、オレ様の見立てならもっと高い確率で勝てると思う。

 

「おし、やるべきことは分かった。なら、こっからは全力だな!!」

 

 ゴールが見えたことでやる気がさらに上がったオレ様は、自信満々にボールを取り出した。

 

「さぁて、初お披露目だな。いっちゃあれかもしれねぇが……楽しみだ!!」

「ジュラッ!!」

 

 そのボールを握り締めながら、オレ様はブリジュラスと共に声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アクジキング

国際警察時代のクチナシさんと、一緒に活動していたハンサムさんの目の前で少女を食い殺しているという、実機で明確に因縁のあるポケモンの1人です。当然ポケモンだって一瞬で分解されるため、対戦ではネタ枠として扱われがちですが、実際に戦うとなると、おそらくUBの中でもトップクラスにやばいポケモンです。そんなポケモンに対する突破口を見つけたらしいですが、いったい何でしょうか?




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