「いくぜブリジュラス!!新しくなったお前の力でこんなやつをさっさと倒して、ホンモノのガラルスターへの踏み台にしてやろうぜ!!」
「ジュラッ!!」
右手に持つハイパーボールにブリジュラスを戻し、こんな時にもルーティーンであるスマホロトムによる自撮りを忘れない。スマホロトムから聞こえて来るシャッター音をBGMに解き放たれる、ダイマックスバンドからの赤い光は、ブリジュラスが入っているボールに吸い込まれて、その体積を大きくしていった。
「へへっ」
丸々と大きく育ったダイマックスボールと共に、最後の自撮りを1枚パシャリ。ちょっとしたフラッシュの輝きに心地よさすら感じながら、テンションを更にあげたオレ様は、ボールを勢いよく空に向かって解き放つ。
「そびえたてよブリジュラス!!やつの勝ち目をぶっ潰す!!」
「ジュラアアアァァァッ」
ボールの中から出てきたのはブリジュラス。しかし、ただのブリジュラスではなく、ジュラルドンの頃から受け継がれているキョダイマックスした姿。
ブリジュラスに進化したのがつい最近であるため、当然このキョダイマックスをしたブリジュラスを見るのは初めてなのだが、その姿は予想しているよりも大きく姿が変わっており、ぱっと見では同じブリジュラスとは判断できないくらいには変化が起きていた。
まずは立ち姿。胸を張り、2本足で立っていた姿ではなく、エレクトロビームを放つために取っていた四つ這いの姿になっており、ますます鉄橋の姿に近づいた構えとなっていた。
次に変わっているのはその体色。ジュラルミン合金を元とした銀色の身体は大きく変色していおり、赤茶色の正しく鉄橋と言う色になっていた。キョダイマックスしていることもあって、風景の中に存在していれば、その橋の上に交通人がいそうと勝手に想像してしまいそうなほど立派な見た目となっている。
「随分と変わっちまったな。それがお前のキョダイマックスか!!」
「ジュラッ」
立派な鉄橋となったブリジュラスは、オレ様の声に反応するように声をあげ、同時に全身に電気を走らせていく。よくよく見れば、ナックルジムのユニフォームのような色になって全身に伸びていたエネルギーラインも、赤茶色に変わってはいるものの、しっかりと顕在で機能もしているらしく、そこに溜められている電気を放電すれば、かなりの威力になることが想像できる。
ジュラルドンから進化して頼もしくなった相棒の、さらに上を行く姿。それを見たオレ様のテンションは、とどまることを知らない。
「お前となら、どこまでも行けそうだぜ。ブリジュラス!!」
「ジュラアアアァァァッ」
空に向かって声をあげながら気合を入れるブリジュラス。どうやらオレ様と同じく、ブリジュラスもかなり舞い上がっているらしい。しかし、油断だけは絶対にしない。いくらキョダイマックして強力になったところで、相手の黒いやつが全てを食らいつくせるやばいやつであることに変わりはない。その捕食能力と分解能力は、相手がキョダイマックスであったとしても変わらないはずだ。むしろ、キョダイマックスして動きが遅くなってしまったブリジュラスは、やつにとっては絶好の捕食対象になっていると言っても過言ではない。
だから、やられる前にやり切る。そのための突破口もなんとか見つけた。
「まずは下準備……ヌメルゴンとバクガメス、キングドラで『りゅうのはどう』!!」
「ヌンメ!!」
「ガメッ!!」
「ドラッ!!」
その先手として、まず動いたのはヌメルゴンとバクガメスとキングドラ。藍色の波動を口元から放ち、黒いやつに向かって攻撃を仕掛けていく。
「ガブリアス!!ジャラランガ!!」
「ガブァッ!!」
「ジャラッ!!」
当然この攻撃で相手にダメージを与えるつもりはない。どうせこの攻撃もすぐに捕食されるだろうことは目に見えているので、その間にこちらがするのはガブリアスとジャラランガの進軍。右にジャラランガが、左にガブリアスが走り出すことで、2人のよる挟み撃ちのような形となる。
しかし、この2人がすぐに攻撃するわけではない。
「ブリジュラス!!」
「ジュラッ」
キングドラたちの攻撃と、ガブリアスたちの行動を確認したオレ様は、次に大きくそびえたつ巨大な鉄橋に声をかける。
此方の声に元気よく返事をしたブリジュラスは、すぐさま身体中に力をみなぎらせていく。
そのオーラの色は藍色。本来ならダイドラグーンとして解き放たれるはずのその攻撃は、キョダイマックスゆえに少し変調を起こし、藍色はより深く、いっそ黒色の方が近いという色まで染まっていき、同時にその藍色の中に紫色も混ぜてより重い色合いへと変えていく。
その色から感じるのは竜の威圧と威厳。味方のはずなのに、そのオーラを纏っているブリジュラスに、思わず冷や汗をかいてしまいそうなほどの重圧を感じている中、当の本人はどんどん力を溜めていく。
(こりゃすげぇな……今なら、本当に誰にでも勝てる気がするぜ)
その重圧を前に、ますます頼もしさを感じながら、ブリジュラスにゆっくりと指示を出す。
ダイドラグーンを越え、キョダイゲンスイをも越えたブリジュラスの新しいキョダイマックス技。
「いくぜブリジュラス!!轟け龍の咆哮!!届けよやつの喉笛に!!」
オレ様の声が響くと同時に、ブリジュラスの周りに渦巻く藍色の力もどんどん濃さをあげていく。
この様子を見て、何かやばい気配を感じた黒いやつは、こちらの攻撃を止めようとダイドラグーンを構えようとするものの、真正面から永遠と飛んでくるりゅうのはどうを捕食するのに手いっぱいで、こちらに手を出すことが出来ていない。
これなら、安心して技を放てる。
「『キョダイボウアツ』!!」
「ジュラアアアァァァッ」
号令と共に解き放たれる藍い一撃。
黒いやつに向かって真っすぐ解き放たれたその攻撃は、その軌道をわずかに上に逸らして放っている。これによってブリジュラスの攻撃は、黒いやつの口の中ではなく、その上にあるやつの頭をめがけて飛ぶことになる。
「クジャッ!?」
自身の顔面に向かって飛んでくる攻撃に対して、ここまで戦って初めて焦ったような顔を浮かべる黒いやつ。自身の弱点を突いてくる攻撃がぐんぐんと迫ってきているのに、それを食べるための口は現在、沢山のりゅうのはどうを食べるのに手いっぱいで動かすことができない。そのため、あの黒いやつは少しのダメージを受けることを承知し、屈強な両腕をもって防ぐことを選択。
今までほとんどの攻撃を受けてなお、平気な顔でやり過ごしていた黒いやつが焦ったような顔を見せた理由。それは、やつの弱点が頭だからに他ならない。
今までどんな攻撃を身体に受けても傷がつくことがなく、おそらく弱点のタイプと思われる攻撃ですら、1つの動揺を見せることなく受け止め、ただひたすらに攻撃を振りまいていたやつだが、必ず頭に飛んでくる攻撃だけは腕で防いでいた。それも、当たったらやばそうな攻撃だけと言う訳ではなく、おそらく効果がいまひとつと思われるでんきタイプの技のかみなりに対してまでその防御行動をとっていた始末。
ドラゴンタイプの技を身体では受けるくせに、でんきタイプの技を頭で受けるのは嫌った。それが何よりの証拠と根拠になる。
「お前、身体は頑丈だがその分、弱点の頭は物凄く脆いんだろ?だからそうやって腕で守ろうとする。だが……それさえわかれば、こっちだってやりようはあるんだぜ!!ガブリアス!!ジャラランガ!!『げきりん』と『スカイアッパー』だ!!」
顔面に迫る攻撃に対して、腕をクロスして防御行動をとろうとしていた黒いやつの眼前に飛び出したのは、左右に分かれるように走り出していたガブリアスとジャラランガ。
目の前から迫る攻撃に集中していたせいで、左右から迫る2人に気づかなかった黒いやつは、急に目の前に現れた2人に対して何かアクションを起こそうとするものの間に合わず、2人の攻撃をそのまま受けてしまう。
「ガブァッ!!」
「ジャラッ!!」
ガブリアスとジャラランガ。2人が狙ったのは、黒いやつの両腕。
ガブリアスは右腕に、ジャラランガは左腕に向かってそれぞれヒレと拳を、下から救い上げるように叩きつけることで、黒いやつを万歳させるかのように、両腕をかちあげる。
「グア!?……シャッ!!」
これで自身の守りを崩されてしまったやつは、せめてもの反撃とばかりに、口の中から伸びている舌を操り、自身の間近まで接近していたガブリアスとジャラランガをキャッチ。
「ガブッ!?」
「ジャラッ!?」
舌先の力強さはあらかじめ知ってはいたものの、その予想を超えた力によってとらえられてしまった2人は、振りほどこうと力を籠めるものの、一切離れる気がしない。ドラゴンタイプのポケモンの中でも力が強く、ジャラランガに至っては能力を強化しているにもかかわらず、それでも離れることの出来ない力強さには思わずこちらが舌を巻く。
黒いやつも、この捉えた2人だけは何としてでも捕食しようとしているのか、ガブリアスとジャラランガをゆっくりと口の中へ運んでいき、分解していこうとする。
このままでは、2人の命が危ない。
しかし、捕まっている当の本人はまるで焦ることなく、黒いやつの顔面に迫っている、ブリジュラスの攻撃を見つめていた。
黒いやつがガブリアスたちに夢中になっている間に、ブリジュラスのキョダイマックス技が直撃する。
「クジャ……ッ!?」
自身の弱点を守るための舌も口も腕も、何もかもを封じられている黒いやつの顔面に突き刺さる龍の圧。それは直撃すると同時に藍黒く、瓦礫と紫色の混じった波動が渦巻いて行き、黒いやつの全身を包み込む。
その波動から感じるは強者からの絶対的な圧力。
攻撃を受けたものすべてを威圧し、抵抗する気力すら失わせる絶対王者の証。その追加効果は、相手のスタミナと攻撃力を奪うという、ダイドラグーンとキョダイゲンスイの効果を合わせたもの。
「ク……ジャ……ッ!?」
大ダメージと同時に自身を襲うその圧力に、呆気にとられたかのような表情を見せる黒いやつは、知らず知らずのうちに舌先の力を抜いており、この間にガブリアスとジャラランガが脱出。
「キングドラ!!ヌメルゴン!!バクガメス!!」
ガブリアスたちが抜けだしたことと、キョダイボウアツを受けたことによって、黒いやつが身動きを取ることができないこの瞬間を追撃のチャンスととらえたこちらは、遠距離攻撃部隊による一斉追撃を開始。当然狙う場所は全部やつの顔面で、相手が上手く動けていないうちに一気に蹴りをつける算段だ。
3人から同時に放たれる藍色の波動は、真っすぐやつの顔面に飛んでいき、大爆発。キョダイボウアツが当たった場所と全く同じ場所に直撃し、黒いやつに対してさらなる追撃を叩き込むことに成功した。
「クジャアッ!?」
度重なる大ダメージに、ついに苦しそうな声をあげる黒いやつ。それが、オレ様の仮定を証明していることと、こちらの大チャンスであることを裏付け、こちらの士気を更にあげていく。
「ガブリアス!!ジャラランガ!!行け!!」
こうなったらもうこちらが止まる理由はない。相手の一撃必殺は怖いが、それ以上に相手に対するダメージが大きいため、このまま一撃必殺におびえるよりも、さっさと倒してしまった方がこっちの精神衛生上楽だ。勿論、警戒を怠った瞬間一瞬で恐ろしいことになってしまうため、そこだけは常に注意しないといけないが、それでも、ここはとにかく攻めた方がいいはずだ。
「『げきりん』と『スカイアッパー』!!」
懐に飛び込んだ2人によるインファイト。再び左右から潜り込んだ2人が、左右から渾身の力を込めて攻撃を叩き込む。
残念ながらこんな状況でも黒いやつは、せめてもの抵抗と言わんばかりに舌先を動かすことを止めなかったせいで、2人は顔面を攻撃することはできなかったが、顔面にダメージを受けたせいで全身の筋肉が弛緩しているのか、他の部位に対しても少なくないダメージが通るようになっているらしく、側面から打ち上げるように同時に攻撃した両者の一撃は、黒いやつの身体をしっかりと捉えることが出来ていた。その結果、相手がダイマックスをしているにもかかわらず、その巨体を空中に打ち上げるほどの威力をもって、攻撃することに成功。黒いやつの身体が、かなりの高度まで打ちあがった。
「ブリジュラス!!『キョダイボウアツ』!!」
「ジュラッ」
空中で身動きが出来ないところで、再びこちらの最大火力の発射。この一撃で決める勢いで、本気の一撃を解き放つ。
「クジャアアアァァァッ!!」
「ちっ、まだそんなに力を残してやがるか!!」
が、ブリジュラスが放った本気の一撃は、空中で態勢を何とか整えた黒いやつが、地面に向かって大きな口を開けることですべて捕食。打ち上げられたことが、かえって攻撃の方向性を固定してしまったため、逆に相手に迎撃させやすい形をとってしまった形になってしまった。
「ク……ジャアッ」
更に、攻撃を食いきった黒いやつは、そのまま全身を鈍色に包み込み、地面に向かって急速落下。自身の体重と防御力、そして攻撃力全てを上乗せした、渾身のヘビーボンバーを行って落下し、全方位に破壊の衝撃波を撒きちらす。
「ジャラッ!?」
「ガブァッ!?」
「ガブリアス!?ジャラランガ!?」
この攻撃の被害を一番受けてしまったのは、黒いやつを打ち上げた張本人であるガブリアスとジャラランガ。
キョダイボウアツによって攻撃が下がっているとはいえ、それでもとんでもない破壊力を生んだこの攻撃は、2人を戦闘不能にまでもっていくことはなったものの、その身体を吹き飛ばし、地面に転がして、しばらくの間身動きが取れない状態にさせられてしまう。
そんな2人に向かって、黒いやつの触手が着実に迫っていく。
「ッ!?戻れ!!」
その様を見て、一気に背筋に悪寒が走ったオレ様は、慌ててリターンレーザーを放ち、ガブリアスとジャラランガをボールへ戻す。と同時に、2人が元々いた場所を、やつの黒い舌先が通過していった。もし判断があと一瞬遅れていたら、大切な仲間を永遠に失っていただろう。
(っぶねぇ!!やっぱり、油断は出来ないし、さっさと決めなきゃこっちの心が持たねぇ!!こうなったら……やるしかねぇ!!)
「もう一回出てきてくれ!!ガブリアス!!ジャラランガ!!」
「ガブァッ!!」
「ジャラッ!!」
改めて気合を入れ直したところで、戻したガブリアスたちを再展開。次の一撃で絶対にやつを落とし切るために、全員に作戦……と呼ぶには、余りにも力押しな内容を伝える。
「お前ら!!次の一撃で絶対に決めるぞ!!ありったけの力を込めて、やつの弱点にすべてを叩き込む!!」
オレ様の最後の指示と聞いて、みんなの顔が引き締まり一気に空気が変わっていく。
(大丈夫だ。ここまでの攻撃でやつには十分なダメージが入っている。向こうだって余裕はない。行ける!!)
キョダイボウアツと先程のりゅのはどうの雨が、全てこうかばつぐんとして相手に突き刺さっているのであれば、間違いなく相手の体力は残りわずかだ。今までは通っていなかった、胴体への攻撃が通り始めたのが何よりの証拠。
(恐らくだが、ここまで削られてしまったならいつも行っている捕食という行動すら億劫なはずだ。なら、これで締めればいい!!)
「ブリジュラスは『キョダイボウアツ』!!ガブリアスは『スケイルショット』!!ジャラランガは『スケイルノイズ』!!残りは全員、『りゅうせいぐん』だ!!」
こちらのメンバー全員から解き放たれるドラゴン技の嵐。
藍色のオーラと音波と鱗の散弾は、全てがひと塊になることによって、黒いやつの大きな口よりもさらに巨大化。食えるものなら食ってみろと言わんばかりに巨大化した1つの隕石のような形となり、まっすぐ黒いやつに向かって突き進む。
一方で、空から降り注ぐのは無数の隕石。
キングドラ、ヌメルゴン、バクガメスの、3人分の力によって作り出されたこの攻撃は、もはや雨のように降り注いでおり、逃げ場なんてどこにもない。それが、弱点である頭目掛けて上から降り注ぐのだから、どうやったって防ぐ手段は無いはずだ。
目の前からは、その口では食べられない大きさの攻撃が、真上からは、数えるのが億劫な程の大量の攻撃が弱点を目掛けて降りそそぐという、黒いやつにとっては、どちらも致命傷になる技の暴力がぐんぐんと迫っていく。
「ク……ジャアアアァァァッ!!」
しかし、そんな絶望的な状況でも相手は諦めることなく、最後の抵抗とばかりに全身にドラゴンエネルギーを溜め込み出す。そして、りゅうせいぐんとボウアツ、鱗、音波が直撃する瞬間に、その力を解放。ダイドラグーンを、自身を中心としたドーム状に放つことによって、自身を守るバリアのように使ってきた。
そのバリアの強度はかなり凄まじく、激しい音を立て、苦しそうな声を上げながらも、それでもギリギリのところで黒いやつは耐えていた。
「相変わらず頭の回転が良いな!!それに体力だって半端ねぇ!!だがよ……このままずっと受け止められんのか?!お前ら!!もっと力を込めるぞ!!」
これだけの攻撃を受けてなお耐えている黒いやつに対して、いつしか尊敬すら覚えそうになってしまっている自分を自覚しながら、しかし、オレ様の役目であるこの街を守るという信念のために、こちらも最後の力を込めて鍔迫り合いに挑む。
「ク……ジャアアアァァァッ!!」
「ジュ……ラアアアァァァッ!!」
響き渡る衝撃音と、轟く龍の咆哮。
それはお互いのプライドをかけた、力と力のぶつかり合い。
方や、大罪の名を関する己の力を証明するため。方や、地方最強のジムリーダーの相方として、その意地を証明をするため。
お互い引くことのできない最後のぶつかり合い。
しかし、その決着は思ったよりもあっけなく着くこととなる。
「クジャッ!?」
ほんの数秒だけ拮抗した両者の戦い。だがそれは、黒いやつのダイドラグーンが壊されるという形で決着が着く。
「悪いな。お前は1人かもしれねぇが、オレ様たちには仲間がいて、負けられない理由があるんだ。卑怯とか汚いとか、そんな文句は受けつけねぇぞ?」
鳴り響く衝撃音は、このバトルの終焉を告げる音。
辺りに鳴り響く衝撃音は、振動となって周りに広がっていき、次第に小さくなっていく。
「ク……ジャッ……」
その音の大きさに比例するように、体積を同じように小さくしていく黒いやつ。
攻撃を受けすぎて体力が底をついたため、ダイマックス状態が強制解除となった黒いやつは、身体をぐったりとさせながら目を回していた。
「……ダイマックスが切れてもやっぱでけぇな」
元の姿に戻っても、予想通りなかなかの大きさだった黒いやつの本来の姿に若干の呆れ感情を感じながら、しかし決して油断することなくこの黒いやつをしっかりと見張っておく。
(今は戦闘不能でおとなしくなっているが、時間経過で復活して暴れ出すとも限らないからな……)
幸い、体力が復活して暴れたとしても、その時はまだダイマックスエネルギーがたまり切っていないから巨大化することはないだろうし、こちらのポケモンもまだ誰も倒されていないため、すぐに対処は出来るだろうが、だからと言ってそうなって欲しいわけではないし、ならない方がいいに決まっている。
「ジュラ」
「お、お疲れ様だブリジュラス。どうだったか?その身体でのダイマックスは━━」
「ジュラッ!!」
「って、聞くまでもなかったな」
そんな危険ポケモンを横目で確認していると、横には元の姿に戻ったブリジュラスの姿。まだまだ元気があふれているのか、オレ様の言葉にはっきり返事する相棒に少しだけ頬が緩む。
オレ様の相棒の新しい姿。その姿を今日初めて見た感想だが……
「お前となら、まだまだ強くなれる。そう感じれて本当によかったぜ」
「ジュラッ!!」
自信満々に答えてくれた相棒。
今日のバトルで見せてくれた新しい力は、間違いなくダンデの喉元に届きうる一撃だった。ともすれば、悲願の勝ちへの未来が明確に見えてくるくらいには。
「速く……挑んでみたいな……」
「ジュラ……ッ!!」
そのためにも、速くこの夜が明けて欲しい。
「だから……さっさと解決しろよ……ダンデ。負けたらそれこそ、許さないからな」
速く戦いたくて仕方ない疼きを抑えながら、今まさに、オレ様のいる場所の真上で闘っているであろうライバルを見つめ、言葉を零す。
その視線の先では、この夜の元凶であるポケモンの咆哮らしく雄たけびが聞こえてきた気がした。
キバナVSアクジキング
勝者、キバナ
キョダイマックスブリジュラス
モデルはイギリスの世界遺産であるフォース橋より取っています。イギリスが舞台なので、こんな感じになりそうだなぁという、私の妄想ですね。
キョダイボウアツ
漢字で書くと『巨大暴圧』。特性のプレッシャーを漢字で『重圧』と書くのと、その効果が『キョダイゲンスイ』と同じという点から、威圧を感じさせ、且つより凶悪になった名前のつもりです。効果は作中に告げた通り、ダイドラグーンとキョダイゲンスイの合わさったもの。攻撃ダウンとPP消費ですね。シンプルですが、実機だとこれくらいが丸そうだなと思いました。むしろ、せっかく特別の技なんですから、他のキョダイマックス技をもうちょっと強くして欲しいですよね。
と言うわけで、少しだけオリジナル要素と妄想強めな回でした。合わないという方、今さらですが申し訳ありません。(尚、路線変更するつもりはない模様……)