「ギュアアアァァァッ!!」
「ディアアアァァァッ!!」
「パルウウウゥゥゥッ!!」
「シラアアァァァッ!!」
「クロオオォォォッ!!」
「キュアアァァァッ!!」
シュートシティは入り口。
マスタード、マサル、ミカンの連携によって,、見事アーゴヨンとべベノムの軍団に打ち勝つことの出来た戦闘地点のすぐそば。そこではもう一つの戦いが繰り広げられていた。
それは、シンオウ地方の伝説のポケモンたちと、イッシュ地方の伝説のポケモンたちによるバトル。
共に一地方で伝説や逸話を残しているポケモン同士のバトルは、傍から見ているだけでもそのすさまじさに押しつぶされるような、強烈な圧を放ちながら行われていた。
レシラムとゼクロムが吠えると同時に、クロスフレイムとクロスサンダーを発射。同時に使われるとお互いの威力を高め合う2つの技は共鳴し合い、激しい音を立てながらシュートシティの街並みを襲っていく。どちらか一つとっても恐ろしい攻撃なのに、それが共鳴することによって2倍ではすまない相乗効果となって飛んでいた。
これに対して立ち向かうのはディアルガとパルキア。
宇宙色のエネルギーを口元に溜め込むディアルガと、右腕にピンク色のオーラをため込むパルキアは、この攻撃を絶対に防ぐために集中して構えを取った。
クロスフレイムに対してはパルキアが、クロスサンダーに対してはディアルガがそれぞれ、ときのほうこうとあくうせつだんを放ち抵抗。ぶつかりう炎と斬撃、電撃と光線は、派手な音を立てながら爆発し、綺麗に相殺し合う。このやり取りのせいで辺りには爆煙が立ち上り、少しの間お互いがお互いの姿を視認できなくなった。
この隙に動き始めるのがキュレム。
全身に冷気をため込む彼は、この煙ごと周辺全てを凍らせるべく、こごえるせかいを放つ準備を整えていく。この技を放たれてしまえば、その名前の通り周りは一瞬で凍りづけにされ、キュレムの思うままになってしまうだろう。煙にまぎれることによってディアルガとパルキアも視認できない以上、この攻撃を普通の手段で止めることはできない。
だが、この場には普通の方法で闘わないポケモンが1人。それが、今しがた空間を割りながら飛び出し、自身の身体から生えていく黒翼でキュレムに斬撃を斬撃を叩き込んで技を中断させた存在であるギラティナ。
ゴースタイプであり、反転世界の王である彼は、こちらの世界とあちらの世界を自由に移動でき、異空間からこちら側を観測することで目隠しを無視して行動や監視が可能だ。最も、この力を全力で行うには鏡や水面のように、景色を反射して映し出すものが必要で、今回のようにそういったものがない場所での能力行使は行動できる範囲が限られてしまうため、想像しているよりは使い勝手のいい技ではない。しかし、今この場においては十分な効果の発揮できる技ではあるので、その点は今は気にしなくてもいいだろう。
突如背後から襲ってきたギラティナからの高火力技によって攻撃を中断せざるを得なくなったキュレムは、ギラティナからの追撃を受けないように後ろに下がり、煙幕から距離を取っていく。煙の中での視界不良と言うアドバンテージが取れないのなら、もう近くにいる必要はないと判断しての行動。事実、このまま煙の中に居座るのなら攻撃を続けようと、ギラティナは煙の陰にまた入り込んでいたので、この行動は正しい。
キュレムが離れたことによって煙の中には誰もおらず、もう中に潜む理由も失ったギラティナも脱出。姿を現しながらディアルガたちの下に戻っていき、煙が晴れていくのを待ちながら、おそらくキュレムたちがいるであろう場所に視線を向けていく。
煙が晴れ、お互いの姿が視認できるようになったところでお互いの姿を確認すれば、そこは最初と全く変わらない立ち状況。これにていったんの仕切り直しと言う形になる。
「ディア……」
これまでの戦いを振り返りながら、相手の能力をなんとなしに察したディアルガは、小さく声を零しながらじっと見つめていく。
そんな彼の頭の中にある感想は、ただただ純粋に『強い』の一言。神のポケモンとして君臨するディアルガは、その座や力を求められて襲われたことのある経験から、今までたくさんの敵と戦ってきたし、今隣で共に戦っているパルキアやギラティナともぶつかったこともある。古来より存在する彼には無数の戦闘経験があるため、いくらか手合わせをするだけで、相手の実力くらいならすぐに判断が着く。
そんな彼が真っ先にたどり着いた結論が、今の言葉だった。
ただ『強い』と口にするのだって、そこら辺の一般トレーナーとディアルガでは、言葉の重みというのが全然違う。先も言った通り、数多のバトルを経験した彼が迷うことなくその言葉を口にするというのが何よりもの証拠となる。
「パル……」
「ギラ」
そして、ディアルガが感じたのであれば、当然同位置にいるパルキアとギラティナだって同じ感想を抱いている。
3人の神話のポケモンが全員満場一致でたどり着く結論に間違いなんてなく、そんな彼らの前で声を上げながら圧を放っているゼクロム、レシラム、キュレムは、ディアルガたちと同等か、それ以上のエネルギーを溜め込み、再び攻撃態勢に入った。
「クロオオォォォッ!!」
まず最初に動いたのはゼクロム。全身に溜めた電気エネルギーを放出し、その巨体を活かしてまっすぐ突撃するらいげきを構えた。
ただでさえ威力が高いそれをダイマックス状態で放つことによって、質量的にも強くなったこの攻撃は、いくらディアルガたちといえども真っ向から受け止められるものでは無い。これを見た3人は、ディアルガは右に飛び、パルキアは左、そしてギラティナは空間に穴を開けて、その中に飛び込むことで回避する。
しかし、このままではゼクロムはそのまま街へ突撃して破壊行動をしかねない。そこで、左右に別れたディアルガとパルキアは、自身のいた場所に直ぐにふりかえって、ときのほうこうとあくうせつだんを発射。左右からサンドイッチすることで、ゼクロムにダメージを与えながら動きを無理やり止める。
「シラアアァァァッ!!」
これでゼクロムの攻撃を止めることが出来はしたが、相手は3人。当然この間も黙っていることなんてなく、今度はレシラムがあおいほのおを発射。その攻撃は、ときのほうこうを放ったばかりで動けないディアルガに向かって真っ直ぐ飛んでいく。
当たれば間違いなく大ダメージ。轟々と燃え盛る鮮やかな焔は、しかしディアルガに当たる瞬間に突如空いた異空間への穴に飲み込まれて、跡形もなく消え去ってしまう。
自身の攻撃が急に消えたことにびっくりしたレシラムが、その驚きで反応が鈍っている瞬間を狙って、レシラムの真上から飛び出したギラティナによる翼の斬撃が命中。レシラムの身体がダメージによって少し仰け反った。
まるで瞬間移動のように自由自在に動き回るギラティナ。
反転世界と現実世界を自由に行き来できる彼は、動きを3次元に縛られることがないため、ゼクロムたちの常識から外れた場所から攻撃ができる。ただでさえ慣れないダイマックスのせいで動きがゆったりになっているのに、この機動力で動かれてしまえば、ゼクロムたちから見れば溜まったものでは無い。
まずはギラティナから落としたい。
その考えにたどり着いたキュレムは、ギラティナが再びレシラムを攻撃する瞬間を虎視眈々と狙っており、そしてすぐにその時が来たのを確認したキュレムはすかさずふぶきを発射。レシラムに2度目の斬撃を放ったばかりで、次の行動にまだ移れそうにないギラティナに向かって真っ直ぐ飛んでいくそれは、しかしギラティナに届くことは無い。
ギラティナとふぶきの間で再び現れる異空間の扉。それを確認したキュレムは、また攻撃を吸い込まれると判断し、同時にまた死角からギラティナが来る可能性を考慮して周りの警戒を強めにしていく。
そんな一見正しい対応をしているキュレムに対して、ギラティナは少しだけ表情を緩める。
『かかった』
「キュアッ!?」
ふぶきを飲み込むと思われていた異空間から吐き出される青色の焔。それは、先ほどレシラムがディアルガに放っていたあおいほのおで、異空間を通って反射されたこの技は、今しがたキュレムが放ったふぶきを溶かしながら真っ直ぐキュレムに向かって飛んでいく。
突如襲い掛かってきた味方の攻撃に更に驚きの声をあげたキュレムは、さすがにこの技を受けるわけにはいかないと無理やり身体をひねって、この攻撃の軌道からなんとか回避。キュレムの右半身ギリギリに少し被弾しながら通過していく青色の焔は、そのまま明後日の方向へと飛んでいき、空中で派手な音を立てながらはじけた。
危なかった……。
明後日の位置で弾ける焔を見てそんな表情を浮かべるキュレムは、しかし次の瞬間にはその安心した顔を痛みを耐える顔へとゆがめていく。
顔をゆがめた正体は、キュレムが安心した表情を浮かべている瞬間を狙って放たれた、ディアルガのラスターカノン。鈍色に輝く弾丸はキュレムの右頬にしっかりと突き刺さり、更なるダメージとして突き刺さる。
「キュ……アァ……」
先ほどとは違ってこうかばつぐんのダメージ。不意を突かれたことも相まって大きな被害を被ったキュレムは、ディアルガの方ににらみつけるように視線を動かす。
この中で現状一番被弾してしまっているという状況が、彼の怒りのボルテージを一段階引き上げる。そして……
「キュアアアァァァッ!!」
その怒りを解放するかのように、大声をあげると同時に全身に氷のエネルギーを集中。その姿を見て、ディアルガたちの警戒度が一段階上がる。
間違いなく大技が来る。ここにいる誰もがそれを感じ取った。
恐らく味方であると思われるレシラムとゼクロムでさえ、下手したら巻き込まれるのではないかと言う程の圧力を感じたため、少しでも被害を抑えるために後ろへ下がる。勿論、ディアルガとパルキア、そしてギラティナも、レシラムたちに倣ってぐっと距離を取り、攻撃に巻き込まれないように位置取りを行った。
もうキュレムの周りには誰もいない。しかし、当の本人はそんなことなんてお構いなしにどんどん力を高めていく。
「キュ……アァァ……」
どんどんと膨れ上がっていく氷の力は、解き放っていないのに周りの地形に影響を及ぼし始め、キュレムの足元から少しずつ氷が広がっていく。
前段階の時点ですでにこの被害。いったいこれが解き放たれたら、どれだけの攻撃が飛んでくるのだろうか、それを想像するだけで、思わず冷や汗が出てきてしまいそうなディアルガたちは、ダメもとでそれぞれラスターカノンとハイドロポンプ、シャドーボールを発射し、少しでもキュレムの行動を阻害しようとする。が、ダイマックスしていることと、周囲の氷が壁になることによって、少しでも距離が離れた攻撃は全て受け止められてしまい、大したダメージにならない。
「キュアアアァァァッ!!」
そして、そんな時間を過ごしているうちにキュレムの準備が完了し、再び天高く咆哮。それと同時に、
恐らくダイアイスと思われるその技は、本来なら相手の頭の上に落とす技だ。しかし、この技はさっきも言った通り、キュレムの真上に現れている。
『技の発動を間違えたのか?』
最初はそう考えたディアルガたちだが、背中を走る悪寒に従ってすぐにその答えを放棄。この攻撃によって大変なことが起きると判断した3人は、ディアルガはシュートシティに向かい、パルキアはマサルたちの前に立ちふさがり、ギラティナは虚空の中へと潜り込んで氷塊の真上に移動。少しでも威力を抑えるために、真上から氷に向かって攻撃を開始する。が、そんなギラティナの必死の行動もむなしく、氷塊は規模を小さくすることなくキュレムの下へ到達。
「「「ッ!?」」」
「うわぁっ!?」
「きゃっ!?」
「ぬぅっ!?」
同時に撒きおこるのはとてつもないふぶき。
キュレムにぶつかった氷塊は、ギラティナがあれだけ攻撃してもびくともしなかったというのに、それが嘘のように崩壊。それと同時に、氷塊の中に溜め込まれていたエネルギーが爆発を引き起こし、キュレムを中心とした無差別攻撃が解き放たれた。
その威力はとんでもなく、ディアルガとパルキアはそれぞれ、青色とピンク色のオーラを球状に纏ってバリア代わりにするものの、そのバリアもすぐに悲鳴を上げて、今にも割れそうなほどの罅が生まれる。
「ディ……ァ……」
「パル……ゥ……」
しかし、ここで自分たちの壁が壊れてしまうと、後ろの街とマサルたちに被害が行く。そうなると、自分たちが敬愛するコウキたちが悲しんでしまう。それだけは絶対に許してはいけないと判断した2人は、必死に守りを固めていく。
「ギラ……」
一方で、3人の中で唯一こおりタイプに一切の耐性の無いギラティナは、壁になることもできないためすぐに異空間に入り込み、その中からどうにかしてこの吹雪を止める方法を模索していた。
シャドーボールは通らない。ふぶきが強すぎるせいで、キュレムに当たるまに凍ってしまう。
シャドーダイブは出来ない。こおりに弱い自分は、この空間から飛び出した瞬間に氷漬けにされてダウンしてしまうだろう。
「グゥ……」
打つ手がない。
せっかくディアルガとパルキアが耐えてくれているというのに、このまま何もできずに待っていれば2人の守りは崩壊してしまうだろう。
『何か……何かないのか……』
必死に頭を回すが、自身の出来ることなんて限られている。
こんな状況では異空間移動の力なんて何の役にも立たない。こんな状態のキュレムを反転世界に呼びこめば、反転世界と現実世界の両方が酷いダメージを受けるし、そもそもその中に連れてきた瞬間、中にいる自分が倒される。かといって自分の力もこの場では足りないため、シャドーダイブで突っ込むだなんて自殺行為でしかない。せめて彼らと同じダイマックス状態になることが出来れば、まだ対策の使用があったかもしれないのだが……
「……ギラ?」
と、そこまで考えて1つの答えに辿り着く。
ダイマックスになれないのであれば、同じダイマックスのポケモンにどうにかしてもらえればいいのでは?と。
幸い、この場には後2人もダイマックスしているポケモンが存在している。そのことを思い出して視線を動かしてみれば、ディアルガたちと同じようにふぶきから身を守っているゼクロムとレシラムの姿を確認できた。その2人は、攻撃に巻き込まれないためにディアルガたちよりもさらに遠くに離れてこちらの様子をうかがっているみたいだった。恐らく、このまま静観を決め込んで、こちらが倒れるのを待つつもりなのだろう。
そんな高みの見物なんて許さない。
「ギラ……!!」
そうと決まれば即行動。
キュレムのすぐ横に大きな異空間への穴を作り出したギラティナは、それと全く同じサイズの穴をゼクロムとレシラムの目の前にも作成。このワームホールの中を吹雪が通ることによって、本来なら離れているはずなのゼクロムたちに、至近距離の吹雪をそのままの威力で届ける。
「シラッ!?」
「クロッ!?」
安全圏にいると思ったら突如身体に襲いかかる猛攻に、さすがのレシラムたちもたじろぐ。特に、ギラティナと同じくこおりタイプに耐性がないゼクロムは、自身を襲う弱点攻撃を前に必死に逃げようとする。
「ギラッ!!」
当然ギラティナはそんなことを許さない。
異空間の穴を操るギラティナは、まず1つ目の穴の中にゼクロムたちを入れて強制的に異空間へ招待。その後すぐさま2つ目の穴に通して、今なお暴風雪を解き放つキュレムのすぐ横に強制的に移動をさせた。これにより、キュレムの攻撃からますます逃げられなくなった。
「シ……ラァ……ッ!!」
「ク……ロォ……ッ!!」
まさかの仲間と思っていたポケモンからの攻撃。しかも当の本人は怒りに任せて攻撃しているせいで、周りがどうなっているのか分かっていない。
このままでは、自分たちもやられてしまう。
「シ……ラアアァァァッ!!」
「ク……ロオオォォォッ!!」
仲間の攻撃でやられるなんて話にならない。それならいっそ、その仲間を自分たちで倒してやる。そんな気概を見せるかのように吠えたゼクロムとレシラムは、攻撃に耐えながら自身の身体からそれぞれ、ほのおとでんきのエネルギーを放出。キュレムの時と同じように、自身の頭上に炎と電気の巨大な球体を作成し、これを自分に下ろして爆発させ、キュレムの世界に叩きつける。
ダイアイス、ダイサンダー、ダイバーン。
3つのダイマックス技が荒れ狂い、轟音と爆煙、そして衝撃で包まれるシュートシティ入口は、とてもじゃないけど人が居られない空間へと早変わりし、まるで早送りをしているのでは無いかという速度で、どんどん荒れていく。
一見すればとてつもなくヤバい状況。しかし、ダイアイスはともかくとして、ダイサンダーとダイバーンはこちらを攻撃するためではなく、キュレムの暴走を止めるために放たれた技だ。故に、3つの技はお互いが相殺し合う形となっているため、ダイアイスの盾になっているディアルガとパルキアには想像像以上に攻撃が届いていない。一般人から見たら凶悪な衝撃が襲いかかってきてはいるものの、さっきよりはかなり楽な状態にはなっているだろう。
これなら耐えられる。
「ディアアァッ!!」
「パルウゥッ!!」
バリアにさらに力を込めて、ラストスパートを乗り切ろうとするディアルガとパルキア。その頑張りが見事功を奏し、何とか乗持ち直すことに成功。ここに来て罅が入っていたバリアが、どんどん直っていく。そしてついに……
「キュアッ!?」
レシラムとゼクロムの攻撃によってようやくキュレムの頭が冷え、同時に吹雪が収まり、地獄のような時間が終わりを告げる。
「ディア……」
「パルゥ……」
「ギラ……」
攻撃が終わり、バリアをいた2人に、異空間から飛び出したギラティナが合流。なんとか乗り越えたことにほっと一息をつきながら戦場を見る。
そこは、氷と炎、そして電気が暴れたことで荒れに荒れた大地の姿。この様子では、復刻は年単位に時間がかかってしまうだろう。それほどまでに酷い有様。
だが、自分のたちの後ろに目を向ければ、そこには一切の傷が入っていない街と人たち。
「助かった!!ありがとうパルキア!!」
「ディアルガも、お疲れまさです!!」
「ギラティナ。良い機転じゃった」
その行動を褒め称える声もしっかりと3人に届く。
この声と景色を確認した3人は、揃ってこう思う。
『守れてよかった』
そして同時に、もう絶対に好き勝手させないと固く誓う。
「ギラ…!!」
「ディア」
「パル」
ここにいる3人が全員同じ気持ちであることを悟ったギラティナは、ディアルガとパルキアにある確認を取り、この確認に対して前向きに反応した2人はほぼノータイムで首を縦に振る。
この返答を確認したギラティナは、1度その身体を異空間へと潜り込ませ、そして直ぐに帰ってきた。
傍から見たらよく分からない行動。事実、現状1番近くにいるマサルたちは、何をしているのかよく分からず首を傾げている。最も、もし今この場にフリアたちがいたとしても、彼らの行動を理解出来はしなかっただろう。何故なら、これから彼らがやろうとしていることは、フリアたちですら知らないことだから。
異空間から帰ってきたギラティナ。そんな彼の周辺には、3つの石が浮かび上がっていた。
1つは青色に輝く大きなこんごうだま。
1つは白色に輝く大きなしらたま。
そして最後の1つは、金色に輝く大きなはっきんだま。
それぞれの石が、まるで意志を持ったかのように動き、ディアルガ、パルキア、そしてギラティナの下へと向かい、その完全に手動きを止める。
「ディア」
「パル」
「ギラ」
その石に向かって、3人揃って額を当てる。すると、ディアルガたちの身体が光に包まれ、その姿を変化させていく。
ディアルガは麒麟を彷彿とさせる姿に、パルキアはペガサスを彷彿とさせる姿に、そしてギラティナは東洋龍を彷彿とさせるような姿へと変形。そのどれもが神々しく、ただでさえ強かった圧力がさらに強くなり、君臨するだけで空気がきしむのを感じる。
これが、彼らの本来の姿。
「……凄い」
その姿を見たマサルの声が、小さく広がって消えていく。
「ギュアアアァァァッ!!」
「ディアアアァァァッ!!」
「パルウウウゥゥゥッ!!」
この代わりに響き渡る、ディアルガたちの叫び声。
『切り札は切った。ここからが本番だ』
その叫び声は、マサルたちにはそう聞こえた。
オリジンフォルム
ディアルガたち本来の姿。ギラティナに関してはプラチナの時点であった姿ですよね。でも、せぃあるがたちのいつもの姿は、別にアナザーフォルムではない模様。何フォルムになるのでしょうか?