【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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329話

 だいこんごうだま、だいしらたま、だいはっきんだまの効果によって、それぞれオリジンフォルムへと姿を変えたディアルガ、パルキア、そしてギラティナ。

 

 姿が変わり、身体の大きさすら変わって、さらに強力な圧を放つその姿は、異様ながらにして神々しく、ゼクロム、レシラム、キュレムの3人も、その姿に圧倒されて思わず1歩後ろに下がってしまうほど。

 

 その1歩を、ディアルガたちは見逃さない。

 

「ッ!!」

 

 

「シラッ!?」

 

 

 まず最初に動いたのはパルキア。

 

 二足歩行から四足歩行になったおかげか、素早さが明らかに上がった彼は、一瞬でレシラムの眼前に移動し、ハイドロポンプを発射。放たれた激流は、ダイマックスしているレシラムの身体をどんどんと押し返す。

 

 急に目の前に現れたこともそうだし、先程に比べて威力も段違いに上がっている。その事が驚きで、横にいるゼクロムとキュレムも反応が遅れてしまっていた。が、ハイドロポンプに押し流されるレシラムを見て我に戻った2人は、慌ててパルキアに攻撃を開始。キュレムは右側からふぶきを放ち、ゼクロムは左側からクロスサンダーを放った。

 

 ハイドロポンプの後隙を狙って放たれたその技は、しかしパルキアに当たることはない。何故なら、パルキアがその場から瞬間移動したかのごとく消え去り、気づけば元の位置に戻っていたから。

 

 空間を司る神であるパルキアにとって、空間移動は基本技能だ。反転世界の存在や、ゴーストタイプの特権が理由で、この手の行動はギラティナのイメージが強いが、こちらもまた高い練度で似たようなことが出来る。レシラムに近づく時と、今回の瞬間移動も、原理としては自身の目の前の空間を切り裂いて穴を開け、出口を別の場所にしてくぐるという、ギラティナのしているそれと大して差は無い。

 

 とにかく、それによって移動を行ったパルキアに対しての攻撃は当たることはなく、既にパルキアが居なくなった場所で、ふぶきとクロスサンダーがぶつかり合って大爆発するだけで終わり、そんなに距離の離れていないゼクロムとキュレムは、この爆風によるあおりを受けてしまい、少しだけ怯む結果になった。

 

 ほんのわずかな時間であるものの、今この場にいるものにとって、それだけの時間があれば十分。

 

 空中を泳ぐように移動するディアルガは、パルキアほどでは無いにしろ、ゼクロムの前に素早く躍り出て、そこからりゅうのはどうを発射。レシラムと同じように真正面から受けてしまったゼクロムも、こうかばつぐんの技を受けて大きく後ろに下げられる。

 

 味方2人が大ダメージを負ってしまったのを確認したキュレムは、急いでこのフォローに取り掛かろうと動き出す。が、当然こちらにも攻撃の手はしっかりと進んでおり、攻撃の構えに入るよりも速くキュレムの背中の空間が割れ、その中から飛び出したギラティナがすれ違いざまに翼による斬撃を行い、キュレムの身体にダメージを刻み込む。

 

 姿の変わった3人からの怒涛の攻め。それは想像以上に凄まじく、レシラムたちに対してダメージとは別に大きなプレッシャーも刻み込まれる形となる。

 

『強い』

 

 先程ディアルガたちが思っていたことを、ようやくゼクロムたちも認める。

 

 別に侮っていた訳では無い。しかし、ダイマックスという不慣れで若干動きづらさを感じながらも、身体の内側から溢れるパワーもあってか、ダイマックスをせずに立ち向かってくる相手なんて敵では無いと思っていた。しかし、蓋を開けてみれば自分たちは今明らかにパワー負けをしている。その事実が、彼らの傲慢な考えを矯正していた。

 

『あいつらは、侮ってはいけない』

 

 その事を心に誓ったゼクロムたちは、小さく呼吸をして気持ちを切替える。

 

 そして、その切り替わりをディアルガたちもしっかりと把握した。

 

 ここからが本番。

 

「「「ッ!!」」」

 

 意識を新たに、先に動き始めたディアルガたちは、前進しながらラスターカノン、ハイドロポンプ、シャドーボールを放つ。

 

 距離を詰めながら行われたその攻撃は、牽制技でありながらかなりの威力を秘めている。それを理解しているからこそ、キュレムたちは油断することなく対処を行う。

 

 迫り来る攻撃に対して取った対処は壁の作成。吠えると同時に地面を踏み締めたキュレムによって氷の盾が現れ、ディアルガたちの攻撃を受け止める。

 

 伝説の氷ということだけあってかなりの強度を誇る壁は、ディアルガたちの攻撃をちゃんと防ぐが、それでも限度はあり、ディアルガたちの攻撃が突破。氷の壁を打ち砕くこととなった。これでは、技そのものは止めることがは出来ても、ディアルガたちの進撃は止まらない。

 

 

「シラアアァァァッ!!」

「クロオオォォォッ!!」

 

 

 そんなディアルガたちを待っているのは、氷の壁が打ち砕かれることを最初から想定して動いていたレシラムとゼクロム。クロスフレイムとクロスサンダーをそれぞれ構えている2人は、炎球と雷球を同時に発射。それも、最初の時と違って複数の弾幕として解き放つ。

 

 一撃の重みよりも、ダメージを刻むことを目的として放ったこれらは、最初の時に見かけたものよりも幾分かサイズも威力も控えめなので、まだ対処できる……という訳では無い。先も言った通り、この2つの技はお互いの技に影響され、その威力を増すという性質がある。1回共鳴しただけで威力が一気に上がる技なのに、それが複数同時に発射されてしまうと、共鳴の数がとてつもないこになり、サイズは小さいのに威力はさっきよりも高いという変な矛盾現象が起きていた。

 

 そんな弾幕攻撃がディアルガたちを次々と襲ってくる。

 

 どれかひとつでも当たったらなかなかなダメージを受けることは必至。なので、近づくことを一旦やめ、回避することに重きを置いたディアルガたちは、進軍スピードを緩め、空中を泳ぐように動いて回避していく。

 

 弾幕の隙間を見極め、そこに滑り込ませるように身体を動かし、次々と攻撃を避けていくディアルガたちは、最初こそ弾幕から感じる威力の大きさに驚いたものの、それでもまだ対処できる範囲ということもあって、徐々に慣れていくことで余裕を持って回避を始めると同時に進軍を再開。再びゼクロムたちとの距離を詰めていこうとする。

 

 パキン。

 

「パル?……ッ!?」

 

 そんな時に聞こえてきた、何かが割れる、ないし、弾けるような音。その音が気になって後ろを振り向いたパルキアが目にしたのは、自身の後ろにいつの間にか作られていた氷の板に、クロスサンダーとクロスフレイムが反射してこちらに帰ってきている瞬間だった。

 

 一度避けたと思っていた技が、再び後ろから迫ってくる。そんな予想外の展開に反応しきれなかったギラティナたちに、クロスフレイムとクロスサンダーがそれぞれ1つずつ直撃。決して小さくないダメージが刻まれることとなる。

 

 

「シラアアァァァッ!!」

「クロオオォォォッ!!」

 

 

 ようやく明確に決まった攻撃に士気を上げたゼクロムとレシラムは、さらにクロスフレイムとクロスサンダーを追加で発射。弾幕はより激しくなり、さらに再び聞こえてくる『パリン』という音を皮切りに、前からしか飛んでこなかった弾幕が、全方位から襲いかかってくるようになる。

 

 不意を突かれなければ後ろから球が飛んできたとしても避けることは出来るだろう。しかし、それにしたって数が多すぎる。こうなってしまえば進むことなんてできず、避けることに精一杯。しかも、その間にもゼクロムたちはどんどん球を追加で飛ばしてきているので、全方位から飛んできているのも合わせて弾幕は濃くなる一方。このまま行けば、そう遠くないうちに被弾すること間違いナシだ。

 

 何故こんなことになってしまっているのか。その答えは、今自分たちがいる場所の周りをよく見渡せば見つかった。

 

 回避されたクロスフレイムとクロスサンダーが行き着いた先。そこには、先程ディアルガたちが砕いた氷の壁の破片があり、その破片が綺麗に整えられ、1枚の板になっていた。その板にクロスサンダーやクロスフレイムがぶつかった瞬間に、何度も聞いた『パキン』という接触音が響き、クロスサンダーたちの進路が変更。こちらに反射してきていたという原理だ。

 

 そんな、氷でできた反射鏡が、気づけばディアルガたちを結界に閉じ込めてるかのようにびっしりと並べられていた。

 

 勿論、新しく技を中に入れるための隙間自体は色んなところにある。が、今も現在進行形で攻撃を追加してきているため、反射してくる攻撃の数が無制限に増加。そのせいで、そもそもその隙間の位置まで動くことが難しくなっている。

 

 

「キュァァッ!!」

 

 

 そんな弾幕結界を作り出した本人は、『どうだ』と言わんばかりに誇らしげに声を上げる。実際、ディアルガたちが気づけないほどの速度で、何十枚もの板を瞬時に作りだして囲んできたその冷気の強さと繊細な操作精度は舌を巻くものがある。それだけの冷気があるのだから、おそらくこの結界を壊すのだってそんなに簡単では無いだろう。

 

「ギラッ!!」

「ディア」

「パル」

 

 このままでは攻撃の波に潰される。そう判断したギラティナは、自身の翼でディアルガとパルキアを捕まえ、異空間へダイブ。攻撃の届かない別次元から脱出を狙っていく。そして、その思考にすぐに気づいたディアルガとパルキアも、特に驚くことなく従い、3人揃って姿を消し、その数秒後には氷の結界の外に繋げられた出口から勢いよく飛び出した。

 

 一瞬のうちに脱出したギラティナは、先程まで自分たちが閉じ込められていた場所を眺める。するとそこには、未だに反射しまくる電気と炎の雨。

 

 自分たちがいた頃よりもさらに激しくなっているそれを見て、『間に合ってよかった』とほっと一息……

 

 

「キュアアァァァッ!!」

 

 

「ッ!?」

 

 なんてつく暇もなく、ギラティナたちがワープした場所に先回りするように動いていたキュレムが咆哮。同時に現れた巨大な氷塊が、ギラティナたちを押しつぶさんと真上から降ってくる。

 

 キュレムの狙いは最初から、異空間から飛び出して安心したこの瞬間だった。

 

 ギラティナが気づいた時にはもう遅く、もう一度異空間に飛び込む猶予は無い。

 

「ギラッ!!」

「「ッ!?」」

 

 このままでは全員被弾する。そう判断したギラティナは、せめて他2人だけでも逃がすために、自身の翼を思いっきり左右に伸ばし、ディアルガを右に、パルキアを左に弾き飛ばして、氷塊の範囲外から追い出した。

 

 いきなり弾かれたことに驚き、慌てて後ろを振り向くディアルガとパルキアだが、その時には既に氷塊は落下しており、視界に移るのは氷の壁だけで、さっきまで自分がいた位置は完全に氷塊が潰していた。

 

 自分たちを逃したギラティナはどうなったのか。その心配を無意識のうちにしてしまったディアルガとパルキアは、自分たちの後ろの攻撃の反応に一瞬遅れてしまう。

 

 

「シラアアァァァッ!!」

「クロオオォォォッ!!」

 

 

 ディアルガに迫るのは焔。

 

 パルキアに迫るのは雷。

 

 違う性質でありながらも、どちらもおなじ青白い輝きを放つ極大攻撃である、あおいほのおとらいげき。その光に身を包んだゼクロムとレシラムが、氷の壁を背にして動きを固めているディアルガとパルキアに向かって突進を行った。

 

 逃げ道は無いし、迎撃も間に合わず、そもそもこれだけの威力を跳ね返す技が現状用意できない。そう判断した2人は、すぐさま自身の身体をバリアで包み込み、来るべき衝撃に耐える準備を整えていく。

 

 が、当然その程度で守り切れるほど甘い攻撃では無い。

 

「ディ……ッ!!」

「パル……ゥッ!!」

 

 ぶつかると同時に全身を襲う強烈な衝撃に呻く2人。

 

 想像以上に重いその一撃は、ほんの少しだけ耐えることを許してはくれたが、あくまでほんの少し。一瞬だけ止まったと思われたゼクロムたちの進撃はすぐさま再開され、物凄い勢いでディアルガとパルキアにダメージを入れながら押し込んでいく。

 

 このままでは氷塊と攻撃の間につぶされる。

 

 巨大な氷を挟んで、全く同じ状況に追い込まれたディアルガとパルキアは、予想可能な、しかし回避不可能な未来を見据えながら、それでも何とか打開できる方法を模索するために頭を働かせる。しかし、無情にも答えは出ず、既にギリギリまで追い込まれたディアルガとパルキアが、青い焔と青い雷によってついに氷塊に背中が着こうとする。

 

「ギュアアアァァァッ!!」

 

 その瞬間、どこからともなく叫び声が聞こえると同時に、ディアルガとパルキアの間にあった大きな氷塊が一瞬にして消え去る。どうやらギラティナが全力を振り絞って、あの巨大氷塊を異空間への穴にしまい込んだらしい。

 

 その事実に驚いてほんの少しだけ固まったゼクロムとレシラムに対して、すぐさまこの現象の理由を理解したディアルガとパルキアは、自身の身体を全力で横にずらし、突っ込んできていたゼクロムとレシラムを後ろへ受け流す。

 

 

「シラッ!?」

「クロッ!?」

 

 

 ディアルガとパルキアを、自身の技と氷の壁の間でつぶそうと本気で突撃をしていたのに、急に眼の前から氷と標的が逃げたせいで、自身の動きを止めてくれるものがいなくなり、そのまま真っすぐ前に直進してしまう。

 

 そうなって来ると、次にゼクロムとレシラムの正面に見えてくるのは、氷を挟んで同じ展開を作っていた自身の相方。

 

 まるで引力に引き寄せられるかのように近づいて行く焔と雷を止める者はいなく、本人ですら制御できないその2つの攻撃は、氷塊があった場所の中心地点で衝突。激しい音を奏でながら、周囲に炎と雷の衝撃をまき散らすこととなる。

 

 当然、この技を放っている張本人たちはお互いにダメージを与え合う事となり、身体に纏っているエネルギーを散らしながら、ゼクロムとレシラムは急に受けることとなった大ダメージにたじろぐ。

 

「ギュアアアァァァッ!!」

 

 そんな2人に向かって届く気合の入った声。それに反応して空を見上げれば、そこには自身を押しつぶさんと展開された巨大な氷塊。

 

 こんな氷を出せるのはこの場にはキュレムしかいなく、一瞬キュレムが裏切ったのかと勘違いしそうになるが、先ほど聞こえた声を思い出して、これは先ほど消えたあの氷塊をギラティナが再利用したものだという答えに辿り着いた。が、答えに気づいたときにはもう遅く、レシラムとゼクロムはフレンドリーファイアしてしまっていることも相まって、回避することが出来ない。

 

 

「キュアッ!!」

 

 

 そんな味方のピンチに動き始めたのがキュレム。

 

 ギラティナによって味方を攻撃する技に変えられたとはいえ、やったことはあくまでも氷塊の場所を移動しただけ。だから、まだ技の管理権は自分にあると判断したキュレムがすぐさま冷気を操作し、少しでも技の影響が起きないように奮起しようとする。

 

「ディアッ!!」

「パルッ!!」

 

 しかし、そうは問屋が卸さない。

 

 ゼクロムとレシラムをいなして自由になったディアルガとパルキアは、キュレムのサポートを阻止するべく目の前まで移動。冷気を操作しようと集中しているところに、ラスターカノンとハイドロポンプを叩き込んで、むしろキュレムをゼクロムとレシラムがいる所まで押し込んでいく。

 

 これによって氷塊の操作が出来なくなり、ゼクロムとレシラム、そして今しがた追加されたキュレムの頭上に、大きいままの氷が落ちていき、ぶつかると同時に大爆発。強力な冷気が彼らを包みこんでいく。

 

「ギラ……」

 

 その様子を見て、大きく息を零すギラティナ。

 

 これだけ大きな氷塊を落としたのだから、それに伴うエネルギー消費はかなり大きく、しかも空間で移動させる前に氷塊は、ちゃんとギラティナに直撃しているから、ギラティナには既に大きなダメージが入っている。それに、息を荒げていないディアルガとパルキアだって、先ほどバリアの上から受けた攻撃はちゃんと身体に刻み込まれており、ギラティナ程ではないにしろダメージは受けている。

 

 お互いダイマックスとオリジン化と言う強化状態に入っているため、火力はすさまじく、現状の体力は十分リーサル範囲内だ。今の攻撃で相手に大量にダメージは入っているものの、全然油断できる状態ではない。

 

 出来ることならば、素早くけりをつけたい。

 

 

「シラァ……」

「クォ……」

「キュァ……」

 

 

 ギラティナたちが、自身のバイタル状況を確認している間にフィールドの吹雪が晴れ、キュレムたちの姿を確認できるようになる。

 

 そこには肩で息をし、満身創痍な姿を見せるキュレムたち。

 

 きっと、あちらももう余裕がないことから、速くけりをつけることを望んでいることだろう。

 

 恐らく、次の攻撃が最後のぶつかり合いだ。

 

 それを覚悟した6人は、各々が得意とする技をため込んでいく。

 

 ディアルガは宇宙色の。

 

 ゼクロムは雷の。

 

 パルキアはピンク色の。

 

 レシラムは炎の。

 

 ギラティナは黒の。

 

 キュレムは氷の。

 

 各エネルギーを溜め、全員が身体に溜め込んだエネルギーと同じ色に自身を発光させながら、最後の攻撃へと移行。この場にいる全員のエネルギーが、チャージ完了すると同時に口元から解き放たれた。

 

 打ち出された技は、ときのほうこう、クロスサンダー、あくうせつだん、クロスフレイム、シャドーボール、そしてふぶき。

 

 各々の得意とする技を全力をもって解き放ち、全員の中心地点でぶつけあう。

 

 瞬間広がる鍔迫り合いと、強烈な衝撃。

 

 轟音を立てながら周囲に撒き散らされたその衝撃は、ここまでのバトルですでに大荒れしている大地が更に荒れ、周囲に見える木も90°に折れ曲がる勢いでなびくほど。

 

 それほどまでに強烈な技の鍔迫り合いは、しかし、最後の意地か、はたまたダイマックスのおかげか、それともクロスサンダーとクロスフレイムの共鳴のおかげか、結果として、ゼクロムたちの方に少し軍配が上がり、徐々にぶつかり合う地点がディアルガたちに寄っていく。

 

 やはり、先ほど挙げた点がどれも強みとなっているみたいで、どうしてもこちらの方が火力で負けてしまっており、これを押し返すのは難しい。

 

 このままでは、ディアルガたちが押し負ける。

 

「ディアッ!!」

「パルッ!!」

 

 しかし、ディアルガもパルキアも、まるで心配をしている様子はない。なんなら、勝ちを確信しているような声をあげている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな2人の視線の先には、肩で息をしながら、それでも目に込める意志だけは変わっていないギラティナの姿。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギュアァッ!!」

 

 2人の視線を受けて、自身の最後の力を振り絞り、キュレムたちの周りに小さな異空間の穴を無数に作り出したギラティナ。それはまるで、先ほど氷の結界に閉じ込められたときのお返しの様で、ゼクロムたちに嫌な予感が走る。そして、そんな嫌な予感を裏付けるように、開けられたすべての穴からクロスフレイムとクロスサンダーの弾幕が打ち出され、ゼクロムたちを襲っていった。

 

 これらはすべて、少し離れたところで、未だに氷の結界の中で反射し続けているクロスフレイムたちを再利用した攻撃だ。

 

 

「「「ッ!?」」」

 

 

 全方位から打ち出された弾幕は、ゼクロムたちに確かなダメージを刻み込む。とはいえ、このクロスフレイムたちは少し前に発射され、ずっと反射を続けていた攻撃だ。故に威力はそこそこ減衰していおり、これだけではゼクロムたちを倒し切るには至らない。

 

 が、問題は、今放っている技に対する集中が切れたという点。

 

 今現在、彼らはディアルガたちと鍔迫り合いをしていた。なのに、そちらへの対処が出来なくなったということは、鍔迫り合いがそもそもできなくなったという事。

 

 そして、相手の技を止めるものが無くなったということは、さっきまで止まっていた攻撃がゼクロムたちへ襲い掛かっていくという事。

 

 

「キュ━━!?」

 

 

 その事に気づいたキュレムが慌ててもう一度ふぶきを行おうとし、しかしそれが間に合うことはなく、ときのほうこうとあくうせつだん。そして、シャドーボールがゼクロムたちに突き刺さり、大爆発。

 

「ギュア……」

 

 同時に、全ての力を使い果たしたギラティナが、空中の穴をすべて閉じていく。

 

「ディア……」

 

 全ての攻撃が止み、一転して静かになった戦場を見つめるディアルガは、落ち着いたように声を零す。

 

「パル……」

 

 そして、パルキアが声を零すと同時に、全員そろってオリジンフォルムを解除。フリアたちにとって見慣れた姿に戻った3人の目の前には、ダイマックスが切れ、元の大きさに戻った状態で地に伏すゼクロムたちの姿があった。

 

「……ギュア」

 

 決着。

 

 これで約束通り、この街を守ることが出来た。

 

 大好きなあの子たちの役に立つことが出来た。そのことに満足感を得た伝説のポケモンたちは、おおよそ伝説のポケモンと言うには似合わない、かわいらしく、嬉しそうな声を零しながら、空を見上た。

 

『こっちは片付いた。だから、あとは頑張れ』

 

 遠くで頑張っているであろう大好きな人間に、エールを送りながら……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディアルガ&パルキア&ギラティナVSゼクロム&レシラム&キュレム

 

 勝者、ディアルガ&パルキア&ギラティナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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