【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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334話

「ペア……」

「教えて、あなたは━━」

「ズアアァァッ!!」

「っ!!今大事なことを話している途中なのよ!!邪魔しないで!!ミミロップ!!トゲキッス!!」

「キキィッ!!」

 

 ワイルドエリアは預かり屋さん前。

 

 フリアたちを乗せていったファイヤーとフリーザーを見送った、わたしとサンダーの前に現れた夜と星空を彷彿とさせるような大きなポケモンと、真っ黒な水晶体を彷彿とさせるような大きなポケモン。

 

 どちらもダイマックスしているわけではないのに、わたしなんかよりもはるかに大きいその姿は、まごうことなき伝説の圧を放ったポケモンたち。だけど、その片方である、夜と星空のポケモンに対してどこか既視感を覚えたわたしは、質問の言葉を投げかけようとしていた。

 

 しかし、そんなわたしの言葉を遮るかのように響く黒色のポケモンの叫び声。

 

 この場に現れた時点で、すでに夜のポケモンが劣勢となっていたあたり、どうやらこの夜のポケモンに対して並々ならない感情を抱いているらしい。そんな彼にとってはわたしの方が邪魔らしく、お互いの利害が不一致しているとなればぶつかり合うのは必至。

 

 叫び声をあげたと同時に黄色に光る球を打ち出してきたのに対して、こちらもトゲキッスとミミロップを呼び出し、トゲキッスはエアスラッシュ、ミミロップはとびはねるを行う。そして、そんなわたしたちの行動に追従するかのように、サンダーもらいめいげりを放つことによって対応を開始。輝きの色と言い、弾の周りを包んでいるびりびりとしたように見える光と言い、もしかしたらでんきタイプの技なのかと思ったものの、どうやらそうではなかったみたいなのでひとまずは安心。

 

 かくとうタイプが得意であるガラルサンダーが少し嫌そうな顔を浮かべていたので、むしタイプかエスパータイプ、フェアリータイプ、ひこうタイプ、そしてどくタイプのうちのどれかと言うことになりそうだ。

 

(あの輝き的には、エスパータイプが一番有力かしら?……って、今はそれよりも大事なことがあるわね)

 

「エンペルト『ハイドロポンプ』!!マンムー『つららおとし』!!エテボースは『ダブルアタック』!!とにかく時間を稼いでちょうだい!!」

 

 いつもの癖で、初見の相手に対してタイプの考察を回していたところをすぐさま切り替えて、傷ついた夜のポケモンの方に足を向けていく。

 

「ペア……ッ!?」

「大丈夫?しっかりして」

「ぺ……ぺア……ッ!!」

「警戒する理由は分かるけど、今だけは言うことを聞いてちょうだい。お願い、あなたが関係あると思うほしぐもちゃんのためだから……!!」

「ペア……」

 

 エンペルトたちに時間稼ぎを任せたと同時に、体力の限界が来たのか、羽ばたきをやめて地面に身体を落とす夜のポケモン。そんな彼(彼女?)の近くに走って、バッグからすぐさま簡易的な治療道具を取り出したわたしは応急手当の準備を整えていく。

 

 夜のポケモンからしたら、急に近づくなりいきなり見慣れない道具を取り出してきた相手に対して、当然警戒心をあらわにするけど、こっちは残念ながらそれどころではない。本当なら、ゆっくり警戒心を解いて、無理のない治療をしていあげたいのだけど、現状そんな時間を確保することなんてできないので、おそらくこの子にとって一番大事な事柄であろうほしぐもちゃんのことを盾にして、無理やり落ち着いてもらう。

 

 そんなわたしの必至さと、ほしぐもちゃん……コスモッグのことを知っているであろうわたしと言う存在の重要さが伝わったのか、渋々と言った感じでおとなしくなる夜のポケモン。伝説のポケモンないし、それに近しいと思われる存在と言うこともあって、知性が高いらしい。

 

(とりあえず、話が通じてくれているみたいで助かったわ。さ、早く治療しちゃいましょう)

 

 後ろで聞こえて来る激しい戦闘音をBGMに、手早く道具を扱って夜のポケモンを治療。勿論、本職の人と比べたら何もかもが劣ってはいるものの、それでも、数回の戦闘を難なく行えるくらいには体力を取り戻せているはずだ。

 

「これでどうかしら?ひとまず、目につく傷の手当はしたけど……」

「ペア……」

 

 実際、治療が終わると同時に夜のポケモンから少し距離を取ってみると、夜のポケモンは翼を広げ、再び宙に浮かび始める。

 

 声をあげながら身体を見渡して、少し強めに羽を動かしてみた夜のポケモンも、痛みが大分なくなって、且つ動きに不自由が無くなったのを感じたのか、少しだけ満足そうにうなずいた。

 

 これで少しはこちらの言葉を信じてくれるようになっただろうか。

 

「……」

「……ペア」

 

 自分の身体の調子を確かめている夜のポケモンをじっと見つめていると、どうやらわたしを信じてくれるようになったらしいこの子は、真面目な顔をしながらも、若干視線と圧を弱めながらこちらを見つめ、頷いてくれた。

 

 どうやら完全に信じ、そしてわたしに話を促しているようだ。

 

「信じてくれてありがとう。じゃあ早速ほしぐもちゃんの場所を教えるわね。……ほしぐもちゃんは今、あの建物にいるわ」

 

 そういいながらわたしが指を差したのはナックルシティの方面。

 

 ここからでも見えるくらい、立派な古城のように見えるナックルスタジアムだが、みんなが言うにはあそこの地下に研究施設みたいなものがあり、そこなのではないかと言う話。

 

 残念ながら、わたし自身がナックルシティに立ち寄ったことがないため、全てが人伝いの話にはなってしまうが、それが信頼できる仲間からの言葉であるのならばきっと正しい。だから、そのことを疑うことなく夜のポケモンに告げてみれば、あちらはナックルシティの方に目を向け、目を閉じて意識を集中しだし、自身の身体をほんのり光らせた。

 

(何か、血縁の絆とか不思議な力とかみたいなものでほしぐもちゃんの気でも探っているのかしら……?)

 

 出会ったことのないポケモンだし、あの黒のポケモン同様、神秘的な力を感じるこの子もエスパータイプを内包していそうなことから、おそらく何かしらの感知がある可能性を考慮し、黙って夜のポケモンの動作を見つめておく。すると、何かを感じ取ったのか、弾かれるようにこちらを振り返ってきた夜のポケモンが、慌てて声をあげて来る。

 

「ペアッ!!ペアッ!!」

「そう、ちゃんと見つかったのね。よかったわ」

 

 その様子から、目的の存在が見つかったのだと察したわたしは、どこか安心したような、しかし同時に早く会いたいと焦ってもいるような、矛盾した気持ちを抱えておろおろしている夜のポケモンが、本当に母親が迷子の子の手がかりを手に入れた瞬間に見えて、物凄くほっこりしてしまった。

 

 願わくば、このままちゃんと再会を果たしてほしい。

 

「そのためにも……!!」

「ズアアァァッ!!」

 

 慌てている夜のポケモンから視線を移せば、そこには虹色のレーザーを放って、サンダーとわたしのポケモンたちを追い返してきた黒のポケモンの姿。

 

 どうやら今しがた放った攻撃が、あの黒のポケモンの必殺技の様なものらしく、そのすさまじい威力によって、周りの地面に複数の小さなクレーターが作られていた。流石はこの夜のポケモンを1人で追い詰めていただけはある。

 

 更に、ここで黒のポケモンを後押しするような出来事が起こった。

 

「ズアッ……」

 

 それは赤い光の集束。

 

 今やガラル地方の全土に広がる赤い光。それがどんどん黒のポケモンへと集まっていき、その姿を大きく変化させていく。

 

 

「ズアアァァッ!!」

 

 

 ダイマックスエネルギーを直接摂取することによる、強引なダイマックス化。

 

 身体を大きくさせ、力と体力を強化した黒のポケモンは、何が何でも夜のポケモンを捕まえんと、声をあげて力をため始める。

 

「ペア……!!」

 

 当然自身が狙われているということを理解している夜のポケモンは、この黒のポケモンに対して、急に大きくなったことに驚きながらも抗戦態勢を取った。

 

 ようやく出会えるかもしれない大切な存在を前にして、絶対に倒れるわけにはいかないと気合を入れるその姿からは、とてつもなく大きな圧力を感じ、例え強化された黒のポケモンを前にしても、全然負けなさそうな空気を感じた。

 

 ……が、そんな夜のポケモンの動きを、わたしは腕を伸ばして制する。

 

「ダメよ。あなたは戦っちゃ」

「ペア……?」

 

 わたしの行動が予想外だったのか、どうして止めるのかと言う顔を浮かべながら、こちらに視線を向けて来る夜のポケモン。

 

 そんなこの子に対して、わたしはしっかりと目を合わせながら言葉を続ける。

 

「あなたはここにほしぐもちゃんを探しに来たのでしょ?なら、こんなやつに構ってちゃダメ。ここはわたしに任せて、ほしぐもちゃんに会いに行きなさい!!」

「っ!?」

 

 まさか、わたしにこんなことを言われると思っていなかったらしい夜のポケモンは、驚いた表情を浮かべながらわたしを見てきて、そして表情をだんだんと、なんでそこまでしてくれるのかと言う疑問のそれへと変えていく。

 

 それを感じ取ったわたしは、すぐさま返答して、少しでも早くこの子がほしぐもちゃんを迎えられるようにする。

 

「ほしぐもちゃんと過ごした時間は確かに短いけど、それでもつないだ絆は確かなものだって思っているわ。あんなかわいい子が、やっと大切な人と会えるっていうのに、それを邪魔させるわけにはいかないでしょ!!きっと今も、寂しい思いをしているわ。だから……あなたは早く迎えに行きなさい!!それがあなたの役目でしょ!!」

「……ペアッ!!」

 

 わたしからの発破を受け、理解した夜のポケモンは、わたしにありがとうとでも言っているかのような声をあげて、視線をナックルシティへと向けた。

 

 この子の力なら、おそらく数分もすればナックルシティに辿り着ける。

 

 今もあの場で動けないであろうほしぐもちゃんを助けるのは1秒でも早い方がいいし、それならば夜の子は1秒でも早く駆け付けた方がいい。なら、わたしがするべき最前の行動は、ここでこの子の代わりにこの黒いポケモンを抑えること。

 

「だから、安心していきなさい!!……あ、でもこの画像だけは見せておくわ」

 

 と、ここまで考えて一番大事なことを思い出したわたしは、慌ててスマホを取り出して、ここ数日の間に撮った写真を夜のポケモンに見せていく。

 

 それは、これまでの間にほしぐもちゃんたちと取った思い出の写真。

 

 どれもみんながいい笑顔で映っている、今でも鮮明に思い出せるその写真風景は、今この場では、ほしぐもちゃんの無事を伝える安心材と、このポケモンに対する仲間紹介と言う2つの意味を持つものになる。

 

「今、この写真に写っている人たちもわたしの仲間で、一緒にほしぐもちゃんを助けに向かっているわ。もしナックルシティに行って、この人たちに出会ったら声をかけてちょうだい。きっとあなたの力になってくれるわ!!」

「ペアッ!!」

 

 このやり取りをもって、いよいよ伝えたいことを伝え終えたわたしは、今度こそ視線を黒いポケモンへむけ、同時に夜のポケモンはナックルシティへと翼を広げて、飛び立つ準備を整えた。

 

 

「ズアアァァッ!!」

 

 

 この行動を見て、黒いポケモンは絶対に逃がすまいと光をチャージ。全身を虹色の光に包み込んだ相手は、先ほどここにいる全員を押し返した彼の必殺技を構え始めた。

 

 どうやら、ダイマックスして大きくなったのを利用して、全方位を無差別に攻撃してわたしたちごと夜のポケモンを行動不能にするという考えらしい。

 

「みんな!!全力で止めるわよ!!」

「キキィッ!!」

 

 この技を止めるべく、わたしの手持ちを全員呼び出して技を構え、サンダーも雷を足に纏いながら攻撃の準備。それが終わると同時に、黒のポケモンから虹色のレーザーが無数に放たれ、夜のポケモンが空へと飛び立った。

 

 ハイドロポンプ、エアスラッシュ、つららおとし、ダブルアタック、とびひざげり、らいめいげり。そしてこれらすべてを強化するてだすけをもって、虹色のレーザーに対抗するわたしたち。

 

 降り注ぐ虹色の雨は、その1つ1つが強烈な威力を秘めており、こちらが全力で対抗しているのにもかかわらず、徐々に押され始めるほどの威力を持っていた。

 

「ぐっ、流石に威力が高いわね……」

「ぺ、ペア……」

「こっちは大丈夫!!気にしないで!!」

 

 7人がかりで抗っているというのに、それでも押されている現状に少なくない焦りを感じるわたしたちと、そんなわたしたちを見て、振り返りながら声をあげる夜のポケモン。

 

 あの子の優しさを前に、やはりほしぐもちゃんと繋がりがある子なんだと確信したわたしは、そのうえであの子からの手助けを蹴る。

 

 わたしだってプライドはある。あれだけの啖呵を切って、やっぱり駄目でしたなんて、そんなのはわたしの心情が許さない。

 

(ほしぐもちゃんのためにあんなことを言ったんだから、ここは絶対に死守する!!)

 

「みんな!!何が何でも勝つわよ!!」

 

 

「ズァッ!?」

 

 

 絶対に負けたくない。そんなわたしの思いを感じ取ったエンペルトたちも、声をあげながら全力で抗っていき、黒のポケモンに対してちょっとずつ押し返していく。

 

 気迫がすさまじかったのか、黒いポケモンはこの一幕にびっくりして一歩下がった。そこをチャンスと捉えたわたしたちは、更に技の出力を上げて一気に押し返そうと頑張る。

 

 

「ズ……ズアアァァッ!!」

 

 

 が、向こうもただでは終わらない。

 

 負けじと出力上げてきたことによって、虹色の雨の量が増加。それにより、せっかく押し始めていたこちらの流れを完全に止め、再び押し流して来ようとする。

 

 お互い意地と意地のぶつかり合い。

 

 一歩も譲らないその攻防は、しばしの均衡を見せた。

 

「……くっ、本当に凄い力ね!!そこまでしてあの子が欲しいっての!?」

 

 その均衡は、こちらの不利と言う形で崩れ始めていく。

 

 もはや意地を越えて執念すら感じるその攻めに若干の恐ろしさを感じてしまい、思わず1歩、後ずさりをしてしまう。

 

 このままでは、間違いなく押し切られる。

 

 間違いなく危ない場面。何なら、このまま押し切られれば、近くにいるわたしも巻き込まれて、怪我ではすまない一撃を受けるかもしれない。

 

 本当なら、今すぐここを離れるべき場面。

 

「ペアッ!!」

 

 それを感じとって、夜の子も慌てて戻ってこようとしてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけど、それでもわたしはあきらめない。

 

(だって……わたしにはまだ、頼れる仲間がいるから!!)

 

「ギャォ!!」

「フォォ!!」

 

 わたしたちのピンチに駆け付けてきたポケモン。

 

 それは、フリアたちを送り届けて終わったガラルファイヤーとガラルフリーザー。

 

 役目を終えた彼らが、急いでここに戻って、わたしの援護に駆け付けてくれた。

 

 ファイヤーは漆黒の波動を、フリーザーは凍てつくような光線を、それぞれわたしたちの攻撃を後押しするように放ち、押されていた鍔迫り合いを再び押し返していく。

 

 再び拮抗状態に戻ったぶつかり合いは、やがて限界を超えて大爆発を起こし、綺麗な相殺という引き分けで決着。辺りに爆風と衝撃を残すだけとなった。

 

「ありがとう、ファイヤー、フリーザー。助かったわ」

「ギャォ!!」

「フォォ!!」

 

 黒い翼と紫の翼をそれぞれ広げる両者は、今までにないくらいの頼もしさを感じさせてくれると同時に、今しがた引き返そうとしていた夜の子に対しても、大丈夫と言う安心感を与えてくれた。

 

「強力な仲間も返ってきた。だから本当に大丈夫よ。さあ行きなさい!!」

「……ペア!!」

 

 そして今度こそナックルシティへと飛び出っていく夜のポケモン。

 

 その後ろ姿は、もう見えない。

 

「ふぅ……本当に、次から次へと問題ごと持ってきちゃって……こちとらダイマックスバンドなんか持ってないってのに……」

 

 これで心置き無くたたかえる。

 

 とは言うもの、やはりダイマックスを行えないわたしにとって、今回のようなバトルは不向きと言わざるを得ない。なんせ、相手と立っている土俵が違うのだから。

 

「はぁ……ほんと、いよいよあいつらの思考がう伝染り始めているかもしれないわね……」

 

 だと言うのに、こんな状況をどこかワクワクしている自分がいるのをちゃんと感じる。

 

 それは恐らく、今わたしの横にいてくれているこの子たちのせいだ。

 

「キキィ!!」

「ギャォ!!」

「フォォ!!」

「まさか、あなたたちとこうやって肩を並べて戦うことになるだなんて、夢にも思わなかったものね」

 

 黒のポケモンに向かい合うわたしの横に並んで来たサンダー、ファイヤー、フリーザー。

 

 カンムリ雪原では、お互いのちょっとした気持ちのすれ違いやらなんやらで、四つ巴のバトルを繰り広げていたわたしたちが、何の因果か、今はこうして仲間として、1人の巨大な敵に立ち向かおうとしている。

 

(敵だった存在が最後に味方になって一緒に戦う。まるで少年漫画みたいな展開ね。しかも、『俺のことはいいから先にいけ』のおまけ付き)

 

 こんなシチュエーション、燃えないわけが無い。

 

「大体の場合、こう言う状況って若干負けフラグ臭いのが納得いかないところだけど、そんなものは物語のお話。今回はへし折ってやるわ。……みんな、力を貸してちょうだい!!」

「キキィ!!」

「ギャォ!!」

「フォォ!!」

 

 わたしの呼び掛けに、3鳥が声を上げながら応えてくれ、同時にらいめいげり、もえあがるいかり、いてつくしせんを放った。

 

 これに対して黒いポケモンは、まずは巨大な右腕を盾にしてらいめいげりをガード。そのまま体格に物を言わせて振り払い、続いて飛んできたもえあがるいかりに対してはパワージェムを発射して相殺。そして最後のいてつくしせんは、両腕にシャドークローを纏い、振り回すことでかき消してきた。

 

 3鳥の波状攻撃をあっさりと跳ね返すその姿は、こちらにしっかりとプレッシャーを与えてくる。が、それでもこちらが引く理由にはならない。

 

「エンペルトは『ハイドロポンプ』でトゲキッスは『エアスラッシュ』、マンムーは『つららおとし』!!パチリスは『てだすけ』よ!!」

 

 3鳥の攻撃を追いかけるように放たれる激流と斬撃と氷柱。

 

 てだすけによって強化されたそれらは、3鳥の攻撃を凌いだばかりで、ほんのちょっと隙を晒している黒のポケモン目掛けて飛んでいく。

 

 さすがにジムリーダーの人たちや、伝説のポケモンと比べれば練度は落ちるものの、てだすけのおかげで威力自体は遜色ないものとなっているこの攻撃は、あちらにとって無視できるものでは無い。3鳥の攻撃を捌いてすぐのため、若干姿勢を崩している状態だけど、反撃しないとダメと判断した黒のポケモンは無理やり光の球を作成し、発射。

 

 このバトルが始まってすぐの時も見た技だけど、ダイマックスしているせいで規模が大きくなったその技は、不完全ながらもかなりの威力を秘めているためか、こちらの攻撃をしっかりと相殺し、再び大きな衝撃の嵐を辺りに撒き散らした。

 

 この爆風は敵味方なく叩きつけられ、エンペルトたちは勿論のこと、態勢を崩した状態で技を放った黒のポケモンまでもが爆風にあおられて、完全にバランスを崩した。

 

「今よ!!ミミロップは『おんがえし』でエテボースは『ダブルアタック』!!」

「ミミッ!!」

「エポッ!!」

 

 

「ズ……ァ……ッ!!」

 

 

 その隙をしっかりと確認したわたしは、この時のために控えていた2人に指示。飛び出したミミロップとエテボースは、それぞれ足技と尻尾をもって追撃し、思いっきり殴り抜ける。

 

 不意を突いたその一撃は黒のポケモンにしっかりと突き刺さり、その身体を大きく後ろに吹き飛ばした。

 

 致命傷とはいかないけど、これだけダメージを与えておけば、もう向こうはこちらを視線に入れ続けることだろう。

 

 

「ズァッ!!」

 

 

 その証拠に、こちらを威嚇するように吠える黒のポケモン。

 

 そんな彼に、こちらも負けじと声をあげる。

 

「こっちだって負けられないのよ!!つべこべ言わずに、こっちだけ見てかかってきなさい!!」

 

 ダイマックは出来ない。しかしそれは、この場においてはなんの言い訳にもならない。

 

 大切な友達の感動の再会。それを守るための、譲れない戦いに、わたしは挑んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルナアーラ

設定上はしっかり女性らしいですよ。




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