【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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336話

「ロズレイドは『エナジーボール』!!ヘラクロスは『タネマシンガン』!!エンペルトは『ハイドロポンプ』!!」

「フーディン『サイコキネシス』!!ブーバーンは『かえんほうしゃ』でピクシーは『ムーンフォース』!!」

 

 

「ジ……ガガァッ!!」

 

 

「くっ……ドダイトスは『ウッドハンマー』でガブリアスは『げきりん』!!マニューラは『つじぎり』!!」

「ムクホークは『インファイト』でカビゴンは『アームハンマー』!!ギャロップは『かえんぐるま』だ!!」

 

 降り注ぐ緑色の雨とこちらの攻撃がぶつかり合い、それでも落とし切ることの出来ない雨が地面へと落ち、辺りに爆発音が響き渡る。

 

 ナックルシティの入り口、ワイルドエリア側。

 

 そこでは、緑のダイマックスポケモン対おれとジュンのバトルが行われていた。

 

 見たことのないポケモンではあるけど、こいつから感じる圧力が、ディアルガたちと同格であることをこれでもかと言うくらいアピールしてくる。

 

(ディアルガたちと会っておいてよかったと、今日ほど思ったことはないな……)

 

 このプレッシャーに対して多少の耐性があるのは彼らのおかげだし、今回ゼクロムたちも抑えてくれているので本当に頭が上がらない。いや、相手は神のポケモンなんだから、本来は頭は上がらなくて普通なんだが。

 

 と、そんなことは置いておいて。

 

 此方が12人がかりで攻撃しても尚、技ひとつで返してくるというとんでもない力を秘めた緑のポケモン。これでまだダイマックス技を使ってきていないというのだから、恐ろしいことこの上ない。

 

「真正面からやってもどうしようもないな……」

「とはいっても、生半可な小細工じゃ力でつぶされて終わりだぞ……」

 

 落ちて来る緑の雨を何とかやり過ごしながら、隣にいるジュンと言葉を交わしていくが、現状既に嫌な空気が漂っており、頭を悩ませてしまっている。

 

 相手のタイプもよくわからないし、こちらがすることの出来ないダイマックスをしているというのもとても大きい点だ。

 

(せめて、おれにメガシンカとかがあればまだ楽だったんだがな……いや、ないものねだりしても仕方ない。こんな時のためのあの力だろ?しっかり()()!!)

 

 頬を軽く叩き、前を向いてじっと緑のポケモンを視ていく。すると、なぜかわからないけど、あの緑のポケモンの急所と言うのが、自然と見えて来る。

 

「結局やることは変わらない。ピクシー!!『コスモパワー』と『めいそう』!!ガブリアスは『つるぎのまい』!!フーディンとマニューラは前に出て攪乱!!」

「ムクホーク!!ギャロップ!!フーディンたちと一緒に前に出るんだ!!『つばめがえし』と『ニトロチャージ』!!ヘラクロスは『つるぎのまい』で、カビゴンは『のろい』をしてこっちも準備するんだ!!」

 

 しかし、ただ急所を突くだけでは、巨大且つ膨大な体力を持つ緑のおポケモンに致命打を与えることはできない。なので、一撃でとにかく大きなダメージを与えるために、こちらのポケモンを前に出て攪乱するチームと、その間に自身を成長させ、強力な一撃を決めるための準備をするチームに振り分け、残りをいざという時に柔軟な対応をするための控えとして動かしていく。

 

 緑のポケモンを中心に、周りを駆け回るギャロップ、マニューラと、飛び回るムクホーク、フーディンが、少しでも視線を釘付けにするためにちょっかいを出し続けていく。

 

 まず緑のポケモンに到達したのはギャロップとムクホーク。

 

 炎を纏ったまま体当たりを仕掛けるギャロップと、風を纏ったまま突っ込むムクホークは、少しでも相手の集中力を乱すために、ムクホークは緑のポケモンから見て右側の上空から、ギャロップは左側の地面から突撃を仕掛けていく。

 

 

「ジガガァッ!!」

 

 

 この攻撃に対して、緑のポケモンは尻尾を振り回してワイドブレイカーを発動。ギャロップをこの一撃で弾き飛ばし、そのままの勢いを維持して尻尾を地面にぶつけ、続けてストーンエッジを放った。これにより自身とムクホークの間に岩の柱を呼び出し、これを盾とすることで、ムクホークの突撃を無効化した。

 

「マニューラは『つじぎり』でフーディンは『サイコキネシス』!!」

 

 弾かれたギャロップは空中で受身をとって態勢を戻し、岩に突っ込んだムクホークは、両足を前に突き出して岩に無理やり着地し、何とか衝撃を吸収して再びジャンプ。両足に大きな負荷がかかりはしたものの、ギャロップのようなダメージを特に負うことなく、再び空へと移動を始める。

 

 そして、そんな2人と入れ替わるように前に出たのが、爪を伸ばしながら漆黒に染め、剣のように構えたマニューラと、両手のスプーンから強力な念動力を放っているフーディン。

 

 マニューラは、その自慢の速度を持って一瞬で懐に潜り込み、フーディンは緑のポケモンの真上に位置取り、打ち下ろすように技を放っていた。

 

 フーディンの攻撃範囲にはマニューラも入っており、普通ならマニューラもダメージを受けてしまうことになりはするが、マニューラはあくタイプを持っているため、この攻撃に巻き込まれる心配は無いので安心して攻め続けることが出来る。そのことを考慮したサイコキネシスは、マニューラの攻撃をギャロップと同じように防ごうと放たれたワイドブレイカーを一瞬硬直させることに成功。その間にマニューラが一陣の風となって駆けて飛翔し、マニューラは降りそそぐサイコキネシスを無視しながら、ワイドブレイカーを飛び越えて緑のポケモンの眼前まで接近。そこから、右手の爪を振り抜けながら通り抜け、ダメージを与えていく。

 

「ニュラッ!!」

「ドダイトス!!『じしん』!!」

「エンペルト!!『ハイドロポンプ』!!」

 

 おれの指示からしっかりと急所に攻撃を当て、わずかながらにも相手にダメージ硬直を与えたところで、こちらに向かって声をあげるマニューラ。

 

 まるで『俺に続け』と言わんばかりのその声にすぐさま反応したおれとジュンは、それぞれ一番の相棒の得意技を指示。ドダイトスの巻き起こすじしんと、エンペルトが吐き出すハイドロポンプが、つじぎりが刻まれた場所のダメージを更に増加させんと猛進していく。

 

 

「ジガガァッ!!」

 

 

 しかし、そうは問屋が卸さない。

 

 地面に尻尾を叩きつけ、岩の柱をたくさん生やしたことによって、これらの攻撃をガードした緑のポケモンは、じしんとハイドロポンプによって砕けた岩に向かってワイドブレイカーを放ち、岩石の弾幕を放ってくる。

 

 いや、正確にはハイドロポンプとじしんが当たっておらず、綺麗にそびえたったままの岩すらも尻尾で砕き、礫としてこちらに向かって発射してきている。

 

 その数と規模はすさまじく、こちらのポケモンたちで落とすには少し大変な量となっていた。

 

 だから、ちょっと工夫する。

 

「ジュン!!ロズレイドで合わせてくれ!!ブーバーン!!『ほのおのうず』!!」

「お、何か思いついたんだな!!任せろ!!ロズレイド!!『リーフストーム』!!」

 

 飛んでくる岩石の雨に対して、こちらは炎と草の嵐を呼び起こし、この2つを合わせることによってさらに大きな竜巻を生み出していく。

 

 草が延焼して、そこに風を巻き込むことによってさらに火力を増したこの攻撃は、周りの空気が暖められ、気圧が下がったことによる気流の流れも合わさって、飛んでくる岩を次々と中心へ呼び込んでいく。

 

「まとめろ!!ドダイトス!!『ハードプラント』!!」

 

 燃え盛る火炎の嵐に呼びこまれ、その中心にてどんどん集まって固まっていく岩の弾幕たちは、ドダイトスが地面を踏みしめると同時に生えて来る巨大な根っこによってさらにまとめられ、1つの大きな塊へと変化。根っこの網によって縛り付けられ、そのうえで炎の嵐によって引火もされたその塊は、質量を伴った、大きな1つの火の玉へと変わっていった。

 

 しかし、これではただ集めただけで、こちらに降ってきているという状態に変わりはない。だから、ここで最後の仕上げを叩き込む。

 

「フーディン!!『テレポート』!!」

 

 燃え盛りながらこちらに落ちて来る大きな火の玉に対して、フーディンが自身の身体をサイコパワーでコーティングしながらスプーンを当ててテレポートを発動。これによって一瞬で姿を消した火の玉は、緑のポケモンの真上に瞬間移動し、彼を襲う隕石として落ちていく。

 

 

「ジガッ!?……ガガガァッ!!」

 

 

 ストーンエッジにワイドブレイカー。そしてリーフストームにほのおのうずとハードプラントと、5つもの技が組み合わさってできたこの隕石は、流石の緑のポケモンもまずいと判断したのか、全身に緑色のオーラを纏った後に解放。いくつもの緑の雨が、逆再生するかのように地面から空に昇り、堕ちて来る隕石に対して全力で対応し始める。

 

「一気に行くぞ!!ガブリアスは『げきりん』!!ピクシーは『アシストパワー』!!」

「ヘラクロスは『メガホーン』!!カビゴンは『ギガインパクト』!!」

 

 上から落ちて来る隕石に集中している今こそこちらの攻撃チャンス。これまでの間につるぎのまいやコスモパワーにめいそう、そしてのろいなどを積んでとにかく自身の能力をあげてきたメンバーによる全力攻撃を合わせて解き放つ。

 

 

「ガァッ!?」

 

 

 隕石に対して攻撃を放ち、これを粉々に砕いた緑のポケモンは、この連続攻撃まではさすがに手が回らない。

 

 まず最初に身体を襲ってきたアシストパワーに対しては特に防御行動をとることなく受け入れ、この際自分から後ろに飛ぶことで大きく後ろに下がっていく。こうして距離を技と取ることによって、追いかけるように突き進んでいくガブリアスとヘラクレス、そしてカビゴンの攻撃に対して対処する時間を無理やり稼いだ緑のポケモンは、すかさず地面に尻尾を叩きつけて岩の壁を設立。これで攻撃を受け止めようと企てていく。

 

「甘い!!ぶち壊せ!!」

 

 しかし、能力をあげた今のガブリアスたちにとってこの壁は豆腐よりも脆く、軽く触れるだけで簡単に打ち砕かれ、せっかく空いていた緑のポケモンとの距離を一気に詰めていく。

 

 

「ジガガァッ!!」

 

 

 岩の盾を一瞬で砕かれた緑のポケモンが次に行ったのはワイドブレイカー。

 

 どうやら最初から岩だけで止められるとは思っていなかったらしく、崩れたと同時に放たれたこの技は、素早さの関係上前を走り、今まさに岩の壁を崩したばかりのガブリアスとヘラクレスにとって、視界が開けたと同時に襲い掛かって来る奇襲攻撃となって迫る。

 

「ガブァッ!!」

「ヘラッ!!」

 

 これに対して何とか反応した2人は、尻尾に対して自慢のヒレと角をぶつけて鍔迫り合い状態へと持っていく。

 

「ガ……ブ……ッ!!」

「ヘラ……ッ!!」

 

 

「ジガ……ッ!!」

 

 

 ダイマックスした伝説のポケモンと、2人がかりでの鍔迫り合い。

 

 たった2人で伝説のポケモンと互角に渡り合おうとしているその姿は頼もしさを感じさせ、能力上昇の恩恵をこれでもかと言うくらいに実感する。

 

「カァビィッ!!」

 

 そんな熱い展開に加わるもう1つの影。

 

 全身に力を込めて、思いのまま突進してくるカビゴンの姿はまさに戦車の行進。

 

 鍔迫り合いで必死になっている緑のポケモンに対して、ダメ押しとばかりに突っ込んでいくカビゴンの攻撃を止める方法は、いくら伝説のポケモンとはいえ持ち合わせてはいないみたいで……

 

「カァビィッ!!」

 

 

「ジガッ!?」

 

 

 渾身のギガインパクトを受けた緑のポケモンは、さらに大きく吹き飛ばされ、ナックルシティの入り口から距離を取らされる。

 

「よし!!さすがにこれは効いただろ!!」

「良いダメージが入っているのは間違いないな。このまま押し切るぞ!!」

 

 アシストパワーとギガインパクトがしっかり決まったことによって、苦しそうな声をあげながら態勢を崩している緑のポケモンを視て、しっかりとした手ごたえを感じたおれとジュンは更に攻めることを選択。反動や代償によってうまく動けないガブリアスとカビゴンたちと入れ替わるようにしてギャロップとムクホーク、マニューラ、フーディンが前進していった。

 

「『かえんぐるま』と『つばめがえし』!!」

「『つららおとし』と『サイコキネシス』!!」

 

 怯んでいる緑のポケモンに対して次々と飛んでいくこちらの攻撃。

 

 相手のタイプがまだしっかりとわからないからとにかくありったけの攻撃を次々と注いでいくこちらは、短期決戦を目指してどんどん攻めていく。

 

(正直なところ、あいつのタイプをしっかりと見極めて弱点を突きたくはあるんだがな……)

 

 相手が得意としている緑色の雨の攻撃からタイプが想像できるのかもしれないと思い、一度あの攻撃を受けたみんなの反応を見てみたはいいものの、どうしても齟齬が生まれる場所があってうまく見極められなかった。

 

(おれたちのメンバーだとブーバーン、ギャロップ、エンペルトが苦しそうにしていた辺り、全員に共通で弱点となってるじめんタイプを持っているポケモンなのかと思ったんだけどなぁ……そうなるとムクホークにも攻撃が当たっているのが謎だ)

 

 ひこうタイプであるムクホークには、例え球として飛んでいく技であっても、それがじめんタイプの技であるのなら、ひこうタイプの加護によって弾くことができる。なのにそれが出来ていないというのがどうしてもノイズとなってうまく思考がまとまらなかった。

 

 だからこその物量攻撃。

 

(一応予想としては、『ワイドブレイカー』を多発している所と先の弱点の理由でドラゴンとじめんタイプだけど……違う可能性があるからそれにとらわれずに攻める!!)

 

 炎、風、氷、サイコパワーが次々と襲い掛かっているところを見ながら決意を固めたおれは、この4つの攻撃が当たっているところを見ながらさらに攻撃の指示を重ねていく。

 

「ドダイトスは『じしん』でブーバーンは『かえんほうしゃ』!!」

「ロズレイドは『リーフストーム』でエンペルトは『ハイドロポンプ』!!」

 

 

「ジガガァァァッ!!」

 

 

 どんどん積み重なっていくこちらの攻撃に対して、いい加減イラついてきているらしいあちらが無理やり反撃の体勢を取り始めた。

 

 まずは尻尾で地面を叩き、無差別に岩の柱を生やしていく。

 

 自分の周りに一瞬で次々と生えていく岩の森は、近づくものを強制的にシャットアウトしているみたいで、近くで闘っていたマニューラたちは撤退を余儀なくされる。

 

 

「ジガガァッ!!」

 

 

 次いで、今しがたこちらが放った遠距離攻撃に対しては、緑の雨を自身とこちらの間に降らせることによって、シャワーのカーテンを作成。これを防護壁代わりにすることによって、じしんやかえんほうしゃなどに対してもしっかり対処。

 

 これにて、こちらの連続攻撃を全て防ぎきり、流れをニュートラルへとリセットしてきた。

 

 

「ジッ……ガァッ!!」

 

 

 一旦ふりだしに戻ったところで緑のポケモンは一呼吸し、全身に力を溜めた後に一気に解放。自分の身体から茶色のオーラを解き放つと同時に、思いっきり地面に尻尾を叩きつけてきた。

 

「また『ストーンエッジ』か?なら━━」

「違う!!『ダイアース』だ!!ドダイトス!!」

 

 その動きから一瞬ジュンのように技を勘違いしそうになったが、すぐさまその思考を訂正して、対抗するためにドダイトスに指示。

 

 地面を走ってこちらに迫ってくるじめんエネルギーに対して、ドダイトスが大きく足を地面に叩きつけることによって、地面の中に根を張り巡らせ、地面からの攻撃を少しでも吸収しようと試みる。この甲斐もあってか、あちらからの攻撃はそこそこ抑えることは出来たみたいだけど、それでも全然殺し切ることは出来ておらず、根を引き裂いた緑のポケモンの攻撃は、まだまだこちらに向かって走ってきた。

 

「ガブリアス!!」

「カビゴン!!」

「「『じしん』!!」」

 

 だがそんなことは予想通り。

 

 伝説のポケモンのダイマックス技を1人で止められるだなんて最初から考えてなんて居なかったこちらは、すぐさまガブリアスとカビゴンに指示を出し、同時にじしんを発動。

 

 先程力比べで緑のポケモンと互角以上のバトルを演出していた2人によるこの攻撃は、相手のダイマックス技を止めるのに十分な威力を兼ね備えている。故に、こちらの揺れとあちらの揺れは見事に相殺しあい、お互いの中心点でぶつかり合うと同時に大爆発。辺りに衝撃と砂埃をこれでもうかと言うくらい撒き散らし、一瞬だけ視界が煙で覆われてしまう。

 

「ジュン、準備だ!!ピクシー!!ドダイトス!!ブーバーン!!」

「わかってるぞ!!エンペルト!!ギャロップ!!ヘラクロス!!」

 

 この砂塵を見た瞬間に嫌な予感を感じとったおれとジュンはすぐさまみんなに指示を出して守りを固める。すると、6人が全員技を構えて、いつでも迎撃ができる状態になった。そしてそれと同時に、目の前の煙が一気に晴れ、緑のポケモンが煙の中を突っ込んで接近してくる。

 

 構えている技はワイドブレイカー。

 

 こちらのポケモン全てをなぎ払わんと振られたその一撃はとても力強く、これまでで1番の力が込められていた。

 

「「受け止めろ!!」」

 

 が、予想していたこちらはそんな攻撃に対してしっかりと防御行動が間に合っており、先程よりも余裕を持って受け止められた。

 

「よし!!いいぞ!!」

「なんなら押し返しちまおうぜ!!」

 

 

「ジッ……ガァッ!?」

 

 

 ジュンの言う通り、押し返す余裕すら見えてくるこの状況をしっかりと利用し、全員の力でお仕返しに成功。驚いた緑のポケモンの声が響くと同時に、小さく後ろによろめいていくのが確認できた。

 

「フーディン!!マニューラ!!」

「ロズレイド!!ムクホーク!!」

 

 その隙を着いてさらに攻撃を叩き込み、どんどんこちらの流れに持っていく。

 

(よし、連携も完璧だし流れもいい……!!この調子なら……!!)

 

 順調とも言っていい戦闘運びに、内心ガッツポーズをしながら前を見る。

 

 

「ジガァ……」

 

 

 視界に入るのは、ダメージが溜まっているのか、首を振りながら何とか態勢を整えようとする緑のポケモン。

 

 その動きが、こちらの攻撃がちゃんと入っていることの証明となっていた。

 

 このまま行けば何とか勝てそう。そう思わせてくれるその反応は、こちらのポケモンの士気上昇にも繋がり、声を上げながらやる気をみなぎらせていく。

 

(このまま勝ち切る!!)

 

 どんどん前のめりになっていくこちらの気持ち。

 

 これを止めることはそう簡単にはできないはずだ。

 

 だが、忘れてはいけない。

 

 相手は、伝説のポケモンであることを。

 

 

「ジッ……ガアアアァァァッ!!」

 

 

「「ッ!?」」

 

 こちらがさらに攻めようと前のめりになったその時、突如全身に緑色のオーラを纏いながら叫び声をあげる緑のポケモン。その姿を見て、再び緑の雨を振らせてくるのかと身構えたのだが、一向にその攻撃を仕掛けてくる気配がない。

 

「な、なんだこれ!?コウキ!!」

「分からない……けど、嫌な予感しかしない……とにかく止めるぞ!!」

「お、おう!!」

 

 その様を見て嫌な予感をひしひしと感じとったおれは、この行動を止めるために全員で攻撃を集中させる。

 

 しかし、どうやら相手は守備に重きを置いているらしく、こちらの攻撃はほぼ全て緑のオーラにせき止められてしまい、ロクなダメージになっていない。

 

「くっ、何とかして止めないと……」

「おいコウキ!!足元!!」

「え?……なっ!?」

 

 そんななか、急に叫び声をあげながら下に向かって指を差すジュン。

 

 その行動につられて視線を向けてみれば、そこには緑色の小さな生き物が高速で地面を這い、緑のポケモンに向かってどんどん集まっていく姿が見れた。

 

 その小さな生き物が集まる度に、ますます発光を強くする緑のポケモン。

 

 その光はやがて、緑のポケモンを完全に包み込み、その姿を完全に覆い隠してしまった。

 

「眩しっ!?」

「くっ、何がどうなって……」

 

 眩しさから目を覆うジュンとおれ。

 

 そのまま数十秒続く光は、やがてゆっくりと消えていき、ようやく前を見れるようになった所で、おれたちは一緒に前を見た。

 

「な、なんだこれ……」

「おいおい、嘘だろ……!?」

 

 その視界に入ったのは、1人の大きな巨人。

 

 アーボックのようなシルエットから、シンオウに伝わる伝説のポケモン、レジギガスを彷彿とさせるような、まさしく巨大な人となったその姿は、ただでさえ圧倒的な圧を放っていた姿から更に力強さを放っており、思わずこちらの足が一歩後ろに下がる。

 

 その一瞬の時間が、相手に力を溜める時間を与えてしまった。

 

 

「ジジジッ……ガアアアァァァッ!!」

 

 

「「っ!?」」

 

 天に向かって咆哮する緑の巨人。

 

 そんな彼の胸元から、緑色の極太光線が解き放たれ、地面に着弾し、大爆発。

 

 その瞬間、辺りから音が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジガルデ

ダイマックスアドベンチャーのラスボス枠ですね。わたしはついぞ勝つことはありませんでした。




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