【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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343話

「インテレオン『ねらいうち』!!モスノウは『ふぶき』でブラッキーは『あくのはどう』!!」

「リザードンは『エアスラッシュ』でドラパルトは『ドラゴンアロー』、ギルガルドは『シャドーボール』だ!!」

 

 天空に向けて放たれる6つの攻撃。

 

 どれもこれもが1級戦の火力を誇り、直撃しようものなら問答無用で大ダメージを与えかねない攻撃の嵐は、しかし天に舞う2人の龍に当たる事は無い。

 

 空中を泳ぐように飛び回る2人の龍は、飛んできた攻撃の合間を飛び回り、毒液の波動を、味方を巻き込むことすら厭わず飛ばしてくる。

 

「グライオン『ストーンエッジ』!!ヨノワール『いわなだれ』!!」

「ドサイドン『ストーンエッジ』!!」

 

 これに対してバリゲートを作るように岩に壁をつくりあげたグライオンとヨノワール、そしてドサイドン。

 

 ボクたち全員を守るように展開された岩の陰に、先程遠距離攻撃をしたポケモンも含めてみんなで飛び込むように隠れて、毒液の津波を何とかやり過ごしたこちらは、影から少しだけ顔を出して周りの安全を確認。

 

「「ギュアアアァァァッ!!」」

「っ!?ゴリランダー『ドラムアタック』!!そしてバリコオル……」

「ゴウカザル『マッハパンチ』!!そしてチリーン……」

「「『サイコキネシス』!!」」

 

 その先で、この岩の壁を壊さんと胸元のコアに赤色のエネルギーを溜めてながら、こちらを見つめていたムゲンダイナたちの姿を確認したボクとダンデさんは、お互いに対して何も言わずに技を指示。先程自分たちを守るために展開した岩壁に対して、まずは攻撃を行うことで大きな岩の塊をある程度の大きさのそれに分解。続けて、この岩をサイコキネシスで操作することで空中にたくさんの足場を作成。

 

「空を飛べるメンバーは空中へ!!」

「ブラッキーたち飛べない勢は、今作った足場を利用して何とか避けて!!」

「リザードン!!」

「メガヤンマ!!」

 

 これによって、空を飛べないポケモンたちも空中に逃げることが出来るようになり、ブラッキーやインテレオン、エースバーン、ゴリランダーたちが、次々とこの足場を利用して空中に飛び出した。

 

 更に、このままでは自分たちも巻き込まれる可能性があるため、ダンデさんはリザードンに、ボクはメガヤンマに頼んで空中へ運んでもらい、来るべき攻撃に備えていく。

 

「「ギュ……アアアァァァッ!!」」

 

 そうやってこちらが準備を整えたと同時に、ムゲンダイナから解き放たれる2本のレーザー。

 

 太く、激しく、真っ直ぐ突き進むその極太レーザーは、動線上にある岩を塵と化しながら突き進み、どこか遠くの場所に着弾。同時に、かなり離れているにもかかわらず、ここまで伝わってくるほど強烈な爆発音と衝撃を発生させていた。

 

 あんなものが当たったらまずい。

 

 声に出さすことすら忘れるほどの危なさを感じたボクとダンデさんは、視線をすぐに戻してムゲンダイナを見据える。

 

「みんな!!固まらずに色んな方向から攻撃を仕掛けるんだ!!」

「けど無理はしないで!!危なくなったら声を上げて!!すぐにボールで回収するから!!」

 

 ボクたちの声に反応したみんなは、只々前を見て突撃。

 

 さっきの攻撃で怯えてもおかしくないはずなのに、ひとえにボクたちを信じきっている彼らは、後ろのことをボクたちに託して攻撃を仕掛ける。

 

 まず先手を打ったのはボクとダンデさんのインテレオン。

 

 両手に水の刃を構えた2人は、それぞれ別のムゲンダイナの懐へダッシュし、攻撃を振りかざす。

 

 これに対してムゲンダイナは、両手に毒を携えて爪のように展開。飛び込んできたインテレオンを迎え撃つように振りかざし、力で押し返していく。

 

「バスッ!!」

「キィッ!!」

 

 インテレオンが返されたのを見たところで、入れ替わるように攻撃を仕掛けるのは、エースバーンとゴウカザル。

 

 アクロバットとマッハパンチを構えた両者は、ムゲンダイナの真上から奇襲するように仕掛けていく。

 

「「ギュア━━」」

「ブラッ!!」

「エルッ!!」

「パルッ!!」

 

 その影に気づき、上に視線を向けたと同時に、さらにムゲンダイナに近づく3つの影。

 

 それぞれ、右からはブラッキーがでんこうせっかで、左側からはエルレイドがサイコカッターを構えながら、そして真正面からは、サイコファングを構えたドラパルトが一気に距離を詰めていく。

 

 4方向からの連続攻撃。いくらムゲンダイナと言えども、これだけの手数があれば、簡単には対処出来ないはずだ。

 

(『ヘドロウェーブ』と『クロスポイズン』を使ってるあたり、どくタイプっぽそうだからダメージも期待できるはず!!)

 

「「ギュアァッ!!」」

 

 そう願って行われたこの連続攻撃は、まず2人のムゲンダイナがゴウカザルとエースバーンの攻撃を爪でキャッチし、掴んだ2人を、通常色はドラパルトにゴウカザルを、色違いはエルレイドにエースバーンを投げてぶつけて攻撃を阻止。この中で一番攻撃力の低いブラッキーの技を受ける選択を取ったらしい。

 

「随分と賢しいな!!」

「けど、チャンスです!!ブラッキー!!そのまま『イカサマ』!!」

 

 無視されたことをいいことに、そのままでんこうせっかを通常色の方に叩き込み、少し怯ませたところで、今度は反動で少し浮かび上がったところから、前足を叩きつけるようにイカサマを発動。黒色の足が通常色に勢いよく振り下ろされる。

 

 この攻撃を阻止しようと、色違いの子が援護するかのように赤色のエネルギーを溜め始めるが、当然そんなことは許しはしない。ネオラントがひれを動かし、おいかぜを発生させると同時に、その風に乗ったヨノワール、モスノウ、ガマゲロゲ、オノノクスが前にダッシュ。それぞれ、ポルターガイスト、ふぶき、アクアブレイク、アイアンテールで攻撃を仕掛け、相手のチャージを無理やり阻害する。

 

 このまま援護をするのは不可能。そう判断した色違いは、チャージを諦めて上に飛翔。飛んできた攻撃を避けたところで、今度は全身に毒をチャージし、ヘドロウェーブの準備を整え始める。

 

 このままでは、攻撃をすかされた先の4人が危ないので、今度はこの攻撃を止めるべく行動をする。

 

 その手段は、通常色の子を色違いの子にぶつけるというもの。

 

 ダンデさんとアイコンタクトを取り、お互いの考えを共有したところで、イカサマによるダメージで更に怯む時間が伸びている通常色に対し、グライオンのアクロバット、ギルガルドのシャドーボール、ゴリランダーのがむしゃらを、マホイップのデコレーションで強化してぶつけていくことで、態勢を大きく崩し、そのままチャージ中の色違いへと押し付けていく。

 

(さすがに自分と同じ体型のポケモンをぶつけられたら攻撃は止まるはず!!)

 

「ギュ!?……アアアァァァッ!!」

「っ!?退避!!」

「下がって!!」

 

 しかし色違いのムゲンダイナは、そんな状況になった上で無理やりヘドロウェーブを発動。まるで紫色の爆発が起きたのではないかと言うほどの規模を持って、全方位に毒の津波を発生させた。

 

 通常色を巻き込みながら行われたその攻撃は、主に色違いを狙っていた4人に向かって飛んでおり、これに対してヨノワールはポルターガイストで岩を操って盾にし、ガマゲロゲは長い舌を遠くの岩に巻き付け、その状態で舌を巻き取る事で岩の場所まで高速移動することで攻撃範囲から逃れた。が、オノノクスとモスノウは対処が遅れ、毒の津波が直撃。目を回すほどの状態にはならなかったものの、高い位置から地面に叩き落とされた2人はボロボロになり、その上で追加効果の毒を受けたみたいで、2人の頭から紫の泡が発生しているのが確認できた。

 

「戻れオノノクス!!」

「下がってモスノウ!!」

 

 これ以上のバトルは危険と判断し、2人を戻したボクたちは、冷や汗を流しながらムゲンダイナたちを見る。

 

「予想はしていたがとんでもない火力だな……」

「あの溜めていた攻撃ならまだしも、『ヘドロウェーブ』でここまでされるのは予想外でしたね……」

 

 オノノクスもモスノウも、生半可な耐久はしていないし、ちゃんと育っているポケモンだ。特に、モスノウに関しては特性の『こおりのりんぷん』のおかげで特殊技に関しては人一倍強い耐性を持っている。なのに、その上でこれだけダメージを受けてしまっている所に驚きを隠せない。

 

 さすが伝説級のポケモン。こんなものをマホイップやゴリランダーが受けようものなら、下手をすれば大事になってしまう可能性すらある。

 

 一方で、この毒の爆発に巻き込まれたはずの、通常色のムゲンダイナにもちゃんとダメージ自体は入っていたらしく、少しだけ首を振る動きを見せた。

 

 あれだけに爆発に巻き込まれたのだから、多少はダメージが入って然るべきだ。が、傍から見たらそんなにダメージが入っているようにも見えないあたり、耐久力もかなりあるポケモンなのだろうことがよくわかった。

 

(こんなポケモンを2人も呼んで、本当に手懐けられる算段を立ててたのかな……)

 

 ムゲンダイナの想像以上の強さを前に、ローズさんの浅はかさを少し呪いたくなってしまったけど、今はそんな暇は無い。フレンドリーファイアによってまだ通常色のムゲンダイナが怯んでいるうちに、こちらはさらに攻撃を仕掛ける。

 

「メガヤンマ!!」

「リザードン!!」

「「『エアスラッシュ』!!」」

 

 ボクとダンデさんを抱えているメガヤンマとリザードンが、羽を強く羽ばたかせて斬撃を発射。威力こそボクたちを乗せているせいで控えめではあるものの、その分数を重視して放たれたこの攻撃は、ムゲンダイナに対して横向きの雨のような形となって飛んでいく。

 

「ギュアアアァァッ!!」

 

 これに対して動くのは当然色違いのムゲンダイナ。

 

 口元に炎を溜め込んだ相手はそれを一気に発射。轟々と燃える焔は、エアスラッシュの弾幕を焼き尽くし、更にこちらにまで迫ってきた。

 

「ネオラント『ハイドロポンプ』!!インテレオンは『ねらいうち』!!」

「ガマゲロゲ『アクアブレイク』!!こっちのインテレオンも『ねらいうち』だ!!」

 

 迫って来る炎に対してこちらは水を発射することで、風を消した焔を更にこちらが上書きし、むしろ水の攻撃でやり返していく。消火によって白い煙を放ちながら逆に直進し返す水の塊と、それに追随するガマゲロゲの攻撃がぐんぐんとムゲンダイナに迫っていく形だ。

 

「ギュアッ!!」

 

 今度こそこちらが攻撃を当てる。そう意気込んで放たれた攻撃だったが、ここに来てようやく態勢を整えた通常ムゲンダイナが、両腕に毒の爪を装填して突っ込んで来た。

 

 今まで遠距離戦を挑んできていたところに、急に接近技を仕掛けられて驚いてしまったこちらは、反応が一手遅れてしまう。その結果、こちらの水の攻撃は毒の爪に切り裂かれてしまい、その後ろに控えていたガマゲロゲとのタイマン勝負に持ち込まれてしまう。

 

「ガマゲロゲ!!」

「ゲロッ!!」

「ギュアア!!」

 

 水が弾ける中心でぶつかり合うガマゲロゲの水拳とムゲンダイナの毒爪。が、伝説のポケモンに対して1対1が成立するはず無く、一瞬止まったと思った次の瞬間には、ガマゲロゲが勢い良く後ろに吹き飛ばされている姿が確認できた。

 

「チリーン!!『サイコキネシス』でキャッチ!!」

「チリリッ!!」

 

 このままでは彼方に飛ばされてしまうガマゲロゲを何とかキャッチしたボクに対して、目線だけでお礼を言ってきたダンデさんは、すぐさま前を向いて、現在進行形でこちらに接近してきているムゲンダイナに攻撃を指示する。

 

「ドサイドン!!エースバーン!!『ストーンエッジ』と『かえんボール』!!」

「ゴウカザル!!ヨノワール!!『フレアドライブ』と『ポルターガイスト』!!」

 

 その動きに追従するようにボクも指示出しを行い、突っ込んでくるムゲンダイナに対して全力で迎撃態勢を整えた。

 

「ギュアァッ!!」

 

 準備を終えたドサイドンたちを確認したムゲンダイナが、それでもこちらをつぶしてくる気迫を込めながら全力で爪を振りかぶってくる。

 

「ギルッ!!」

「ッ!?」

 

 もう1秒もせずに両者がぶつかり合う。そうなれば、激しい衝撃が周囲を襲うことになるだろう。そう思い、メガヤンマにしっかりとボクの身体を掴んでもらおうとしたその瞬間、ムゲンダイナとドサイドンたちの間に割り込んできた1つの影。

 

「良いぞギルガルド!!『キングシールド』だ!!」

「ドドドッ!!」

 

 シールドフォルムとなって、後ろの味方を守らんと前に躍り出たダンデさんのギルガルドが、ハニカム構造のシールドバリアを展開しながら入り込み、ムゲンダイナのクロスポイズンをしっかり受け止めた。

 

 元々タイプ相性的にどく技を受けないこともあって、相手が伝説ながら全く後ろに下がることなく攻撃を受けきったギルガルドは、キングシールドの追加効果である攻撃力ダウンを相手に与えながら、毒の爪をムゲンダイナの身体ごと後ろに弾く。

 

「ギャァッ!?」

 

 攻撃を弾かれて大きく後ろにのけぞったムゲンダイナ。その様は後ろに大きく万歳しているようにも見え、明らかな攻撃チャンスをさらす形となる。

 

 元々攻撃技の準備をしていたドサイドンたちにどうぞ攻撃してくださいと言わんばかりのその姿に、こちらは遠慮することなく全力攻撃。岩の刃が、炎の火球が、焔の突進が、闇に包まれた岩が、次々とムゲンダイナに突き刺さり、大ダメージを刻んで吹き飛ばした。

 

「フリア君!!」

「はい!!」

 

 飛んでいくムゲンダイナを確認すると同時に聞こえるダンデさんからの、『追撃をするぞ』の意を込まれた名前呼びに返事を返し、ボクはグライオンとブラッキーを、ダンデさんはドラパルトとゴリランダーを向かわせ、一気に攻め立てる準備をする。

 

 余程先ほどの攻撃が効いたのか、未だにダメージから立て直せていないムゲンダイナは、そのまま色違いがいる方向に真っすぐ飛んでいく。そんな相手に対して、グライオンとドラパルトは空を飛び、ブラッキーとゴリランダーは浮いている岩を足場にどんどん近づき、技を構える。

 

 追いつくと同時にさらに連続攻撃を叩き込んで、通常のムゲンダイナをここで倒し切る心意気で構えられたその技は、なんならその後ろに控えている色違いのムゲンダイナをも巻き込むのではないかと言う程の勢いを持っている。このまま相手が何もしなければ、そんなボクの予想通りの展開になる可能性が高い。

 

 が、相手は伝説。そうは問屋が卸さない。

 

「ギュアアァァッ!!」

「ギュッ!?」

「「なっ!?」」

 

 自身に向かって通常ムゲンダイナが飛んでくるところをしっかりと見据えた色違いムゲンダイナは、このままでは自分もピンチなのを悟り、逆転の一手を打ってきた。

 

 それは、自身の羽の部分のように見える骨格部分を器用に操り、飛んできたムゲンダイナに絡ませてキャッチするというもの。

 

 彼から見て後ろに飛んでいくムゲンダイナを無理矢理羽で捕まえた色違いは、自身も引っ張られながらもなんとかその場でとどまることに成功。羽の骨格をからませている状態から、さらに手で捕まえることでしっかりと通常色を固定した色違いは、そのまま180°だけジャイアントスイングするかのように振り返り、後ろに頭を向けて飛んでいた通常色を無理矢理前に振り向かせた。

 

 ここまでのことならさして問題はない。通常色がただ振り返っただけなのなら、結局2人が固まっている以上こちらの攻撃は相手にまとめてあたるのだから。

 

 問題は、色違いによって強制的に後ろを振り向かされた通常色の口元と胸のコアに、赤紫色のエネルギーがため込まれているということ。

 

「みんな!!防御だ!!」

「技を当てるんじゃなくて、自分の前に展開して!!」

 

 どうやら後ろに吹き飛ばされながら、空気中のダイマックスエネルギーを身体に溜め込んでいたらしく、こちらに振り向いた瞬間にチャージが完了したムゲンダイナの姿を見たボクたちはすぐさま防御を指示。グライオンはストーンエッジを、ブラッキーはあくのはどうを、ドラパルトはドラゴンアローを、ゴリランダーはドラムアタックを行って、自身の前に盾を作成。攻撃に使うはずだったエネルギーを全部防御に回し、全力で防御を固めていく。

 

 が、どうやらボクたちは伝説の力を侮っていたみたいで。

 

「ギュアアアァァァッ!!」

「「っ!?」」

 

 ムゲンダイナから解き放たれた赤色の極太ビームは、グライオンたちが作り上げた守りを簡単に打ち抜き、その後ろに隠れる4人に向かって突き刺さる。

 

 視界の遠くでも衝撃が届いたあの火力がみんなを襲ったことにより、こちらに対して大打撃。みんなの技がクッションになってくれたおかげで、戦闘不能のポケモンこそ出なかったものの、流れが一気に持っていかれる形となる。

 

「ギュアアアァァァッ!!」

「まずい!!リザードン!!」

「メガヤンマ!!」

 

 そしてその流れを見逃す向こうではない。

 

 通常のムゲンダイナの攻撃が炸裂したのを確認したところで、今度は色違いのムゲンダイナが同じ技を発射。通常のムゲンダイナが攻撃していた間に行っていたらしいチャージを利用して、前でダメージを受けた4人に加え、ボクとダンデさんをも巻き込む角度で攻撃を放ってくる。

 

 このままではメガヤンマとリザードンまで失ってしまい、ボクたちが紐なしバンジージャンプをすることになってしまうので、慌てて攻撃の軌道上から逃げていく。

 

「みんなも戻れ!!」

「ごめん!!ありがとう!!」

 

 更に、相手の攻撃軌道から逃げながらリターンレーザーを放ち、グライオンたちを回収。既に大怪我を負っている彼らに、あんな攻撃が当たってしまったらとんでもないことになってしまう。どちらにせよ、これ以上のバトルは危険なので、ボールに戻して腰のホルダーに返しておく。

 

 それと同時に、ボクとダンデさんの間を通り抜ける赤紫のレーザー。

 

「ぐっ……大丈夫かフリア君!!」

「は、はい!!なんとか!!」

 

 その風圧にあおられ、ちょっとバランスを崩すものの、何とか落ちることなく耐えることが出来た。

 

 レーザーの反対側からダンデさんの声が聞こえてくるあたり、向こうもしっかり逃げることが出来たようだ。そこは幸いだけど、やはり現状はつらい。相手の火力の高さに振り回される展開なうえ、今のやり取りでこちらのポケモンはここまでの合計で6人退場と言う結果になってしまっている。こうやって言葉にすれば、この状況のやばさが伝わるだろう。

 

 けど、こっちだってやられっぱなしじゃない。

 

「よし、なら行くぞ!!バリコオル!!」

「チリーン!!」

「バリリッ!!」

「チリッ!!」

 

 今のやり取りをしている間に、相手の死角に潜り込んだ2人が同時にサイコキネシスを発動。これまでのバトルで生まれた瓦礫や岩をかき集めて足場を作ると同時に、どくタイプを持っているであろう相手に対して、サイコパワーを直接放っていく。

 

 狙いは体力の少ない通常色。

 

 勿論こんな技を受けるわけにはいかない相手は、浮かんでいる岩をクロスポイズンで切り裂き、砕けた岩を掴んで投げることで対処。サイコパワーを止めながら、こちらの足場を奪う作戦なのだろう。

 

 けど、そうやって警戒してくれることこそこちらの狙い。

 

「エースバーン!!」

「エルレイド!!」

 

 マホイップによりデコレーションを受けた2人が、この間に通常色の懐へ飛び込み、アクロバットとサイコカッターで真下から打ち上げるように攻撃。

 

 弱点もつけ、威力も上がっているこの一撃は、ムゲンダイナでもいいダメージを受けてしまったらしく、大きく怯みながら上へと飛んでいく。

 

「「インテレオン!!」」

 

 この行動に対して、色違いの方はすかさずエルレイドとエースバーンを狙って攻撃を構えるが、今度はインテレオン2人によるれいとうビームが色違いを襲い、色違いの動きを固める。

 

「ギュア……!!」

「ドサイドン!!」

「チリーン!!援護!!」

 

 いきなり行動を制限されたことに対し、ヘドロウェーブを爆発させることで無理やり押しのけようと画策するあちらに対し、それを止めるべくダンデさんのドサイドンがストーンエッジを発射。さらにこの岩をチリーンが操作し、多方向から押しつぶすようにぶつけることで爆発の規模を抑え、むしろ爆発の衝撃が岩の内側で暴れることで、自傷すらしてしまっていた。

 

「ゴウカザル!!ネオラント!!」

「ギルガルド!!ガマゲロゲ!!」

 

 この隙を逃さず、下からさらに押し上げるように、ゴウカザルたちの攻撃がヒット。色違いのムゲンダイナも上へと打ち上げられ……

 

「ギュァッ!?」

 

 ちょうど上から落ちてきた通常のムゲンダイナと激突。2人のムゲンダイナが、空中で絡み合い、身動きが取れなくなった。

 

 決めるなら、ここしかない。

 

「マホイップ!!チリーン!!」

「バリコオル!!」

 

 絡み合ったムゲンダイナを包み込むように展開されるマホイップのクリーム。これをサイコキネシスで操作し、ムゲンダイナをクリームの中に閉じ込めて身動きを取れなくする。

 

「リザードン!!飛べ!!」

「ヨノワール!!つなぐよ!!」

 

 準備は整った。

 

 リザードンはダンデさんを乗せたまま、ヨノワールはボクとキズナでつながりながらムゲンダイナの真上を取った。

 

 そして、そこから真下にムゲンダイナを叩き落とす勢いで、同時に本気の一撃を解き放つ。

 

「リザードン!!『だいもんじ』!!」

「ヨノワール!!『ポルターガイスト』!!」

 

 全てを焦がす焔が、おぞましいオーラを纏った岩石たちが、クリームに包まれたムゲンダイナたちに襲い掛かり、大爆発を巻き起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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