【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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38話

 フリアからのお願いで洞窟の入り口へと足を向ける私とサイトウさんは、少し小走りで向かっていた。理由は今も尚チェリンボや他の野生のポケモンを治療するために腕の傷を無視して作業に没頭しているフリアが心配だから。

 

 野生のポケモンとの耐久バトル中だと思ったら急に走り出して今度はチェリンボの治療を始めてしまうという、はたから見たら全く意味のわからない行動。正直なんであんなことをしたのか、私でも理解はまだできていない。

 

「フリアさんに指示された通りに入り口に向かっていますけど……本当に怪我したポケモンなんているんでしょうか?戦っていた相手を急に癒し始めるのもよく分かりませんし……」

 

 それはサイトウさんも同じ考えらしく、指示には従ってくれているものの、その顔は納得はしていないという表情だ。従ってくれている理由も、おそらくはフリアが実力のある人だということが噂として広がっているから……だと思う。

 

「私もよく分からないよ……でも……」

 

 思い出されるのは走り出す直前のあの考え込む表情。思考の渦に潜り込み、周りの音なんて何も耳に入らないほど集中していたあの瞬間。横目でちらりと確認したけど、合間合間に見える驚愕の顔は間違いなくなにかに気づいた顔だった。いつも突拍子もないことを思いついたり、まさかの方法で状況を打破する作戦を思いつくフリアはこういった考え事においてかなりの力を発揮することは実体験からよく知っている。だから今回もきっと……

 

「フリアはなにか重要なことに気がついたんだよ。それで私たちにお願いした。なら、きっとフリアが言ってることは正しくて、それを何とかできるのは私たちだけなんだ。だからこうやってお願いしてくれたんだよ。……私はフリアを信じてる」

「……凄く、仲がいいのですね」

 

 並んで走りながら会話している中、ふと視線を感じたので横を見ると微笑ましそうな表情でこちらを見るサイトウさんと目が合う。戦っていた時の鋭く冷たく、ハイライトの消えた目から一転、私よりも背が高いけどその瞳から感じるものは歳相応……いや、ある意味少し大人に見えるような優しいというか輝いて見える瞳をしていた。その瞳でじっと見つめられるのがなんだか心を見透かされている気がして恥ずかしく、ついつい視線を逸らしてしまう。

 

(何も後ろめたいことないのになんでだろ……?)

 

 若干熱い頬を手で仰ぎながらそれでも速度は落とさずに走っていく。

 

「うん。仲はいいよ?実は出会ってまだ数週間程なんだけどね?まるで昔から知り合っていたかのようにフリアってみんなと仲がいいの」

「ホップ選手とマリィ選手、でしたっけ?」

「うん!!……そう言う話をすれば、マリィも出会ってまだまだ日が浅いや」

「それでそこまで信用出来るんですね……なんだか羨ましいです」

「サイトウさんはそういう人はいないの?」

「わたしはずっと修行の毎日でしたから……同門の人というのであれば沢山いますが、友達と呼べるような人は……いえ、1人いましたか……」

「え、誰々!?」

 

 正直自分から聞いておいてちょっと失礼かもしれないんだけど……サイトウさんは知り合ったときから雰囲気と言い自己紹介と言いあまり仲がいい人がいるというイメージがわかなかったりするからとても意外に感じてしまった。そんなサイトウさんの仲のいい友人。気にならないはずがない。思わず食いつくように聞いてしまったけど……

 

(フリアの手持ちにかくとうタイプのポケモンがいるってわかった時のサイトウさんも同じくらいの食いつき方してたから別にいい……よね?)

 

 前の方にいたため全部の会話が聞こえていた訳では無いけど、ほんの少し聞こえた範囲で推理するとどうやらフリアがシンオウ地方を旅していた時に手持ちにかくとうタイプがいたらしく、かくとうタイプを好んで使っていると思われるサイトウさんにとって物凄く気になる話題だったんだと思う。私がサイトウさんの立場でも多分、興奮しちゃうと思うから。けど……

 

(私がまだ知らなかったことを教えて貰ってるの……なんでだろう、少し面白くないなって思っちゃった……)

 

 少しこの胸に残るしこりのようなものがなんなのか……よく分からないけど、あまり気分のいいものでは無い。なんでこんなことを思っちゃうのか、よく分からないけど……それよりも今はサイトウさんの話を聞こう。

 

「昔から付き合いがある子ですよ。少し……特殊な事情がありますけどね」

「?」

 

 少し苦笑いを浮かべながらそういうサイトウさんの表情は、それでもどこか懐かしむような、暖かな表情をしていた。そんな顔にこちらまでもが暖かくなってしまい頬が緩む。きっとその人は彼女にとってとても大事な人なのだろう。

 

「私もその人に会って見たいなぁ」

「……会えますよ。いずれ、ね?」

「そっか……ならその時を楽しみにしておこっと」

 

 新しい楽しみができたところで肌を刺す冷たい風が少し強くなった気がした。恐らくこの洞窟の入口に帰ってきたということだろう。サイトウさんもその事に気づいたのかお互い顔を見終わせて頷き、スピードを早める。だんだんと強くなる冷たい風に確信を得ながら進んでいくと、とうとう白い光が射し込んでる場所を見つける。

 

(フリアの言葉が正しいのなら……)

 

 徐々に近づいてくる真っ白の光は、けど本来ならもっと強く洞窟内に差し込んでくるはずなのに少し陰りを見せている。まさか、と思いながらさらに足を早めて入り口に到着。相変わらず外は猛吹雪で見てるだけでこちらが凍えそうな気分のなるが、今はそれどころじゃない。

 

「これは……っ!?」

「酷いですね……」

 

 ケンホロウ、ココロモリ、チェリム、オンバーン……他にも何匹かが洞窟の入り口にてきのみを大切そうに抱えながら倒れていた。すなわち、この状況は……

 

「フリアが、言ってた通りだ……」

 

 予め聞いていたたくさんのポケモンが倒れているというフリアの予想がピタリと当たったということだ。

 

 勿論、さっき話した通りフリアの言葉は信頼してるし、疑う余地もない。けどこうやっていざ真実と対面するとやっぱり彼の凄さが浮き彫りになっていく。

 

 改めてフリアの凄さを認識したと同時に倒れている野生のポケモンに近づく私たち。ふとさっきの野生のポケモンたちみたいに襲ってくるかもなんて想像したけど、それすらできないほどに衰弱しているらしい彼らは、横目で確認はしてきたものの、それ以上のアクションは何も起こしてこなかった。

 

「酷い凍傷……早く治してあげないと……」

「急いでフリアさんの下に運びましょう。わたしたちだけではここにいる全員の治療は無理です。わたしがポケモンたちを運ぶのでユウリさんはきのみなどを。もしかしたらフリアさんの治療に役立つものが混じってるかもしれません」

「うん。それはいいんだけど……サイトウさん一人で運べる……?」

「心配には及びませんよ。わたし、こう見えてもちゃんと鍛えているので……それに……出てきなさい!!」

 

 サイトウさんの呼び声に出てくるのは青色のくねくねした体が特徴のオトスパス。黒と白の体色をした巨体を持つゴロンダが現れる。既に呼ばれているゴーリキーも並んでいるため物凄い圧力がある。

 

「頼りになる仲間がいますので。安心してください」

「……うん、わかった」

 

 本当なら私も手伝いたいところだけど、私は力には自信が無いし、私の手持ちも純粋な力という点では少し怪しいのでここは素直に任せることにする。

 

 チェリムみたいな軽く、人でも持てそうなポケモンはサイトウさんやきのみをカバンに詰め込んだことによって手が空いた私、そしてラビフットも手伝って運び出し、オンバーンのような大きく重いポケモンはオトスパスやゴロンダが体格と力を生かして持ち上げていく。

 

「さぁ、急いでいきましょう」

「うん!私が先行するからアブリー、殿よろしくね?」

「リリー!!」

「先行は私と……エレズン!!」

「エレ!!」

 

 懐から取り出したモンスターボールからエレズンを呼び出してそばに控えさせる。

 

「よし、できる限り急いで、だけど傷を負っているポケモンに刺激を与えないように行こう!!」

 

 私の言葉に返事を返しながら、ちょっとした小隊が先ほどの場所へと大移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、こっちはこれくらい大丈夫かな……?」

「見事な手際ですね……わたしの道場にも、練習で怪我をする人が多いためか医療に明るい方が何人か控えていますが……下手したらその方よりも迅速なようにお見受けします……どこかで師事を?」

「シンオウ地方を旅していた時に周りの仲間がみんな破天荒だっただけだよ。こういった応急手当は割と得意だけど流石にこれ以上の治療ってなると専門の人に劣っちゃうよ」

「だったらまず自分の体を大事にして!!ほら、早く腕!!」

「わ、わかったって……すぐ出すから……ってちょ、引っ張らないで!?いたた!?」

「あ……ご、ごめん」

 

 あれからチェリンボのほかにも、足止めの戦いで自傷で傷ついてしまったポケモンたちを全員応急手当したところで親のポケモンたちがユウリとサイトウさんの手によってこちらに運ばれた。やっぱりそちらも長時間猛吹雪にさらされていたせいか凍傷がひどく、運んでいたサイトウさんやサイトウさんのポケモンたちも冷えたポケモンに長く触れていたせいか少し震えていたので布で巻いてとにかく温めてあげ、マトマのみなどの辛みの強いきのみで作った体が温まるものを食べさせてあげたりした。本当は火を焚いてあげたいんだけど……こうも天井が低く、通気性もあまりよろしくない場所だと逆に自分の首を絞めかねないのであまりしたくないなぁというのが本音だ。

 

 傷ついた親がさっきまで戦っていたユウリ達によって運ばれてきたからそこでまたひと悶着起こりそうだったけど、そこはアブリーとマホミルによるフェアリーコンビであまいかおりを放って何とか抑え込むことができた。そこから急いでケンホロウやチェリム、オンバーンたちの応急手当を施して、体を擦ったりして温めてあげてを行いたった今終わったところだ。

 

 そして冒頭に戻るというわけなんだけど……

 

 治療することに集中していたせいかアドレナリンドバドバで痛みを一切感じず、調子に乗ってそのまま治療行動を終えた結果、ゴビットに殴られた瞬間の時よりもはるかに痛々しくはれ上がっている右腕に大変身。進化していないとはいえ流石ポケモンだし、そもそもゴビット自体が物理攻撃が得意なポケモンだ。そりゃ痛いに決まっている。むしろ骨折とかまで行かずに腫れただけで済んでいるあたり、あのゴビットは根はとてもやさしいポケモンなのかもしれない。

 

「とにかく、まずは冷やさないと……」

「こんな吹雪の中冷やさないといけないってなんか憂鬱かも……」

「我慢!!……ごめんね、私たちがもっと早く気付いていられたら……」

「あはは、そこはボクも説明不足だったし仕方なかったかなって」

「しかし、まだわからないことが多いです。できればあなたが気づいたことについてご説明をいただきたいのですが……」

 

 腕を冷やしてもらいながら包帯などで固定をユウリにしてもらう。その間にサイトウさんに聞かれたボクが気づいたことを説明しようと口を開きかけたその時。

 

 

 ぐううぅぅ……

 

 

「……ユウリ?」

「ち、違うよ!?確かに最近私すごく不本意だけど食いしん坊キャラが定着してきててこういう時いっつもおなかがなっちゃうのはわかるよ!?けど今回は私じゃないもん!!」

「はいはい」

「う~!!フリアのバカ~!!」

「いだだだだ!?ユウリ!?締め付けすぎ!!痛いってば!?」

「あ、あの~……」

 

 ユウリがいつものパークスキル、食いしん坊を発動していると思いいつも通りにいじっているとどうやら本気で違うみたいで怒り心頭のユウリ。その代わりにとばかりに隣でサイトウさんがおずおずと手を上げる。

 

「……もしかして?」

「……はい。今のおなかの音は恥ずかしながらわたしのものです……申し訳ありません」

「あ、いやぁ……サイトウさんは悪くないよ。なんだかんだで二時間近く戦っていたわけだし、採掘とかしてた時間を考えると……」

「なんでサイトウさんと私でこんなにも扱い違うの……?」

「ほ、本当にごめんなさい……」

「もう……うぅ、やっぱりもうちょっと食べるの抑えた方がいいのかな……でもフリアの見せるポフィンとかすごく美味しいし……

 

 なんだかユウリが凄くうなっているけどこれ以上関わると余計に怒らせてしまうような気がしたのでとりあえず放置しておいて……

 

「ここから預かり屋に帰るのもつらいと思うからここで簡単なもの作っちゃおうか。火はあまり使いたくないんだけど……そこはラビフットの火力調整とアブリーたちにかぜおこしでしっかり換気してもらうしかないかな……これでうまくいけばいいんだけど……」

 

 危なそうならすぐに中止して火を使わなくても大丈夫な料理と持ってきているポフィンで何とかしよう。材料に関してはケンホロウたちが持ってきたきのみがあるので足りないなんてことはなさそうだしね。

 

 そうと決まれば早速とりかかろう。手早く鍋や包丁などの調理器具を準備してささっと簡単に作れるカレーの準備。

 

「わたしも手伝いましょう」

「わ、私も……」

「じゃあサイトウさんは必要な材料を切ってくれる?ユウリはお皿の準備」

「「了解」」

 

 とりあえず二人とも手伝ってくれるとのことなので軽い指示も出しておく。特に、今のボクは利き腕が機能していないので包丁などの取り扱いは他人に任せるしかないのでサイトウさんに出す指示は細かくしていく。そんな中簡単な仕事しか任せられなかったユウリはちょっと落ち込んでたけど……ごめんね。君に包丁を持たせると現場が血で染まりそうだから……

 

 手分けをした甲斐があったのか順調に作業も進んでいき、換気もうまくいっているから一酸化炭素で~なんて危ないこともひとまず大丈夫そうだ。

 

(う~ん、こうやっていい匂いがし始めるとなんだかユウリじゃなくてもおなかが鳴りそうだね。早く完成させて皆のおなかを満たせてあげられたらいいんだけど……ん?)

 

 色々考えながらカレーを作っているとふと横から視線を感じたのでそちらを見ると、野生のポケモンたちがこちらをじっと見つめていた。当然と言えば当然で、吹雪で満足に食料が手に入らないところに流れてくるおいしそうなにおいにつられない方がおかしいというものだ。けど、先ほど戦っていたことがかなり尾を引いているのか、警戒心が全く消えることがなく全然こちらに近づいてくる気配がない。仕方ないと言えば仕方ない。けど……

 

(このままはさすがに生殺しが過ぎる……)

 

 おなかが減っている人の目の前でおいしい匂いだけに追わせて食べさせないのは一種の拷問だ。材料提供だって半分くらいは彼らからもらっているんだからお礼としてぜひとも還元してあげたいんだけど……

 

「かなり警戒心が高いですね……」

「無理もないよ……二時間も戦った挙句、大切な家族が傷ついて帰ってきてるんだもん。むしろいま襲われていない方が奇跡なんじゃあ?」

「そこに関してはフリアさんが治療していたことが大きいのでしょう。あの行動のおかげで少なくとも敵だとは思われていないようです」

「けど、それじゃあ根本的な解決にはならないんだよねぇ……よし、ここは……マホミル!!」

「ミュ?」

 

 近くをふわふわと飛んでいたマホミルに声をかけてポフィンの入った袋を渡してあげる。

 

「『あまいかおり』でみんなの警戒心を解いてあげたらこれを一緒に食べよって誘ってくれる?それができたらここにあるの全部みんなで食べていいからさ」

「マミュミュ!?」

 

 まるで本当にいいの!?と言わんばかりに目をキラキラさせてくるマホミル。

 うん、すごくかわいい。

 

「今なら特別にこの飴細工も許可しよう!!」

 

 さらにカバンの中からエンジンシティで貰った飴細工を追加で取り出してマホミルにプレゼントするとよほどうれしいのかまるで舞を踊っているかのようなはしゃぎっぷりを見せてくれる。

 

「ブイブイ!!」

「はいはい、イーブイも欲しいのはわかったから……じゃあイーブイもマホミルの『あまいかおり』を『まねっこ』でものまねして手伝ってあげて?できる?」

「ブイ!!」

 

 了解と敬礼をしながら野生のポケモンに走っていくイーブイとマホミル。

 

「大丈夫かな……」

「上手くいくといいのですが……」

「大丈夫だよ」

 

 少し不安そうな声を上げる二人に対して自信満々に答える。慣れない左手での作業に少し苦戦しながら視線を向ければそこは、最初こそ少し警戒されていたものの、マホミルとイーブイが放つあまいかおりと独特の柔らかい空気に絆されてすぐに心を溶かして接近を許してしまう。そのまま手をつなぎ、楽しそうに踊った後にそっとポフィンを渡し仲良くご飯としゃれこんだ。ポフィンも最初は怪しんでいたものの、イーブイとマホミルがとてもおいしそうに頬張るものだからそれにつられてみんな食べ始め、気づけばポケモンたちによるお菓子パーティのようなものが始まる。マホミル、イーブイ、チェリンボ、チェリム、マラカッチが踊りだし、ハトーボー、オンバット、コロモリが楽しそうに歌い、ヒポポタス、ゴビット、ヤジロンが揺られてさらに踊りだす。その一角はこんな環境でありながら、まるでポケモンコンテストで演技をしているかあのような華やかさがあった。

 

「うわぁ……」

「凄く楽しそうですね……」

「ね?大丈夫って言ったでしょ?」

 

 ボクの言葉に視線を向けずに頷く二人。その視線は楽しそうで、きらびやかで、幻想的な宴に釘付けとなっていた。いつしか親ポケモンたちも体力が回復し始めたのか目が覚め、会場の中心で踊っているわが子を見て微笑ましそうに頬を緩めていた。勿論起きているところを確認してすぐにマホミルがお給仕に走っているのですぐにポフィンを配られている状態だ。何気にそのポケモンがどんな味が好きなのかを瞬時に見抜いてお給仕しているマホミルに地味に驚く。流石クリームポケモンだけあってそういうのを機敏に感じ取る何かでもあるのかな?

 

(とにもかくにも、みんな元気になってよかった。早くご飯作ってみんなの空腹も満たしてあげないとね)

 

「ゴゴ……」

「ん?」

 

 そのためにも焦げ付いたりして味が台無しにならないようにしっかりと混ぜているところに横から掛けられる声に気づきふと横を見るとそこには一匹のゴビットがいた。少し下を向きながら少し申し訳なさを感じるその声を聴いてもしやと思い、混ぜるのを近くにいたジメレオンにお願いしてゴビットに視線を近づけるためにしゃがむ。

 

「君、もしかしてあの時のゴビット?」

「ゴゴ……」

 

 うつむきながら肯定するゴビット。どうやらボクの右腕を殴ってしまったことに少なくない後悔を感じているようで……

 

「謝りに来たの?」

「ゴ!ゴ!」

 

 物凄い勢いで頭を下げるゴビットなんだか微笑ましさがあふれ出てしまい、思わず左手を伸ばしてしまう。叩かれると思ったのか、ゴビットは少し震えてしまう。怯えさせたことは少し申し訳ないななんて思ったけどそのまま手を頭にのせてゆっくり撫でてあげる。

 

「よく謝れたね。えらいえらい。君はやっぱりすごく優しい子だ」

「ゴビ……」

 

 ゆっくり頭を撫でてあげると驚いたように顔を上げるゴビット。予想外だったのか暫く固まっているけど、そんな軒にせずに撫で続ける。

 

「ボクは気にしてないから大丈夫だよ。ほら、これあげるから皆と一緒に遊んでおいで?ご飯できるまでもう少し時間がかかるからさ」

「……ゴビ!!」

 

 ありがとうと返事をしてそのままみんなのところに走って戻っていくゴビット。

 

(うんうん。やっぱりみんな楽しくないとね)

 

 いつの間にかユウリもサイトウさんもボクの手持ちも、ポケモン皆が集まって始まる小さなどんちゃん騒ぎ。その光景を眺めながら。ボクはご飯の仕上げをゆっくりと進めていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




サイトウ

少し……というかがっつりオリジナル展開に持っていきます。
というか彼女自身わからないこと多いので好き勝手やろうかなって



広い所ならともかく狭い洞窟で火をたくのはやめましょうね




世間は盆休み……いいなぁ
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