【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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なんだかんだで40話
定期更新が4日に1話なのでこれで160日……まだまだ頑張りたいですね。


40話

「……よし、準備はこれでいいかな」

「私もできたよ!!」

「こちらもいつでも行けます」

「はぁ、ワタクシとしては危ない橋は渡りたくないのですが……」

「ハミュミュ!!」

「わ、わかったからボクの袖を咥えて引っ張らないで!?」

 

 ロトム図鑑のおかげで元凶の可能性があるポケモンがわかったボクたちは、ユキハミの様子からもしかしたらモスノウの所まで案内してくれるのでは?という考えの下、ユキハミと協力をすればこの吹雪を止めるチャンスかもしれないという結論に至り、この吹雪の中を探索する決意を固めていた。勿論、こんな猛吹雪の中長時間の捜索は自殺行為を超えたバカなのでしっかりとどうするかの段取りは入念に決めて……。

 

「あまり遠くに行くと帰って来れなさそうだからね……」

「まあ、いざと言う時はワタクシのセイボリーテレポートでみなさんをここに戻してあげますよ」

「あれって本気で走ってるだけだよね?」

「それは言っちゃダメだよユウリ」

 

 下手をすれば命を落とす可能性があるとはいえ、ボクたちの心は存外平穏なものだ。やっぱり一人じゃなく、みんなで行動するというのが不思議と安心感を保っていられる原因だと思う。何よりも頼りになる味方だしね。

 

「あなたたち、本当に行くのね……」

 

 外へ行く準備も終えていよいよ出発しようとしたところでこの預かり屋のオーナーさんが来る。心配そうな表情でこちらを見てくるオーナーさんは、できる限り無茶はしてほしくなさそうにしていた。採掘の件があってすぐのことだから心配する気持ちはよくわかるんだけど……

 

「はい。解決の兆しが見えているのに何もしないなんてできませんから。それに……」

 

 思い出されるのは洞窟の中で身を寄せ合って震えていた野生のポケモンたち。住処を追い出されて、凍傷を負って、空腹にもなって……いつ倒れてもおかしくない状況でも生き抜こうとしていたあの子たち。そして別れの時に浮かべていたあの寂しそうな表情……

 

「ここで放っておけるほど、人間出来ていませんから」

 

 絶対に助け出したい。ユキハミも助けてって言ってるようにも見えるから余計にだ。この決意はボクだけじゃなくて、周りを見てみると言葉こそ発しないもののユウリもサイトウさんも……セイボリーさんはよくわかんないけど……とにかく全員この状況を打破するために立ち上がっている。オーナーさんの気持ちもよくわかるんだけど……申し訳ないけどここは譲れない。そんなボクたちの意思はもう変えられないと判断したオーナーさんはあきらめたような表情をする。

 

「……はぁ、わかったわ。その代わり、絶対に全員無事に帰ってくること。いいわね?わたしは……いいえ、わたしたちはみんなあなたたちのジムチャレンジを楽しみにしているんだから……」

「勿論です」

 

 ボクだってこんなところで倒れるわけにはいかないし、倒れるつもりもない。ジムチャレンジがまだまだ残っているのはもちろんだけど、それ以上にコウキとジュンとの約束を果たせていないまま倒れるなんて絶対にするわけにはいかない。

 

「ごめんなさいね。昨日の事と言い、今回のことと言い、本当ならわたしたち大人がするべきことだとは思うんだけど……わたしバトルはそんなに強くないし、ここを離れるわけにはいかないから……」

「私たちがやりたいからしてるだけなんで気にしないでください」

「それに、オーナーさんにはここにいる人たちの安全を守るという大事な仕事がありますので」

 

 ユウリとサイトウさんの言葉に申し訳なさそうに、それでも少し救われたような表情をするオーナーさん。

 

「せめて、こんなことしかできないけど……頑張ってちょうだい」

 

 そういいながらオーナーさんが渡してくれたのは四人分のお弁当だった。決して多くない備蓄のなかから作ってくれたのだと思うととてもうれしい。

 

「わぁ!ありがとうございます!!」

「大事にいただきます」

「ミス、オーナー。感謝を」

「本当にありがとうございます」

 

 四人そろって頭を下げ、大切にカバンの中にしまう。

 

「あなたたちの無事を祈っているわ。行ってらっしゃい」

「「「「行ってきます!!」」」」

「ハミュ!!」

 

 オーナーさんの激励を受け、ボクたちは白銀の世界へと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ、ぐぅ……分かってはいたけど……やっぱり寒い……」

「昨日も味わっているとはいえなれませんね……」

 

 ボクの言葉に賛成の意を込めながらついてくるサイトウさん。ユウリとセイボリーさんも体を震わせながらついてくる。

 

「うう、オーナーさんからカイロ貰ってなきゃもう凍え死んでるよぅ……」

「ですが……これから元凶のもとへ行くとなるとこの吹雪が強くなるのは想像に難くないですよ」

「うへぇ……いやだなぁ……早く解決したい……」

「どちらにしても短期決戦じゃないとボクたちの体力が持たないからそのつもりだけどね……。だからユキハミ、お願いね?」

「ハミュ!!」

 

 ビシッという効果音が聞こえてくるようなはっきりとした鳴き声を発した後におそらくユキハミがつれていきたいであろうモスノウのもとへ進み始める。

 

 

 

 

 ……秒速一センチくらいの速度で。

 

 

 

 

「フリア、私凍え死んじゃう。やっぱり預かり屋にもどろ?」

「流石にこの速度では元凶にたどり着く頃にはわたしも凍えてしまいそうです……」

 

 見た目からそうだろうなぁとは思ったけど素早さの遅いユキハミを見て絶望するユウリと流石に耐えられないという顔をするサイトウさん。セイボリーさんも顔を青くしているけど、これは確かに到着するまでに死んでしまいかねない。

 

「う~ん、仕方ない。ユキハミこっちにきて」

「ハミュ?」

 

 地面を一生懸命走っているユキハミをそっと持ち上げて、帽子の上に乗せる。

 

「ハミュミュ!!」

 

 まるで高い高いをされて喜ぶ子供のような反応を見せるユキハミに思わずほっこりしてしまうけど今は一刻を争う状況。すぐさまユキハミに指示を出す。

 

「ユキハミ、糸を吐くことはできる?」

「ハミュ?」

「君の糸をボクたちが進むべき方向に吐いてほしいんだ」

「ハミュ!!」

 

 ボクの言葉を理解してくれたユキハミがある方向に向かって真っすぐに冷気の混じった真っ白な糸を飛ばしてくれる。流石にゴールまで届くわけではないので途中で垂れて地面に落ちてしまうけど、少なくともこの糸をたどっていけば間違いなくゴールへは最短距離で行けるはずだ。しいて問題を上げるならユキハミがはなっているため糸に冷気が混じっており、これを手に持つとものすごく手が冷たいという事だろうか。しっかりと手袋をつけて 冷えないようにしないとね。

 

「これでちょっとは早く行けるはずだよ」

「流石フリア。頼りになる~」

「しかし、手の方は大丈夫ですか?かなり冷たいと思われるのですが……」

「これくらいなら平気だよ。シンオウ地方でも寒い時は多かったしね」

 

 耐えられるわけではないけど慣れてはいる。ならここはボクが一番適任だと思う。

 

「さぁ、行こう」

 

 みんなが後ろからついてくる気配を感じながら雪の積もった少し歩きづらい道を進んでいく。あまり体力を使いたくないため自然と口数は少なくなっていき、吹雪もどんどん強くなっていく中それでも着実と進んでいくボクたちは、いつの間にか進む速度が上がっていたのかかなり体温が高くなっていくのを感じていった。

 

「うぅ、なんだか少し暑いかも……」

「おかしいですね……元凶に近づいているのならどんどん寒さはきつくなっているはずなのですが……わたしも体温の上昇を凄く感じます……」

「というより気温も上がっているような……これ……上着脱いでもいいですかね……」

「ちょ、みんな!?」

 

 言われてみると確かに体温はおろか、気温そのものの上昇を感じるし正直無茶苦茶熱く感じる。

 

(けどこの症状って……)

 

 シンオウ地方には雪山や雪原地帯が多く、当然寒い地域がかなりを占めており、それ相応に凍傷と低体温症のニュースや話なんてものは割とよく聞く。そんな中でも今のみんなと似たような症状の話を聞いたことがある。

 

 矛盾脱衣

 

 色々と人間の体の機能とかを詳しく説明しないと正確なことは伝えられないから今は省略して大雑把に言ってしまうけど、簡単に言ってしまえば体温調節がバグってものすごく寒い中なのに暑く感じてしまい服をどんどん脱いでしまうという異常行動のこと。勿論実際に体の温度が上がっているわけではなく、自分の体温が上がっていると錯覚しているだけなんでそんな中で服を脱いでしまえば当然のごとく凍死してしまう。実際に裸の状態で凍死した死体が見つかったという話なんてたくさんあるからね。とにかく、みんながその症状になっている可能性がある。けど……

 

(でもあれって少なくとも長時間寒い場所にさらされないとならなかったはず……いくらなんでも早すぎるような……)

 

「どうしたのフリア?フリアも早くそんな暑苦しい上着取れば?」

「いやいや、それは錯覚で実際のところはそんなに暖かくなんてなって……」

「そうなのかな?でも吹雪はもう止んでるよ?」

「……え?」

 

 ユウリに言われて空に……いや、空に目を向けなくてもわかる。いつの間にか視界はだいぶクリアになっており、地面を見ると雪はたくさん積もっているのに空を見ると全然雪が降ってなく、むしろ太陽が燦々と輝いて雪から反射した光がまぶしいくらいだ。ただ後ろの方を振り返ってみると、自分たちが歩いてきた道は吹雪で見えなくなっている。

 

 ある地点を境に晴れと雨に分かれる馬の背分け雨みたいになっている状況なんだけど吹雪と晴れでこうなるのはさすがにワイルドエリアといえど……いや、ワイルドエリアならありえそうなのが怖いところ。でもそれなら今ボクたちがたっているこの場所に雪が積もっていたらおかしいと思う。

 

「なんで……?」

 

 純粋な疑問。大前提として竜巻の中心に飛び込んでいくようなものなんだから近づけば近づくほど強力になるのは当たり前だ。今回もそのつもりで歩いてきたんだけど……

 

「台風の目みたいにど真ん中は影響がないとか……?」

「にしてはまだまだ糸が続いているんだよね……」

 

 持っている糸を軽く持ち上げるとユキハミが吐いてくれた糸の道はまだまだ続いている。ここが中心というにはいささか遠すぎる。

 

「とにもかくにも、この先にいることに変わりはないのです。後ろが吹雪で閉ざされている以上預かり屋の吹雪が治まっていることもないでしょう。ワタクシたちがやることは何も変わらないです」

「そうだね……よし、先に行こう」

 

 確かにこの現象には少しの気持ち悪さを感じるものの、ここでボクたちが足を止めていい理由にはならない。ユキハミに確認のための糸を再度吐いてもらい着実に元凶のもとへと足を運んでいく。

 

 預かり屋から出て数十分……いや、何時間かは経っているかもしれない。かなり長い間歩いたボクたちはユキハミの糸を頼りにようやく怪しい所にたどり着く。

 

「ここ、だね……」

「ここって……巣穴?」

「ハミュ!」

 

 ユキハミの糸がダイマックス巣穴のふちに張り付いていた。ということはここにモスノウがいるという事だろう。けど……かなり気になる点がある。

 

「何ですかこの巣穴。中から感じる空気がむちゃくちゃです」

「ええ。ぬるい風、熱い風、寒い風……その3つがものすごい勢いでローテーションされている感じです。寒暖差が激しすぎてそれだけで頭がくらくらしそうですね……」

 

 セイボリーさんとサイトウさんが言う通りここから流れてくる風の温度がむちゃくちゃだ。変わる周期が一秒未満の間隔のせいでそんなにここの入り口に立っているわけではないのにすでに気持ち悪さをひしひしと感じてしまう。

 

「ハミュ!ハミュハミュ!!」

 

 けどユキハミはこの先にいるんだと言わんばかりに叫ぶ。その叫ぶ声は預かり屋にいたころと比べるとかなり焦っている声に聞こえる。

 

(元凶がいる場所がまさかこんな魔境だったなんて想定外もいい所だよほんと……けど、ここまで来たらあとは簡単なはず!)

 

 中に入って元凶を吹っ飛ばす!それだけだ。

 

「よし、行くよみんな!!」

「「「ええ!」」」

 

 後ろからついてくる気配を感じながらボクが先導する形で中に入っていく。ここから先はユキハミの糸も通りにくいし、そもそも一本道にも見えるこの道だと道案内そのものが必要なさそうに見える。

 

 ダイマックスエネルギー特有の赤のような紫のような、独特な光で照らされた巣穴の中を慎重に進んでいくボクたち。するとその途中でちらほらとここに住んでいるポケモンたちの姿も見えてくる。

 

 ダイマックス巣穴と呼ばれるこの巣穴は、別にダイマックスポケモンしかここにいないというわけではない。というか数だけで見れば普通サイズのポケモンの方が暮らしている数は圧倒的に多い。まあそこは当たり前というかダイマックスした個体ばかりだとここが怪獣大戦争になってしまう。これはボクたち人間が、この巣穴からダイマックスエネルギーの放出をたくさん観測でき、かつそのエネルギーを吸収してダイマックス化現象を起こすポケモンをよく発見するからそう呼んでいるだけであって、ポケモンたちからしてみればただ過ごしやすいだけの巣穴というだけだ。

 

 また、ダイマックス巣穴に生息するポケモンはタイプが偏る傾向にあるらしく、この巣穴はむしタイプが好んで住む巣穴のようだ。もっともその中でもこの巣穴はかなり偏りがある方みたいだけど……

 

「この巣穴……ユキハミとモスノウしかいない……?」

「この子たちによって縄張り化してますね……そんなにこの巣穴の環境が気に入っているのか、はたまたユキハミ族にとって心地いいのか……」

「ですが……ユキハミたちの表情がそこはかとなくつらそうにも見えますが……」

 

 サイトウさんの言葉を聞きながら改めてユキハミたちの表情を見ると確かに苦しそうだ。けどその理由は割と簡単に予想できそうだ。

 

「それはそうだと思うよ。だってこおりタイプの巣穴だっていうのに……奥に進めば進むほど温度変化の割合が温暖寄りになっているもの」

 

 吹雪の元凶と思われるモスノウとユキハミたちでありふれているこの巣穴。最初は突入した瞬間外よりも激しい猛吹雪によって追い出されるのでは?なんて予想をしていたけど、ふたを開けてみたら奥に進えば進むほど熱気の方が強くなっている。それに比例してか、洞窟内の温度も上がっており、とてもこおりタイプのポケモンが住んでいるようには思えないような温度にまでなっている。その証拠に既にボクたちの服装も変わっており、上着は完全にしまい込まれている。サイトウさんに至っては腕まくりまでしているため実質半袖みたいな状態だ。それほどまでにこの巣穴の中は暑くなっていた。

 

「一体この巣穴で何が起きてるの……?」

 

 もしかしたらボクの予想よりもやばい状況になっているのかもしれない。

 

 さらに気を引き締めて一歩、また一歩と奥に進むボクたち。

 

「……ハミュ」

 

 迫真の声を上げて前を見つめるユキハミ。

 

 そしてついに巣穴の一番奥と思われる場所につく。そこには……

 

「こ、これは……っ!?」

 

 大きな空間を飛び回るモスノウの群れ。真っ白で美しささえ感じるその舞は一つの芸術となっており、空中を飛び交う吹雪と相まって幻想的な空間になっていた。今が危機的状況でなければ普通にその光景に目を奪われていたことだろう。

 

 しかしそれを真ん中でたたずむものが許さない。

 

 あまたのモスノウが飛び回るその中心。荒れ狂う吹雪の中でもものともしないその姿。ダイマックスを行い、モスノウの群れを吹き飛ばさんばかりの勢いで炎を巻き上げるその姿。

 

 

 

 

 それは白色の体毛に3対計6枚の赤色の翅を携えたポケモン。

 

 

 

 

 火の粉をまき散らしながら悠々と空中にたたずむその姿は他の地方で太陽の化身として伝えられていたポケモン。

 

 

 

 

「ウルガモス……っ!!」

 

 

 

 

 たいようポケモン、ウルガモスであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハミュミュ!!」

 

 ダイマックスしたウルガモスと大量のモスノウがぶつかりあう戦場。その中心に向かって叫ぶユキハミはボクの頭から飛び降りて、ある一匹のモスノウに向かって視線を向けていた。向けられたモスノウはおそらくこのユキハミの親なのだろう。こちらのユキハミを見た瞬間に鳴き声を返してくる。

 

「フォォォ!!」

「ハミュミュ!!」

 

 感動の親子の対面……と言いたいんだけどモスノウとユキハミのやり取りの結果ボクたちの存在がウルガモスにばれてしまう。

 

 

『フィイイイイイッップ!!!』

 

 

「っ!?キルリア!『ひかりのかべ』!!ジメレオン、『みずのはどう』!!二人とも全力でウルガモスの技の威力を抑えて!!」

 

 突如叫びだすウルガモスを見て嫌な予感が駆け巡ったので慌ててキルリアとジメレオンを展開。ウルガモスが放ってきたのはねっぷう。相手全体を攻撃する高火力のほのおタイプの技。それがダイマックスによって大きくなったウルガモスから放たれているため、威力こそはあまり変わらないものの範囲がとんでもなく広く、まるでほのおの津波だ。あまり変わらない威力だってウルガモスそのものが強いせいで油断なんて全然できない。

 

「すいません、少し驚いてしまって反応が遅れました。感謝します」

「ありがとうフリア。私も戦う!」

「ワタクシも行きますよ」

 

 場に出てくるゴーリキー、オトスパス、ラビフット、アブリー、ガラルヤドン、ユンゲラー。皆敵の強さをはっきりとわかっているから二体ずつの登場だ。ボクも場合によっては相棒を切らざるを得ないかもしれない。

 

「だけどこのウルガモスを倒せばようやく吹雪が終わるはず!」

 

 モスノウの図鑑説明には『野山を荒らすものには容赦しない。冷たい羽根で飛び回り、吹雪を起こして懲らしめる』とある。ここは野山じゃないけど、この野山を巣穴に替えれば意味は通じる。

 

「あの異常な吹雪はモスノウによって引き起こされたものだけど、モスノウ自身が撃ちたくて撃ったわけじゃなくて自分たちの住処を荒らしてきたウルガモスを追い払うために放っていたっていうこと……だよね」

「だけど、ウルガモスはほのおタイプ。モスノウがもっとも苦手とするタイプ。だからなかなか追い返すことができずに何日も戦い続けていたんだ」

 

 その結果がこの数日続いた吹雪の正体。

 

 ダイマックスウルガモスとモスノウの群れによる戦いの余波が外に漏れていった結果があの吹雪というわけだ。

 

 なぜ吹雪だけ外に漏れたかは、おそらく中心にあって吹き飛ばすように放たれているか、外を覆うように攻撃が飛んでいるかの違いだ。中心を渦巻くほのおが周りの雪や冷気を外に吹き飛ばしていたため外側にある吹雪だけが外に漏れて外が吹雪に見舞われる事態に。逆に近づいてしまえばほのおの方が威力やタイプ相性的に強く残るので熱くなってくる。

 

 この吹雪はモスノウが自分の家を守るために放っていたものだ。

 

 そしてボクたちの前に現れたユキハミが助けを求めてきた理由でもある。

 

 ならばその家を攻撃してくるウルガモスがおとなしくなればモスノウが吹雪を撃つ理由もなくなるし、ボクたちをここまで連れてきてくれたユキハミの要望も応えられる。

 

 つまりボクたちがとるべき行動はさっきも言った通り……

 

「やるよ。絶対にこのウルガモスを止める!!」

「「「勿論!!」」」

 

 想像以上に大ごとになっていったけど、このウルガモスさえ止められたら預かり屋の人たちを、あの洞窟のポケモンたちを、ほかのジムチャレンジのみんなを助けることができる。そして……

 

「ハミュ……ハミュ……!」

「ユキハミ……うん。必ず君の家族を助けてあげるからね」

「……ハミュ!!」

 

 今にも泣きそうな声を上げているユキハミも、今戦場で傷ついているユキハミの家族も助けられる。

 

「ジメレオン!『みずのはどう』!!キルリアはサイコパワ―で補佐!!」

「ラビフット!『ひのこ』!!アブリーは『しびれごな』!!」

「ゴーリキー、『ローキック』!オトスパス、『たきのぼり』!」

「ヤドン、『みずのはどう』!ユンゲラー、『サイコカッター』です!!」

 

「「「「フォォォォォ!!」」」」

 

 

『フィイイイイイッップ!!!』

 

 

 荒れ狂う吹雪、燃え盛る熱風。その中でつぶされないように立ち向かうボクたちのポケモン。

 

 それぞれが自分たちの守りたいものを守るための戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




矛盾脱衣

気を付けてくださいね。
シャレにならないので……

巣穴

実機ではここにモスノウが出てくる巣穴はないんですけどむしタイプの巣穴はあるのでまああってもおかしくはないのでは?ということで……

ウルガモス

というわけで真の元凶です。
モスノウVSウルガモスという構図を描きたかったのでこうなりました。
鎧の孤島で追加されたときにも話題になりましたよね。
ポケモンスナップでもウルガモスはすごく良かったので書きたいなぁと思いこうなりました。
ユキハミは戦いの余波と親のモスノウに逃がしてもらうために飛ばされて転がってを繰り返していくうちに預かり屋の近くまで飛んできていたという形ですね。

……でもなんでこんなところにウルガモスがいるんですかね?(ダ○ガ○ロ○パのなん図書風)






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